毎週木曜日 FM NACK5/79.5MHz 11:35~11:45 放送!
『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

弁護士法人・響の古藤由佳弁護士と
手相芸人の島田秀平氏が
様々なトラブルや
法律について、わかりやすく解説する番組!

番組宛のメッセージはこちら

tesou@nack5.co.jp

たくさんのおたよりをお待ちしています!!

2022.7.21放送

第181回

違法賭博で逮捕!?賭博罪とは?

賭博禁止の紙を持った古藤由佳弁護士と島田秀平さん

昨今何かと賭博が話題になりますよね。競馬やパチンコなどのギャンブルはしたことがないという古藤先生ですが、興味はあるそうです。一方の島田さんは、若い頃ラッキーナンバーを駆使してパチンコをしていたのだとか。手相占いだけでなく、開運法にも造詣が深い島田さん。ラッキーナンバーで玉は出たのでしょうか?気になります!

さて、今年5月、東京・新宿区の雑居ビルで営業していたポーカー賭博店2店が警視庁に摘発され、経営者の男ら15人が現行犯逮捕されるというニュースがありました。逮捕された中には、登録者数55万人を超える人気YouTuberも含まれており、話題となりました。ポーカー賭博店の経営者は約2年で、6億5千万円ほどを売り上げていたそうです。

賭博ポーカーが違法行為であることは皆さんご存知かと思いますが。これが家族や仲の良い友人同士で数千円だったら?お金ではなく物を賭けた場合はどうなる?など、どこからが違法になるのかはっきりと答えられるでしょうか?
第181回の放送では、知っているようで知らない「賭博罪」について、古藤先生に詳しく解説して頂きました。

賭博罪とは?何をすると違法賭博になる?

賭博罪とは、金銭や品物などを賭けて賭け事・ギャンブルを行う行為に対して適用される刑法で、正式には「賭博及び富くじに関する罪」という名称で規定されているそうです。
賭博罪が成立するためには、次の2つの要件を満たす必要があるとのことです。

一、偶然の勝敗により財物等の得喪を争うこと

得喪とは利得と喪失のことだそうです。お金の場合は1円でも賭博になり、財物は金銭以外に、土地や車などの資産も含まれます。偶然の勝敗により、勝者が財物を得て、敗者が財物を失うことが、賭博罪成立の要件の一つだそうです。

二、財物や財産上の利益を賭けること

賭ける対象が「財物」等であれば、原則として賭博罪は成立し得るそうです。
例えば金品やブランドバッグ、入手困難なグッズなど、「長期間に亘って価値のあるもの」を賭けた場合は賭博罪に当たります。ただし、「一時の娯楽に供するもの」は除かれるため、食べ物や飲み物などは賭博罪の対象にならないそうです。

違法賭博になる賭け事・ならない賭け事

モノを賭けても賭博罪に該当しないケースについて、具体例も伺いました。
例えば、「友達同士でジュースを賭けてじゃんけんをする行為」は賭博罪には該当しないとのことです。厳密にはジュース1本を賭けていることになりますが、ジュースは一時の娯楽に供するものとして賭博罪には該当しない可能性が高いそうです。
基本的に飲食物であれば、食べたり飲んだりして、経済的価値がその場で費消されてしまうことが多いため、一時の娯楽に供するものと言える場合が多いそうですが、1本数万円といった高値で流通しているワインなどは、後日換金できるものとして、一時の娯楽に供するものとは判断されなくなる可能性もあるとのことでした。

賭博罪に該当するケースとしては、例えば、「お金を賭けての賭け麻雀」、「賭けゴルフ」、「野球賭博」、「裏カジノ」、「インターネットカジノ(オンラインカジノ)」などがあります。

競馬、オートレース、競輪、モーターボート、宝くじ、お年玉付き郵便はがき、パチンコに関しては、それぞれ法律に則り、所轄する省庁の承認を得た上で運営されている為、違法性はないそうです。

賭博罪の罰則は?

賭博罪に抵触した場合の罰則についても伺いました。
賭博罪は、常習性の有無や自らが賭博場を開設したかどうかで罪名と罰則が変わるそうです。賭博に関連する罰則は次の通りです。

単純賭博罪

回数に関係なく、賭博行為をした時点で単純賭博罪に該当します。たとえ初めてであっても、客として違法パチスロ店を利用したような場合には、単純賭博罪の容疑で逮捕される可能性があるそうです。
単純賭博罪の罰則は、50万円以下の罰金または科料です。(※科料…一定額の金銭を国庫に納付させる刑罰。額は1,000円以上1万円未満。)
刑罰としては軽く思えるかもしれませんが、起訴されて罰を受けることにより前科が付くため、勤め先などから解雇などの処分を受ける可能性もあるそうです。

常習賭博罪

常習的に賭博行為をした場合、常習賭博罪に問われます。常習性は賭博行為の性質や種類、賭けた金額、賭博が行われた期間、賭博行為の回数、前科の有無などを元に総合的に判断されるとのこと。常習的に行っているという性質上、単純賭博罪よりも悪質性が高く、より重い罰則が科されます。特に「暴力団が関与したような組織的な賭博」や「賭博の主犯格」など、悪質なものに対しては、比較的重い処罰が下る可能性があるそうです。
常習賭博罪の罰則は、3年以下の懲役です。

賭博場開帳等図利罪

賭博の運営者、いわゆる「胴元」に当たる者は、賭博場開帳等図利罪で罰せられます。賭博行為そのものに参加していなくても処罰の対象となるそうです。
また、「賭博場」として場所を提供した場合だけでなく、例えば電話などで客から申し込みを受けて賞金を配当する行為や、携帯電話のアプリを利用して参加者に情報提供をする、申し込みを受ける、などの行為も処罰の対象になるとのこと。
賭博場開帳等図利罪の罰則は3ヶ月以上5年以下の懲役です。


賭博が違法とされるのはなぜ?

また、古藤先生によると、賭博罪は「個人の権利や財産を害する」から処罰されるというものではなく、「健全な経済的風俗という社会的法益を害した」ことについて処罰されるものなのだそうです。そのため、仲が良いから許されるということにはならず、たとえ友人間・家族間であっても、お金を賭けた場合は1円でも賭博罪になるそうです。
一時の娯楽に供するもの、例えば、お菓子や飲み物、お昼ご飯などを賭ける分には大丈夫とのことですから、何かを賭ける時には、間違ってもお金を賭けないよう注意しましょうね!


🍀おたより募集中🍀
質問・感想・ご相談などなんでもお寄せください!
tesou@nack5.co.jp