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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2024.2.22放送

第264回

高齢者の交通事故が増加!事故の原因と対処法は?

温泉に入った雰囲気の古藤由佳弁護士と島田秀平さん

放送日の2月22日は「温泉マークの日」でした!確かに、湯気の模様が「222」にも見えますね。この温泉マークは江戸時代から使われているそうですよ!
温泉といえば、埼玉県秩父市にある「三峯神社」には、神社の敷地内に温泉があるそうです!「神の湯」とも呼ばれ、とてもご利益があるそうですよ。そして、島田さんによると三峯神社は「今年絶対行くべき!」神社とのこと。三峯神社の手水舎の石畳には龍が浮かび上がっているのですが、実はこの龍が浮かび上がったのが12年前、2012年の辰年だったそうで、パワースポットとなっているそうですよ!これはぜひ辰年の今年見に行きたいですよね!

さて、近年は車の安全装備の充実などもあって、交通事故発生数は2004年をピークに減少。2022年にはピーク時の3分の1以下になったそうです。しかし、その中で高齢ドライバーによる事故の割合は増加傾向にあり、死亡事故全体に占める高齢ドライバーの事故の割合も増加しているようです。
そこで第264回の放送では、高齢ドライバーによる交通事故の状況と事故原因のほか、事故を起こさないための対策について、古藤先生に詳しく解説していただきました。

高齢者の交通事故が増えている?

交通事故の件数が減っているにもかかわらず、割合でみると高齢者の交通事故が増えている理由のひとつには、超高齢社会の中で高齢者ドライバーの数が増えていることが挙げられるようです。2022年に警視庁が発表したデータによると、65歳以上の高齢運転者が事故の時に違反していた交通規則としては、「安全不確認(34.7%)」「交差点安全進行義務違反(18.0%)」「前方不注意(11.6%)」「ハンドルやブレーキの操作不適(7.6%)」などが挙げられています。

高齢者ドライバーはなぜ事故を起こしやすい?

高齢ドライバーの事故が起きやすい理由を、古藤先生に3つ挙げていただきました。

身体機能の低下
一般的に、加齢に伴って身体機能が低下します。その結果、危険に対する対応が遅れがちになってしまうとのことです。

認知機能の低下
車の運転では頻繁に認知・判断・操作を行います。個人差はありますが、高齢になると注意力や集中力、瞬間的な判断力の低下により、危険に気づかなかったり、咄嗟の判断が遅れたりすることもあるとのことです。

長年の運転経験による慣れと慢心
身体機能・認知機能の衰えを自覚しつつも、慣れや長年の運転経験から「まぁ大丈夫だろう」と、つい油断してしまい、事故を起こしてしまうことも多いとのことです。

交通事故を起こした時の罰則

万が一事故を起こしても、刑事上、民事上、行政上の責任の重さに年齢は関係ありません。高齢者であることは理由にならず、等しく罰則を受けることになります。それぞれどんな罪に問われるのか、古藤先生に伺いました。

●刑事上の責任

自動車運転中の過失によって、人を死亡させるか怪我をさせた場合は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」第5条の過失運転致死傷罪にあたり、刑事罰として7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金が科されます。
また、高齢者による交通事故というと、アクセルとブレーキを踏み間違えてお店や家などの建造物に突っ込んだというニュースの報道も度々目にしますね。建造物に突っ込むような事故の場合、「運転過失建造物損壊罪」で6ヶ月以下の禁錮または10万円以下の罰金が科される可能性があります。また、建造物の損壊によって死傷者が出た場合は、過失運転致死傷罪なども合わせて問われることになります。罰金もですが、特に高齢になってからの懲役や禁錮は身体的な負担も大きいですよね。

●民事上の責任

交通事故の加害者は、被害者に対して損害賠償責任があります。対象となるのは、ケガの治療費や車両の修理費、慰謝料などで、過失割合に応じた金額を支払うことになるとのことです。
まだ働いていてある程度の収入があれば良いですが、高齢になると収入が減る人の方が多いでしょうから、かなりの負担になりますね。

●行政上の責任

事故を起こした場合、状況によっては運転免許の違反点数加算による免許取り消しや免許停止処分の可能性もあります。

高齢者の事故は責任が重くなる?

さらに、事故を起こした場合「高齢だから」というのは言い訳にはならず、事情によっては、より責任が重くなる可能性があるとのことです。
例えば、「持病や服用している薬、加齢による能力の衰えなどから、安全運転に不安がある状態だった」「以前にも事故を起こしたり事故を起こしかけたりしたことがあり、運転を控えるべきであった」といった場合などは、事前に回避できたと捉えられ、「安全を怠った」「故意」と取られる可能性もあるそうです。高齢者の方が運転をする場合は、この点も踏まえて安全運転を意識しなければなりません。

高齢者の交通事故を防ぐには?

安全運転を意識することはもちろんのこと、「高齢者マークをつける」ことや、最近だと「安全運転サポート車、いわゆる『サポカー』に買い替える」ことも高齢者の交通事故を防ぐためには重要です。また、周りの方に相談の上、免許の返納を検討してもいいと思います、と古藤先生は仰っていました。いずれにせよ、交通事故を避けるためにできることはしっかり検討しましょう。

もし高齢者の交通事故に巻き込まれてしまったら?

今回の放送では、古藤先生に高齢者ドライバーが事故を起こした場合について解説して頂きましたが、被害者になる場合ももちろんあります。被害者が高齢の場合、事故の時の記憶力や判断力の低下などを指摘されて反論できなくなる、相手の言動にストレスを受けるといったことが考えられるとのこと。そのため、適切な反論ができず、結果として、本来請求できる金額よりも低額で示談してしまう可能性もあるそうです。そのような事を防ぐためにも、知識・経験共に豊富な弁護士への相談をお勧めしますとのことでした。

もちろん、事故は高齢者だけでなく、誰もが巻き込まれる可能性があります。交通事故に巻き込まれた際は、弁護士法人・響にお早めにご相談くださいね。


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