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相続登記で印鑑証明書が必要なケースと不要なケースの違いは?証明書の有効期限

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相続登記の手続きにおいて、印鑑証明書(印鑑登録証明書)は、相続人・遺言執行者の実印が本人のものであることを確認する役割があります。

ただし、すべてのケースで必要になる書類ではありません。

必要なケース

  • 遺産分割協議によって相続する場合
  • 遺言書による遺贈の場合
  • 上申書の作成、提出をする場合

不要なケース(原則)

  • 法定相続どおりで相続する場合
  • 遺言書に基づいて法定相続人が相続する場合
  • 遺産分割調停によって相続する場合

印鑑証明書の要・不要をはじめ、相続登記の手続きには迷うポイントが数多くあります。

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印鑑証明書(印鑑登録証明書)とは?相続登記で提出する理由

印鑑証明書(印鑑登録証明書)は、市区町村の役所に登録された印鑑を公的に証明する書類です。

登録した印鑑の印影と登録した人の氏名や住所などが載っています。

相続登記では相続人・遺言執行者が押した実印が確かに本人のものであることのために提出します。

印鑑証明書(印鑑登録証明書)見本

実印が本人のものであることがわかれば、本人から同意があったことの確認もできるというわけです。

相続登記については、以下の記事で詳しく解説しています。

相続登記に印鑑証明書は不要なこともある?相続パターン別に解説

相続登記手続きにおいて、印鑑証明書が不要なケースもあります。

以下のような相続のパターンでは、基本的に印鑑証明書は不要です。

印鑑証明書が不要な相続パターン

  • 法定相続
  • 遺言書による法定相続人の相続
  • 遺産分割調停による相続

逆に、以下のような相続のパターンでは印鑑証明書が必要になります。

印鑑証明書が必要な相続パターン

  • 遺産分割協議による相続登記
  • 遺言書による遺贈

なお、提出すべき書類の保管期限が切れたことなどによって上申書の作成、提出をしなくてはいけない場合、どのような相続パターンであっても印鑑証明書が必要です。

それぞれについて解説します。

【不要】法定相続による相続登記

法定相続による相続登記の場合、原則、相続人の印鑑証明書は不要です。

法定相続とは、民法で定められた割合(法定相続分)のとおりに法定相続人どうしで遺産を分割し、相続する方法です。

この場合、法律の規定どおりに不動産登記を行うことになるため、相続人全員の同意を法務局に示す必要はありません

よって、印鑑証明書も不要というわけです。

法定相続人
法定相続人とは、民法で定められた、被相続人の財産を相続できる権利を持つ人のこと。
亡くなった人の配偶者と血族(血縁関係のある人)に限られます。
ただし、血族には以下のように優先順位があり、先順位の人が一人でもいれば、後順位の人は相続人になれません。
  • 第1順位:子(子が死亡している場合は孫)
  • 第2順位:親(死亡している場合は祖父母)
  • 第3順位:兄弟姉妹(死亡している場合は姪・甥)

法定相続人の範囲と順位

【法定相続分の例】

<配偶者と子どもが相続人の場合>
配偶者:2分の1
子ども:(全員で)2分の1

<配偶者と親が相続人の場合>
配偶者:3分の2
親:(全員で)3分の1

<配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合>
配偶者:4分の3
兄弟姉妹:(全員で)4分の1

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注意点

法定相続は登記手続き自体はシンプルです。

しかし、法定相続にすべきかは慎重に検討してください。

遺産が不動産だと、法定相続の場合は共有持分を設定することで、法定相続人全員で共有する形になります。

相続した不動産を売却する場合などは全員の同意が必要となるため、相続人どうしの意見が対立し、もめ事に発展してしまうことも多いのです。

【不要】遺言書による法定相続人の相続

被相続人の遺言書に従い、法定相続人が不動産を相続する場合、印鑑証明書は不要です。

この場合の相続登記では、法務局に遺言書を提出します。

遺言書は、

  • 公証役場で作成した遺言書(公正証書遺言)
  • 自筆の遺言書(自筆証書遺言)で、法務局で保管されていたもの(自筆証書遺言書保管制度)
  • 自筆証書遺言で、家庭裁判所で「検認」の手続きを済ませたもの

のいずれかであれば公的な証明力があり、手続きに利用できます。

【不要】遺産分割調停による相続

家庭裁判所で遺産分割調停を行い、その結果に基づいて相続登記をする場合、印鑑証明書は不要です。

遺産分割調停は、遺産分割協議がまとまらなかった場合、法定相続人全員が家庭裁判所の仲介で話し合うことを指します。

その結果に基づき、家庭裁判所が以下のように書面を作成します。

  • 遺産分割調停調書:話し合いがまとまったとき、家庭裁判所がその内容をまとめた書面
  • 遺産分割審判書:話し合いがまとまらず、家庭裁判所が審判を下したときにその内容をまとめた書面

遺産分割調停をして相続登記をする場合、法務局にこれらの書面の謄本を提出します。

遺産分割調停調書謄本および遺産分割審判書謄本には、家庭裁判所の証明文がついており、文書の正当性を証明可能です。

よって、遺産分割調停を行った場合、相続登記手続時には印鑑証明書を提出する必要はないのです。

【必要】遺産分割協議による相続登記

遺産分割協議(遺産をどう分けるかの話し合い)を経て相続登記をする場合、相続人全員の印鑑証明書が必要です。

遺産分割協議を行った場合、その内容をまとめた「遺産分割協議書」という書類を作成し、相続人全員が実印を押します。

印鑑証明書を提出することで、遺産分割協議書に押した実印が本人のものであること、相続人が話し合いの内容に確かに同意していることを証明するのです。

遺産分割協議書

相続登記の遺産分割協議書については、以下の記事で詳しく解説しています。

【必要】遺言書による遺贈

被相続人の遺言書で、法定相続人以外に不動産を譲る(遺贈)場合、以下のような印鑑証明書が必要です。

  • 遺言執行者がいる場合:遺言執行者の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
  • 遺言執行者がいない場合:相続人全員の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)

遺贈の場合、登記手続きは登記義務者と遺贈を受ける人(受遺者)が共同で所有権移転登記を行うという形になります。

登記義務者とは、本来、もとの所有者(その不動産登記で形式上不利益を被る人)です。

遺贈の場合、もとの所有者は亡くなっているので、登記義務者は

  • 遺言執行者がいる場合:遺言執行者
  • 遺言執行者がいない場合:相続人全員

となります。

よって、登記義務者の同意の確認および本人確認のため、遺言執行者か相続人全員の印鑑証明書が必要となるのです。

遺言執行者
遺言執行者とは、遺言書に書かれた内容を実現するために必要な手続きを行う人のこと。
被相続人が遺言で指定することが可能です。
指定されていない場合、相続人が家庭裁判所に申し立てて選任するケースもあります。

【必要】上申書の提出が必要な場合

相続登記で上申書を法務局に提出する場合、相続パターンに関係なく相続人全員の印鑑証明書の提出が必要です。

上申書には相続人全員が実印を押す必要があり、実印が確かに本人のものであることを示さなくてはいけないためです。

注意点

上申書については、法務局(登記所)ごとに書式や扱いが異なるケースもあります。

必要書類がそろわないとわかった時点で、相続する不動産を管轄する法務局に相談しておくことをおすすめします。

相続登記における上申書とは

相続登記において、上申書は、被相続人と不動産の名義人が同一人物であることが戸籍等で証明できない場合に作成、提出する書類です。

相続登記では、以下のものが一致していることで、被相続人と不動産の名義人が同じ人物であることを確認します。

  • 不動産の登記事項証明書上の登記名義人の住所
  • 被相続人の住民票の除票上の住所

もしこれらの住所が合致していない場合、被相続人の住民票のある住所がすべて記載されている「戸籍の附票」を取得します。

しかし中には、戸籍の附票でも住所の整合性が確認できない場合や、保存期間の関係で戸籍の附票をとれないケースもあります(※)。

その場合、
「被相続人と不動産の名義人は同じ人物である」
ということを相続人全員が証明する書類として上申書を作成するのです。

上申書の文面の例は以下のとおりです。

上申書

〇〇法務局御中

下記登記申請に当たり、物件登記簿上の住所から亡〇〇〇〇(被相続人氏名)死亡時に至る住所の変遷を証明できる資料が取得できず、物件登記簿上の所有権登記名義人〇〇〇〇と 亡〇〇〇〇との同一性を証明することができません。

しかしながら、物件登記簿上の所有権登記名義人〇〇〇〇は、被相続人 亡〇〇〇〇本人に間違いありません。

また、本登記が受理されることにより、その権利関係に関して今後いかなる紛争も生じないことを確約し、決して御庁にはご迷惑をおかけいたしません。

つきましては、本登記申請を受理していただきたく、ここに上申いたします。

(不動産の表示)
所在 〇〇市〇丁目〇
地番 〇番〇
地目 宅地
地積 〇〇㎡

所在 〇〇市〇丁目〇
家屋番号 〇番〇
種類 居宅
構造 〇〇
床面積 〇〇㎡

令和〇年〇月〇日

(相続人全員の氏名・実印)

相続登記で使用する印鑑証明書の有効期限

相続登記で使用する印鑑証明書の有効期限は、以下のようになっています。

  • 遺産分割協議による相続:期限なし
  • 遺言書による遺贈:3ヶ月以内
  • 上申書に添付する場合:期限なし

遺贈は、簡単にいうと不動産を譲渡する手続きとなり、他の相続登記とは手続きの性質が異なるといえるでしょう。

よって、遺贈の場合のみ、印鑑証明書に有効期限があるのです。

印鑑証明書の原本還付の方法

印鑑証明書は、預貯金の払い戻しや株式の名義変更など、他の相続手続きでも使える書類です。

相続登記で法務局に提出した後、以下のような手続きを踏むことで原本を返却してもらうことができます(原本還付)

  1. 印鑑証明書のコピーを取る(原寸大、白黒可

  2. 他の原本還付を希望する書類(戸籍謄本や住民票など)のコピーと合わせてホチキスどめをする

  3. コピーの表紙に「以下は原本と相違ない」と記載し、署名、押印をする

  4. すべてのページに契印する(下図参照)

  5. 登記申請書などと綴じ、原本書類一式と合わせて法務局へ提出する

原本還付の契印の押し方

なお「印鑑証明書は原本還付できない」という記載が見られることもありますが、相続登記に関しては原本還付が認められているのでご安心ください。

相続登記の原本還付の手続きについては、以下の記事で詳しく解説しています。

印鑑証明書の取得方法

印鑑証明書は、すでに印鑑を登録済みであれば、市区町村の役所の窓口やサービスコーナーで比較的簡単に取得できます。

マイナンバーカードがあれば、コンビニで取得できる自治体もあるようです。

まだ印鑑登録をしていない場合、市区町村の役所の窓口で登録手続きを行いましょう。

詳しく解説します。

相続登記の必要書類の取得方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

市区町村の役所の窓口やサービスコーナー、コンビニで取得可能

印鑑証明書は、市区町村の役所の窓口やサービスコーナーのほか、コンビニでも取得できることがあります。

それぞれ、手数料や持ち物は以下のとおりです。

役所窓口、サービスコーナーで取得する場合

  • 持ち物:印鑑登録証(印鑑カード、印鑑登録手帳)、本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
  • 手数料:1通 300円程度

コンビニで取得する場合(※)

  • 持ち物:マイナンバーカード
  • 手数料:1通 200円程度

※ マイナンバーでの発行に対応していない自治体もある

役所とコンビニのいずれも、その場で印鑑証明書を取得できます。

印鑑登録をしていない場合は役所の窓口へ

まだ印鑑登録をしていない場合、印鑑証明書も発行できません。

住民票のある市区町村の役所窓口で手続きを行いましょう。

その際の持ち物などは以下のとおりです(自治体によって異なることがあります)。

  • 持ち物:印鑑登録申請書、登録する印鑑*、本人確認書類(運転免許証やパスポート、マイナンバーカードなど)
  • 手数料:不要

* 一辺7mm〜25mmの正方形に収まるなど、登録できる印鑑には条件あり

印鑑登録後、印鑑登録証(印鑑カード、印鑑登録手帳)が発行されるまでは数日かかります。

自治体によっては、申請者本人が窓口で上記のものを持参して登録を行った場合に限り、印鑑証明書は即日で発行可能なこともあるようです。

参考:名古屋市_印鑑登録申請・印鑑登録証明書・その他の印鑑に関する申請(各種届出と証明制度のご案内)(暮らしの情報)

相続登記手続きのご依頼は司法書士法人みつ葉グループへ

相続登記は多くの方にとって初めての手続きです。

印鑑証明書は比較的簡単に取得できますが、その他の必要書類をすべて収集してから登記申請するまでには、非常に手間がかかります。

司法書士法人みつ葉グループでは、115,500円(税込 ※)で相続登記の手続きをすべて代行いたします。

必要書類が多くて集めるのが厳しい
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と感じたら、まずは、気軽に無料相談をご利用ください。

当事務所に相談・依頼いただくメリットは以下のとおりです。

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相続登記の印鑑証明書に関するよくある質問

相続登記で利用する印鑑証明書について、よくある質問を紹介します。

印鑑証明書は住民票の代わりになる?

相続登記では、公的に住所を証明する書類(住所証明情報)の提出が求められます。

住民票を提出することが多いですが、印鑑証明書を住民票の代わりにすることも可能です。

印鑑証明書は役所が発行するものであり、登録した人の住所が載っているためです。

参考:○「住所証明情報」とは,どのようなものですか?_法務省

相続放棄する人の印鑑証明書は必要?

遺産分割協議で相続する場合、遺贈をする場合でも、相続放棄する人の印鑑証明書は不要です。

相続放棄は相続権自体をなくす(放棄する)手続き。

相続放棄した人は初めから相続人ではなかったということになるため、登記に同意する必要はありません。

相続人が海外在住で印鑑証明書がない!どうすれば?

相続人の中に海外在住の人がいて印鑑証明書の発行が難しい場合、印鑑証明書の代わりに署名証明を使うことができます。

署名証明とは、申請者の署名が確かに本人によってされたことを証明する書類です。

基本的に、現地にある日本領事館の領事の前で署名し、その署名が本人のものであることを証明して発行してもらいます。

参考:法務省:外国に居住しているため印鑑証明書を取得することができない場合の取扱いについて在外公館における証明|外務省

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この記事の監修者
宮城 誠
司法書士会所属
東京司法書士会 第8897号 、簡裁認定司法書士番号 第1229026号
経歴
2011年九州大学経済学部卒業。2012年司法書士試験合格。
大手司法書士事務所で約6年経験を積み、2018年みつ葉グループ入社。
コメント
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