1. ホーム
  2. 債務整理全般
  3. 時効成立後の借金を返済してしまったら?
2020.02.05
2,828 views

時効成立後の借金を返済してしまったら?

借り入れをした経緯はあったものの、今までなにも音沙汰がなかった貸金業者から突然請求が来ました。しかし、最後の返済日からすでに5年以上が経過しています。

時効成立後の借金を返済してしまったら?

こういった場合の正しい対処法は、時効援用の主張をすることです(詳しくは「長い間まるで請求のなかった債権者から突然の請求がきたら」)。

時効援用をすることによって、貸金業者の請求権は法的効力を完全に失うことになります。

しかし、なにも知らずにこの請求に対して支払いをしてしまった場合、一体どうなってしまうのでしょうか。

時効完成後の債務承認

このような状況を法律的には、「時効完成後の債務承認」といいます。

5年間という時効の期間がすでに経過しているにも関わらず、返済したということは、債務の存在を認めた(承認した)と言い換えることができます。

よって、時効は一度リセットし、翌日から再スタートされることになるため、その返済からさらに5年間が経過しないことには、支払ってしまった側は時効の主張をすることができなくなってしまうのです。

最高裁判所での判例もある

このような事案は、過去に最高裁判所でも争われたことがあり、その際は、「信義則に反するため、時効の援用は認めない」といった判決が出されています。

信義則というのは、いったん相手を信頼させたのに、それを裏切ってはならないといったものです。要するに、「債務の承認をしたことによって、支払いを期待した貸金業者を裏切ってはならず、時効の主張は認めない」ということです。

しかし、その一方でこんな判例も

この最高裁判例は昭和41年のものですが、平成に入ってからは別の判例も出てきています。その判例というのが、「信義則を保護するに値しない」といったものです。

どういうことかというと、貸金業者側の支払ってもらえるだろうという期待をあえて保護する必要はない、と裁判所が判断したのです。

この裁判には次のような事情がありました。

  • 支払ってしまったのは少額で、1回のみだった
  • 貸金業者側は時効であることを知りながら請求していた
  • 支払った側は時効についての知識はなく、貸金業者側はそれを知っていた
  • 最後の返済から貸金業者が請求をするまでに16年が経過していた

このような事情をかんがみて、裁判所は最高裁判例とまったく違った判決を出したというわけです。

支払ってしまっても諦めてはいけません

もし、いきなりの請求にわけもわからず支払いをしてしまったとしても、まだ諦めることはありません。裁判によって時効の主張が認められれば、それ以上の支払いをする必要はなくなります。

裁判はやってみなければわからないという側面があるうえに、どうしても高度な法律知識が必要になってしまいます。支払いをしてしまった場合は、必ず専門家の力を借りるようにしましょう。

関連する人気の記事