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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2022.2.3放送

第157回

通常の交通事故より複雑?スリップ事故での過失割合に要注意

鬼の島田秀平さんに思いきり豆を投げようとする古藤由佳弁護士

放送日の2月3日は節分でした。古藤先生は、子どもの頃は豆まきをしていましたが、今は恵方巻を食べますと仰っていました!島田さんによると、恵方巻は鬼の金棒を表しているという説もあり、食べることで「鬼に負けないくらいの強さが身につく」とも言われているのだとか。また、豆まきの豆は、「マメに暮らせるように」「魔を滅す」という意味もあるそうですよ!皆さんはどんな節分を過ごされたでしょうか?

さて、今年の冬は一段と寒いですね。1月6日には大寒波の影響で首都圏にも大雪が降り、翌朝にかけては、路面凍結の影響とみられるトラブルが相次ぎました。さらに、2月は全国的に最も降雪が多い月です。路面が凍結して滑りやすくなるため、車のスリップ事故が起きやすくなっています。
実はこのスリップ事故は、通常の交通事故よりも、相手方とのトラブルが起こるケースが多いそうです。古藤先生によると、その理由はスリップ事故の「過失割合の出し方」にあるとのこと。そこで、第157回の放送では、「スリップ事故での過失割合」について古藤先生に詳しく解説して頂きました。

スリップ事故は、「過失割合の出し方」が通常の事故と変わってくるそうです。過失割合とは、交通事故が起きた責任の割合を示したもので、損害賠償に大きく関わってきます。
例えば、スリップ事故で多いのが、「スリップした車に追突した・追突された」という事故。
追突事故の場合、基本的には車間距離を十分にとっていなかった追突車両に100%過失があります。ただ、もし前方車両が急停止したことで、後方車両が急ブレーキを踏まざるを得ず、結果スリップしてコントロール不能になった場合には、前方車両側にも一定の過失が認められる可能性があるそうです。

そこで、スリップ事故の過失割合を左右する4つのポイントについて伺いました。

① 急ブレーキの有無
雪道やアイスバーン状態の道路で不用意にブレーキを踏めば、スリップの原因となるのは当然ですよね。そのため、スリップ事故においては急ブレーキの有無が過失割合を決める際のポイントとなるそうです。
先程の例のように前方車両が急ブレーキを踏んだ場合、前方車両にも30%程度の過失割合が認められます。これは、道路交通法上、危険を回避する為やむを得ない場合以外、原則として急ブレーキをかけてはならないと規定されているためだそうです。

② スリップ対策の有無
一般的に、雪道を車で走行する場合、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤなどのスリップ対策を行うべきですよね。そのため、雪道をノーマルタイヤで走行していたことによる事故は、過失割合が大きくなるそうです。

③ 走行速度と車間距離
前の車が突然急停止したことで追突した場合でも、後ろの車が十分な車間距離をとっていなかったり、走行速度が速すぎたりという場合には、前の車だけが悪いと言い切るのは難しいと考えられます。
特に、凍結路面や雪道では通常以上の車間距離をとることが必要ですし、走行速度も、制限速度を大きく下回る速度で走行すべき場合もありますよね。
路面状態によっては、通常以上に走行速度や車間距離に注意すべきと判断される可能性があるそうです。

④ 運転操作の問題
凍結した道路で急ブレーキをかけると、タイヤにロックがかかってしまい、スリップ事故の原因になります。その他、ブレーキをかけるべき場面においてブレーキの踏み込みが甘かったり、急ハンドルによってスリップを起こした車がスピンしたりしてしまうことがあります。この場合、運転操作を誤らなければ、スリップやスピンを防げたと考えられるため、この点も過失割合を判断する際に考慮されるそうです。

実際に運転していてスリップすると、どうしても焦ってしまいますよね。冷静な対応をとることはなかなか難しいかもしれませんが、常に万が一のことを考えながら、いつも以上に安全運転を心掛けることが大切です。
また、その他の対策としては「ドライブレコーダー」を付けることも有効だそうです。
雪道は、ブレーキ痕が残りにくかったり、わかりづらくなったりすることがありますし、視界が悪くなっている為に、当事者から事故の状況を正確に把握することが難しい場合もあります。お互いの主張が違うと過失割合がなかなか確定できず、解決まで長期間かかる可能性があるそうです。
ドライブレコーダーに記録されていれば、事故時の路面の状況や速度、相手車両の状況などが映像として残っているため、大きな証拠として有効になるとのことでした。

スリップ事故の過失割合の考え方には、色々な要因が影響するため、通常の交通事故よりも複雑です。もし事故に遭ってしまった時には、ぜひ弁護士にご相談ください。
弁護士であれば、過去の裁判例や過失割合の法的な基準を保険会社に提示して、適正な過失割合を出してくれますよ!
交通事故被害のご相談は、弁護士法人・響まで!