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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

弁護士法人・響の古藤由佳弁護士と
手相芸人の島田秀平氏が
様々なトラブルや
法律について、わかりやすく解説する番組!

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2022.6.16放送

第176回

家賃滞納のリスクは強制退去だけじゃない!

和菓子を食べる島田秀平さんと古藤由佳弁護士

放送日は「和菓子の日」でした。古藤先生は、好きな和菓子ランキングの1位から3位を“いちご大福”が独占するほど、いちご大福に目がないそうです。次の古藤先生のお誕生日には、番組でもいちご大福を用意しようと思います!

さて、6月に入りましたが、今年社会人になった皆さんの中には、初めてのお給料で家賃を支払ったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、長引く新型コロナウイルスの影響で収入が減少し、家賃を支払うのが辛いという方もいらっしゃるかと思います。
島田さんも若手のころ、大家さんに家賃の支払いを待っていただいた経験があるそうですが、実は、家賃の滞納のリスクは、“強制退去”だけではないそうです。
そこで、第176回の放送では、「家賃の滞納」について、古藤先生に詳しく解説して頂きました。

古藤先生によると、家賃の滞納から強制退去までの一般的な流れは、次のようになるそうです。(※催促や強制退去までの期間は、大家さんや管理会社、借主の対応次第で異なるため、あくまで一般的な流れ。)

借主本人への催促
期日通りに家賃を支払わなかった場合、大家さんや管理会社から、借主本人へ直接催促の連絡があります。(早ければ滞納した翌日・遅くとも一週間以内)この時に支払う日を約束できれば、ある程待ってもらえるのが一般的だそうです。

連帯保証人への催促
約束の日を過ぎても家賃の滞納を続けると、次に連帯保証人に催促が行きます。大家さんによっては、2,3ヶ月は猶予してくれることもありますが、借主が催促を無視したり、約束を破るなど不誠実な対応をしていると、連帯保証人に催促される時期は早くなってしまうそうです。

催促状が届く
家賃の滞納が3ヶ月から半年以上続くと、内容証明郵便で催促状が届き、滞納家賃を一括請求されます。一括請求については、賃貸借契約書に書かれているのが一般的だそうです。ただ、期限内に一括で支払うことが無理でも、遅れながらでも支払っていくことを約束すれば、契約解除は待ってもらえる可能性もあるそうです。

裁判・強制退去
①~➂の過程を経て、契約解除予告を受けた後も家賃の滞納を続けると、裁判になるそうです。裁判になると、滞納家賃の請求だけでなく、部屋の明け渡しを求められることになります。ここまでくると、家賃を滞納した理由がたとえ、病気や失業であったとしても、正当な理由とは認められない可能性が高いので、裁判で借主が勝つことはほとんどないそうです。

家賃を何か月分滞納すると契約を解除されるのかということは、法律で明確に定められているわけではないそうです。ただし裁判例によれば、3ヶ月滞納が続くと、貸主は催告なしで契約を解除できるとされています。
3ヶ月家賃を滞納し、大家さんが内容証明郵便で催促と契約解除の予告を行い、裁判・強制執行と進む場合、かかる期間は家賃の滞納を始めてから最短で7ヶ月程ではないかとのことでした。

また、家賃滞納のリスクは、強制退去だけではありません。
一つ目に、支払う料金が増えるというリスクがあるそうです。滞納家賃には、遅延損害金が付加され、保証人によって遅延損害金の利率は以下のように変わってきます。

■賃貸借契約書に記載されている場合
……遅延損害金の上限利率は年利14.6%

■契約上は何も記載されていない場合
……法定利率に従った遅延損害金が当然に発生する。
  2020年4月以降に滞納した場合、その利率は年利3%。

■保証人に保証会社を使っている場合
……保証会社から請求され、利率は保証会社による。
  年利14.6%の場合がほとんど。

二つ目に、信用情報に傷がつくリスクがあるそうです。最近は家賃保証会社の利用を賃貸借の条件としている物件も増えていますが、保証会社を利用することは金融取引に当たります。そのため、保証会社から催促された滞納家賃を支払えないと信用情報に傷がつくことがあるそうです。一般的には滞納が60日以上続くと、いわゆるブラックリストに載ることになり、クレジットカードを作ったり、更新できなくなる可能性があるとのことです。

では、家賃を滞納してしまった場合、支払えそうにない場合にはどうすれば良いのでしょうか。

滞納した家賃は、賃貸借契約によって生じた金銭債務として扱われるため、債務整理の対象となるそうです。そのため、もし取り立てに悩んだ場合には、弁護士に依頼して任意整理を検討するとよいとのこと。弁護士に依頼すれば、大家さんや保証会社からの連絡窓口になってくれるため、精神的な負担や、周囲の人に知られてしまうリスクも減らせるそうです。

家賃を滞納して困っている、悩んでいると言う方は、ぜひ一度、弁護士法人・響までご相談ください!