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被相続人(相続財産を残す人)の生前(存命中)に、相続放棄を行うことはできません。
被相続人の存命中に相続放棄の代わりにできることには、次のものが挙げられます。
*借金などの負債がない場合に有効
被相続人の死後であれば、相続放棄の手続きを行えば相続人としての権利・義務すべてを放棄できます。
また、負債がない場合、遺産分割協議で遺産を放棄するという方法も考えられます。
生前に相続を放棄したい・させたいと考えたら、司法書士や弁護士に相談すると、安心かつスムーズです。
司法書士法人みつ葉グループは、相続に関する相談・問合せの実績が5,000件以上ある司法書士事務所です。
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目次 [非表示]
生前(被相続人の存命中)の相続放棄は認められていません。
相続放棄は、相続人としての立場・権利を放棄するための手続き。被相続人の存命中は、相続人にもなっていないので、放棄もできません。
言うなれば、渡されていない物を捨てられないのと同じです。
(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、このかぎりでない。
(中略)
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。
よって生前に、被相続人が単に「相続放棄をさせたい」という遺言書をつくっても、相続人という立場自体は残るため、完全に資産や借金の相続を防ぐことはできません。
また、推定相続人が事前に「相続放棄する」という公正証書をつくっても、その効力は限定的です。
詳しく解説します。
この記事での表記について
この記事では、それぞれの単語を次の意味で記載しています。
相続放棄については、以下の記事で詳しく解説しています。
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相続放棄をすべき場合とは?手続きの流れと費用やその後の注意点まで徹底解説被相続人の存命中に、相続人や被相続人が
「遺産の相続を放棄する」
「特定の相続人に一切の相続を放棄させる」
という旨の公正証書を作成していたとしても、その公正証書に相続放棄の効力はありません。
また、被相続人が公正証書遺言に「相続人には財産を相続させない」と記載することはできますが、これにも相続放棄の手続きと同等の効力はありません。
相続人としての立場および相続権は法律で保障されたものなので、たとえ公正証書があっても失われることはないのです。
被相続人が亡くなった後の相続は、次のような流れとなります。
相続財産に負債(借金)がある場合
法律上、相続人には相続権=借金の返済義務が残り、被相続人の債権者(被相続人にお金を貸した会社・人)からの請求を受けることになります。
相続放棄する旨を記した公正証書や遺言書では、この請求に対抗することはできません。
相続人が返済義務から逃れるためには、相続放棄の手続きが不可欠となります。
相続財産に資産がある場合
公正証書遺言があれば、原則として、その内容に従って遺産が分割されます。
ただし、相続人の相続権はなくならないため「遺留分」を請求することはできます。
たとえ遺言書で特定の相続人の相続分をゼロにしたとしても、完全に放棄させることはできないのです。
念書の法的効力はケースバイケースですが、どのような場合であっても「相続放棄する旨の念書がある=相続放棄をした」とはなりません。
そもそも念書とは、約束した事項を記載し、約束した相手に提出する書面を指します。
当事者間でやり取りするものであり、必ずしも公証役場で公証人に作成してもらう公正証書であるとはかぎりません。
「契約書」や「合意書」「誓約書」のようなイメージです。
なお、遺留分の放棄に関しても、念書では効力がありません(詳しくは後述)。
借金(負債)や資産を相続しない、または相続させないために、生前にできることとしては次のものが挙げられます。
借金(負債)の相続を防ぐ方法
被相続人の債務整理
被相続人本人が債務整理を行い、借金をなくす、もしくは減らしておく
資産の相続を防ぐ方法
相続人による遺留分の放棄、被相続人による遺言書作成
相続人が遺留分の放棄を家庭裁判所に申し立てたうえで、被相続人が遺言書に相続させない旨を記載する
他の相続人への生前贈与
相続したくない(させたくない)相続人以外の人や団体に生前贈与する
相続人の廃除・欠格
被相続人が推定相続人の廃除を申し立て、遺言書に相続人廃除の旨を記載する
それぞれの手続きについて、詳しく解説します。
債務整理は、被相続人に借金があって亡くなるまでに完済するのが難しそうな場合、考えられる選択肢です。
被相続人本人が債務整理を行うことで、生きている間に借金を減らしたりなくしたりできるため、相続人に引き継がせずに済む可能性が高いでしょう。
債務整理については、以下の記事で詳しく解説しています。
「債務整理とは?3種類ある方法の違いやデメリットとそれぞれの費用を司法書士が解説」
被相続人の生前に次の手続きを行うことで、特定の相続人の相続財産をゼロにすることが可能です。
相続人が「遺留分の放棄」を家庭裁判所に申し立てる
1を行ったうえで、被相続人がその相続人に相続させない旨の遺言書(有効なもの)を作成する
遺留分の放棄とは、家庭裁判所の許可を得て、相続人があらかじめ(被相続人が生きている間に)遺留分を放棄することです。
手続きは、被相続人の住所地の家庭裁判所に必要書類を提出することで行えます。
必要書類は次のものです。
この方法は、借金を放棄したい、または放棄させたい場合には適しません。
あくまで「遺留分」を放棄する手段であり、相続人の立場を放棄する・取り上げるものではないからです。
被相続人に借金がある場合、債権者は相続人を「借金の返済義務がある人物」と見なし、請求を行う可能性があります。
請求を受けないためには、相続放棄の手続きをして相続人ではなくなる必要があります。
資産を相続したくない・させたくない相続人がいる場合、被相続人が、その相続人以外に財産を生前贈与するのも一つの方法です。
生前贈与とは、文字どおり、存命中に保有している資産を他者に与えることです。
あくまで資産を与えることなので、借金を相続させないといった効力はありません。
贈与額に上限はありませんが、1人につき年間110万円までの贈与であれば、贈与税が発生しません。
ただし、毎年110万円以下を渡している状態(暦年贈与)が続く中、被相続人が亡くなって相続が発生した場合、相続発生までの3年以内に行われた贈与については相続税が発生します。
この期間は2024年から少しずつ延長され、最長7年以内まで延長される予定です。
対策として「相続時精算課税制度」の利用も検討するといいでしょう。
これは60歳以上の親や祖父母が18歳以上の子どもや孫に贈与する場合は最大2,500万円まで非課税となり、相続発生時に相続税と贈与税を精算する制度です。
「相続時精算課税制度」を利用する際は、贈与の最初の年に贈与税の申告と相続時精算課税選択届出書を提出しなくてはいけません。
必要に応じて、税理士や税務署などに相談して制度の利用を進めましょう。
参考:「相続時精算課税制度」とはどんな制度?|公益財団法人 生命保険文化センター
この方法だと、遺留分の請求に関しては必ずなくせるというわけではありません。
遺留分は「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えた額から債務の全額を控除した額」と定められており、贈与した財産も含めて計算されるからです(民法1043条)。
対応に迷う場合は、司法書士や弁護士などの法律の専門家に相談するといいでしょう。
被相続人が存命中に以下のいずれかの手続きを行うことで、推定相続人から相続権を取り上げることができます。
「相続人廃除」とは、裁判所に申し立てることで相続権を持っている人を相続から外すことができる制度のことです。
ただし、どのようなケースでも受理されるわけではありません。
受理される可能性が高いのは、相続人に、以下のような大きな問題があったケースです。
上で挙げた例からもわかるように、深刻な理由がないかぎり「相続人廃除」はできません。
また、このような事由があった根拠を家庭裁判所に示さないといけないため、ハードルが高い手続きであり、資産を他の人に継がせたい場合に取る方法ではないといえるでしょう。
なお、相続人廃除を行った場合、代襲相続が発生します。
代襲相続とは、相続権を失った相続人の子や孫が代わりに財産を相続することです。
たとえば、被相続人(親)に暴力を繰り返していた子どもを廃除した場合、その子である孫がいれば、孫が相続人になります。
相続欠格に遺言書は不要
相続人が相続権を失う制度として、相続欠格もあります。
次のようなケースに該当すると、相続欠格になる可能性が高いといえます。
相続欠格は条件に当てはまると必ず起きるものなので、遺言書をつくる必要はありません。
相続財産を相続しないため、被相続人の死後に相続人ができることとしては、次のことが挙げられます。
それぞれの手続きについて、詳しく解説します。
被相続人が亡くなった後、相続放棄の手続きを行うことで、被相続人が残した借金などの負債も家や車などの財産も、すべて放棄することになります。
相続放棄を行った後、被相続人の債権者から返済の請求があった場合は、手続き後に取得できる「相続放棄申述受理通知書」を送ることで、基本的に請求を止めることができます。
手続きの方法に関しては後述します。
相続放棄の注意点として、次のようなことが挙げられます。
これらについて詳しく解説します。
被相続人の死後、相続人が相続財産に手をつけてしまった、または処分してしまった場合は、民法921条により単純承認したものと見なされます。
単純承認とは、被相続人の財産や借金などのすべてを引き継ぐことです。
次のような行為は財産の処分と見なされる可能性があるので、注意しましょう。
処分行為の例
相続放棄ができない場合については、以下の記事で詳しく解説しています。
相続放棄の手続きには、期間が定められています。
原則として、「自分への相続開始を知った日(自己のために相続の開始があったことを知ったとき)」を起算点(1日目)とし、そこから3ヶ月間が相続放棄できる期間です。
この期間は「熟慮期間」と呼ばれ、この間に相続放棄の手続きに必要な書類を家庭裁判所に提出しなければいけません。
相続放棄の期間については、以下の記事で詳しく解説しています。
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相続放棄は3ヶ月の期間内に!期限が迫っているときの対処法と期間伸長の方法被相続人の死後、相続人全員が合意したうえで、特定の相続人が遺産を引き継がないという旨をまとめた「遺産分割協議書」に判を押すことでも、遺産を放棄することは可能です。
ただし、遺産分割協議書に判を押しても、相続人という立場は変わらないため、債権者からの請求を止める効力はありません。
被相続人に借金があった場合、遺産分割協議書に判を押した人も、返済を求められる可能性が高いでしょう。
遺産分割協議での合意は、相続人のうち一人でも考えが変わってしまうと、遺産の放棄が成立しなくなるというリスクがある方法です。
遺産分割協議は相続人全員の合意が必要です。
生前に相続放棄する旨の念書や公正証書を書いていたとしても、遺産分割協議の合意に必ず至れるとはかぎりません。
一方、先述した相続放棄は相続人一人でも手続きができるため、トラブルから身を引きたい場合は相続放棄が有効です。
「相続放棄したいけど、何から始めたらいいかわからない」
「そもそも、相続放棄した方がいいか判断できない」
このような不安や疑問を抱えている場合は、司法書士法人みつ葉グループにご相談ください。
当グループは、相続に関する5,000件以上の相談・問合せの実績がある司法書士事務所です。
経験豊富な司法書士がお話をうかがい、それぞれのケースに合わせた対応をご提案します。
ご相談のメリットについて、以下で詳しく解説します。
当グループでは、相続放棄をするか決めていない段階でも、司法書士にご相談いただけます。
相続手続きを多く行ってきた司法書士が、ご家族の状況や被相続人の財産の有無など、さまざまな観点から、相続放棄の必要性や可能性を見出し、最適な方法をご提案します。
被相続人の生前の相続対策に関するご相談も受け付けているので、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
司法書士法人みつ葉グループでは、土日祝日も含めた24時間365日、いつでも無料で相談を受け付けています。
オンラインでの相談も可能なので、平日に時間が取れない方も、遠方に住む親戚と一緒に話を聞きたいという方も、ライフスタイルに合わせて相談していただけます。
また、当グループに相続放棄のご依頼をいただいた後の問い合わせにも対応しています。
「相続放棄したはずなのに債権者から連絡がきた」
「他の相続人から問合せがきた」
といった場合も、基本無料でご相談いただけます。
「熟慮期間」を過ぎてからの依頼の場合は、1件につき2万2,000円(税込)プラスです。
相続放棄に関するよくある質問にお答えします。
基本的に、生前贈与を受けていたとしても、相続放棄は可能です。
生前贈与と相続放棄はそれぞれ独立した制度であり、関係性はないためです。
ただし、被相続人が多重債務状態になっていた場合などは、生前贈与が取り消される可能性があるため注意が必要です。
被相続人が債務超過であることを認識したうえで生前贈与を行い、相続人が相続放棄を行った場合は「詐害行為取消権」の対象となることがあるのです。
債権者が詐害行為取消訴訟を起こすと、生前贈与は取り消され、贈与された資産は被相続人に戻ります。
なお、この場合は相続放棄自体は取り消されません。詐害行為取消権の対象外のためです。
結果としては、借金を引き継がない代わりに、資産も引き継げないということになります。
相続放棄の手続きは、次の手順で進めていきます。
相続財産の調査をして相続放棄を行うか決める
プラスの財産(預貯金、不動産など)とマイナスの財産(借金など)のどちらが多いか確認し、相続放棄の判断をしましょう。戸籍謄本などの添付書類を集める
相続人自身や被相続人の戸籍謄本や住民票の除票などの必要書類を集めましょう。相続放棄申述書をつくる
家庭裁判所への申立に必要な「相続放棄申述書」を作成しましょう。必要書類を家庭裁判所に提出する
800円分の収入印紙を貼った相続放棄申述書と必要書類をまとめ、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出しましょう。送付された照会書・回答書を返送する
書類の提出後、2週間~1ヶ月程度で家庭裁判所から届く「相続放棄照会書」「相続放棄回答書」に記入し、返送しましょう。相続放棄申述受理通知書を受け取る
「相続放棄回答書」の返送後、1~2週間程度で家庭裁判所から届く「相続放棄申述受理通知書」を受け取りましょう。次の相続人や債権者がいる場合は連絡する
次順位の相続人がいる場合や、債権者からの連絡がきている場合はすみやかに連絡し、相続放棄したことを伝えましょう。相続放棄手続きの流れについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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