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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

弁護士法人・響の古藤由佳弁護士と
手相芸人の島田秀平氏が
様々なトラブルや
法律について、わかりやすく解説する番組!

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2021.10.7放送

第140回

就活のオンライン化で「替え玉受験」が増加!不正がバレるとどうなる?

事件現場で頭を悩ませる島田秀平さんと古藤由佳弁護士 金田一耕助派?金田一少年派?と書かれたボード

今回も、弁護士法人・響の弁護士、古藤 由佳(ことう ゆか)先生にお越しいただきました!
放送日の10月7日はミステリー記念日!
古藤先生もミステリーは好きなほうだそう。金田一少年の事件簿が好きでした、と話されていました。KinKi Kidsの堂本剛さんが金田一少年を演じるドラマも見ていたそうです!
この金田一少年、堂本剛さんの他にも、松本潤さん、亀梨和也さん、山田涼介さんなどが演じているんですよ。これで世代が分かっちゃいますね!
ラジオをお聞きの皆さんは誰の金田一少年をご覧になっていたのでしょうか?
ぜひ周りの方とお話してみてくださいね!

さて、このコロナ禍で、就職活動のオンライン化が進んでいます。
企業の採用試験の一つにウェブテストがありますが、このウェブテストの“替え玉受験”が増加しており、問題視されているそうです。
東大生や、京大生を名乗る人物が就職試験などのWebテストの代行でお金を稼いでいるという情報が大学側に複数寄せられ、各大学ではホームページで注意喚起をしているとのこと。
確かに、Webテストを自宅などで受けられる場合、厳密な本人確認をすることも少ないですから、やろうと思えば替え玉受験ができてしまうのが現状です。インターネットで「就活 WEBテスト 代行」と検索すると、受験代行の専門業者がヒットするのだとか。それほど簡単に「替え玉」ができてしまうんですね。
では、替え玉受験は罪に問われるのでしょうか。
第140回は「就活のオンライン化で『替え玉受験』が増加!不正がバレるとどうなる?」というテーマで古藤先生に解説していただきました。

古藤先生によると、替え玉が発覚した場合には、罪に問われるとのこと。
ペーパーによる就職試験、大学入試などの替え玉については、なりすました受験者に「私文書偽造罪(刑法159条)および同行使罪(刑法161条)」が成立する可能性があるそうです。また、替え玉を依頼した就活生や受験生本人も、実際に成りすました人と同じ罪が成立することになります。
オンライン試験の場合は、書面の答案は作成されませんが、電磁的記録に対応した処罰規定である「電磁的記録不正作出罪および同供用罪(刑法161条の2)」が成立するそうです。

それぞれの罰則についても、古藤先生に詳しくお伺いしました。
署名または押印がある場合は、有印私文書偽造罪が適用され、3ヶ月以上5年以下の懲役が科されます。署名・押印が無く、名前が印字してあるなど記名のみの私文書の場合は、単なる私文書偽造罪ということで、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されるとのこと。
また、電磁的記録不正作出罪および同供用罪適用の場合は、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。かなり重い罪に問われるんですね。

では、替え玉受験が入社後に発覚した場合にはどうなるのでしょうか。
古藤先生によると、入社前であれば内定取り消し、入社後であれば、懲戒解雇理由となる可能性があるそうです。仮に、時間が経ってから発覚した場合にも、時効にかからない限りは責任を問われる可能性はあるとのことでした。

企業側が対策を強化していない理由については、多くの企業が試験の成績よりもその後にある面接を重視しているからではないかとのこと。
「テストは好成績なのに、簡単な一般常識を知らない、など質疑応答でバレる可能性が高いと思います。」と話されていました。

また、受験代行業者の違法性については、「替え玉受験代行します!」と宣言している場合には、私文書偽造罪の教唆・幇助として違法とみなされる可能性があるとのこと。ただし、あくまでも個別具体的な問題に対する回答を考える、というスタンスで対応する場合、業者は依頼者の目的を知りえないとして、責任を負わないとも考えられるそうです。

とはいえ、仮に不正をして入社できたとしても、その先、何年も後ろめたい気持ちをもって働かなければならなくなってしまいますし、もし、後々バレてしまえば、その後の人生が台無しになってしまう可能性もあります。
やっぱり、試験は自分の実力で頑張りたいですね!