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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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手相芸人の島田秀平氏が
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法律について、わかりやすく解説する番組!

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2024.7.4放送

第283回

フリマアプリで偽物ブランド品を販売するとどうなる?罪の種類と対処法

フリマサイトで偽物を出品しようとする島田秀平さんとNGを出す古藤由佳弁護士

最近は様々なフリマサイトがありますが、フリマサイトを使ってモノを売り買いした経験がある方は少なくないのではないでしょうか。古藤先生はあまり使ったことが無いとのことですが、古藤先生にご相談に来られる依頼者様の中にも、フリマサイトで取引をしているという方は多いそうですよ。

様々なフリマサイトが普及する中、今年5月、インターネットサイトで「ロレックス」社製の腕時計の偽物1点を約70万で販売したとして、詐欺と商標法違反の疑いで中古品販売業の男が逮捕されました。販売した男は、「偽物だったことを知らなかった」と容疑を否認しているそうです。
第283回の放送では、「もしフリマサイトで偽物のブランド品を販売してしまったらどんな罪になるのか」というテーマで、古藤先生に詳しく解説して頂きました。

ブランド品の偽物販売は違法!処罰される法律と罰則

古藤先生によると、ブランド品は様々な権利で守られているため、偽物を販売した場合、様々な法律によって処罰される可能性があるとのことです。法律ごとに解説してくださいました。

1.商標法

一つ目に問われる可能性がある罪は「商標法違反」とのことです。
商標法違反とは、自社製品と他社製品を識別したり区別したりするための商標、いわゆるブランド名やロゴ、ブランド特有のデザインなどを侵害する犯罪です。無断でブランドロゴを使用したり、偽造して類似商品を作ったりして偽物のブランド品を販売すると、商標法違反の罪に問われる可能性があるそうです。
商標法違反の罰則は、10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。抑止効果を高める目的で罰則が非常に重くなっているため、十分に注意が必要とのことです。

また、実際に商品の売買が成立した場合に限らず、メルカリやヤフオクなどに出品した時点で、「商標権侵害の準備行為のために商標侵害品を所持した」として商標法違反に問われるとのことです。この場合の罰則は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

出品することが問題なのではなく、厳密には「偽ブランド品を“売る目的で”所持している」時点で違法とのことです。“売る目的で”所持していたかどうかは、過去に販売したことがあるか、所持している偽ブランド品の数、購入方法や購入回数などを見て判断されることになるとのことでした。ただし、自分で使用する目的で偽物を購入したり所持した場合は、原則として罪に問われないそうです。

2.不正競争防止法

続いて問われる可能性のある罪は「不正競争防止法違反」とのことです。
「商標法」は商標権のあるブランドに関する法律でしたが、「不正競争防止法違反」は商標登録されていない商品であっても、世間一般でよく知られている商品などの偽物を出品・販売した場合は罪に問われる可能性があるそうです。商標登録されていないものであっても、法律でしっかり守られているということですね。
「不正競争防止法違反」に該当した場合は、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金、またはその両方が科せられます。

3.刑法

偽物をフリマアプリで販売した場合、「詐欺罪」にも問われる可能性があるとのことです。
偽のブランド品や、偽物だと疑われるような品を本物だと偽って販売し、購入者がこれを本物のブランド品と信じて購入した場合には、詐欺罪が成立します。
詐欺罪が成立すると、10年以下の懲役に処せられます。詐欺罪に罰金刑はないため、詐欺罪で起訴されれば、無罪にならない限り、実刑判決か執行猶予付き判決になるとのことです。

いずれの罪に問われるとしても、罰則はかなり重くなっています。

本物だと思って売った商品が偽物だった時の対処法

自分は本物だと思って販売したものが、あとから偽物だったと判明することもあるかもしれません。実は販売した人も被害者だったというケースです。

古藤先生によると、偽物だと知らずに他人に販売してしまった場合には、原則として罪に問われないとのことです。商標法違反や詐欺罪は「故意」であることが必須条件となっており、「本物だと信じていた」「騙すつもりはなかった」という場合は罪に問われないそうです。ただし、不正競争防止法違反については、故意と同視し得べき重過失がある場合にも処罰されます。

過失は処罰されないということであれば「知らなかった」で通そうとする人もいるのでは?と思ってしまいますが、古藤先生によると、そこはしっかり警察の捜査が入るとのことです。
たとえば、偽ブランド品を安値で大量に仕入れて高額で転売していた履歴が発覚すれば、「知らなかった」では通りません。
そのため、偽物や模倣品を販売したという事実がある場合、故意かどうかにかかわらず警察の捜査が入り、逮捕されてしまう可能性もあるそうです。万が一逮捕されれば、本当に悪意がなくその後無罪になるとしても、日常生活に影響が出てしまう可能性があるとのことでした。

また「偽物かも」と思いながら販売してしまった場合も罪に問われてしまう可能性があるため、半信半疑で本物として販売をしてしまった場合は、すぐに購入者に返品を依頼する必要があるとのことです。販売後、偽物であることが発覚した場合に通報される可能性があるため、できるだけ早く、真摯に対応することが重要とのことです。できるだけ早く対応することで今後の影響を小さくできる可能性があるとのことでした。
そして、そもそも疑わしいものは「本物」として売らないことが大切ですね。

偽物のブランド品を買ってしまった場合の対処法

逆に「偽物を買ってしまった」場合には、やり取りの履歴など証拠を保存して、販売主、サイト運営事業者に返品交渉をしてくださいとのことです。返品に応じない場合は消費生活センターや警察、弁護士などに早めに相談しましょう。

他にも、中古品の販売やブランド品の出品には様々なルールがあります。出品する時にはフリマアプリ内のルールや法律に違反しないよう気をつけて利用してくださいね。

フリマサイトでトラブルに遭った時には、ぜひ今日の内容も参考にしてみてください!


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