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島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2023.11.9放送

第249回

それブラックバイトかも?!ヤバい労働環境の対処法!

タイムカードを切る島田秀平さんと古藤弁護士

今年8月に大手家具小売店の「イケア・ジャパン」で、これまで従業員の着替え時間に賃金を払っていなかったことが発覚し、9月から着替え時間分の賃金も支払うと発表したことが話題となりました。昨年は、回転寿司チェーンの「スシロー」でも同様の問題が指摘されています。

このような報道を受け、ネット上でも「アルバイト先でも着替え時間の賃金が支払われていない」という声が複数上がっているようです。島田さんも昔アルバイトをしていた時には、着替えてからタイムカードを押すのが当たり前の認識だったとのこと。同様の経験をした方もいらっしゃるのではないかと思いますが、古藤先生によると、着替え時間は労働時間に含まれるため、着替えてからタイムカードを押すように指示されていた場合は、いわゆる「ブラックバイト」と言われる状態にあたるそうです。

労働基準法には労働時間の定義は定められていませんが、労働基準法第32条に書かれている「労働させる」という表現から、「使用者の指揮命令下にあれば労働時間にあたる」という解釈ができるそうです。つまり、制服に着替えるなどの準備行為が使用者から義務付けられ、または余儀なくされているときは労働時間に含まれなければいけないと考えられるとのことです。

島田さんが経験したアルバイトのように「実はブラックバイトだったかもしれない」というケースは少なくないと思います。そこで、第249回の放送では、ブラックバイトとその対処法について古藤先生に詳しく解説していただきました。

当てはまったら要注意!そのバイト、もしかしたらブラックバイトかも…!

古藤先生に、ブラックバイトにあたる可能性の高い問題を3つ教えていただきました。

●勤務時間丸め
例えば、午前10時から昼の12時10分まで働いた場合、労働時間は2時間10分になります。しかし、給料を計算する際の労働時間は「15分単位」だと言って、10分を端数扱いして切り捨ててしまう、ということがあります。このように、打刻時間を切り上げ、または切り捨てすることを「丸め」と言うそうです。
この場合、実際に働いた時間は2時間10分であるにも関わらず、給料に反映される労働時間は2時間だけということになります。古藤先生によると、労働基準法には「賃金全額払いの原則」があり、たった1分の労働でも労働した分の対価は給与として全額支払われるべきとされているため、10分を切り捨てているこのケースは違法となるそうです。逆に、10分を切り上げて15分とする場合は丸めても問題ないとのことでした。

●シフトの強要
シフト制で働いている労働者に対し、本人が休みを希望しているにもかかわらず雇い主がその意思に反して勤務を命じることも問題となるそうです。特に問題になるのが、お盆やゴールデンウィーク、年末年始などの繁忙期とのこと。
また、もしシフトに入ることを拒否した場合、「クビになるかも」と考えてしまう人も少なくないと思いますが、雇用契約で定めた労働条件を変更する際には、労働者の同意が必要です。したがって、労働者の同意を得ずに一度決まったシフトを変更されたり、無理やりシフトを入れられることは違法となるそうです。更に、望まないシフト変更を拒否したことを理由に雇い主が労働者を解雇すれば、労働契約法第16条の「違法な解雇」に抵触し、解雇は無効となるとのこと。たとえ繁忙期でも無理な出勤は認められません。
ただし、契約時に「年末年始・お盆も入れます」などと約束した上での採用だった場合には、雇い主は雇用契約の範囲で労働者に勤務するよう求めることができ、労働者はそれに応じなければならないとのことです。

●辞めさせてくれない
退職届を出しても受け取ってくれない、誰か代わりの人を入れないと辞めさせてくれない、などの理由で辞めさせてもらえないケースがありますが、民法627条1項により、期間を定めていない労働契約の場合、原則として14日前までの申請で退職することができるとのことです。過去には、就業規則の定めにかかわらず、退職届提出後2週間経過により退職の効力は発生すると判断した裁判例もあるそうです。

そのほか、業務中に機械や備品を壊してしまったことへの弁償要求、パワハラやセクハラ、サービス残業、労災保険の未加入などもブラックバイトの特徴とのこと。当てはまる場合は要注意です。

ブラックバイトかも?と思ったら…

労働環境に悩みがある場合の対処法についても伺いました。

一つは「ブラックバイトユニオンに相談する」という方法があるそうです。「ブラックバイトユニオン」はブラックバイトから学生を守るための労働組合ですが、学生以外の相談も受け付けているそうです。ここ数年は副業でアルバイトをする人も増えていますが、もし労働環境に疑問や悩みがある人はその証拠を集め、相談してみると良いとのこと。

また、未払賃金や損害賠償、パワハラによるうつ病などの実害が出てしまっている場合は、弁護士に相談するのもオススメとのことでした。弁護士に相談すれば、法的に未払賃金請求や慰謝料請求などの方法を取ることもできるそうですよ。

弁護士に依頼すると費用がかかると心配になる方も多いと思いますが、弁護士法人・響のように、相談だけであれば無料のところもあるので、まずは相談してみてくださいね!


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