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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

弁護士法人・響の古藤由佳弁護士と
手相芸人の島田秀平氏が
様々なトラブルや
法律について、わかりやすく解説する番組!

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2024.4.18放送

第272回

飼っている犬が人を噛んでしまった!飼い主はどんな罪になる?

島田秀平さんと愛犬ブランちゃんと古藤由佳弁護士

放送日の4月18日は、特許法の前身にあたる「専売特許条例」が公布された日であることにちなんで「発明の日」でした。古藤先生が「天才!」と思った発明は、「納豆のふたに切れ目を入れた方」だそうです!確かに昔は、納豆のふたが戻ってきてしまうことがありましたよね。島田さんは、納豆のお話から派生して、付属しているからしやたれがどこからでも切れるようになったことが「天才!」と仰っていました!これは本当に便利ですよね!古藤先生も「何度でもトライできる!」と嬉しそうでしたよ!

さて、今年2月7日、群馬県伊勢崎市の公園で、7歳から63歳までの小学生9人を含むあわせて12人が犬に次々とかまれ怪我をする事故があったそうです。体長1m30cmほどある中型の四国犬に足などを噛まれたという痛ましいニュースでした。そこで第272回の放送では、飼っている犬が人に怪我をさせてしまった場合、飼い主はどんな罪に問われるのかを古藤先生に詳しく解説していただきました。

飼い犬が人に怪我をさせたら、飼い主の罪になる?

古藤先生によると、飼い犬が他人を怪我させた場合、飼い主の罪になるそうです。ただ、どのような罪に問われるかはケースによるとのことで、状況と罰則について詳しく解説していただきました。

①飼い主が犬をけしかけて人を噛ませた場合

飼い主が、犬をけしかけて人をかませた場合、飼い主には「傷害罪」が成立し、罰則は15年以下の懲役、または50万円以下の罰金が科されるとのことです。

②犬が勝手に人を噛んでしまった場合

飼い犬が勝手に人を噛んでしまった場合、状況にもよりますが、飼い主の過失が重いと判断された場合は「重過失致傷罪」として5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されるそうです。過失が重いと判断されなかった場合は「過失傷害罪」として、30万円以下の罰金または科料が科せられることになるそうです。

飼い犬が人に怪我をさせたら、民法上の責任は問われるの?

飼い犬が人に怪我をさせた場合、刑法上の罰則とは別に、民法でも責任を問われるそうです。民法では、ペットの飼い主はしっかりと注意を払ってペットを管理することが求められているとのことで、もしペットが他人に危害を加えてしまった場合は損害賠償責任を負うと決められているそうです。具体的には、飼い主が被害者に対して治療費や休業補償、慰謝料などの民法上の賠償金を支払う義務があるとのこと。民法では、法律上であらかじめ賠償金の金額が定められていないため、示談で決めることもあれば、裁判で決めることもあるそうです。被害者の怪我の程度によっては賠償金が高額になることもあり、過去には飼い主に数千万円の賠償金の支払いを命じられた事例もあるとのことでした。

飼い犬が人に怪我をさせたら、すべて飼い主の罪?

ただし、飼い犬が他人を怪我させた全てのケースで、飼い主に罪があるわけではないとのことです。「相当の注意」をもって他人に損害を与えないように注意をしてペットの管理をしたことを証明することができた場合に限り、その責任が免除される仕組みとなっているそうです。相当な注意とは、判例によれば、「通常払うべき程度の注意義務を意味し、異常な事態に対処し得るべき程度の注意義務まで課したものではない」とされているとのこと。具体的には動物の種類や大きさ、人を噛む癖があるかなどの性質、事故時の状況等によって判断されるため、ケースバイケースとのことでした。家の中に泥棒が入って、番犬が噛み付いたというような、被害者側に重大な落ち度があり、自ら危険を招いた場合は飼い主の免責が認められたという判例も多数あるそうです。

もし、飼い犬が他の犬に嚙みついたら?

飼い犬が他の犬に傷を負わせた場合、刑事事件にはなりませんが、相手の飼い主から民事訴訟を起こされて損害賠償を請求される場合があるとのことです。じゃれあっていると油断していると、自分の犬が被害に遭うこともあるので、目を離さないよう注意しましょう。

飼い犬が人に怪我を負わせてしまったらどう対処したらいい?

もし飼い犬が人に怪我をさせてしまったら、まずは被害者の方に対して誠心誠意のお詫びの気持ちを伝えましょう。これはトラブルを大きくさせないために非常に重要なポイントとのことです。次に、被害者の方と一緒に必ず病院に行ってください。被害者の方が「病院に行かなくてもいい」と言っても、感染症の可能性があることを理解してもらい、一緒に行くようにしてくださいとのことでした。
その後、保健所に届け出を出します。噛みつき事故が発生した際には、事故の発生から24時間以内に保健所へ届け出る義務があるそうです。被害者の方にも届け出を出してもらわなければならないため、必ず協力を依頼してください。また、人を噛んだ犬は、48時間以内に獣医師の診察を受ける義務があるそうです。狂犬病ではない証明の診断書をもらって、保健所に提出してください。犬を飼っている方だけでなく、飼っていない方も万が一に備えて覚えておいていただけたらと思います。

また、もし被害者側になってしまった場合、加害者である飼い主には治療費のほかに、怪我の治療や療養のために仕事を休まざるを得なくなった場合の休業補償、壊された物品があれば修理・弁済などについても損害賠償請求をすることが可能とのことでした。
もしもの時には、ぜひ今回のお話も参考にしてみてくださいね!


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