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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

弁護士法人・響の古藤由佳弁護士と
手相芸人の島田秀平氏が
様々なトラブルや
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2021.9.9放送

第136回

電動キックボードの事故が増加中!知らなかったでは済まない違法行為に!?

島田秀平さんの手相を見る古藤由佳弁護士

今回も、弁護士法人・響の弁護士、古藤 由佳(ことう ゆか)先生にお越しいただきました!
放送日の9月9日は「世界占いの日」。古藤先生も占いはお好きだそうで、意外にも朝の占いにも影響されちゃうのだとか!島田さんによると、特に不安な社会情勢の時に、占いはブームになりやすいそうですよ。「良い距離感で楽しむ気持ちを忘れずに、占いとお付き合いしていただきたいですね!」とのことでした!確かに!

さて、そんな占いの話から、今回はこちらも上手にお付き合いしていきたい新しい乗り物のお話です。昨年あたりから、街中で電動キックボードを見かけることが増えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今年の4月から、国の特例措置を受けた国内の4社が、東京・大阪・福岡など6都道府県でシェアリングサービスをスタートしました。この4社の電動キックボードは、ミニバイクではなく、「小型特殊自動車」として公道走行が認められていて、法定速度は時速15キロ。ヘルメット装着は任意で、自転車レーンなども走行可能。新たな移動手段として注目されているそうです。
しかし、その一方で、一部のみに特例措置が適用されているなど、ルールが分かりづらいこともあり、事故も多発しています。

そこで今回は、電動キックボードについて古藤先生に法的観点から詳しく伺いました。
電動キックボードは、キックボードに電動式のモーター(定格出力0.6キロワット以下のもの)を取り付けて、自動走行するものです。そのため、特例で「小型特殊自動車」と認められるものを除き、「原動機付自転車」(いわゆる原付)と同じとされています。(※小型特殊自動車には、フォークリフトや小型のショベルカーなどが含まれます。)
つまり、乗車には免許が必要であり、持っていないと無免許運転となります。
そのほか原動機付自転車は前照灯、番号等、方向指示器等の構造及び装置について、道路運送車両の保安基準に適合していなければ、公道を走ることができません。つまり、保安基準を満たさない電動キックボードも同じで、歩道、車道を含め道路の走行は違反になります。

保安基準に適合しない電動キックボードで走行した場合には、3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金を科される可能性があります。また、そういった車両本体以外でも、自賠責保険または自賠責共済の契約が締結されていなければ、電動キックボードを走行させることができません。これに違反した場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を科される可能性があります。また、地方税法に規定される軽自動車税を納付する必要もあります。

更に市町村の条例では、電動キックボードには、軽自動車税の納付の際に市町村から交付されるナンバープレートを取り付けるよう規定されていますので、ナンバープレート無しで走行することも違反になります。

電動キックボードの走行中に人を怪我させてしまった場合、運転者には、少なくとも怪我をさせてしまった人に対する民事上の損害賠償責任と、刑事責任の両方が生じます。
では仮に、無免許・無保険・ナンバープレートをつけていない状態で事故を起こした場合には、どのような罰が考えられるのでしょうか。
まず、違反点数については、2つ以上の違反の場合、違反点数の高い点数のみが適用されます。無免許25点・無保険6点・ナンバープレート無し2点のため、この中で最も高い違反点数25点が適用されます。
刑事罰については、二つ以上の罪を犯した場合には、最も重い刑の長期1.5倍と、すべての刑の長期の合計を比較して低いほうとされます。無免許・無保険・ナンバープレート無しの場合、最も重いのは無免許運転の最長3年でその1.5倍は4年半となります。無免許の長期3年と無保険の長期1年、ナンバープレート無しには懲役刑がないため、合計4年。
4年のほうが短いため、刑期の上限は4年となります。
罰金については、すべての刑の合計額150万円(50万円×3)が上限となります。

万が一、電動キックボードの事故にあった場合には、通常の交通事故と同じ対応を取ります。
1, すぐに警察に連絡する。
2, 必ず病院に行って診察を受ける。
3, 加害者の連絡先をしっかり確認する
この3つを行うことが大切です!

気軽に乗ることができる電動キックボードですが、責任は自動車と同じですから、乗るときには安全に注意し、法律を守って、運転することが大切です。
便利なものだからこそ、ルールを守って、上手に、楽しくお付き合いしていきたいですね。
キックボードでの事故も含め、交通事故の被害でお困りの際は、是非、弁護士法人・響に相談してみてください!