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交通事故の現場検証は実況見分と違う?弁護士に依頼してできること

「現場検証とは、何のためにどのようなことをするの?」

交通事故に遭って慰謝料を請求するとき、警察が「現場検証(実況見分)」を行って作成した実況見分調書に記載された内容の検討が必要な場合があります。

実況見分調書の内容は過失割合や損害賠償金の金額にも影響するため、納得がいかない場合は適切な手続きをしなければなりません。

しかし実況見分調書の取得手続は慣れていないと難しいため、弁護士に相談してアドバイスをもらうとよいでしょう。

この記事では、現場検証(実況見分)で行うことや、立ち会いで注意すべきこと、実況見分調書の内容に納得できないときの対処法などについてご紹介します。

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この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
第二東京弁護士会所属 第36318号
役職
弁護士法人・響 代表弁護士/西新宿オフィス所長

目次

交通事故の現場検証と実況見分は意味が異なる

交通事故で一般的に「現場検証」といわれているものは「実況見分」と混同されがちです。

「現場検証」と「実況見分」は、少し意味が異なります。

「現場検証」とは、事件性があるケースにおいて、警察が裁判官の令状に基づき強制的に行う捜査(証拠調べ)です。

現場検証は通称であり、法律上は「検証」と呼ばれます。

事件性がないとされる交通事故では一般的に「実況見分」であることが多いといえます。

現場検証が裁判官の令状にもとづく強制捜査であることに対し、実況見分は裁判官の令状が不要な任意捜査です。

実況見分は任意捜査ですので、立ち会いを拒否することもできます。

現場検証、実況見分ともに、交通事故の当事者や目撃者からの聞き取り、交通事故発生時の状況の確認など同様の捜査を行います。

聞き取り捜査は個別に行われるため、事故を起こした相手との主張が違ったとしても、冷静に自分の主張を説明できることが多いでしょう。

所要時間は、数十分から2時間程度です。

交通事故の実況見分調書は証拠になる

実況見分が行われると、その内容を「実況見分調書」という書類にまとめられます。

交通事故の実況見分調書は、損害賠償請求をするときなどの重要な証拠になる場合もあります。

ここでは、実況見分調書が必要になるシーンと実況見分調書の記載内容について解説します。

実況見分調書が必要になるとき

実況見分調書は、交通事故を事件として検察庁に送致する際に提出されます。

また、交通事故の過失割合を判断する際の資料となるのも、実況見分調書です。

示談で決着がつかず裁判を行うときには、実況見分調書が交通事故発生時の状況を記録した証拠となります。

損害賠償を請求するときは、交通事故の相手や相手の加入している任意保険会社と主張が食い違い、もめてしまうケースも珍しくありません。

そのような場合でも「実況見分調書」という客観的な証拠があることで、根拠を示しながら示談交渉がしやすくなるのです。

実況見分調書に記録される内容

実況見分調書には、おもに以下の項目が記載されます。

  • 実況見分が実施された日時
  • 実況見分の場所(交通事故現場)の住所
  • 実況見分の立会人の住所・氏名・年齢・職業
  • 立会人が行った説明
  • 交通事故現場の車両の位置
  • 交通事故現場周辺の状況(人家・見通し・道路の幅員・路面状況・交通規制・信号機など)
  • 事故車両の状況(車両の大きさ・登録番号・年式・タイヤのパンクの有無や状態・損傷箇所など)
  • 交通事故発生時の天候

実況見分後には、実況見分調書にサインを求められます。

実況見分調書に一度サインしてしまうとそこに記載された内容に合意したことになり、あとから変更するのはとても困難です。

サイン・捺印は、記載内容を慎重に確認したうえで行うようにしてください。

実況見分調書を入手する方法

実況見分調書は、郵送などで取り寄せることはできません。

弁護士に代行してもらう場合を除き、自身で検察庁に行く必要があります。

個人が実況見分調書を入手する際の、おもな流れは以下の3ステップです。

1.実況見分を実施した警察署に、交通事故の送致日・送致された検察庁・送致番号を問い合わせる
 ↓
2.検察庁に電話するか直接行って、送致日・送致番号を伝え、実況見分調書の閲覧・謄写の予約をする
 ↓
3.予約日に検察庁に出向き、実況見分調書の閲覧・謄写をする

ただし検察庁によっては「閲覧のみで謄写は不可」「その場で書き写すことは認められる」などといったケースもあるので、予約の電話をかける際に確認しておきましょう。

交通事故の現場検証・実況見分に立ち会うときの注意点

実況見分調書は、過失割合や損害賠償金額などを決める際の証拠となる場合があります。

ここでは、交通事故の現場検証・実況見分に立ち会うときのおもな注意点3つについて説明します。

警察官に事実を正確に記録してもらう

実況見分では、事故に遭った人と事故を起こした相手のそれぞれに対して聞き取り捜査が行われます。

警察から聴取を受けるときは、事故発生時の状況を自分の記憶しているとおりに伝えましょう。

覚えていることはできるだけ詳しく伝え、警察に事実を正確に記録してもらうことが大切です。

相手と主張が食い違っても冷静に対処する

実況見分の際に、交通事故の相手との間で主張が食い違うことも考えられます。

実況見分で相手と口論や議論をしたり感情的になったりしても、何もメリットはないので冷静に対処することが大切です。

交通事故の相手と話が食い違うときは、それぞれの言い分に合わせた実況見分調書を作成してもらうことも可能です。

事実と異なる内容はその場で訂正する

自分が記憶している事実と、実況見分調書や供述調書の記載内容が異なる場合は、その場で訂正してもらう必要があります。

実況見分調書や供述調書にサインや捺印をする前に、記載された内容をよく確認するようにしてください。

納得のできない記載の場合は、すぐにサイン・捺印をしないことです。

サイン・捺印をしてしまうと、原則として内容の訂正はできません。

また事故の相手と過失割合を争う場合などに、誤った記録がある実況見分調書は足かせになりかねません。

そうならないためにも、実況見分調書に訂正が必要ないかどうか、しっかりと確認しておきましょう。

事故当日の現場検証・実況見分に立ち会えないときの注意点

交通事故でケガを負った場合など、事故発生当日の現場検証・実況見分に立ち会えないケースもあるでしょう。

その場合は、事故発生当日は交通事故を起こした相手や目撃者のみの立ち会いで実況見分を実施してもらい、自分の実況見分は後日にしてもらうようにしましょう。

「当日の実況見分に立ち会えなかったから、自分はもう説明ができない」と諦めてはいけません。

自分の説明が反映されていない実況見分調書は、過失割合や損害賠償額の算定で不利に影響する可能性もあるためです。

事故当日の実況見分に立ち会うのが難しいときは、交通事故発生時の記憶や状況を記録しておくといいでしょう。

どのようなものが証拠となるかは、このあとで紹介します。

交通事故の実況見分調書に納得できないときの対処法

交通事故の実況見分後、警察が作成した実況見分調書の記載内容に納得できないこともあるかもしれません。

そのような場合は、

  • 自分で供述調書や陳述書を作成する
  • 弁護士に相談してアドバイスをもらう

といった対処法があります。

供述調書や陳述書を自分で作成する

警察が作成した実況見分調書の記載内容に納得できない場合は、サイン・捺印しないようにしましょう。

実況見分直後の聞き取り後に警察が作成する供述調書についても、同様です。

実況見分調書
実況見分を実施した警察官が客観的な事実を記録したもの
供述調書
警察の聞き取り捜査に対して、交通事故に遭った人、交通事故を起こした人など、交通事故の関係者が答えた内容を警察が書面にしたもの

供述調書は、後から自分で作成したものを追加できます。

実況見分調書の記載内容に納得がいかなければ、自分の主張をまとめた新たな陳述書を作成して提出することが可能です。

自分で陳述書を作成する際は、主張の根拠となる証拠を示しながらまとめるようにしましょう。

事故発生直後に写真やメモを残しておくと、このような場合に役立ちます。

弁護士に相談してアドバイスをもらう

陳述書を自分で作成するときは、弁護士にアドバイスをもらうと安心です。

交通事故の案件の解決実績の豊富な弁護士は、これらの書類の書き方に関してもポイントを把握しているといえます。

弁護士に相談するメリットは、書類の作成だけではありません。

一般の方にはわかりにくい実況見分調書の内容などにも、問題がないかも確認してもらえます。

また、証拠としてどのようなものが必要かといったアドバイスもしてもらえます。

弁護士の〈ここがポイント〉
実況見分調書や相談者の話に疑問点があった場合は、弁護士が交通事故の現場で確認を行う場合もあります。

証拠を集めるときに弁護士に依頼するメリット

交通事故の証拠集めをする前に弁護士に依頼をしておくと、よりスムーズな解決を図りやすくなります。

その後の示談交渉や訴訟の代理も依頼することができます。

弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを確認しておきましょう。

証拠となるものを教えてくれる

弁護士は、交通事故や交通事故によるケガなどの証拠として有効なものは何かを教えてくれます。

実況見分調書のほかに証拠になるものは、以下のようなものがあります。

    〈おもな証拠の例〉

  • 交通事故の目撃者の証言(できれば録音しておく)
  • 交通事故現場の写真
  • 事故車両の破損部分、事故発生時の天気がわかる写真
  • 車両の修理やケガをしたためにかかった経費の領収証
  • 医師の診断書
  • ドライブレコーダーの記録
  • 事故発生時の状況を詳細に記録したメモ

交通事故の証拠を集める方法や集める際の注意点についても、弁護士はアドバイスしてくれます。

たとえば、次のようなポイントも参考になるでしょう。

    証拠を用意する際のポイント

  • 記録する用紙は、手帳や綴じ製本のノートにする(ルーズリーフやメモ用紙などは望ましくない)
  • 記録に使うペンは油性ボールペンなど消えないインクのものを使う(水性ペンやシャープペンシル、鉛筆などは避ける)
  • 事故車両などの写真を撮る際は、前後左右・ナンバープレートを含めた全体・損傷箇所と日付がわかるように撮影する

写真や録画・録音だけでなく直筆のメモも証拠として認められることがあります。
記憶が鮮明に残っているうちに、詳細を記録として残しておくことが肝心です。

集めた証拠の正当性を吟味してくれる

交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士は、実況見分調書やその他に集めた証拠の正当性について精査してくれます。

たとえば「過失割合」は交通事故の相手との話し合いで決まりますが、個別のケースに応じて判断することが一般的です。

経験豊富な弁護士は、交通事故後の法的問題をスムーズに解決するための十分な知識を持ち合わせています。

相手の保険会社から納得のいかない過失割合を提示されたときでも、どういった証拠をどのように揃えれば交渉を進めやすくなるかというアドバイスをもらえるのです。

不足している証拠や今後の対処法などについて、弁護士の丁寧なサポートが受けられますので心強いです。

示談交渉や訴訟も任せられる

供述調書・陳述書を作成して提出しても、それだけですべてが解決するわけではありません。

相手が任意保険に加入している場合は、相手の保険会社と示談交渉することになります。

保険会社は交通事故問題の対応に慣れていると想定されますので、被害者側に不利と思える条件を出してくることも考えられます。

示談交渉の経験が少ない一般の方は、保険会社に提示された損害賠償額が妥当なのかを判断するのは非常に難しいでしょう。

交通事故案件の解決経験が豊富な弁護士にサポートしてもらえば、このような場面でも、相手の主張や損害賠償額が妥当なのか判断をしてくれます。

そして示談交渉そのものを依頼することができるので、交渉のストレスから解放されるといえます。

交通事故後のつらい状態の中、余計なストレスをさらに抱えなくて済むことは大きなメリットといえるでしょう。

現場検証や実況見分に関するQ&A

ここでは、交通事故の現場検証や実況見分に関してよくあるQ&Aを3つ紹介します。

Q1:現場検証や実況見分では、事故に遭った人は何をするの?

A:交通事故が発生した現場に立ち会い、事故状況や事故を起こした相手への処罰感情など、警察官からされる質問に答えます。

事故を起こした相手とは別々に聞かれるため、相手に遠慮したり威圧され自分の主張ができないといった心配はありません。

実況見分終了後は警察署に行き、供述調書を作成します。警察官の作成した実況見分調書・供述調書の記載内容を確認し、事実に反する内容がなければサイン・捺印してください。

Q2:事故を起こした相手が通報を渋っているときはどうしたらいいの?

A:事故を起こした相手が警察に通報したがらない場合は、自分や同乗者が通報するとよいでしょう。目撃者がいる場合は、目撃者に通報をお願いしても構いません。

通報しておかないと交通事故証明書が発行されず、損害賠償金の請求ができない場合もあるので、必ず警察に通報してください。

Q3:現場検証や実況見分は必ず立ち会う必要がある?

A:事件性がある場合に実施される現場検証は裁判官の令状に基づく強制捜査なので、必ず立ち会わなければなりません。
実況見分は任意捜査のため強制ではありませんが、できる限り立ち会ったほうがよいでしょう。

立ち会わないと、相手の主張が尊重された実況見分調書が作成される恐れがあります。
そうなると、過失割合や損害賠償金を決める示談交渉で不利になりかねません。

ケガなどで当日の実況見分への立ち会いが困難な場合は、後日に実況見分をしてもらうように要請できます。

なお、実況見分に関して困ったときは警察の相談窓口の利用をご検討ください。

参考:警視庁総合相談センター

【まとめ】交通事故の実況見分と現場検証は異なる|納得いかない場合は弁護士に相談して対処しよう

交通事故の「実況見分」への立ち会いは、現場検証とは異なり任意ですが、できる限り立ち会うとよいでしょう。

実況見分調書の記載内容に納得がいかない場合は、自分で陳述書を作成します。
その場合は、専門知識を持つ弁護士に相談することも検討してください。

弁護士法人・響には、交通事故問題の解決経験が豊富な交通事故専門チームがあります。

妥当な損害賠償金の請求、必要書類の手続きなど、交通事故の解決に向けて全力でサポートいたします。

弁護士費用特約を利用されない場合でも相談料・着手金は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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  1. 慰謝料を増額できる可能性がある
  2. 保険会社との交渉を徹底サポート
  3. 24時間365日全国どこでも相談受付中
この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
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