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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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手相芸人の島田秀平氏が
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法律について、わかりやすく解説する番組!

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2020.11.26放送

第95回

そろそろ忘年会シーズン!飲食店の無断キャンセルは違法なの?!

11月26日は語呂合わせで「いいふろの日」ということで、お風呂のお話から始まりました。
坂口先生はサウナがお好きで、銭湯に良く行かれるそうですよ♪
冷えた身体を温めるためにも、今夜は良い香りの入浴剤を入れてゆっくりとお風呂に浸かってみてはいかがでしょうか?

さて、少し前に、鳥貴族などの激安居酒屋店で一番安いメニューのみを頼んで、お会計より多いポイントをもらう“Go To Eatキャンペーンのポイント稼ぎ”が問題となっていましたね。
第九十五回目は、このような飲食店に関するテーマ「飲食店の無断キャンセルは違法?!」ということで、毎年忘年会シーズンであるこの時期に特に問題となる“飲食店のドタキャン”について、坂口先生に解説していただきました。

無断キャンセルによる被害総額は、年間でなんと約2000億円!(※「用意していた食材の仕込みにかかった食材費・人件費・光熱費」や「予約のために席を押さえた時間」「他のお客様を通していれば得られたであろう売り上げ」などを損害として計上)
インターネットで簡単に予約ができる様になった反面、キャンセルの罪悪感が少なくなったことが、キャンセル増加の要因になっているとも言われています。

無断キャンセルによって何らかの損害が発生した場合、お店はお客さんに対して、民法上の債務不履行や不法行為を根拠として損害賠償請求が可能です。
【予約の時点で注文内容やコースが確定していた場合】には、その時点で契約は成立していたと考えられ、債務不履行が、
【席だけの予約の場合】には、予約をしているのに来なかった場合、不法行為が成立すると考えられます。

損害賠償請求をする場合、契約内容が確定しているコースでの予約の場合には、キャンセルポリシーに基づいて全額の請求が認められる可能性がありますが、転用可能な材料や人件費があると、その事情を踏まえてキャンセル料を算定し直さなければいけない可能性があります。また席の予約だけだった場合でも、実際にそのお客さんが来ていたらいくら売り上げ、どれだけの利益が出ていたかは分からない為、算定が難しくなります。
あらかじめ、“平均客単価の何割か”をキャンセル料の目安として設定しておくと、請求がしやすくなるのでオススメです。

無断キャンセルの損害賠償額をお客さんが支払ってくれない場合には、裁判をすることも可能ですが、弁護士費用や裁判にかかるコスト、更に時間や手間を考えると、実際は泣き寝入りしてしまうお店も少なくありません。
飲食店の無断キャンセルのトラブルを専門に扱っている弁護士さんもいらっしゃるとのことですので、お困りの方は、そのようなところに相談してみても良いかもしれません。

また、無断キャンセルが悪質な場合には刑事上の責任を負うことになる可能性もあります。
去年の11月ごろに、居酒屋に偽名で予約をして無断キャンセルをした男性が偽計業務妨害という罪で逮捕されました。このケースでは、大人数のコースを予約・無断キャンセルを数回繰り返していたため、悪質だと判断されました。
このような嫌がらせ目的や、ポイント稼ぎ目的で無断キャンセルを行った場合には、偽計業務妨害罪として逮捕される可能性もあります。

逆に、無断キャンセルによって損害賠償を請求されてしまった場合には、まずはお店側と話し合いをします。話し合いの際は、キャンセルしてしまった事実を事実として受け止め、誠実に対応しましょう。
しかし、負い目を感じるあまり、あまりに高い金額を言い値で払ってしまうのも良くありません。話し合いが進まない時やお店側が話し合いに応じてくれない時には弁護士さんに相談しましょう。

特に今年は、新型コロナウイルスの影響などで経営が厳しい中、必死に経営を続けられている飲食店さんがほとんどです。
そんな中、飲食店を追い詰めてしまうような無断キャンセルはまずしない様に、予約やキャンセルは慎重に行いましょう!
飲食店さんは、忘年会シーズンに向けて、予めキャンセル規定を定めておくなどして、対策を行っておくと安心ですね。

飲食店さん側も、お客さん側も、無断キャンセルによるトラブルでお困りの際は、お早めに弁護士法人・響にご相談してみてください!