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自己破産後の住宅ローンへの影響と家を残す方法とポイント

澁谷 望
監修者:弁護士法人・響 弁護士
澁谷 望
  • 所属弁護士会:第二東京弁護士会 第54634号
  • 出身地:熊本県
  • 出身大学・大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
  • 保有資格:弁護士・行政書士
  • コメント:理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。
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自己破産をすると住宅ローンは返済しなくていいの?

自己破産による住宅ローンへの影響は?

住宅を購入した当初とは事情が変わり、住宅ローンの返済が苦しくなってしまうケースは多くあります。
中には、すでに自己破産で解決しようかと検討している方もいるかもしれません。

でも、せっかく住み慣れた住宅はできるだけ手放したくありませんよね。

そこでこちらの記事では、
自己破産すれば住宅ローンは返済不要
自己破産後も住宅に住み続ける方法
自己破産以外にもできること

などについて解説します。

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自己破産すると住宅ローンの返済義務はなくなる

自己破産は、借金の支払いが難しくなったときの解決方法として有効ですが、手続きをすると住宅ローンや購入した家はどうなるのでしょうか。

自己破産は借金を払わずにすむための手続き

自己破産は今あるすべての借金を返済しなくてもよいということを、裁判所から法的に認めてもらうための手続きです。

所有している財産をお金に換えて返済する破産手続と、残りの借金を免除してもらう免責手続を並行して行います
ギャンブルでできた借金や税金の支払いなどは免除されませんが、住宅ローンは自己破産の対象となっているため、裁判所から認められれば現在抱えているローンの返済義務もすべてなくなります。

住宅ローンを払わない代わりに住宅は手放す

自己破産の手続きが認められると、残った住宅ローンは返済義務を免除されますが、住宅ローンの残額は、住宅を売却して可能な限り支払わなければなりません
一般的にローンを組んで購入した住宅は金融機関から担保にされているため、自己破産すると担保の住宅は売却処分されることになります。

一方、住宅ローンの支払いは終わっていて住宅ローン以外の借金を自己破産する場合でも、住宅を残すことはできません
自己破産をすると、はじめに一定額以上の財産を売却処分して借金残額の返済に充てる破産手続をする必要があります。
高額に売却できる住宅はほとんどの場合処分対象の財産となるため、手放す可能性が非常に高いと考えていいでしょう。

自己破産しても住宅に住み続ける方法

今まで生活してきた住宅に自己破産をした後も住み続けられる方法はあります。
住宅を売却し、新たな買い主から賃貸する、というやり方です。

親しい親族に任意売却する

住宅を親族に任意売却ができないかを検討してみましょう。

任意売却は、住宅ローンの返済ができなくなった場合に、住宅を売却してローン残額の返済に充てる手続きです。
裁判所が介入して強制的に売却してしまう競売とは違って、任意売却は債務者自身で売却の手続きを進めることができます。

競売にない任意売却のメリットの一つが、事前に売却する相手を債務者が決められる点です。
任意売却で親族に住宅を購入してもらえれば、親族に家賃を支払いつつ同じ家に住み続けるという方法(リースバック)が取れます。

ただし親族間で任意売却するには次のようなハードルがあります。

  • 親族といえど相場の適正価格以上で売却しなければならない
  • 購入する親族に融資してくれる金融機関を探さなければならない
  • 住宅ローンの債権者の同意が必要
  • 住宅ローンの債権者に不利益になるようなことがあってはならないため、親族であっても相場の適正価格で購入する必要があります。
    融資してくれる銀行を探すためにも、購入してくれる親族に相応の財力や社会的信用が求められます。

    売却後はリースバックで住み続ける

    リースバックとは、住宅を売却したオーナーにリース料(家賃)を支払いながら賃貸で同じ家に住み続けることで、オーナーには親族でも親族以外でもなることができます。

    住宅の所有権は他人の名義になってしまいますが、引っ越す必要がなく、表面的にはこれまでと同じ生活ができます。

    ただし自己破産をした上にリースバックで住み続けようとする場合は、次の条件が必要です。

  • 債権者や破産管財人の許可が必要になる
  • 相場より高い家賃を払う可能性がある
  • 自己破産では、借金残額の返済のために財産を処分して債権者に分配します。 裁判所から選ばれた破産管財人は、債権者が損をしないように財産を処分するので、リースバックの際には破産管財人の許可が必要です

    さらにリースバックは相場よりも家賃を高くされる傾向にあるため、高額な家賃設定をするオーナーにあたらないように、オーナーは慎重に選ばなければなりません。

    自己破産の前に検討できる3つのこと

    自己破産をした後に住宅に住み続けるのは簡単なことではないので、自己破産を決める前に検討しておくべき他の方法を、ここで確認しておきましょう。

    任意売却で資金を捻出する

    自己破産をする前に任意売却することで、返済するための資金を捻出することができます。
    任意売却には多くのメリットがある一方で、一部デメリットもあるのでどちらも押さえておきましょう。

    自己破産前の任意売却のメリット

    自己破産の前に任意売却を行うことには次のメリットがあります。

  • 自己破産が同時廃止になる可能性がある
  • 手元に現金が残る
  • もし住宅以外に財産がなければ、任意売却をしておくことで自己破産を同時廃止として進められます。
    自己破産をするときに処分すべき高額な財産があると破産管財人を雇うための予納金20万円以上を裁判所に納めなけれなりません。
    高額な財産がなければ同時廃止となって予納金が1~3万円程度になるので、裁判所費用が節約できるのです。

    また住宅ローンの残債よりも高い金額で任意売却ができれば、手元に現金を捻出できます。
    現金は自己破産後も99万円までなら手元に残せるので、現金が捻出できれば、リースバックの家賃や債務整理の弁護士費用などのために準備することも可能です

    自己破産前の任意売却のデメリット

    自己破産前に任意売却をするデメリットには次のようなものがあります。

  • 任意売却は自分でしなければならないので手間がかかる
  • 任意売却で住宅ローンを完済できないと住み続けられない
  • 自己破産をすれば住宅の売却は破産管財人に任せてしまえばいいのですが、任意売却は自分で行わなければならず、大きな手間がかかります。

    任意売却をした金額が住宅ローンの残債よりも低いと(オーバーローン)、金融機関が担保物件を売却できる債権(抵当権)を外すことができないため、結局はリースバックによって住み続けることができなくなります。
    住宅ローンを任意売却する人の多くがオーバーローンとなるため、任意売却によって住み続けることは非常に難しいのが実状です

    個人再生や任意整理を検討する

    債務整理はしたいけど住宅は手放したくないという場合は個人再生や任意整理で解決する方法があります。

    個人再生

    個人再生は100万円を最低返済額として、借金総額を最大10分の1にまで圧縮することができる債務整理です。

    自己破産と同じく財産を処分してすべての債権者への返済に充てる必要がありますが、個人再生では住宅ローンを契約通りに支払い続けることで住宅を残せる制度があります(住宅ローン特則)。
    住宅ローン以外の借金が大きい場合は、個人再生によって借金総額を減らし、住宅ローンだけを負担することでこれまでどおり住み続けることができます

    任意整理

    任意整理は利息や遅延損害金の負担を免除してもらい、元金だけを3~5年で返済する債務整理です。

    すべての債権者が整理の対象となる個人再生や自己破産とは違い、特定の借金だけを選んで手続きできるので、住宅ローンは今までどおり支払いを続けて、他の借金だけを任意整理すれば、住宅を手放すことなく返済の負担を軽くすることができます

    銀行に返済計画を相談する

    減収や支出の増大などにより当初の返済計画では支払いが難しくなってしまった場合、銀行に相談することで、月々の支払い額を少なくするなどして返済計画の見直し(リスケジュール)をしてもらえることがあります。

    ただし住宅ローンのリスケジュールは次の点に注意してください。

  • 延長した期間分の利息が上乗せされるので返済総額が増える
  • 住宅ローンの最長期間である35年以内での対応となる
  • 支払猶予は失業や病気などで収入が途絶えたときの一時的な措置である
  • あくまでも一時的な対処法ですので、今後の返済が難しそうな場合は債務整理で早めに解決を図るほうが得策かもしれません。

    自己破産後の住宅に関して気を付けること

    自己破産手続きは、少なからず後々の住宅の購入や賃貸に影響を及ぼすことがあります。
    自己破産後に住む住宅の確保について、気を付ける点を押さえておきましょう。

    自己破産後もしばらくローンは組めない

    自己破産後はしばらく住宅ローンが組めなくなります。
    自己破産をした事実は信用情報機関に事故情報として最長10年間は登録され、新たに住宅ローンを組もうとしても、金融機関に事故情報を確認されて審査が通らなくなります。

    住宅ローンだけではなく、借入やクレジットカードなども同様に審査で落とされます。

    賃貸住宅が契約できない場合もある

    自己破産をしたことが原因で賃貸契約を断られるということは基本的にありませんが、物件によっては自己破産をすると賃貸契約ができなくなるケースがあります。

    物件のオーナーや不動産会社によっては、滞納された家賃の回収をしやすくするために賃貸保証会社との契約を条件とするところがあります。
    債務整理した人の記録は貸金業登録している金融機関でないと信用情報機関で確認できませんが、賃貸保証会社は貸金業登録している事業者が多く、過去に自己破産をしている場合は信用情報機関で調べられて賃貸契約ができなくなる可能性があるのです。

    まとめ

    自己破産をすると住宅ローンを支払う義務はなくなり、経済的な負担や借金の悩みは解消されますが、住宅は手放さなければなりません。

    しかし、自己破産をした後も今まで住み慣れた住宅に住み続ける方法はいくつかあります。
    任意売却によって自己破産後の家賃を捻出しておくのも方法の一つですが、個人再生や任意整理といった別の債務整理で借金の負担を軽減することも可能です。

    住宅ローンの返済や自己破産のことで困ったら弁護士に相談しましょう。
    住宅を残すための手続きや住み続ける方法など、適切なアドバイスをしてくれます。

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