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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

弁護士法人・響の古藤由佳弁護士と
手相芸人の島田秀平氏が
様々なトラブルや
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2023.10.26放送

第247回

知らないと後悔する!人身事故と物損事故の違い!

島田さんの著書を読む島田秀平さんと古藤由佳弁護士

読書の秋、そして放送日翌日の10月27日は「読書の日」ですが、古藤先生はやはりミステリーがお好きだそうです!最近はアガサ・クリスティーの作品をよく読まれているそうですよ!そして本と言えば、島田秀平さんの著書『島田秀平が5万人の手相を見てわかった!運と不運の正体 (SB新書)』が絶賛発売中です!運を味方にして人生を楽しむ秘訣が書かれた素敵な本ですよ!ぜひ皆さまもお手に取ってみてくださいね!

さて、秋と言えば読書だけでなく行楽シーズンでもありますね!11月に車で遠出をしようと考えている方もいらっしゃるかもしれません。交通量の増加も見込まれる中、運転手がどんなに安全運転を心がけていても巻き込まれる可能性があるのが交通事故です。実は、交通事故に巻き込まれた時の対処の仕方によってその後の負担や補償が大きく変わるのをご存じでしょうか。第247回の放送では、「知らないと後悔する!交通事故に巻き込まれた時の大事な知識」というテーマで、古藤先生に詳しく解説していただきました。

人身事故と物損事故

交通事故はケースによって「人身事故」と「物損事故」の大きく二つに分けることができます。
「人身事故」とは、事故によって被害者が怪我をしたり後遺障害を負ったりと、人の生命や身体にかかわる損害が発生した事故のことを言います。
「物損事故」は死傷者がおらず、車が壊れたり建造物や電柱が損傷するなど、物に対する損害のみが発生した事故のことを言います。

人身事故と物損事故で賠償金の種類が変わる

万が一事故に巻き込まれた時のために、人身事故と物損事故の違いとして覚えておくべき点が、「人身事故と物損事故では、被害者が加害者に請求できる賠償金の種類が変わる」ことだそうです。特に、“物損事故では原則として慰謝料が発生しない”という点は重要とのことでした。

交通事故の慰謝料は、身体的な被害から生じる精神的苦痛に対して支払われる賠償金です。そのため、人身事故であれば事故によって負った怪我や障害に対して慰謝料を請求することができます。
一方、物損事故の場合、壊れた物の修理代や評価損(欠陥が生じたことによる物の価値の低下分)、買い替え代金などに関する損害賠償請求は可能ですが、精神的ダメージによる慰謝料は原則として請求できないそうです。これは、お金を支払う加害者側にとっては大きな違いになるため、交通事故での被害が軽い怪我の場合には、加害者側から「警察に物損事故で届出をさせてほしい」とお願いされたり、相談されたりすることもあり得るそうです。

人身事故と物損事故の違反点数の違い

また、「人身事故」では加害者に免許の違反点数が加算されるのに対して、「物損事故」では家屋やビルといった建造物に損害を与えたり、飲酒運転や無免許運転といった重大な違反行為がなければ、違反点数は加算されないそうです。加害者が車を使う仕事をしていれば、免許停止や免許取り消しになることは死活問題です。そのため、加害者にとっては「物損事故」で届出をした方が、かなりメリットが大きいといえます。

小さな怪我でも人身事故扱いにした方がいい理由

交通事故の被害に遭い、加害者から物損事故の申し出があった際、「大きな怪我もなく、加害者から誠心誠意の謝罪もあったし…」と、物損事故の申し出を受けてしまう方もいるかもしれません。ですが、交通事故で被害を受けた場合、たとえ軽度であっても怪我を負った時には「人身事故」扱いにしたほうがいいそうです。

もし保険会社に対して、「怪我をしていないので物損事故です」と伝えてしまった場合、後から病院で治療を受けたとしても、保険会社から怪我と事故との因果関係を否定され、治療費の支払いを拒否されることがあるそうです。また、後遺障害が残っても、「人身事故として処理されていない程度の軽微な事故であった」と判断されて、後遺障害が認定されなかったり、その結果慰謝料が支払われない、あるいは減額されたりする可能性もあるそうです。
事故直後は大丈夫に思えても、時間が経ってから発症する場合もありますから、その場だけの判断で物損事故の申し出を受けないようにしましょう。

また、「人身事故」扱いになった場合、警察は実況見分当事者双方への事故状況の聞き取りをして記録を作成しますが、「物損事故」では警察は原則として実況見分を行わず、当事者双方から聞き取りをして内容をまとめた「物件事故報告書」というごく簡単な報告書を1枚作成するだけだそうです。
もしその後加害者とのやり取りで過失割合が争点になった場合、簡単な報告書ではどちらの言い分が正しいのかの判断が困難になってしまいます。事故当初は過失について争いがないと思っていても、後から加害者が言い分を変えてくる場合もあります。そのため、適切な損害賠償を受けるには、軽傷であっても怪我を負った場合には「人身事故」で届出することが重要とのことでした。

物損事故を人身事故に切り替えるには?

そうは言っても、事故直後はなかなか冷静ではいられない場合も多いですよね。動揺の中、加害者に言われるまま「物損事故でもいいですよ」と言ってしまった場合や、交通事故直後に身体に異常がなく物損事故で届け出たけれど、数日後に「むちうち症」などの症状が出たような場合もあるかもしれません。その場合、「物損事故」から「人身事故」に切り替えることもできるそうです。
交通事故にあった日から1週間から10日以内を目安に、医師の診断書を持って警察に届け出ることで「人身事故」に切り替えてもらえるとのことです。ただし、事故から期間が経ちすぎてしまうと、事故と怪我の因果関係を立証できなくなり、手続きを受け付けてもらえない可能性もあるため注意が必要とのことでした。

さらに、後から事故状況の争いになった場合に備え、事故当時の記憶が鮮明なうちに実況見分を行ってもらうことも必要とのことでした。事故に遭い、物損事故で届け出たとしても、その後状況が変わった場合にはなるべく早く病院へ行き、警察へ届け出をするようにしましょう。

警察に人身事故への切替え申請をしたあとは、加害者が加入する保険会社にも、切替えしたことを連絡する必要があるそうです。切替えの連絡をしないと、相手の保険会社は物損事故としての賠償しかしてくれませんから、忘れずに連絡をするようにしましょう。警察への届出と相手の保険会社への連絡はセットで覚えておくと良いですね!

万が一交通事故の被害者になった場合、その後の対応によって「過失割合」や「賠償金額」が変わってきます。もし不安なことや心配事があれば、なるべく早い段階で弁護士法人・響までご相談ください!
交通事故被害のご相談も、弁護士法人・響まで!


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