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2020.05.13
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滞納が長引くと「差押え」の可能性も?回収の流れと回避する方法

差押えって何?避ける方法はある?
どのような流れで、どんな財産を差し押さえられるの?

借金の滞納により財産を差し押さえられてしまった場合、特に給料の差押えを受けたときは、債権者や裁判所から勤務先の会社に通知が届くため、ローンの滞納や差押えの強制執行を受けた事実が明らかになってしまいます。差押えによって受け取れる給料が減り、日常生活に支障が出れば、家族に知られるのも時間の問題でしょう。

ローンの滞納が長引けば、一定の財産を差し押さえられるおそれもあります。この記事では、差押えまでの流れや適切な対処法について解説します。差押えによる不安を解消しつつ、借金問題を根本的に解決するためにはどうすべきかを考えていきましょう。

差押え対象と手続きの段階的な流れ

そもそも、どのような事態に陥ると「差押え」の対象になるのでしょうか。まずは、差押えの対象となる状況や手続きの流れについてご説明します。

どんな場合に差し押さえられる?

ローンやクレジットカードなどの滞納が続くと、債権者から「支払督促」や「訴訟」を提起され、特別送達(裁判所から関係者などへ書類が送られた事実を証明する特殊取り扱いの郵便物)が自宅に届きます。これも無視し続けていると、。裁判や決定等により、債権者が請求した金額の支払いを命じられることになります。

その結果、債権者は判決書や仮執行宣言付支払い督促を利用して債務者の財産を差押え可能な状態となります。「仮執行宣言」は、仮」という言葉はついているものの、強制執行ができてしまう手続になります。債権者が裁判所に対して給与差押えをすると債務者の給料が、預貯金口座の差押えをすると預貯金口座が差し押さえられることになります。

差押えの対象となるもの

一般的に、差押えの対象となる主な財産は下記のとおりです。

  • 給料
  • 各金融機関にある預貯金
  • 自動車や貴金属などの換金できるもの
  • 不動産
  • 小切手や株券、有価証券などの動産
  • 給料は、「手取り額の4分の1」を上限額として差押えの対象となります。これにはボーナスや退職金も含まれるのでご注意ください。手取り額が33万円を超える場合は、手取り額から33万円を差し引いたうえで、残ったすべての給与が差押え対象となります。

    各金融機関にある預貯金には差押えの上限額が設けられていないため、全額が差押えの対象となります。ほかにも、自動車や貴金属といった日用品以外の換金可能なものや、生命保険の払戻金なども差押えの対象となります。ただし、金銭的に価値のないものや債務者本人の名義でないものは差し押さえられません。

    税金の場合に注意したい「差押え対象」の違い

    なお、滞納したのが借金でなく税金の場合は、下記の(1)~(4)の合計額を差し押さえられることはありません。ローンの滞納で差し押さえられるケースとは異なる部分があるので注意しましょう。

    1. 給与から控除される所得税や住民税、社会保険など
    2. 月額10万円
    3. 同一生計の配偶者や子供などの親族1人あたり4万5000円
    4. 給与から所得税や住民税、社会保険を控除した額の20%

    差押えまでの流れ

    借金を滞納したからといって、すぐに差押えとなるわけではありません。債権者が差押えによって一定の財産を徴収する場合は、下記のような段階的な手続きを踏みながら進めていくのが一般的です。

    差押えまでの主な流れ

  • ステップ1:債権者から請求や督促が来る
  • ステップ2:債務者が対応しない場合、債権者が「支払督促」や「訴訟」を申し立てる
  • ステップ3:判決や決定がなされる
  • ステップ4:債権者が強制執行の申立てをする(例として給与差押え)
  • ステップ5:裁判所から会社に対し給与差押えに関する報告書の提出を求められる
  • ステップ6:給与から天引きされる
  • ローンを滞納すると、メールや電話などで債権者から督促を受けます。これに対応しないでいると、貸金請求訴訟と呼ばれる民事裁判や支払い督促を債権者から申し立てられます。

    裁判では、遅延損害金(延滞利息)や債務残額の全額支払いを求められます。

    訴訟対応を無視していると、債権者の言い分が通って差押えとなる可能性が高まります。また、「支払い督促」に応じない場合は、こちらも「相手方の主張を認めた」と判断されて仮執行宣言付支払い督促が成立し、これに基づいた申し立てにより強制執行となります。どちらの場合も差押えを回避するのは難しいと考えておきましょう。

    その後、債権者の主張が正式に認められると、給料などが差し押さえられる状態になります。
    税金を滞納している場合は、督促状を発してから10日後までに完納されなければ差押えを受けてしまいます。

    差押えの回避に有効な対処法

    もし現時点で督促などを受けていて、差押えの一歩手前という場合は、一刻を争う状況といえます。「どう頑張っても差押えは避けられない……」と悲観している方がいるかもしれませんが、適切に対処すれば差押えを回避することは可能です。

    以下では、差押えの回避につながる対処法についてご説明します。

    債権者へ分割払いの交渉をする

    現在の返済方法でローンの支払いが難しければ、債権者に分割払いが可能か交渉してみましょう。返済方法について債権者の合意が得られれば、財産の差押えを回避できる可能性が高くなります。

    分割払いの交渉をする場合は、債権者に対して「今の契約内容では、返済を続けることが難しい」という旨を明確に伝えたうえで、いつまでに返済できるのか、毎月いくらずつなら支払えそうなのかを丁寧に説明しましょう。返済計画の具体性・実現性が、交渉材料になります。

    債務整理で借金問題を根本的に解決する

    分割払いの交渉成立によって完済を目指せるなら、何も問題ありません。しかし、自力では完済が見込めないという方もいるでしょう。その場合は、借金問題を根本的に解決する「債務整理」を検討してみてはいかがでしょうか。

    債務整理は、借金の返済負担を減らしてもらえるように整理する法的手続きのことです。債務整理をすれば財産の差押えを止められるだけでなく、返済額が軽減もしくは免除される可能性があります。

    債務整理には主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」という選択肢がありますが、すでに差押えが始まってしまっている場合、任意整理による差押えの解除はできません。
    なぜなら、債権者からすれば、わざわざ回収できるかどうかわからない約束するよりも確実に支払ってもらえる差押えを優先するため、債権者が差押えを止めることが期待できないからです。

    一方で、個人再生や自己破産といった手続きでは強制執行を止めることができる申立てができるため、これにより差押えが中断されることになります。

    3つの債務整理の特徴の違い

    「任意整理」「個人再生」「自己破産」という債務整理の3つの手続きの違いについて見ていきましょう。債務整理は自身で行うこともできますが、交渉事や法律に関する複雑な手続きもあるため、専門家である弁護士や司法書士に依頼するケースが多いといえます。

    任意整理は、債権者と和解交渉をする手続きのこと。原則として将来発生する金利をカットし、元本のみを3年程度の分割で返済する内容の和解契約を貸金業者と交わします。3種類の中では減額幅が最も小さいので、「借金を返済する力」がある場合の選択肢といえるでしょう。

    個人再生は、裁判所の許可を得て債務額に応じて,5分の1~10分の1程度手続きです。返済期間は3年(最大5年)に設定され、減額された借金をその期間内に返済できれば、残りの借金は全額免除されます。仮に住宅ローンが残っていても、「住宅ローン特則」が認められれば住宅を残したまま、ほかの借金だけを減額することも可能です。

    自己破産は、借金の支払いが不可能であることを裁判所に認めてもらい、すべての借金をゼロにしてもらう手続きのことです。自己破産をすると時価額20万円以上の財産が換価され、さらに一部の職業や資格に関して制限を受ける可能性があります。

    自己破産はリスクが大きい一方で、債務整理の中では最も減額率の高い法的手続きでもあります。借金状況によっては、自己破産が最適な選択肢になるケースもあるでしょう。

    まとめ

    ローンの滞納が続き、いつまでも返済に応じないでいると、いずれ債権者から支払督促や訴訟を申し立てられてしまいます。債権全額が認定され、そのまま判決が下れば、後に給料や各金融機関にある預貯金、自動車等の一定の財産について差し押さえられる危険性があります。

    滞納への対処を後回しにすればするほど、時間の経過とともに選択肢は減ってしまい、状況は苦しくなります。もし自力で借金問題を解決できないようなら、差押えを回避できなくなる前に弁護士や司法書士などを頼ってみるのも手です。不安なことがあれば、法律事務所が開催している無料相談などの機会を活用してみましょう。

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