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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2023.2.16放送

第211回

家族のスマホを勝手に見るのはNG!?プライバシー権とは?

10個の携帯とプライバシー侵害を訴える台詞

2月14日は「バレンタインデー」でしたね!皆さまはどんな1日を過ごされましたでしょうか?
島田さんは奥様から、「1ヶ月後、何倍になって返ってくるのかしら」という期待が込められたチョコを毎年贈っていただいているそうですよ!(笑)古藤先生はご実家にいるときにはお父様にチョコを贈られていたそうで、島田さんも近い将来、娘さんからチョコをもらえる日が来るだろうかと、妄想話が膨らみました!

そんな甘い話で盛り上がるバレンタインデーですが、バレンタインの贈り物がきっかけで浮気が発覚してしまう、なんて話も多いそうです。チョコが証拠になるとは限りませんが、挙動を怪しんだ夫、または妻がこっそりスマホを確認したら証拠が山ほど出てきた、というケースもあるようですね。浮気や不倫が悪いことなのはもちろんですが、浮気や不倫の証拠集めだからと、パートナーのスマホやタブレットを無断で覗き見る行為は法的に問題ないのでしょうか?
そこで、第211回の放送では、「家族のスマホを勝手に見るとどうなるのか」というテーマで、古藤先生に詳しく解説していただきました。

 

プライバシー権の侵害!パートナーのスマホを無断で見たら罪に問われる?

スマホやタブレットの使用者が、端末にパスワードをかけていて情報の公開を承諾していない場合、勝手に覗き見る行為は、「プライバシー権の侵害」に当たる可能性があるそうです。

「プライバシー権」とは、私生活上の情報をみだりに公開されない権利のことで、憲法第13条で保障される基本的人権の一つとされているそうです。たとえ家族やパートナーであったとしても、プライバシー権の侵害は成立するため、「無断で携帯を見ると慰謝料を請求される可能性がある」と、古藤先生は仰っていました。たとえ結婚して家族になっても、プライバシー権は守らないといけないということですね。

また、無断で携帯を覗き見る行為の刑事上の責任については、不正アクセス禁止法に違反する可能性があるそうです。ただしこれは、携帯のロックを外してパスワードを入力しなくても起動することができるLINEやFacebookなどのアプリを見ただけでは罪にならないそう。不正アクセス罪は、相手のIDやパスワードを入力して、SNSやメールサイトにログインして投稿やメールを見た場合に該当する可能性があるそうです。違反した場合は、家族間であっても3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられる可能性があるとのこと。
つまり、ロックがかかったスマホやタブレットを無断で見ると、民事・刑事ともリスクがあるということになりますね。

 

勝手に携帯を盗み見て入手した情報は、証拠として有効?無効?

無断で携帯を盗み見ることは、権利侵害や違法行為に該当する可能性があるとのことでしたが、無断で見た結果得た情報は、浮気や不倫の証拠として認められるのでしょうか?
古藤先生によると、証拠の入手方法と、証拠が有効か否かということは分けて考えられているそうです。
例えば、相手に暴力を振るったり、不倫相手の家や、別居した相手の家に許可なく侵入して証拠を手に入れたりした場合は、例外的に無効な証拠となる可能性があるとのこと。しかし、そのような著しく反社会的な手段によらず収集された証拠であれば、原則として有効な証拠になるそうです。

また、勝手に夫や妻の部屋に入って浮気や不倫の証拠を探す行為についても、一般に自分の部屋や机の中を公開しているわけではないため、プライバシー権の侵害になるそうです。さらに、鞄の中や財布も個人情報が含まれていて、通常見られたくないものであるため、勝手に中を見るとプライバシー権の侵害となるそうです。携帯を盗み見るのと同様に、家族であっても、勝手に部屋や鞄、財布などの中を捜索する行為はNGなんですね。

 

慰謝料を請求される可能性も?夫婦か恋人か、交際関係による違い!

もしもスマホやカバンの中から浮気の証拠が見つかった場合、「見られた側」から慰謝料を請求される可能性はあるのでしょうか?

古藤先生によると、プライバシー権の侵害で夫または妻に慰謝料を請求される可能性は否定できないそうです。ただ、実際に慰謝料が認められるかどうかの判断には、プライバシー権を侵害した目的やどの程度不利益を被ったかなど、さまざまな事情が考慮されます。そのため、家族の場合は損害賠償自体が否定されるか、数万円から十万円前後など少額の慰謝料しか認められない可能性が高いということでした。
対して、浮気や不倫などの不貞行為を理由に慰謝料を請求された場合、数十万円から、場合によっては数百万円を支払うことになるそうです。

ただ、これは夫婦関係の場合であって、恋人同士だと話が変わってくるのだとか。
なぜなら、不貞行為によって慰謝料を請求できるのは夫婦である場合だけなのだそうです。法律上の婚姻関係、またはそれと同視しうる関係は、法律上保護されるべき利益とみなされるのに対し、事実婚にも至らない、単に交際中という恋人同士の関係性は、法律上保護される利益と評価されないとのこと。そのため、浮気などの交際関係を破綻させる行為も法律上は問題にならず、慰謝料を請求できないそうです。
恋人のスマホなどを勝手に見て、浮気の証拠となるようなメールやLINEのやりとりを発見したとしても、慰謝料を請求できないどころか、逆に「見られた側」からプライバシー権を侵害したとして、慰謝料を請求される可能性があるそうですから、注意が必要ですね。

もちろん、夫婦間であっても不倫の証拠を集める行為や方法によっては違法となり、その行為が刑事罰の対象となる可能性もあります。古藤先生は、不倫の証拠集めに行き詰まった時には、一度弁護士に相談することをおすすめしますと仰っていました。
弁護士に相談いただければ、スマホを勝手に見る以外にも、他に揃えられる証拠はないか、今ある証拠で慰謝料を請求できないか、など状況に応じて親身なアドバイスができるそうです。
相手の不倫や、離婚トラブルでお困りの際は、ぜひ弁護士法人・響までご相談くださいね!


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