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相続登記

相続登記で遺産分割協議書が必要なケースは?書き方や原本還付の方法を解説

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遺産分割協議書は、相続人全員が遺産の分け方について話し合い、合意した内容を記載した書類です。

これは、相続登記においては、相続人(遺産を受け継ぐ方)全員の合意を証明するために提出する必要があります。

ただし、以下の場合は不要となります。

遺産分割協議書が不要なケース

  • 有効な遺言書に従って相続登記をする
  • 法定相続人が一人だけ
  • 法定相続分どおりの割合で遺産分割をする
  • 遺産分割調停をした

遺産分割協議書には決まった書式はなく、以下の内容が正しく書かれていれば問題ありません。

遺産分割協議書に記載する内容

  • 被相続人の氏名、最後の住所、本籍地
  • 遺産分の経緯、概要
  • 不動産などの分割内容(※)
  • 他の遺産が後から見つかった場合のための補足事項
  • 遺産分割協議が成立した旨
  • 全相続人の署名、実印での押印

※相続登記だけに使う遺産分割協議書であれば、不動産のみの記載で問題ない

遺産分割協議の手間・負担を軽減したいなら、相続の専門家である司法書士に依頼するのも一つの手です。

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相続登記で遺産分割協議書が不要な場合とは?

相続登記を行う場合でも、以下の場合は遺産分割協議書は必要ありません。

相続登記で遺産分割協議書が不要な場合

以下で詳しく説明します。

遺産分割協議書

遺産分割協議書は、被相続人(亡くなった方)の財産をどのように分けるかの協議、話し合いの結果をまとめた書類

遺産分割協議には相続人全員の参加が必要で、全員の合意が得られたら、その内容をまとめ、遺産分割協議書を作成します。

遺産分割協議書は、相続人全員の同意を証明するため、相続人全員が署名し、実印で押印したものでなくてはなりません。

また、印鑑証明書も添付し、相続人全員が同じ内容のものを1通ずつ所持します。

参考:登記申請手続のご案内 (相続登記1/遺産分割協議編):法務省

相続登記については、以下の記事で詳しく解説しています。

遺言書に従って相続登記をする

被相続人の遺言書があり、その内容どおりに遺産を分ける場合、遺産分割協議書は基本的には不要となります。

登記の際に法務局に遺言書を提出すれば、遺言書に従って相続登記を行うことがわかるためです。

なお、遺言書が被相続人の自筆によるもの(自筆証書遺言)と遺書が公証人が作成したもの(公正証書遺言)とで、その後の手続きが以下のように異なります。

  • 自筆証書遺言
    遺品などから見つかった場合、家庭裁判所で「検認」手続きが必要
    ※遺言書が法務局に保管(自筆証書遺言書保管制度を利用)されていた場合は「検認」手続きは不要
  • 公正証書遺言
    そのまま手続きに利用可能(家庭裁判所で「検認」手続きは不要
自筆証書遺言書保管制度

2020年からスタートした、自筆証書遺言書を法務局で保管する制度。

法務局での保管に際して、その遺言書が、民法の定める形式に適合しているかの、外形的なチェックも受けられます。

遺言書の紛失、盗難はもちろん、第三者による破棄、隠匿、改ざんを防ぐことができるため、家庭裁判所の検認手続きは不要です(保管手数料は1件につき3,900円)。

参考:遺言書の検認 _ 裁判所自筆証書遺言書保管制度

遺言書と違う内容の遺産分割協議はできる?

民法では「遺言者は、(中略)その財産の全部または一部を処分することができる(第964条)」と規定されています。

つまりは、遺産の分け方については、遺言書(被相続人の意思)が遺族の話し合いなどよりも優先されるのです。

ただし、以下のような一定の条件を満たせば、遺産分割協議は可能となります。

  • 相続人、および遺言書で遺産を相続するように指定されていた人全員が、内容に従わず遺産分割協議を行うことに合意している
  • 遺言書で遺産分割協議が禁止されていない
  • 遺言執行者が遺産分割協議を行うことに同意している(遺言執行者がいる場合)

遺産分割協議で遺言書で指定された人と異なる人が不動産を相続する場合は以下のように2段階で登記を行うのが原則です。

  1. 相続登記では遺言書に基づく登記申請を行う

  2. その後、贈与を原因とする登記を行う

例外的な手続きになるため、このような場合は司法書士など法律の専門家に相談した方がよいでしょう。

法定相続人が一人だけの場合

法定相続人が自分一人しかいない場合も、基本的に遺産分割協議書は不要となります。

この場合、戸籍謄本などを提出すれば、法定相続人が一人であり、遺産を分割する必要もないことがわかるためです。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 一人っ子で、母が亡くなった。父(母の配偶者)はすでに他界している
  • 父が亡くなり、母や他の兄弟は相続放棄をしている(※)
  • 兄が亡くなり、兄には子どもがおらず、他の兄弟、両親、祖父母も他界している

※この場合、相続登記の際に、相続放棄が家庭裁判所に受理されたことを示す「相続放棄申述受理証明書」の提出が必要となる

法定相続人

民法で定められた、被相続人の財産を相続できる権利を持つ人のこと。

法定相続人になれるのは、配偶者と血族(血縁関係のある人)です。

ただし、血族には優先順位があり、先順位の人が一人でもいれば、後順位の人は相続人になれません。

子(子が死亡している場合は孫)が血族の第1順位です。

次に親(死亡している場合は祖父母)が第2順位、次に兄弟姉妹(死亡している場合は姪・甥)が第3順位と定められています。

法定相続人の範囲と順位

法定相続分どおりの割合で遺産分割をする場合

遺言書がなくても、民法で定められた法定相続分どおりに遺産を分けるのであれば、遺産分割協議書は必要ありません

具体例として、以下のようなケースがあります。

  • 被相続人である父名義の家と土地を兄弟2人で相続する。母も他界しているため、兄と弟が持分を2分の1ずつとして相続登記をする
  • 被相続人に子どもはなく、両親も亡くなっている。法定相続人は被相続人の妻、兄、弟の3人。被相続人の不動産について、持分は妻が4分の3、兄と弟はそれぞれ8分の1ずつとして相続登記をする

ただし、実際に法定相続分どおりに分割したとしても、相続登記以外の手続きで、遺産分割協議書が必要になることもあります

たとえば、相続による被相続人名義の預金口座の解約、名義変更について、遺産分割協議書が必要書類として指定される金融機関があるようです。

注意点

遺産が不動産であっても、法定相続の割合どおりに共有持分(※1)を設定することで、相続人どうしで共有する形にすることは可能です。

しかし、相続後、相続した不動産に担保を付けたり、売却したりする場合、手続きが煩雑になります

他の相続人ともめてしまう可能性もあるため、法定相続分どおりの相続にすべきかは慎重に検討してください。

現実的には、相続人が未成年の場合や、二次相続の相続税対策(※2)とする場合を除き、単独名義での相続が望ましいでしょう。

単独名義での不動産相続をする場合は、遺産分割協議書を作っておく必要があります。

※1一つの物を複数の人が共同で所有する際の、各所有権の割合のこと
※2最初の相続(一次相続)で相続人となった人(配偶者など)が亡くなることで発生する次の相続を二次相続と呼ぶ。二次相続では一次相続より相続人が減って基礎控除額が少なくなるなど、相続税が高くなることがある。よって、一次相続の段階で遺産を他の相続人と分散しておくことで、二次相続の相続税対策とすることがある

遺産分割調停をした場合

相続人全員で遺産分割協議を行ったものの協議合意に至らなかった場合、協議を確定する方法として、遺産分割調停があります。

調停を行った場合、遺産分割協議書は作成できません。結果的に、相続登記の申請時、遺産分割協議書は提出不要となります。

遺産分割調停を行った場合、相続登記では「遺産分割調停調書」もしくは「遺産分割審判書」の提出が必要です。

遺産分割調停と書類について

遺産分割調停は各相続人と裁判官、調停委員(弁護士など、裁判官が選任)の3者で進められます。

調停が成立した場合、合意内容を証明する「調停調書」が裁判所により作成されます。

不成立となったら、自動的に「遺産分割審判」の手続きが開始され、裁判所が司法判断を示します。

その内容を示した「遺産分割審判書」が作成されます。

相続登記で遺産分割協議書が必要な場合とは?

上で紹介した不要の場合を除いて、相続登記で遺産分割協議書は必要となります。

以下、必要か迷いそうな例をあげてみましょう。

必要な例1

遺言書にない不動産が遺産として見つかった。他の不動産は長男が相続すると遺言書に記されていたので、新たに見つかった不動産も同様にする

→ 遺言書に記載がない不動産については、遺言書を提出しても相続登記の根拠にはならない。
よって遺産分割協議書が必要。

必要な例2

複数いる相続人の1人が、家や土地を含むすべての遺産を相続する。遺言書はないが、このことは以前から相続人どうしで決めていたので、実際に相続が発生した後に、あらためて遺産について話し合いもしていない

→ 遺言書がなく、法定相続どおりの分割でもない場合、その相続について相続人全員が同意したことを法務局に証明しなくてはいけない。
よって、遺産分割協議書が必要。

必要な例3

相続人は兄と弟の2人で、兄は被相続人名義の家と土地を、弟はそれとほぼ同額の預金を相続する

→ このケースでは、不動産も預金もそれぞれ2分の1ずつ相続することが、正しい法定相続の分割となる。
分割した遺産の価値が同等でも、また相続人どうしがその分割に同意していても、それを証明する遺産分割協議書が必要。

必要な例4

父が亡くなり、母と姉、妹の3人が、被相続人名義の家と土地を3分の1ずつ共有して相続する。遺言書はない

→ 法定相続分どおりの分割を行うなら、遺産分割協議書は不要だが、そうであれば、このケースでは母(配偶者)は2分の1、子である姉と妹は4分の1ずつとなる。
それとは異なる持分で登記するのであれば、遺産分割協議書が必要。

遺産分割協議書の書き方を解説!数次相続時などの記載例も紹介

遺産分割協議書は、相続人が自分で書くことも可能です。

ここでは、書き方を以下の画像の番号ごとに詳しく解説していきます。

遺産分割協議書

注意点

遺産分割協議書に決まった書式はありません

必要事項が書かれていれば、パソコン作成でも、手書きでも構いません。

ただし、サイズはA4にしておくのがよいでしょう。

1.被相続人の氏名・生年月日・死亡日・本籍地・最後の住所

まずは「遺産分割協議書」とタイトルを書き、そのすぐ下に、被相続人の氏名、生年月日、死亡日、本籍地、最後の住所を書きます。

記載例

遺産分割協議書

被相続人  三葉 誠
生年月日  昭和◯年◯月◯日
死亡日   令和◯年◯月◯日
本籍地   ◯県◯市◯町◯丁目◯番地
最後の住所 ◯県◯市◯町◯丁目◯番地

注意点

被相続人の住所、本籍地は正式なものを記載します。

最後の住所は、被相続人の住民票の除票で、本籍地は被相続人の戸籍謄本で確認しておくようにしましょう。

数次相続の場合の書き方

相続が発生し、その遺産分割協議が終了する前に、相続人が亡くなってしまい、新たな相続が発生してしまうことがあります。

この場合、最初の相続を「一次相続」、次の相続を「二次相続」といい、これらをまとめて「数次相続」と呼びます。

数次相続での遺産分割協議書は、1通にまとめて作成する方法と、各相続について別に作成する方法があります。

まとめて作成する場合、二次相続以降で被相続人となった人を「相続人兼被相続人」と書きます。

記載例と、別々に作成する場合の注意点は以下のとおりです。

まとめて作成する場合の記載例

被相続人  三葉 誠
生年月日  昭和◯年◯月◯日
死亡日   令和◯年◯月◯日
本籍地   ◯県◯市◯町◯丁目◯番地
最後の住所 ◯県◯市◯町◯丁目◯番地

相続人兼被相続人 三葉 洋子
生年月日 昭和△年△月△日
死亡日 令和△年△月△日
本籍地   ◯県◯市◯町◯丁目◯番地
最後の住所 ◯県◯市◯町◯丁目◯番地

  • 別に作成する場合のポイント

別に作成する場合、遺産分割協議書について上記のような書き方をする必要はありません。

たとえば二次相続が起きて相続登記をする場合、通常の遺産分割協議書を、一次相続の内容で1通、二次相続の内容で1通作成し、相続登記を2回申請することになります。

原則的な考え方では、相続登記を2回申請すると、登録免許税も2回払わなくてはいけません

しかし、2025年3月31日までは、被相続人が相続登記をしていなかった場合、その分の登録免許税が免除されます。

よって、2025年3月31日までであれば、遺産分割協議書を別々に作成する金銭的デメリットはないといえます。

相続関係が複雑な場合、数次相続の遺産分割協議書はまとめづらいかもしれません。

その場合、何度か相続登記を行うのも手です。

2.遺産分割協議の経緯・概要

次に、被相続人と相続人の氏名を明記したうえで、その相続において遺産分割協議を行い、それが成立したことを明記します。

記載例

上記被相続人の遺産について、共同相続人・三葉一郎、三葉花子は遺産分割協議を行い、次のとおりに遺産分割の協議が成立した。

数次相続の場合の書き方

数次相続の場合、「上記被相続人が亡くなった後に、相続人の◯◯が亡くなった」ことを前置きします。

その結果、二次相続における相続人全員で遺産分割協議を行い、合意したと表記するのが一般的です。

記載例

上記被相続人三葉誠は令和〇年〇月〇日に逝去し、その相続人である妻・三葉洋子は令和△年△月△日に逝去した。よって被相続人三葉誠の長男三葉一郎、長女 三葉花子の全員で遺産分割協議を行い、被相続人三葉誠の遺産につき、以下のとおり分割することに合意した。

相続放棄した人がいる場合の書き方

相続人の中に相続放棄をした人がいた場合、遺産分割協議書に、その氏名や相続放棄したことの記載は不要です。

また、相続放棄した人が遺産分割協議書に署名押印をすることもできません

初めから相続人ではなかったと見なされるためです。

その代わり、相続登記の申請時に「相続放棄申述受理証明書(※)」を提出する必要があります。

※ 相続放棄を示す書類としては、相続放棄の手続き完了時に裁判所から送付される「相続放棄申述受理通知書」もある。しかし、被相続人の死亡日・本籍の記載がない書式の場合は相続登記に利用できない。よって、相続放棄申述受理証明書を使った方が無難

3.不動産などの分割内容

次に相続人全員が同意した、遺産分割の内容を書きます。

もし相続登記の申請時に提出することだけを目的に遺産分割協議書を作るなら、不動産のみの記載で構いません

法務局に提出した遺産分割協議書は、利害関係者であれば閲覧できるようになります。

よって、他の遺産に関する内容の掲載は控えたいというケースも少なくありません。

注意点

不動産情報は、「登記事項証明書(登記簿謄本)」の「表題部」をそのまま書き写します

また、戸建てとマンションでは、その表記法が多少異なりますので注意が必要です(以下の書き方例を参考にしてください)。

〈登記事項証明書(登記簿謄本)〉

登記事項証明書

戸建てを相続するときの書き方の例

戸建て相続時の記載例は以下のとおりです。

単独で相続する場合と、共有名義で相続する場合をそれぞれ紹介します。

単独名義で相続する場合の記載例

相続人三葉一郎は、以下の遺産を相続する。

(1)土地
所在 ◯県◯市◯町◯丁目
地番 ◯番地◯
地目 宅地
地積 ◯◯◯.◯◯平方メートル

(2)建物
所在 ◯県◯市◯町◯丁目◯番地
家屋番号 ◯番◯
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階部分 ◯◯◯.◯◯平方メートル
    2階部分 ◯◯◯.◯◯平方メートル

共有名義で相続する場合の記載例

以下の遺産は三葉一郎が持分2分の1、三葉花子が持分2分の1の割合をもって相続する。

(1)土地
所在 ◯県◯市◯町◯丁目
地番 ◯番地◯
地目 宅地
地積 ◯◯◯.◯◯平方メートル

(2)建物
所在 ◯県◯市◯町◯丁目◯番地
家屋番号 ◯番◯
種類 居宅
構造 木造瓦葺2階建
床面積 1階部分 ◯◯◯.◯◯平方メートル
    2階部分 ◯◯◯.◯◯平方メートル

マンションを相続するときの書き方の例

マンションを相続するときの記載例は以下のとおりです。

マンション相続時の記載例

相続人三葉一郎は、以下の遺産を相続する。

マンション(区分所有建物)
(一棟の建物の表示)
所 在 〇県〇町〇丁目〇番地
建物の名称 〇〇
(専有部分の建物の表示)
家屋番号 〇〇
建物の名称 〇〇
種 類 居宅
構 造 鉄筋コンクリート造〇階建
床面積 〇階部分 〇〇.〇〇平方メートル
(敷地権の目的たる土地の表示)
土地の符号 〇
所在及び地番 〇県〇市〇町〇丁目〇番地
地 目 宅地
地 積 〇〇〇.〇〇平方メートル
(敷地権の表示)
敷地権の種類 所有権
敷地権の割合 〇〇分の〇〇

4.補足事項

提出後に、被相続人名義の財産もしくは負債に記載漏れがあった場合でも、この遺産分割協議書の内容でカバーできるよう、補足事項として記載します。

相続人どうしがもめることを回避することにもつながります。

記載例

本遺産分割協議書に記載のない遺産及び本遺産分割の後に判明した遺産については、相続人・三葉花子が相続する。

注意点

もし、遺産分割協議書の内容でカバーできない遺産が後から見つかった場合、改めて遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作り直す必要があります

たとえば、遺産分割協議書に記載のない不動産が後から見つかった場合、補足事項がないと相続登記にも利用できません

5.遺産分割協議が成立した旨

次に、遺産分割協議が成立したことを明記します。

相続人の人数分の遺産分割協議書を作成したこと、各自が原本を保管したことについても忘れずに記載します。

記載例

以上のとおり、相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証するため本協議書を◯通作成し、各自1通を保管する。

6.全相続人の署名、実印での押印

最後に、相続人全員が遺産分割協議に同意したことを証明するために、各相続人が署名押印をし、その日付も忘れず記載します。

記載例

令和〇年〇月〇日
住 所 〇県〇市〇町〇丁目〇番地
相続人 三葉 一郎 (実印)

住 所 東京都〇区〇〇丁目〇番〇号
相続人 三葉 花子 (実印)

注意点

署名押印は必ず相続人全員が行い、印鑑は実印を使用します

また、記載する日付は、各相続人が署名押印した日付が異なる場合、最後の人が署名押印した日付とします。

数次相続の場合の書き方

数次相続を一つの遺産分割協議書でまとめる場合、一次相続と二次相続以降、どちらの相続人もすべて、その署名押印が必要となります。

また、署名に記す各相続人の肩書きは「相続人」ではなく、
「相続人兼◯◯の相続人(◯◯は二次相続で被相続人となった人の氏名)」
となります。

記載例

令和〇年〇月〇日
住 所 〇県〇市〇町〇丁目〇番地
相続人兼三葉洋子の相続人 三葉 一郎(実印)

住 所 東京都〇区〇〇丁目〇番〇号
相続人兼三葉洋子の相続人 三葉 花子(実印)

相続放棄した人の署名、押印は不要

相続を放棄した人はその時点で相続人ではないので、遺産分割協議には参加できません。

したがって、遺産分割協議書への署名押印は不要となります。

もし署名押印をしてしまうと、相続人以外が協議に参加したと判断されてしまうので注意しましょう。

注意:書き終えたら原本を一人1通ずつ保管する

遺産分割協議書を書き終えたら、相続人一人が1通ずつ、原本を保管します

遺産分割協議書は、コピーでは名義変更や登記には利用できないため注意しましょう。

たとえば、後から被相続人名義の不動産が出てきて、遺産分割協議書には自分が相続できると明記されていても、コピーだけが手元にある状態では、自分の名義にはできないのです。

原本がなくなってしまった場合、改めて遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作り直すしかありません。

原本を各自で保管する前の注意点として「割印」「契印」を解説します。

原本すべてにわたって割印を押す

割印があることで、複数の書類が同一内容であることを保証することができます

遺産分割協議書を1通ずつずらして重ね、相続人のすべての遺産分割協議書にわたって押印しましょう。

原本すべてにわたって押印する

遺産分割協議書は割印がなくても有効ではありますが、相続人の間でトラブルになることを防ぐため、押しておいた方が確実です。

複数ページになった場合は契印を押しておく

遺産分割協議書が2枚以上の複数ページになった場合、割印と合わせて「契印」も必要となります。

これがあることによって、遺産分割協議書のページに抜けがないことがわかります

数ページであれば、契印はページとページの間に押します。

ページが多い場合は、製本テープと紙面にまたがるように押しましょう。

複数ページになった場合は契印を押す

相続登記では遺産分割協議書の原本還付を受けよう

遺産分割協議書の原本は一人1通です。

一方、遺産分割協議書は、相続登記以外にも、他の遺産の名義変更や相続税の申告などに使うケースがあります。

そこで役立つのが「原本還付」です。

原本還付とは、所定の手続きの際、原本と一緒にそのコピーなどを提出すれば、原本を返却してくれる制度です。

それにより書類取得の手間が省け、また重要な書類を手元で保管できるなどのメリットがあります。原本還付は他の書類でも受けることができます。

原本還付を受ける方法、原本還付を受けられる書類の種類を紹介します。

書類の原本還付について、詳しくは以下の記事で解説しています。

原本還付を受ける方法

遺産分割協議書の原本還付を受けるには以下の手順で行います。

  1. 遺産分割協議書のコピー(白黒でも可)をとる
  2. 他に原本還付を希望する書類がある場合、それらのコピーと束ねる(他に原本還付を受けられる書類については後述
  3. A4用紙を表紙にし、「原本還付」「別紙は原本と相違ありません」と書いて署名押印(実印)をする
  4. コピーが複数ページにわたる場合、すべてのページにまたがるように契印を押す

これを、原本や登記申請書などと一緒に法務局へ提出します。

遺産分割協議書の原本還付を受ける方法

戸籍謄本・印鑑証明書・住民票なども原本還付を受けられる

相続登記の申告時に提出する書類の中には、遺産分割協議書と同様、原本還付が受けられるものがあります(表参照)。

〈相続登記で原本還付が受けられる書類〉

原本還付してもらえる書類 書類の目的
相続人全員の印鑑証明書 本人確認、同意の確認
被相続人が亡くなるまでの戸籍謄本 相続人の確定
被相続人の住民票の除票 不動産のもとの名義の照会
相続人全員の戸籍謄本 被相続人との関係・生存の確認
固定資産評価証明書 登録免許税の算出
登記事項証明書 不動産の最新情報の確認
不動産を取得する人の住民票 登記事項証明書への新住所掲載

なお、印鑑証明書に関しては原本還付できないという記述がされていることがありますが、相続登記であれば原本還付を受けることが可能です。

登記申請時に遺産分割協議書以外に必要な書類

遺産分割協議による相続時、相続登記に必要な書類とその入手先は以下のとおりです。

必要書類 入手場所・入手方法
遺産分割協議書 相続人側で作成
相続人全員の印鑑証明書 各市区町村の役所
コンビニ(一部自治体)
被相続人が亡くなるまでのすべての戸籍謄本 各市区町村の役所
(郵送での入手可)
被相続人の住民票の除票
相続人全員の戸籍謄本
固定資産評価証明書
登記事項証明書 法務局
(郵送・オンラインでの入手可)
不動産を取得する人の住民票 各市区町村の役所
コンビニ(一部自治体)
登記申請書 法務局Webページからダウンロードして記入
収入印紙 郵便局・コンビニ・法務局など

※ コピーをつけず戸籍謄本の原本還付を受ける場合は「相続関係説明図」が必要
※ 不動産を取得する人以外が相続登記手続きを行う場合は「委任状」も必要
※ 相続放棄した人がいる場合「相続放棄申述受理証明書」も必要

相続登記の必要書類について、詳しくは以下の記事で解説しています。

遺産分割協議書の作成を依頼したい…費用の目安は?

遺産分割協議書は相続人が自身で作ることは、もちろん可能です。

しかし、相続に関する知識がない場合、手間も時間もかかります。書類に不備があれば、当然作り直しも発生します。

相続登記に必要な遺産分割協議書は、司法書士が代理で作成できます

費用は3〜15万円程度が相場でしょう。

遺産の種類、相続人の人数、遺産分割協議の進行具合などによって価格は変わります。

そもそも司法書士は法律の専門家であり、相続登記などの手続きに精通しています

遺産分割協議書の作成だけでなく、相続登記手続き全体を依頼すれば、さらに手間は省けますし、費用対効果も高く感じるかもしれません

他の専門家にも依頼可能?

弁護士、行政書士も遺産分割協議書の代理作成は可能です。

しかし、司法書士とは以下のような違いがあります。

  • 弁護士
    相続に関する書類作成は主業務ではありません
    ただし、遺産分割で相続人どうしがもめて、その交渉・トラブルの解決を依頼した場合、合意の内容をもとにして遺産分割協議書の作成を請け負うことはあります。
  • 行政書士
    遺産分割協議書の作成は可能です。
    ただし、業務として登記の代理は行えないため、遺産分割協議書作成後の相続登記はご自身で行う必要があります

相続登記の相談先については、以下の記事で詳しく解説しています。

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