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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2022.1.13放送

第154回

コロナ禍で飲酒運転が悪質化!飲酒運転は絶対ダメ!

自転車の飲酒運転注意を啓発する島田秀平さんと古藤由佳弁護士

1月10日は「成人の日」でしたね。今年成人を迎えた皆さん、おめでとうございます!
今年の4月から、法律の改正により、成人年齢が20歳から18歳へと引き下げられます。
これまで140年以上に亘って日本では成人年齢は20歳とされていましたから、今回の法改正で混乱することも多そうですよね。法改正が近づいたら、古藤先生が詳しく解説してくださるとのことでしたので、放送を楽しみにお待ちくださいね!

さて、新年のお祝いや成人のお祝いでお酒を飲んだという方も多かったのではないでしょうか。今回は、その「お酒」についての話題です。
新型コロナウイルスの感染拡大により飲酒運転の件数は減ったそうですが、同時に、ドライバーの飲酒量は増えているというデータが出たそうです。発表した兵庫県警によると、コロナ前の2019年とコロナ禍の2021年の1月から6月の摘発状況を調査した結果、この傾向が明らかになったとのこと。兵庫県警は、「コロナ禍で飲酒運転が悪質化した」とし、飲食店の営業時間や、アルコール提供の制限が全面解除されたことで、さらに増加する恐れもあるとみて警戒を強めているようです。
そこで今回は、改めて飲酒運転についての法律を古藤先生に詳しく解説して頂きました。

飲酒運転は、道路交通法上、「酒気帯び運転」と、「酒酔い運転」の2つが定義されています。
「酒気帯び運転」は、呼気1リットルあたり、0.15ミリグラム以上のアルコールが含まれる場合で、刑罰は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となるそうです。
お酒の量にすると、ビール中ビン1本、日本酒1合、ウイスキー2杯それぞれに相当すると言われているそうですが、酔う量には個人差があります。たとえ少量であっても、お酒を飲んでしまったら絶対に運転しないように徹底したいですよね!
もし、正常な運転ができない程度に酔っている場合には、「酒酔い運転」として、更に重い犯罪になるそうです。この場合の刑罰は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。酒酔い運転の基準は「直立できるか」「まっすぐに歩行できるか」「ろれつが回っているか」「会話が支離滅裂な内容になっていないか」「会話を正しく聞き取ることができるか」となっているそうです。ちなみにこれは自転車運転にも適用されるとのことですから、お酒を飲んだら自転車にも乗らないようにしましょうね!

また、飲酒運転を行うと、自動車免許に関しても違反点数や行政処分が科されるそうです。
「酒気帯び運転」の違反点数は呼気中のアルコール濃度によって異なり、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15ミリグラム以上0.25ミリグラム未満の場合は、違反点数13点・免停90日。0.25ミリグラム以上の場合は、違反点数25点・免許取り消し及び欠格期間2年となるそうです。また、「酒酔い運転」の場合は、違反点数が35点・免許取り消し及び欠格期間が3年となります。
ただし、これらの罰則は取り締まりで発覚した場合とのこと。もし、人身事故などで発覚した場合には、「過失運転致死傷罪」「危険運転致死傷罪」「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」という更に重い処罰を受けることになるそうです。

また、違反になるのは、運転手だけではない点にも注意が必要ですと仰っていました。
道路交通法では、「運転手だと知りながら酒類を提供することや、飲酒していると知っていたにも関わらずその人が運転する車に同乗することをしてはならない」と定められているそうです。一緒にお酒を飲んでいた人や、飲酒運転が行われた車の同乗者、そして飲酒運転をするように指示をした人等も罰則対象になるとのことですから、注意したいですね。
また、「重大違反唆(そそのか)し等をしたとき」に該当すると判断された場合、酒類提供者・同乗者も免許取り消し・停止処分となる可能性があるそうです。
この「重大違反唆し」とは、お酒を飲んで運転の意思がない人に働きかけて、運転する意思を生じさせることだけを言うのではなく、「お酒を飲んだけど、運転しちゃおうかな…」と思っている人に対して、「ちょっとくらい大丈夫だよ」「いいと思うよ」など、心理的に飲酒運転を容易にする行為も含まれるそうです。何気ない一言が罪になる可能性もありますから、運転する人が飲んでいる場合には、周りもしっかりと止めることが大切ですね!

また、他に気を付けるべきポイントとして「二日酔いでの運転」が挙げられるとのこと。
例えば、体重60kgの人の場合、ウイスキーダブル1杯分のアルコールが体内から消えるまでに約4時間かかると言われているそうです。深夜までたくさん飲んでしまうと、翌日の午前中までアルコールが体内に残っていることになってしまいますから、その状態で運転すれば飲酒運転になります。一晩寝たからと安心するのではなく、飲んだ翌日の運転にも気を付けることが大切ですね!

たった一度の飲酒運転が、自分だけではなく、他人の人生も狂わせてしまうこともあります。
「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」は、徹底しましょう!