「借金が減らないけど…金利が関係あるの?」
借金の負担は金利によって変わります。
金利が高くて返済額が低ければ、なかなか借金は減りません。
そこで、この記事では、借金が減らない理由と金利の関係がわかるように詳しくご説明します。
金融業者ごとの金利や、具体的な返済シミュレーションなどもご紹介していきますので、ご自身の金利や借金状況などを把握するときの参考にしてみてください。
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金利は借金に対する利息(利子)の割合
借金返済が思うように進まない原因には金利があるかもしれません。
まずは金利の概要についてご説明します。
金利について|利子や利息との違いは?
金利、利子、利息、ぞれぞれを混同してしまいがちですが、次のような違いがあります。
・金利
お金を借りた側(あなた)が、貸した側(金融業者など)に対して、借入額に追加して支払う金額の元本に対する割合。
・利子
お金を借りた側が、元本に追加して支払うお金。
・利息
お金を貸した側が、元本に追加して受け取るお金。
利子と利息は、お金を借りる側、貸す側という立場の違いで使い分けられますが、意味は同じなので、示している数字も同じです。
利息は次の計算式で求めることが可能です。
利息=利用残高×金利(実質年率)÷365(日)×利用日数
この計算式から、利息額は金利の大きさによって変わることがわかります。
金利には上限がある
現在の金利の上限は、利息制限法と出資法という、金融業者や個人間の借金に適用される2つの法律によって決められています。
【利息制限法の上限金利】・元本10万円未満 年率20%
・元本10万円~100万円未満 年率18%
・元本100万円以上 年率15%
【出資法の上限金利】
・金融業者 年率20%を超えると刑事罰の対象
・個人間 年率109.5%を超えると刑事罰の対象
グレーゾーン金利は2つの法律から生じた金利差
グレーゾーン金利とは、かつて利息制限法と出資法の上限金利の間に存在していた金利の差をいいます。
現在の出資法における金融業者の上限金利は年率20%ですが、2010年6月17日まで年率29.2%と定められていました。
つまり、2010年6月の法改正までは、利息制限法の上限金利20%を超えても、出資法の上限となる年率29.2%を超えなければ刑事罰がくだされることがなかったのです。
この2つの法律によって生じていた金利の差がグレーゾーン金利となります。
現行法を基準にして過去に払い過ぎた利息は、「過払い金」として返還請求が可能です。
借金が減らないと感じる理由
借金が減らないことと金利にはどのような関係性があるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
返済額に占める利息が大きい
月々の返済額に占める利息が大きいと、借金はなかなか減りませんが、この利息の大きさに金利が関係しています。
【金利18%の場合】
利息の計算式は
利息=利用残高×金利(実質年率)÷365(日)×利用日数
ですので、たとえば50万円を金利18%で借りた場合、1ヵ月(30日間)にかかる利息は次のとおりです。
50万円×18%÷365×30=7,397円
7,397円が1ヵ月分の利息額なので、翌月に1万円返済する場合、元金の返済分は1万円-7,397円=2,603円です。
返済額1万円の約74%が利息に充てられ、約26%しか元金返済に充てられていないことになります。
1ヵ月返済した段階での元金残高は50万円-2,603円=49万7,397円です。
【金利10%の場合】
同じく元金50万円を金利10%で借りた場合、1ヵ月(30日間)にかかる利息はこうなります。
50万円×10%÷365×30=4,109円
翌月に1万円返済する場合の元金返済分は、1万円-4,109円=5,891円です。
返済額1万円の約41%が利息にあてられ、半分を超える約59%を元金返済に充てられます。
その結果、1ヵ月返済した段階での元金残高は50万円-5,891円=49万4,109円となり、金利18%のときよりも、借金返済が進んでいることがわかります。
このように、金利が高いと、返済額に占める利息が大きくなって元金の減り方が鈍るので、完済までの道のりは長期化してしまいます。
毎月の返済額が少ない
借金がなかなか減らないのは、金利だけが理由とは限りません。
先ほどの例で見てみましょう。
50万円を金利18%で借り入れた場合の利息は7,397円でしたが、翌月の返済額を2万円にすると、元金の返済分は2万円-7,397円=1万2,603円となります。
1万円返済の場合の元金返済分は2,603円でしたが、返済額を2万円に増やすことで、元金を1万円多く返済できます。
このペースで毎月返済を続けられれば、元金の残高は毎月1万円返済するよりも早く着実に減っていくので、完済までの期間が短縮されることになるのです。
なお、金利や返済額によって利息が変わってくる様子は、後ほどシミュレーションを使って具体的に説明します。
借金するときの金利の相場
借入れ先の金融業者の金利が高いか低いかが気になるのではないでしょうか。
各金融機関の金利相場は次のとおりです。
銀行名 | 金利(実質年率) |
---|---|
三菱UFJ銀行 | 1.8%~14.6% |
楽天銀行 | 1.9%~14.5% |
みずほ銀行 | 2.0%~14.0% |
三井住友銀行 | 4.0%~14.5% |
消費者金融名 | 金利(実質年率) |
---|---|
アコム | 3.0%~18.0% |
アイフル | 3.0%~18.0% |
プロミス | 4.5%~17.8% |
上記の表はあくまで目安であり、借金額や返済回数によっても変わってきます。
利息額をシミュレーション|金利や返済額別に解説
借金が減らないと感じる理由に金利が関係することを説明しましたが、金利の大きさによって返済総額はどのように変わるのでしょうか。
具体的なシミュレーションで違いを見てみましょう。
借金50万円の場合
借金50万円、毎月1万円返済する場合を、金利を変えてでシミュレーションすると次のようになります。
【毎月1万円返済するとき】
金利(年率) | 月々の返済額 | 利息総額 | 返済総額 |
---|---|---|---|
4.70% | 1万円 | 5万7,530円 | 55万7,530円 |
7.70% | 1万円 | 10万4,846円 | 60万4,846円 |
15.0% | 1万円 | 28万9,501円 | 78万9,501円 |
金利4.70%と金利7.70%、月々1万円の返済を比較すると、利息総額はそれぞれ5万7,530円、10万4,846円で、差額は4万7,316円です。
金利が大きい7.7%の方が、4万7,316円多く負担していることになります。
金利4.70%と金利15.0%、月々1万円の返済を比較した場合は、利息総額の差額は23万1,971円。
金利が大きい15.0%の方が、23万1,971円多く負担しており、その差額は金利7.70%のときよりさらに大きくなっています。
これらの利息総額は、毎月の返済額が変わるとどうなるのかを、毎月1万5,000円返済する場合のシミュレーションと比べてみましょう。
【毎月1万5,000円返済するとき】
金利(年率) | 月々の返済額 | 利息総額 | 返済総額 |
---|---|---|---|
4.70% | 1万5,000円 | 3万6,824円 | 53万6,824円 |
7.70% | 1万5,000円 | 6万4,364円 | 56万4,364円 |
15.0% | 1万5,000円 | 15万823円 | 65万823円 |
同じ金利15.0%でも、返済額1万円と1万5,000円で5,000円違えば、利息総額は13万8,678円違います。
月々の支払いを増やすと、結果的に最終的な負担を減らすことができます。
借金100万円の場合
次に借金100万円の場合の金利を変えて、返済額が2万円と3万円のときの各シミュレーションを見てみましょう。
金利(年率) | 月々の返済額 | 利息総額 | 返済総額 |
---|---|---|---|
4.70% | 2万円 | 11万5,083円 | 111万5,083円 |
15.0% | 2万円 | 57万9,052円 | 157万9,052円 |
4.70% | 3万円 | 7万3,669円 | 107万3,669円 |
15.0% | 3万円 | 30万1,674円 | 130万1,674円 |
金利4.70%と金利15.0%、月々2万円の返済を比較すると、利息総額はそれぞれ11万5,083円、57万9,052円で差額は46万3,969円です。
金利が大きい15.0%の方が、46万3,969円多く負担していることになります。
同じ金利15.0%でも、返済額2万円と3万円で1万円違えば、利息総額は27万7,378円違います。
月々の支払いを増やすと、結果的に最終的な負担を減らすことができます。
金利が大きくなるに伴って、利息総額も増えていきますし、利息総額は、借金50万円よりも借金100万円の方が大きくなります。
金利が同じ大きさのときは、毎月の支払い額を増やす方が利息額を抑えることができます。
借金を早く減らすには、金利に加えて、月々の支払いを総合的に考える必要があるでしょう。
低い金利で借金できる方法
金利をおさえて借入できないかとお考えの方もいると思います。
そこで、低い金利で借入れできる方法をご紹介しますので参考にしてみてください。
無利子になる機会を利用する
金融業者によっては無利子キャンペーンを行っています。
主に消費者金融が30日間の無利子期間を設定していますので、その期間は金利がかかりません。
ただし、無利子期間を過ぎれば金利が発生しますので、借りすぎには注意しましょう。
政府や支援機関の制度を利用する
無利子や低利子で政府・支援機関の制度を利用する方法があります。
低所得者、高齢者、障害者の生活を経済的に支えるための貸付制度で、無利子もしくは年1.5%の金利で利用できます。
母子父子寡婦福祉資金は、20歳未満の子供を扶養する母子家庭の母、父子家庭の父を対象にした制度で、各自治体が窓口です。
女性福祉資金は6ヵ月以上の都内在住者で、配偶者のいない女性を対象にしています。
どちらも無利子もしくは年1.0%の金利で利用できます。
中学校卒業以上の子供がいる保護者を対象に、大学、短大、専門学校、高校の進学や学費など幅広い用途に対応している貸付制度です。
金利は年1.68%です。
各自治体が中央労働金庫などと提携し、市内在住の勤労者に対して、入院や自然災害などの事情でお金が必要な場合の貸付制度です。
金利は年0.7%~2.0%程度です。
大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象に給付もしくは貸与を行っています。
日本学生支援機構の場合、金利の上限は3%とされています<。
まとめ
かつては利息制限法と出資法の違いによるグレーゾーン金利もありましたが、金融業者の現在の金利は法律によって上限年率20%と決められています。
借金が減らないと感じる理由には、金利の高さや、返済額に占める利息の大きさがあります。
利息の負担が大きければ元本はスムーズに減らないので、各金融業者ごとの金利を把握するとともに、月々の返済額も踏まえて返済の計画を立てると良いでしょう。
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