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『 弁護士法人・響 Presents
島田秀平と古藤由佳のこんな法律知っ手相

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2024.5.2放送

第274回

SNS型投資詐欺の注意点と対策!

茶園をバックにお茶を楽しむ島田秀平さんと古藤由佳弁護士

放送日は緑茶の日でした。古藤先生はコーヒーがあまり飲めないためお茶派だそうですが、最近は急須よりティーパックを使うことが多いとのことです。ティーパックは忙しい時でも手軽にお茶を楽しめて、便利ですよね。皆さまも、お茶でほっと一息ついてみてはいかがでしょうか。

さて、今年は新NISA制度がスタートし、日経平均株価が史上最高値を更新するなど、投資熱が高まっています。その一方で、著名人を装ったSNS広告による投資詐欺が増加しているそうです。今年3月に発表された警察庁の資料によると、2023年の1年間に確認されたSNS型投資詐欺の件数は全国で2271件、被害総額は、約277億9000万円に上りました。
第274回の放送では、偽広告による投資詐欺にひっかからない方法について、古藤先生に詳しく解説して頂きました。

著名人が勧誘するSNS広告の真実

SNSを利用している時に、実業家の前澤友作さんや、池上彰さん、堀江貴文さん、森永卓郎さんなど経済界に精通する人物が投資を勧誘する広告を見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。現在増加している投資詐欺の中でも、こういった著名人を騙るSNS広告による被害が特に多いそうです。前澤友作さんをはじめ、詐欺広告に利用されている各著名人もSNSで注意喚起を行っていますが、それでも騙される人は後を絶たないようです。

SNS型投資詐欺の巧妙な手口

SNS型投資詐欺でよく使われる手口は、ネット広告からLINEやアプリへの誘導だそうです。ネット広告をクリックするとLINEの投資グループへの入会コードが表示され、入会すると、著名人本人やそのアシスタントを名乗るアカウントから投資話を持ちかけられます。その後、取引に必要な専用アプリに誘導され、入金を求められるそうです。一度入金してしまうと、「倍増プランがある」、「増やせば利益が出ます」などといって繰り返し入金させられます。アプリ上では“値上がり”が表示されて利益が出ているように見えますが、出金しようとするとできず、連絡も取れなくなりお金も戻ってこないというケースが多いようです。
専用のアプリを作るだけでなく、著名人の声を複製したフェイク音声を使うなど、信用させるための手口が巧妙化しているため、「投資」という誰もが一度は詐欺を疑うような内容でも、騙されてしまうケースが多いとのことでした。「詐欺師もここまではできないだろう」という心理をついた手口を使ってきますから、注意が必要ですね。

投資詐欺の偽広告が減らない理由は?

SNS型投資詐欺の被害が増加しているにもかかわらず偽広告が無くならない理由はいくつかあるそうです。

一つ目の理由は、「ネット広告は、基本的に誰でも掲載できる」ことだそうです。
テレビ広告やラジオ広告、新聞広告といったマスメディアの広告は、掲載する際に掲載企業や掲載内容の審査があります。そのため、信頼のおける企業や内容でなければ広告を掲載することができません。
しかし、SNSなどのネット広告は、基本的には携帯電話番号やクレジットカードがあれば個人であっても比較的簡単に広告を掲載することができるそうです。言ってしまえば、お金さえ払えばだれでも広告を出すことができてしまいます。そのためネット広告は犯罪集団が手軽に詐欺広告を掲載できる場所になっているそうです。

二つ目の理由は、「削除対策が追いつかない」ことだそうです。
例えばFacebookを運営するMeta社では新規に広告を出稿するアカウントの制限を厳しくするなどの対策をとっているそうですが、日々膨大な数の広告が入稿されていること、詐欺広告側の手法も複雑化していることから、一つずつ細かいチェックをすることは難しいようです。加えて、詐欺広告は、“広告からLINEグループなどに誘導した先で詐欺にかける”という形をとっているため、“LINEクループに誘う”広告表現自体に問題があるわけではなく、広告自体を違法なものとして判断しにくいこともあるようです。

SNSの投資詐欺に騙されないためのポイントは?

古藤先生によると、「絶対に儲かる」「元本保証」「絶対に損しない」これらの言葉を謳っている広告は全て詐欺だと思ってよいそうです。そもそも、元本保証を謳って資金を集めるのは違法とのこと。ファンドなどの投資案件への資金募集も、ライセンスがないと違法行為になるそうです。相手がライセンスを持っているかどうかは、金融庁のウェブサイト上で確認できるとのことですから、登録されていない場合は違法な詐欺グループだと判断できます。
将来の財産に不安があると、資産を増やせるチャンスに飛びつきたくなるかもしれませんが、まずは落ち着いて、しっかりと確認することが大切ですね。

投資詐欺被害に遭った場合の対処法は?

SNS型投資詐欺の被害に遭った時には、すぐに警察に連絡してください。投資詐欺は詐欺罪が成立するため、情報をまとめて警察に被害届を提出するとよいそうです。警察に対して被害の状況を速やかに伝えることで、詐欺グループが摘発される可能性も高まるとのことでした。

また、詐欺グループに対して被害金の返金等を請求したい場合、まずは弁護士に相談するのがおすすめだそうです。弁護士に相談すれば、どのような方法によって被害金を回収できるのか、被害金を回収できる可能性がどの程度あるのかについてもアドバイスしてもらえます。

今回はSNS型投資詐欺について古藤先生に解説していただきましたが、まずは詐欺の被害に遭わないのが一番ですから、甘い話には絶対に乗らないようにしましょうね!


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