2022.5.11
交通事故の被害者は事故後どう対応するべき?治療と示談交渉の流れ
初めて交通事故の被害者になってしまうと、急なできごとに慌ててしまうのも無理はありません。
しかし、事故直後の対応はその後の示談交渉などに影響するため、落ち着いて対処しましょう。
事故に遭ってしまった場合に、あとから「納得できない…」と後悔しないための対処法を紹介します。
事故後はさまざまな対応を迫られるため、解決に至るまでに長い期間がかかってしまうことも少なくありません。
全体の流れを把握したうえで対応すべきことを整理し、1日も早く平穏な生活を取り戻しましょう。
適正な補償を受けるために必要な事故後の対応について、詳しく解説します。
※この記事では「加害者=過失の割合が大きい交通事故の当事者」「被害者=過失の割合が小さい交通事故の被害者」としています。

- 提示された金額は妥当なの?
- 軽傷でも慰謝料はもらえるの?
- 入院・通院期間で金額は変わるの?
- 示談金を増額できる可能性がある
- 保険会社との交渉を徹底サポートしてくれる
- 問い合わせ・相談実績6万件以上
※相談料・着手金0円(後払いも可)、24時間365日受付可
目次
交通事故後に遭ったあとの流れを3ステップで解説
交通事故に遭った場合、まずは警察と保険会社にすみやかに連絡をすることが大切です。
そして、被害にあった当日もしくは翌日には、病院できちんと診察を受けましょう。
ケガが完治もしくは症状固定となってから、相手側と示談交渉を進めます。
相手方の保険会社から提示された示談金に納得できないときは、弁護士に相談をしましょう。
ここでは、交通事故の発生から解決までの流れに沿って、各ポイントを解説します。

事故後の流れ1 交通事故に遭った直後すぐにやるべきこと
交通事故に遭った場合は、まずは安全な場所に車を移動させて二次的な事故が起こることを防ぎます。
そして必ず警察に連絡をすることが大切です。ケガをしている場合は救急車も呼びましょう。
その後はできるだけ早く病院に行き、医師から診察をしてもらいます。
ケガが重傷である場合はただちに病院に行き、後日警察による実況見分を受けて問題ありません。
翌日には相手加害者側の保険会社から連絡がくるので、治療費の支払いなどについて話し合います。
事故直後の対応がその後の流れにも影響を与えるので、落ち着いて対応することが大事です。
以下で詳しく説明します。

安全な場所に移動して警察と保険会社に連絡する
交通事故に遭ったら、まずは安全な場所に車を寄せてただちに警察に連絡をします。
ケガをしている場合は、119番へ電話して救急車も呼びましょう。
事故相手から「賠償をするので警察に届けないでほしい」とその場で交渉を申し込まれる場合がありますが、決して応じてはいけません。
警察への通報は道路交通法で定められた義務であり、どのドライバーも守る必要があります。
警察の立ち会いがなければ「交通事故証明書」を発行してもらえず、その後の示談金の請求が行えない恐れもあります。
その後は、ご自身の加入する保険会社に連絡をしましょう。
自身が自動車保険に加入していれば、事故相手の保険会社からだけでなく、自分が加入する保険会社からも補償が受けられる場合があります。
※保険の契約内容によります。
- 保険契約の確認
- 事故の状況
- レッカー車の必要性
- 弁護士特約(弁護士費用特約)の有無
保険会社に伝える内容としては、以下の点があげられます。
事故の相手が慌ててしまっている場合は、保険会社に何をすべきか聞いてみましょう。
また加入する保険に弁護士特約が付いていれば、弁護士費用を保険会社が補償してくれるので、自身に過失がない「もらい事故」であっても必ず連絡をしましょう。
警察官が到着したら事故現場の実況見分が行われます。
実況見分は事故の記録や現場の状況を調査するために実施されるものであり、結果は実況見分調書としてまとめられます。
実況見分調書は重要な証拠となりますので、警察官に事故当時の状況をできるだけ詳しく説明しましょう。
またご自身でも、できる限り現場の写真を撮っておくとよいでしょう。
弁護士の〈ここがポイント〉
交通事故が起こったときに優先すべき点は、必ず警察に届け出を行うことです。警察への通報はすべてのドライバーの義務として、法律で定められています。正しく届け出を行わなければ、示談金の請求などに影響を与えるので注意しましょう。
事故相手の連絡先を確認する
事故状況にもよりますが、事故相手とコミュニケーションを取れる状態であれば、連絡先などをきちんと確認しておくことが大切です。
- 運転者の氏名・住所・電話番号・勤務先
- 自動車のナンバー
- 自動車の所有者が異なる場合は所有者の氏名(会社名)・住所
- 自賠責保険や任意保険の会社名、連絡先
おもに確認しておきたい点は、以下の項目です。
1つずつ口頭で確認するよりも、事故相手の運転免許証と車検証、保険証明書の提示を求めましょう。
事故相手が勤務中に起こした事故であれば、勤務先の責任も追及できるように連絡先を確認することが重要です。
当日~翌日には病院で治療を受け診断書をもらう
交通事故の被害にあったときはケガの程度に関わらず、なるべく早い段階で病院に行って診察を受けましょう。
事故直後は特に目立った症状がなかったとしても、むちうちのように後から症状が出てくるものもあります。
事故発生から日数が経過してしまえば、ケガの症状と交通事故との因果関係があいまいになり、適正な補償を受けられない恐れがあるので注意しましょう。
また、医師の作成した診断書がなければ、警察から物損事故として取り扱われてしまうので不利な状況となります。
そのため交通事故にあったら整形外科などを受診して、必ず診断書を作成してもらいましょう。
整骨院や接骨院では診断書を作成してもらえないので、まずは病院を受診して治療をしてもらうことが大切です。
診断書の作成などにかかる費用も、相手方の保険会社に請求できます。
弁護士の〈ここがポイント〉
相手側から適正な補償を受けるためには、病院を受診して医師の診断書をもらうことが重要です。診断書がなければ、物損事故として取り扱われてしまい、きちんと補償を受けられない可能性があります。整形外科などを受診して、ケガの症状と事故との因果関係を明らかにしましょう。
ドライブレコーダーの映像など事故状況の証拠を集める
事故状況を正しく把握するために、ドライブレコーダーに記録された映像は重要な証拠となります。
車にドライブレコーダーを搭載している場合は、すみやかにデータを確保しておくことが大切です。
常時録画型のドライブレコーダーの場合、そのままの状態で放置してしまうと内容がどんどん上書きされてしまうので注意が必要です。
- 事故の発生時刻
- 信号機の色
- 周辺の防犯カメラの有無
- 事故現場の状況
- 相手の車の特徴
記録された映像でチェックすべきポイントとしては、以下の点があげられます。
これらの項目をメモなどにまとめて、警察や保険会社に伝えましょう。
客観的な事実を示す証拠として提示すれば、示談交渉においても役に立つでしょう。
翌日以降に相手の保険会社から連絡がくる
事故発生の当日~翌日(土日の場合は月曜日)に、相手方の保険会社から連絡がくるので、必ず対応しましょう。
基本的には入院・通院先の確認や治療費の支払い方法など、事務的な話がメインとなるでしょう。
不明な点があれば遠慮をせずに質問して、疑問を解消しておくことが大切です。
また、納得できないことやすぐに決められない内容には回答する必要はありません。
安易に返事をしてしまうと、後から不利な状況を生み出してしまう恐れがあるので、落ち着いて対応してみてください。
- 相手と連絡先を交換する
- なるべく早く整形外科へ行く
- ドライブレコーダーのデータを収集する
- 翌日相手の保険会社から電話が来る
事故後の流れ2 交通事故の被害者が治療中に行うこと

交通事故の被害に遭って診察を受けると、ケガの治療のために入院や通院生活をすることになります。
ケガの治療中に、相手方側の保険会社からたびたび連絡がきて、うんざりしてしまうこともあるでしょう。
しかしやりとりが面倒だと感じても、相手の保険会社の提案を安易に受け入れることは避けましょう。
特にケガの治療が一定期間を経過すると、「治療費打ち切り」を宣告する連絡がくる場合もあります。
この場合も、安易に打ち切りに応じる必要はありません。
治療を続けるべきかどうかは医師が診断をするものなので、完治もしくは症状固定となるまで治療を継続しましょう。
また、ケガが完治せずに後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害の等級認定手続きを行うことも重要です。
ケガの症状と交通事故の因果関係を明確にするために、根気強く治療に励みましょう。
治療中は仕事ができなかったり、気持ちが落ち込んでしまうこともあるかもしれませが、あせらずに気長に治療と向き合うことが大切です。
むやみに相手側の保険会社との交渉に応じない
病院で治療を受けている段階では、相手側の保険会社からケガの状況を確認する連絡が定期的にきます。
何度も同じ質問をされてしまうと面倒に感じる部分もあるでしょうが、落ち着いて対応しましょう。
保険会社のほうから示談金の交渉をすすめてくることも多いですが、早々と話を進める必要はありません。
ケガの治療に専念して、事故によって被った損害を明らかにしておくことが大事です。
そのため、ケガが完治もしくは症状固定となるまでは示談交渉に応じない意思を伝えておきましょう。
どうしても保険会社とのやりとりを負担に感じてしまう場合は、ケガの治療中でも弁護士に相談してみましょう。
事故後に保険会社の対応について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
ケガの完治や症状固定になるまで通院する
保険会社にはケガの種類によって治療期間の目安があり、その期間を過ぎると治療費の支払いを打ち切リの打診をしてくるようです。
- D=打撲(治療期間1ヶ月)
- M=むちうち(治療期間3ヶ月)
- K=骨折(治療期間6ヶ月)
「DMK136」と呼ばれるものであり、それぞれ以下を指すものです。
しかし、適正な補償を受けるためにも、ケガの完治(完全に治った状態)もしくは症状固定となるまで治療を継続することが大切です。
治療を続ける必要があることをきちんと診断書に盛り込んでもらうためにも、ふだんから主治医との関係を良好に保っておきましょう。
しっかりとコミュニケーションを取ることで、実際の症状に見合った診断や治療を受けられるはずです。
- 「症状固定」とは
- 治療を継続しても、それ以上は症状の改善が見られない状態を指します。症状固定の判断は医師が行うものであり、保険会社が決めるものではありません。きちんと治療を受けることが示談交渉にも影響するので、症状固定と診断されるまで治療に専念しましょう。
後遺障害が残ったら「後遺障害認定」を受ける
ケガの治療を続けても完治せず、痛みや障害が残った場合には、「後遺障害」の等級認定手続きを行うことが重要です。
等級は症状に応じて1級~14級までがあり、後遺障害として認定されることで、逸失利益や後遺障害慰謝料の請求などが行えます。
交通事故の被害で多く見られる後遺障害として、「むちうち」があげられます。
むちうちの場合は、後遺障害の14級もしくは12級に認定される可能性があります。
外部からは判断しづらい症状なので、医師に自覚症状をきちんと伝えて、診断を行ってもらいましょう。
むちうちの後遺障害認定について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
- むやみに保険会社からの治療の打ち切りは応じないこと
- 完治 or 症状固定までしっかり通院する
- 後遺障害が残ったら後遺障害等級認定の申請
事故後の流れ3 交通事故の被害者が治療終了後に行うこと
ケガの治療が済んだら、相手方の保険会社との間で示談交渉を進めていきます。

適正な補償を受けるためには提出する書類も多く、大変に感じてしまう面もあるでしょう。
また保険会社の担当者が高圧的な態度を取ってくると、ストレスを感じてしまう場合もあります。
示談交渉はご自身で対応することは可能ですが、スムーズな交渉を望むなら弁護士に依頼をする選択肢もあります。
示談金など交渉内容に納得できた段階で示談書を作成して、署名・なつ印を行います。
保険会社の事務処理が完了すれば、速やかに示談金が振り込まれて終了となります。
ここでは、治療後の各手続きについてポイントを解説します。
相手の保険会社と示談交渉を行う
ケガが完治もしくは症状固定となり、治療が終了した段階で相手方との示談交渉が始まります。
示談交渉は過失割合や示談金(慰謝料+事故関連の損害金の精算)などについて、双方が話し合いによって合意を得る場です。
自身の過失が0である場合は自身の加入する保険会社が間に入ってくれないため、相手側の保険会社の担当者と直接交渉を進める形となります。
示談金が高額になる場合、保険会社は支払いを少しでも抑えるために、相手側に都合のいい主張をしてくる場合もあるでしょう。
粘り強く話し合いを進めていく必要があり、納得できない点については安易に妥協をしないことが重要です。
示談交渉は1~6ヶ月程度かかり、事故状況などによってはさらに時間がかかる場合もあります。
心理的・時間的な面で負担も大きいので、必要に応じて弁護士に相談をすることも大切です。
自分の過失が0である場合の「もらい事故」の対応法について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
さまざまな書類の作成・提出
示談交渉では、主張を通すためにさまざまな書類を用意する必要があります。
用意すべき書類としておもなものは、次のとおりです。
- 交通事故証明書(自動車安全運転センターから取得する)
- 事故発生状況報告書(事故当事者が作成する)
- 診断書(医師に作成してもらう)
- 診療報酬明細書(入通院を行っていたことの証明書類、病院に発行してもらう)
- 給与明細書、源泉徴収票、確定申告書の控え等(収入を示すための証明書)
- 休業損害証明書(勤務先などに発行してもらう)
- 後遺障害診断書(医師に作成してもらう)
- 検査資料(病院に発行してもらう)
- 各種領収書、見積書等(車の修理代や通院交通費等)
書類は多岐にわたるので、発行元などに問合せて1つずつそろえていきましょう。
後遺障害が残ったときは後遺障害診断書や検査資料なども準備する必要があり、内容も専門的なものになります。
弁護士のサポートを受ければ書類の準備もスムーズに進められるので、困ったときには相談をしてみましょう。
示談書になつ印すると示談金が振り込まれる
示談交渉によって話し合いを進めていった結果、納得のいく結論を双方で得られたならば示談書を作成します。
相手方の保険会社から示談書が送られてくるので、内容をよくチェックしてから署名・捺印をして返送しましょう。
保険会社の事務手続きが終わってから示談金が振り込まれます。
気をつけておきたいポイントとしては、示談が成立した後に内容や金額を変更できない点です。
示談を成立させて問題がないかを十分に検討したうえで、相手方に返事をしましょう。
- 治療が終わったら示談交渉がはじまる
- 相手の保険会社は示談金をなるべく安くしたがる
- 後遺障害等級認定の書類は難易度が高い
- 示談書に捺印すると後戻りできない
交通事故の被害者が後悔しないためにしておくべきこと
事故後の対応によって後から悔やんでしまわないためには、初めの段階で押さえておくべき2つのポイントがあります。
- 継続的な治療が必要であったことを証明するためにも、こまめに病院へ通う
- 通院のためにかかった交通費など、事故が原因で支払う必要があったものはすべて記録に残しておく
領収書や見積書などをきちんと保管し、それらが発行されない場合はメモに残しておくことが肝心です。
それぞれのポイントについて、さらに詳しく見ていきましょう。
ポイント1 治療のために病院へこまめに通院する
交通事故とケガの因果関係をはっきりとさせるために、定期的に通院しておくことが重要です。
通院頻度としては最低でも月1回、できれば月10回程度通うとよいでしょう。
継続的に治療を続けていることで、どれくらいの期間治療が必要だったのかが明確になります。
あまり病院に通っていなければ、事故とケガとの関係性があいまいになってしまうので注意が必要です。
示談金の請求や後遺障害の申請手続きで不利になる恐れがあるので、医師の指示に従って治療を受けましょう。
治療費や交通費は、のちほど請求できます。
病院から発行される診療報酬明細書や通院にかかった交通費のメモなどをしっかりと残しておくことが大事です。
ポイント2 やりとりのメモやレシートをとっておく
ケガの程度によって異なりますが、初診から完治もしくは症状固定となるまでには、長い時間がかかるケースもあります。
そのため、起こったできごとや支払ったものをすべて記憶に頼ってしまうと、示談金を請求する際に漏れが出てしまうものです。
警察・保険会社・相手などとのやりとりは、メモとして残しておくと後から役立ちます。
- いつ
- だれと
- 何を話したか
など、事実を示す記録を残しておきましょう。
また、入院・通院中に購入した物はレシートなどをきちんと保管しておくことが大切です。
交通事故と関係がある支出であれば、後からまとめて請求できるので証拠として残しておきましょう。
治療費や交通費、入通院時にかかった費用をすぐに計算できる状態にしておけば、示談交渉をスムーズに進めることに役立てられます。
通院費の補償の範囲と手続きについて、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
交通事故の示談交渉は弁護士に依頼するとスムーズ
交通事故の示談交渉では、必要な書類を準備したり、相手方の保険会社とやりとりをしたり大変な面があります。
自分で取り組もうとしても、初めて事故にあったときは何から手をつけていいのかわからないものです。
1人で悩んでしまう前に、交通事故案件に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。
弁護士に依頼をすれば、相手方との示談交渉を任せられます。
専門的な知識と交渉に長けた弁護士に任せることで、不安な気持ちを解消できるはずです。
弁護士に依頼をするメリットについて、詳しく解説します。
弁護士依頼のメリット1 相手側の保険会社と交渉してくれる
初めて交通事故の被害にあってしまうと、警察とのやりとりやケガの治療など多くのことに取り組む必要があります。
そのうえ、相手方の保険会社と示談交渉を進めなければならず、肉体的・精神的に負担を感じてしまうのも無理はありません。
どれほど正しい主張をしても、示談交渉は話し合いによって進められるため、必ずしもこちらの意見が通るわけではないからです。
一般の方にとって示談交渉は大変ですが、交通事故案件の経験豊富な弁護士であれば、意向をくみ取って示談交渉を進めてくれます。
過去の判例を踏まえたうえで交渉にあたってくれるため、納得できる形で示談金を受け取れる可能性が高まります。
必要な書類の準備や後遺障害の等級認定手続きなどもサポートしてくれるので、強力な味方となるはずです。
弁護士依頼のメリット2 示談金や慰謝料を増額できる可能性が高い
交通事故の損害に対する補償として示談金は支払われますが、慰謝料のほかにもさまざまな項目で請求することが可能です。
示談金の内訳としておもなものは、以下のとおりです。
請求できる項目 | 内容 |
---|---|
慰謝料 | 交通事故による精神的な苦痛に対して支払われる補償のことです。「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類に分けられます。 |
治療費/入院費 | 治療にかかる費用であり、通常は相手方の保険会社から病院側に直接支払われます。入院時に必要な入院雑費なども含まれます。 |
通院交通費 | 通院のために公共交通機関などを利用したときにかかった交通費のことです。電車やバスの利用が基本であり、タクシーの利用は医師の判断によります。 |
車両修理代 | 車両の修理にかかった費用であり、レッカー代や代車等の費用も含みます。見積書や領収書などをきちんと保管しておきましょう。 |
付添看護費 | 高齢者や小学校のお子さまなど、入通院で付き添いが必要になった際に認められる費用です。寝たきり状態となるなど介護を常に必要とする場合、将来的な付添看護費も請求可能です。 |
器具等購入費 | 治療や後遺症が残ったときに購入した器具(車椅子・松葉づえ・メガネなど)の費用です。 |
家屋等改造費 | 後遺症が残ることで自宅のバリアフリー化などをしなければならない場合に請求できる費用です。 |
物損費用 | 交通事故が原因で壊れてしまった物に対する補償です。 |
葬儀関係費 | 交通事故が原因で被害者が亡くなられた場合に、葬儀を行うための費用を請求できます。 |
休業損害 | 休まずに働いていれば得られた現在の収入の減少に対する補償を指します。会社員なら勤務先の証明書、自営業者なら確定申告書などが費用です。 |
逸失利益 | 交通事故がなければ、将来得られたはずだった収入を指します。収入をまだ得ていない学生であっても、請求可能な場合があります。 |
上記のように請求できる項目は広範囲にわたるので、専門家である弁護士に計算をしてもらったほうが、漏れなく請求を行えるでしょう。
また、弁護士に依頼をすることで弁護士基準(裁判基準)で請求できるので、慰謝料などが増額する可能性があります。

たとえば、通院3ヶ月・軽傷のケースで慰謝料額を比べてみると次のようになります。
保険会社からの提示金額(任意保険基準):37.8万円
弁護士に依頼した後の金額(弁護士基準):53万円
このように保険会社が提示してくる金額と弁護士に依頼をしたときの金額には、15万円程度の差があります。
後遺障害を負った場合にはさらに差が出てくるので、適正な補償を受けるために弁護士への依頼を検討してみましょう。
示談金の増額について、詳しくはこちらの記事もご参照ください。
弁護士依頼のメリット3 弁護士特約を使えば保険会社が弁護士費用を補償してくれる
弁護士に依頼をすることのメリットがわかっても、どれくらい費用が発生するのか気になるものです。
ご自身が加入する任意保険に「弁護士特約(弁護士費用特約)」が付いていれば、費用負担を気にせずに弁護士に依頼できます。

保険会社によって弁護士特約の仕組みは異なりますが、多くの場合で300万円程度を上限として支払いを補償してくれます。
自動車保険以外の保険(生命保険や火災保険など)に弁護士特約が付いている場合でも利用できるので、事故にあった早い段階で特約の有無を確認しておきましょう。
弁護士法人・響では、弁護士特約の利用にも対応しておりますので、費用面で安心してご相談いただけます。
弁護士特約についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。
交通事故の補償額の例
交通事故の被害にあってしまったときには、どれくらいの補償が受けられるのか目安を把握しておくことが大事です。
むちうちの症状で4ヶ月間通院し、症状固定と診断された後に後遺障害の等級認定手続きを行ったケースで見ていきましょう。
〈弁護士に依頼をした場合の示談例〉
弁護士依頼前 弁護士依頼後
■入通院慰謝料 20万円 → 55万円
■後遺障害慰謝料 40万円 → 108万円
+通院交通費・逸失利益・休業損害
入通院慰謝料と後遺障害慰謝料はともに、相手側の保険会社から提示された金額よりも増額が可能な場合があります。
さらに、通院にかかった交通費や逸失利益、休業損害についても補償を受けられることがあります。
弁護士に依頼をすることで慰謝料だけでなく、さまざまな項目での請求が可能となるといえます。
慰謝料以外の示談金について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
【まとめ】交通事故の被害者になると負担が多い。弁護士のサポートを求めよう
交通事故にあうのが初めての場合、どのように対処すべきかわからずに不安を抱きやすいものです。
事故後の対応はその後の示談交渉に影響してくるものなので、全体的な流れをふまえたうえで落ち着いて対応しましょう。
交通事故とケガの因果関係を明確にするために継続して通院し、完治もしくは症状固定となるまで治療を行うことが大切です。
また、診療報酬明細書や交通費のメモをきちんと保管して、交通事故によって被った損害を漏れなく相手方に請求することが肝心です。
しかし、示談交渉や後遺障害の等級認定手続きなど、慣れないことにも対応しなければならないため、負担は大きい部分があります。
しっかりと準備を整えて相手方と示談交渉を進めるために、交通事故案件に詳しい弁護士に相談をしましょう。
弁護士法人・響はご相談は無料ですので、お気軽にご相談ください。
慰謝料の仕組みや金額の詳細について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

- 提示された金額は妥当なの?
- 軽傷でも慰謝料はもらえるの?
- 入院・通院期間で金額は変わるの?
- 示談金を増額できる可能性がある
- 保険会社との交渉を徹底サポートしてくれる
- 問い合わせ・相談実績6万件以上
※相談料・着手金0円(後払いも可)、24時間365日受付可
2022.5.10