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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2021.5.20放送

第120回

SNSへのネタバレ投稿は違法?

ジョジョ立ちを頑張る島田秀平さんと澁谷望弁護士

今回も、弁護士法人・響の弁護士、澁谷 望(しぶたに のぞむ)先生にお越しいただきました! 5月20日は「成田空港開港記念日」だそうです。弁護士の先生は、地方出張で飛行機を使うケースが多いイメージがありますが、澁谷先生はその移動時間をリラックスタイムとして使い、漫画を読んで過ごしていることが多いんだそうです!

さて、今年の3月末、漫画「進撃の巨人」の担当編集者がTwitter上で、作品の違法アップロードや発売前漏洩を行った複数の個人、アカウントに対して訴訟の手続きを進行中であると明かしました。今後についても「画像やテキストによる違法投稿について、国を問わず対応します」とコメント。これは4月に最終回を迎えた「進撃の巨人」のネタバレをさせないようにするための警告(注意喚起)だったようですが、かなりネットで話題になりました。
そこで、第120回はこのニュースを受けて「ネット上でのネタバレ行為は違法になるのか」をテーマに澁谷先生に解説していただきました。

ネタバレ行為も含む情報を発信する自由は、日本国憲法においては、表現の自由に含まれるとのことです。しかし、すべて表現の自由として保護されるものではなく、他者の権利や利益との関係で制約を受けることがあります。今回の場合でいうと、それが著作権ということになるそうです。

また、漫画や映画の内容を話さないとしても、これを要約したものに関しては、著作権者が表現したかったものと違ったまとめ方になることも想定され、同一性保持権の侵害になる可能性があるとのことです。
他にも、漫画のストーリーを詳細にネットに書き込むことは、元の著作物とは異なる著作物(二次著作物)を作成することになり、本来は著作権者の許可が必要になるため違法になります。また、画像の一部の切り抜きをすることは複製権侵害になりますし、それをネットで公表すると、公衆送信権や送信可能化権の侵害となるそうです。

詳細に話したり、元の著作物の画像などを使ったりせず、著作権侵害に当たらない行為でも、例えば推理もので「犯人は○○」といったネタバレ行為を行った場合、民法上の不法行為に該当し、損害賠償責任を負うことになる可能性があるとのことです。
このようなケースでは、オチがわかってしまった作品の売り上げが落ちることが予想され、売上見込みが大幅にずれることになるため、販売元から、失った利益に対する賠償を請求されるかもしれません。

いい作品に触れると、つい人に話したくなりますが、思わぬところで著作権を侵害している可能性があります。せっかくの感想が違法になってしまうことのないように、みなさんも気を付けてくださいね!