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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2021.10.14放送

第141回

改正ストーカー規制法が全面施行!何が変わった?

古藤由佳弁護士をスト^カーする島田秀平さん

今回も、弁護士法人・響の弁護士、古藤 由佳(ことう ゆか)先生にお越しいただきました!
放送日の10月14日は今から95年前、童話「くまのプーさん」の原作が発売された日。幼いころ、ピアノの発表会でミッキーマウスマーチを弾いたご褒美に、家族でディズニーランドに行かれたと笑顔で話される古藤先生に、スタジオも思わずほっこりした空気になりました!

さてそんな中、今回取り上げた話題は法改正のお話です。
今年8月26日に、「改正ストーカー規制法」が全面施行されました。
桶川ストーカー事件をきっかけに、2000年に成立したストーカー規制法ですが、ネットの普及や技術の進歩を背景に改正を重ねており、今回が3回目の改正となります。
第141回は「改正ストーカー規制法が全面施行!何が変わった?」というテーマで古藤先生に解説していただきました。

古藤先生によると、今回の改正で一番大きな点は「相手の承諾なく、GPS機器などを用いた位置情報の無断取得に対する規制」が盛り込まれた点だそうです。
これにより、アプリを悪用して相手のスマートフォンの位置情報を勝手に取得することも規制対象となりました。GPS機器を利用したストーカー事案への対応が可能になるため、実際の捜査にも大きな影響を与えることになりそうとのこと。
古藤先生はこの改正について「様々な方の働きかけや調整があってのようやくの改正ということなのだと思いますが、GPSの利用がこれだけ広がった今、やっと法律が時代に追いついたなという印象ですね」とお話されていました。
またその他に、「被害者が普段いる自宅や職場だけでなく、『現に所在する場所』への付きまとい行為」や、「手紙などの文書の連続送付」も規制対象となったそうです。

改正されたポイントも含め、改めて「ストーカー規制法」についてもおさらいしました。
ストーカー規制法で規制の対象は2つ。「つきまとい等」と「ストーカー行為」です。
「つきまとい等」には8つの項目が規定されています。
①つきまとい、待ち伏せ、押しかけ、うろつきなど  ②監視を告げる行為  ➂面会や交際の要求  ④乱暴な言動 ⑤ 無言電話、連続した電話、ファクシミリ・電子メール・SNSを繰り返し送る行為  ⑥汚物などを送る  ⑦名誉を傷つける  ⑧性的羞恥心を侵害する
そして、「ストーカー行為」とは、この8つに提示されている「つきまとい等」に該当するいずれかの行為を反復して行う場合を指します。ストーカー行為をすれば、事前の警告なく逮捕される可能性もあります。

ストーカー規制法に違反した場合には、
①ストーカー行為をした場合、1年以下の懲役、または100万円以下の罰金
②禁止命令等に反してストーカー行為をした場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金
➂ストーカー行為とならなくても禁止命令等に違反しただけでも、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金
といった罰則が科されます。

もしもストーカー被害に遭ってしまった場合、一番の対策は、やはり警察などに相談することだそう。警察であれば、つきまとい行為やしつこいメールなどの履歴を持参して相談することで、適切な対策法などを教えてくれるほか、具体的な被害届を提出することで、自宅周辺の見回り強化や犯人への警告などをしてくれるそうです。

平成28年の法改正で、ストーカー行為は非親告罪(被害者の告訴が無くても警察が捜査を進められる)となり、警察が被害者に危害が及ぶと判断した場合には、加害者に対して即時にストーカー行為の禁止命令を出すことができるようにもなったそうです。このように、警察が積極的に動きやすい環境が整ってきているので、安心してご相談いただきたいとのことでした。

また、相手の身元が分かる場合には、弁護士へ相談することも有効な対策方法だそう。
弁護士に相談することで、相手への内容証明の送付、慰謝料請求などをすることができますし、証拠を揃えて働きかけることで、警察もスムーズに捜査を進められるそうです。そのためにも、ストーカー被害の証拠はできるだけ揃えておくことが大切とのこと。

ストーカー被害に遭ってしまったら、一人で悩んで解決しようとせずに、すぐに警察や弁護士に相談してみてくださいね!