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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2024.2.8放送

第262回

定期券を借りたら罰金数十万円!?不正乗車はバレる!

他人の定期券を借りる島田秀平さんにNGを出す古藤由佳弁護士

放送日の2月8日は「郵便マークの日」でした!1887(明治20)年2月8日に、郵便番号の前につける『〒』マークの使用が決定したそうです。郵便といえば、今年の秋頃に郵便料金が上がることで話題ですね。はがきは現在の63円から85円に、手紙は84円から110円になります。
古藤先生も手紙を書く機会は減ってしまったそうですが、手紙だからこその温かさを感じたり、あえて手紙で書きたいと思うときもありますと話されていました。島田さんも仰っていたように、こんな時代だからこそ、使い分けができるといいですよね。みなさまも、久しぶりに手紙を書いてみてはいかがでしょうか!

さて、昨年末にSNSで定期の不正利用関する投稿が話題になりました。投稿者によると、JRの改札で夫の定期を借りた女性が職員から「不正利用による88万円の罰金」を請求され、泣き崩れていたとのことです。定期券は改札機にタッチするだけで使えるため、名前や性別も通常確認されません。家族のものを借りて使ってもバレないだろう…と思っている方もいるかもしれませんが、古藤先生によるとこのケース同様、他人の定期を使ったことで何十万円も請求されるということは十分あり得るそうです。第262回の放送では、「定期券の不正利用」について古藤先生に詳しく解説していただきました。

他人の定期券を借りると不正利用に!

そもそも、定期券は記名されている所有者専用のため、他人に貸すことは禁止されています。これは料金を支払った契約者だけが利用することを前提としているためで、たとえ家族や友人であっても、他人の定期券を使用することは不正利用になるそうです。また、鉄道会社にとっては収入の損失になるため、厳しい罰則が設けられています。

定期券を不正利用した場合、まず、不正利用された定期券が無効となり、回収されるそうです。これは、定期の残り期間とは関係ないため、例えば6ヶ月の定期で初日に不正がバレても、残りはすべて無効になってしまうとのこと。
さらに、定期券を不正利用すると、「割増運賃の支払い」も発生するそうです。

定期券の不正利用で罰金!「割増運賃」の金額は?

古藤先生によると、定期券の規則には、不正利用をした場合「利用開始日から不正が見つかった日までの日数で、毎日1往復乗車した金額+その2倍の金額」を請求されることが記載されているそうです。つまり、割増運賃尾金額は、「利用開始日から不正が見つかった日までの日数」×「区間の往復運賃」×「3」ということになります。

不正利用した日だけでなく、定期券の利用開始日から不正が見つかった日までの日数分、割増請求されてしまう理由は、”その日以外不正利用をしていない”ことが証明できないためだそうです。何日不正利用したかがわからないため、定期券の利用開始日から、毎日不正利用していた前提で計算されます。

例えば、往復運賃500円区間・利用開始日が2月1日の定期券で、2月20日に不正利用が発覚した場合、20日×500円×3=3万円の請求となってしまいます。さらに残りの期間も無効になってしまうため、実質支払う金額はもっと高くなります。
往復運賃や日数によっては、SNSの投稿にあるような数十万円の罰金もあり得ない話ではないことが分かりますね。

定期券の不正利用で刑事罰が科される可能性も!

古藤先生によると、不正利用が悪質だと判断されてしまった場合は、鉄道営業法違反や詐欺罪で刑事告訴されてしまう可能性もあるそうです。万が一、詐欺罪の成立が認められてしまうと10年以下の懲役という非常に重い罰則が科せられるとのこと。

「改札機ならバレない」と思う方もいるかもしれませんが、駅職員さんは通過した定期券の情報を手元のモニターでしっかり監視しているそうです。定期に書かれている情報と性別が違ったり、年齢が違うと思われる場合は声をかけられ、確認されるそうですので、甘く考えてはいけませんね。

不正乗車になること、ほかにもあります!

そのほかに不正乗車になることを古藤先生に伺ったところ、「折り返し乗車」も不正乗車になる可能性があるとのことでした。折り返し乗車の例として、座席に座るために、一旦進行方向とは逆行きの電車で始発駅まで行き、始発の空いている電車に乗って座席を確保するなどといったことが挙げられます。混雑する通勤電車だと、座りたくてついやってしまうという方もいるかもしれませんが、乗車券購入区間以外は乗車してはいけないルールとなっているとのこと。改札を出なければ料金はかからないと思いがちですが、もし発覚して、故意だと判断されると罰金を科されることになるそうです。

尚、うっかり降りる駅を寝過ごしてしまったり、間違えて逆方向の電車に乗ってしまったという場合は、駅員に申告して、事実を認定された場合に限り、誤乗区間を無料で戻れるという制度があるそうです。ポイントは「勝手な判断で無申告のまま戻らない」こと。これさえ守れば大丈夫です、と古藤先生は仰っていました。

電車を利用する際は、今回の内容も参考にしながら、決められたルールをしっかり守って乗車しましょう!


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