2017.7.31 2021.11.25

後遺障害等級認定をわかりやすく解説!申請方法と補償制度について

むちうちの男性

交通事故に遭ってしまうと精神的・肉体的に負担を感じ、将来に対して不安な気持ちになってしまうのも無理はありません。

さらに治療を続けてもケガが完治せずに後遺症が残ってしまえば、仕事や日常生活にも影響するので途方に暮れる方もいるのではないでしょうか。

まずはケガの治療をしっかりと行うことが大切ですが、今後の生活への不安を断ち切るために、相手に適正な補償を求めていくことが重要だといえます。

納得のできる形で補償を受けるためには、「後遺障害の等級認定」について正しく理解しておく必要があります。

具体的な手続き方法や等級の詳細、慰謝料請求のポイントなどを詳しく解説します。

目次

後遺障害等級とは?認定されると慰謝料は増える?

交通事故で負ったケガの治療をしても完治せず、後遺症が残ってしまうことがあります。

後遺症があるとその後の生活にも影響が出てくるため、適正な補償を受けることが大切です。

医師から「症状固定」と診断されたら、後遺障害の等級認定手続きを行いましょう。

後遺障害等級表(1級~14級)に定められた症状に該当していれば、手続きを行うことで「後遺障害」として認定されます。

後遺障害と認定されることで、入通院慰謝料とは別に「後遺障害慰謝料」を請求することが可能です。

また、後遺障害の影響によって以前のように働けなくなってしまっているときは、「逸失利益」の請求も認められる場合があります。

逸失利益とは、事故にあわなければ将来得られたはずの収入に対する補償を指します。

後遺障害慰謝料や逸失利益を請求することで、今後の生活への不安を取り除けるでしょう。

「症状固定」とは
ケガの治療を継続しても、それ以上は症状の改善が見られない状態を指します。症状固定の判断は医師が行うものであり、保険会社が決めるものではありません。症状固定となるまできちんと治療を受けることで、後遺障害の等級認定手続きや慰謝料の請求などにつなげていけます。

後遺障害等級の決定には後遺障害診断書が必要

後遺障害は症状によって1級~14級までが定められており、該当する等級に当てはまれば後遺障害として認定されます。

そのため、どのような基準で等級が決められるのか気になってしまう部分もあるものです。

    等級の決定には、

  • 後遺障害診断書の記載内容
  • 申請書類や検査資料の内容・医療機関への通院歴
  • 検査資料
  • などが関係してきます。

後遺障害診断書は医師が作成するものであり、診断内容や自覚症状などをきちんと反映してもらう必要があります。

後遺症を負ってしまった場合、後から新たな症状が出る場合もあります。

日常生活で気づいた変化はメモに残しておき、医師にしっかりと伝えましょう

また、後遺障害は継続的に症状が続いていることも判断基準となるため、医師の指示に従って通院を続けることが重要です。

少し回復したからといって病院に通わないでいると、後遺障害の申請時に困ってしまうので注意しましょう。

弁護士の〈ここがポイント〉
後遺症が残った場合、後遺障害の等級認定を受けることが重要です。後遺障害と認められることで、後遺障害慰謝料などを請求できます。診断書に実際の症状を正しく反映してもらうために、継続して通院することも大切です。

後遺障害等級認定の申請方法と申請後の流れ

後遺障害として認定を受けるには、後遺障害の等級認定手続きを行う必要があります。

医師に後遺障害診断書を作成してもらい、「事前認定」もしくは「被害者請求」のいずれかで申請します。

  • 事前認定
    保険会社に手続きを依頼するものであり、後遺障害診断書を提出すれば後は認定結果が送られてくるのを待つことになります。
    手続きが簡単な反面、書類に不備があってもそのまま手続きが進んでしまうので、実際の症状よりも低い等級で認定される恐れがあります。
  • 被害者請求
    被害者自身または弁護士が手続きを行う方法であり、必要な書類をそろえたうえで自賠責保険に対して申請します。
    書類集めに時間がかかりますが、納得のいく形で申請できるので実際の症状に見合った認定結果を得られやすいのが特徴です。

書類集めに時間がかかりますが、納得のいく形で申請できるので実際の症状に見合った認定結果を得られやすいのが特徴です。

被害者請求で必要となるおもな書類は、次のとおりです。

書類の種類 入手先
後遺障害診断書 病院
診療報酬明細書 病院
印鑑証明書 市区町村役場
事故発生状況報告書 保険会社から書類を取り寄せて記入
損害賠償支払請求書 Web上にある無料のフォーマットを使う
交通事故証明書 自動車安全運転センター(Webからの申請が可能で、交付手数料として1通あたり600円がかかる)
各種検査資料 病院
休業損害証明書 勤務先

後遺障害の等級認定手続きにかかる費用としては、後遺障害診断書の作成費用があげられます。

病院によって費用は異なりますが、1通あたり5,000円~1万円が必要です。

後遺障害診断書は医師のみが作成できるものなので、整骨院や接骨院では対応できない点に注意しておきましょう。

また、認定結果が出るまでにかかる時間としては1~4ヶ月程度を見込んでおく必要があります。

事故状況や後遺障害の症状によっては、審査に6ヶ月以上かかってしまうケースもあるので、早めに申請手続きを行うことが大切です。

申請内容についての審査は「損害保険料率算出機構」が行います。

認定結果に対して納得がいかない場合は、改めて審査を行ってもらう「異議申立」を請求できます。

次に、異議申立の仕組みについて解説します。

異議申し立てについて

後遺障害の等級認定手続きを行うと、認定結果は保険会社を通じて伝えられます。

納得のいく認定結果が得られれば問題ありませんが、低い等級で認定されたり、認定されない場合もあります。

認定結果で示された内容に不満があるときは、「異議申立」を行えます。

異議申し立て自体は無料ですが、異議申立書を作成するにあたって改めて診断書を作成したり、検査を行ったりする費用として1万円~5万円がかかります

再度審査を行ってもらう根拠として、新たな証拠をそろえる必要があり、専門的な知識も必要になります。

また、異議申立の手続きをして再審査が行われるまで、1~6ヶ月程度の時間が必要です。

初回の審査よりも、より専門的な角度から審査が行われるためであり、念入りな準備が必要になる点を覚えておきましょう。

異議申し立てについて詳しくはこちらの記事をご参照ください。

後遺障害等級認定は弁護士に任せるとよい

後遺障害の等級認定手続きは、ご自身で行うことはできますが、時間的・精神的な負担も大きい作業です。

用意しなければならない書類は多くあり、申請をしたからといって必ずしも望む等級で認定されるとはかぎりません。

申請手続きで困ったときは、交通事故処理に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

弁護士であればスムーズに手続きを行ってくれ、有利な形で申請を進めてもらえる可能性があります。

申請時に用意しなければならない書類や資料は一般の方にはなじみのないものですが、交通事故案件の経験が豊富な弁護士であれば書類作成や資料収集などのアドバイスがもらえます。

自分で申請をしたが思うような認定結果を得られなかったという場合も、弁護士を通じて異議申立を行うことで、認定結果を覆せる可能性も高くなります

あなたの等級は何級?後遺障害等級の詳細

後遺障害の等級認定手続きの仕組みがわかっても、「自分は何級になるのか」あらかじめ知りたいものです。

等級の判定は提出した書類をもとに行われるので、後遺障害診断書といった医師の診断が重要になる点も押さえておきましょう。

実際の症状を詳しく反映させた診断書を作成してもらったうえで、後遺障害等級表のどの部分に該当するのかを判断する必要があります。

下記に記載しているケガの部位をクリックすれば、調べたいところにジャンプするので何級に該当するかがわかります。

気になる部分をチェックして、後遺障害の申請手続きに活用してみましょう。

足のケガの後遺障害等級

足のケガについては、両足・片足・足先の3つにわけられます。

「該当する症状」「認定される等級」「判断するポイント」の視点から、それぞれ紹介します。

両足のケガ
該当する症状 等級 備考
両足のひざ関節から先の部分を失った 1級 ひざから先を失われた状態
両足がまったくうごかなくなった 1級
両足の足関節から先の部分がなくなってしまった 2級 足首から先が失われた状態
両足のリスフラン関節より先を失った 4級 リスフラン関節は足の甲にある関節
両足の足の指を全部失った 5級
両足の足の指が全部機能しなくなった 7級
片足のケガ
該当する症状 等級 備考
片足が機能しなくなった 5級
片足の足関節から先を失った 5級 足首から先が失われた状態
片足の3大関節のうち2つが機能しなくなった 6級 足の3大関節とは、股関節・ひざ関節・足関節のこと
片足に偽関節を残し著しい運動障害が生じている 7級 偽関節とは、折れた骨がうまくつながらずにグラグラとした状態
片足に偽関節がある 8級 偽関節とは、折れた骨がうまくつながらずにグラグラとした状態
片足の3大関節のうち1つが機能しなくなった 8級
片足が3cm以上縮んでしまった 10級
片足の3大関節のうち1つの機能が著しく低下した 10級
片足が1cm以上縮んでしまった 13級
足先のケガ
該当する症状 等級 備考
片足の足の指を全部失った 8級
片足の足指のすべてが機能しなくなった 9級
片足の親指またはそれ以外の4本を失った 10級
片足の親指を含む2本以上の足指の機能が失われた 11級
片足の2番目の指・2番目を含む2本の指・3番目以下の指を3本失った 12級
片足の親指または他の4本の指の機能が失われた 12級
片足の3番目以下の足指1本または2本の足指を失った 13級
片足の2番目の足指の機能が失われた、2番目を含む足指2本の機能が失われた、3番目以下の足指の機能が失われた 13級
片足の3番目以下の足指の1本または2本を失った 14級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則」から抜粋

腕のケガの後遺障害等級

腕のケガは、部位ごとに両腕・片腕・手にわけられます。

「該当する症状」「認定される等級」「判断するポイント」の視点から、それぞれ紹介します。

両腕のケガ
該当する症状 等級 備考
両腕のひじ関節から先を失った 1級 両腕のひじから先が失われた状態
両腕の機能がすべて失われた 1級
両腕の手関節(しゅかんせつ)から先を失った 2級 手関節は手首にある関節のことで10本の骨で構成されているもの
両手の指を全部失った 3級
両手の指を全部失った 3級
両手の指がすべて機能しなくなった 4級
片腕のケガ
該当する症状 等級 備考
片腕のひじ関節から先を失った 4級
片腕の手関節(しゅかんせつ)から先を失った 5級 手関節は手首にある関節のことで10本の骨で構成されている
片腕の3大関節のうち2つが機能しなくなった 6級 腕の3大関節とは、肩関節・ひじ関節・手関節のこと
片腕に偽関節があり、著しい運動障害が残っている 7級 偽関節とは、折れた骨がうまくつながらずにグラグラとした状態
片腕の3大関節のうち1つの機能が失われた 8級
片腕に偽関節がある 8級
片腕の3大関節のうち1つの機能に著しい障害がある 10級
片腕の3大関節のうち1つに機能障害がある 12級
手のケガ
該当する症状 等級 備考
片手の指すべてまたは親指を含む4本の指を失った 6級
片手の親指を含む3本の指または親指以外の4本の指を失った 7級
片手の5本の指すべてがまたは親指を含めた4本の指が機能しなくなった 7級
片手の親指を含む2本の指または親指以外の3本の指を失った 8級
片手の親指を含む3本の指または親指以外の4本の指の機能が失われた 8級
片手の親指または親指以外の2本の指を失った 9級
片手の親指を含む2本の指または親指以外の3本の指が機能しなくなった 9級
片手の人差し指、中指、薬指のどれかを失った 11級
片手の小指を失った 12級
片手の小指が機能しなくなった 13級
片手の親指の指骨を一部失った 13級 指骨とは、指を構成する骨全体のこと
腕に手のひらサイズの跡が残っている 14級
片手の親指以外の指で、指骨の一部を失った 14級
片手の親指以外の指をうまく曲げられなくなった 14級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則」から抜粋

頭・顔のケガの後遺障害等級

頭や顔のケガは、目・口・耳・鼻などがあげられます。

「該当する症状」「認定される等級」「判断するポイント」の視点から、それぞれ紹介します。

両眼のケガ
該当する症状 等級 備考
両目が失明した 1級
両目の視力が0.02以下 2級
両目の視力が0.06以下 4級
両目の視力が0.1以下 6級
両目の視力が0.6以下 9級
両目に半盲症、視野狭窄、視野変状が残っている 9級 ・半盲症とは、両目の片側ずつが見えなくなる症状
・視野狭窄とは、視野の広さが狭くなる症状
・視野変状とは、半盲症や視野狭窄以外のもの
両方のまぶたに著しいケガを負った 9級
両方の眼球に調整機能障害、運動障害が見られる 11級
両方のまぶたに著しい運動障害がある 11級
・両方のまぶたの一部が欠けている
まつ毛はげを起こしている
13級
片目のケガ
該当する症状 等級 備考
片目が失明して、もう片方の視力が0.02以下 2級
片目が失明して、もう片方の視力が0.06以下 3級
片目が失明して、もう片方の視力が0.1以下 5級
片目が失明して、もう片方の視力が0.6以下 7級
片目が失明または片目の視力が0.02以下 8級
片目の視力が0.06以下 9級
片方の眼球に著しい調整機能障害、運動障害が残っている 12級
片方のまぶたに著しい運動障害が残っている 12級
片目の視力が0.6以下 13級
片目に半盲症、視野狭窄、視野変状が残っている 13級
・片方のまぶたの一部が欠けている/まつ毛はげを起こしている 14級 まつ毛はげは、まつ毛の一部分が無くなる症状
口のケガ
該当する症状 等級 備考
話したり、噛んだりする機能の両方が失われた 1級
話したり、噛んだりする機能の片方が失われた 3級
話したり、噛んだりする機能に大きな障害が残っている 4級
話したり、噛んだりする機能のどちらかに大きな障害が残っている 6級
話したり、噛んだりする機能に障害が残っている 9級
話したり、噛んだりする機能のどちらかに機能障害が残っている 10級
14本以上の歯の治療を受けた 10級
10本以上の歯の治療を受けた 11級
7本以上の歯の治療を受けた 12級
5本以上の歯の治療を受けた 13級
3本以上の歯の治療を受けた 14級
両耳のケガ
該当する症状 等級 備考
両耳の聴力をすべて失った 4級
耳元で大声で話してもらわなければ、ききとることができなくなった 6級
40cm以上離れると普通の話し声を聞きとることができなくなった 7級
1m以上離れると普通の話し声を聞きとることができなくなった 9級
1m以上離れると普通の話し声を聞きとりづらくなった 10級
1m以上離れると小さな声が聞こえなくなった 11級
片耳のケガ
該当する症状 等級 備考
片耳の聴力が失われ、もう一方の耳も40cm以上離れていると普通の話声を聞き取ることができなくなった 6級
片方の耳の聴力を失われ、もう一方の耳でも1m以上離れていると普通の話声を聞き取ることができなくなった 7級
片耳が大声でなければ聞きとれなくなり、もう一方の耳も1m以上の距離では普通の話し声を聞くことが難しい状態 9級
片耳が耳元で話してもらわないと聞き取ることができなくなった 10級
片耳が40cm以上離れた場所の普通の話し声を聞きとれなくなった 11級
片耳の耳殻の大部分を失った 12級 耳殻とは、外側に張り出している部分を指します。
片耳のが1m以上離れた場所の小さな声を聞きとれなくなった 14級
鼻のケガ
該当する症状 等級 備考
鼻の一部が欠け、機能に大きな障害が残っている 9級

臓器・胴体のケガの後遺障害等級

臓器や胴体のケガのなかには、常に介護を必要とするほど重いものがあります。

「該当する症状」「認定される等級」「判断するポイント」の視点から、それぞれ紹介します。

胸腹部のケガ
該当する症状 等級 備考
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、日常生活のすべてで介護を必要としている 要介護1級 胸部のおもな内臓は、心臓と肺です。腹部は食道からつながる消化管、胃、小腸、大腸、肝臓、すい蔵、腎臓など
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、介護を必要とする機会が多い 要介護2級
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、まったく働くことができない 3級
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、特に軽いのしごと以外はできない 5級
脊柱が大きく変形しているまたは運動障害が残っている 6級 脊柱とは、首の骨・背骨・腰の骨のこと
胸腹部臓器の機能に障害が残り、軽い作業の仕事はできない 7級
両側の睾丸を失った 7級
脊柱に運動障害が残っている 8級
胸腹部臓器の機能に障害が残り、就ける仕事に大きな制限がかかっている 9級
胸腹部臓器の機能に障害が残り、働くことに大きな支障が見られる 11級
鎖骨・胸骨・ろっ骨・けんこう骨・骨盤が大きく変形している 12級
長管骨が変形している 12級 長管骨とは、腕や足を構成する大きな骨のこと
胸腹部臓器の機能に障害が残っている 13級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則」から抜粋

神経系・精神的な疾患・その他の後遺障害等級

後遺障害には神経や精神に関する障害も含まれており、症状の程度によって等級が異なります。

「該当する症状」「認定される等級」「判断するポイント」の視点から、それぞれ紹介します。

神経系・精神疾患
該当する症状 等級 備考
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、日常生活において常に介護を必要としている 要介護1級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、介護を必要とする機会が多い 要介護2級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、まったく働くことができない 3級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、特に軽い作業の仕事以外はできない 5級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、軽い作業の仕事以外はできない 7級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、できる仕事の幅に大きな制限がある 9級
局部(特定の一部分)に強い神経症状が残っている 12級 交通事故の場合、むちうち(頸椎捻挫)や骨折、じん帯損傷などが該当
局部に神経症状が残っている 14級
その他
該当する症状 等級 備考
外貌(頭部・顔面・首筋・腕や足の露出部分)にひどい醜状が残っている 7級 醜状とはあざや傷あと、組織の陥没など
外貌に相当程度の醜状が残っている 9級 相当程度の醜状とは、顔面であれば5cm以上の傷で人目につくもの。交通事故で負った傷だけでなく、手術の結果生じたものも含む

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則」から抜粋
別表第一 障害等級表

弁護士の〈ここがポイント〉
後遺障害の等級は、症状が見られる部位や程度によって異なります。実際の症状に見合った等級に認定されるためにも、病院での治療をきちんと行い、必要に応じて検査をすることが大切です。

後遺障害の等級が認められると後遺障害慰謝料はいくら?

後遺障害の等級が認められると、等級に応じて後遺障害慰謝料を請求できます

計算基準は自賠責保険基準・任意保険基準・弁護士基準(裁判基準)の3つがあります。

同じ等級であっても、計算基準が違えば受け取れる慰謝料額は異なるので注意しましょう。

各等級における慰謝料額を3つの計算基準で比較したものが、下記の表となります。

等級 自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士基準(裁判基準)
14級 32万円 40万円 110万円
13級 57万円 60万円 180万円
12級 94万円 100万円 290万円
11級 136万円 150万円 420万円
10級 190万円 200万円 550万円
9級 249万円 300万円 690万円
8級 331万円 400万円 830万円
7級 419万円 500万円 1,000万円
6級 512万円 600万円 1,180万円
5級 618万円 750万円 1,400万円
4級 737万円 900万円 1,670万円
3級 861万円 1,100万円 1,990万円
2級 998万円(1,203万円) 1,300万円 2.370万円
1級 1,150万円(1,650万円) 1,600万円 2,800万円

3つの計算基準を比べると、弁護士基準が最も高いことがわかります。

症状の重い等級となるほど慰謝料額も増えていくため、十分な補償を請求することが大切です。

後遺障害の慰謝料について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

また、後遺障害では慰謝料のほかにも、以下のようにさまざまな項目を請求できます。

請求できる項目 内容
慰謝料 交通事故による精神的な苦痛に対して支払われる補償のことです。「入通院慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3種類に分けられます。
治療費/入院費 治療にかかる費用であり、通常は相手方の保険会社から病院側に直接支払われます。入院時に必要な入院雑費なども含まれます。
通院交通費 通院のために公共交通機関などを利用したときにかかった交通費のことです。電車やバスの利用が基本であり、タクシーの利用は医師の判断によります。
車両修理代 車両の修理にかかった費用であり、レッカー代や代車等の費用も含みます。見積書や領収書などをきちんと保管しておきましょう。
付添看護費 高齢者や小学校のお子さまなど、入通院で付き添いが必要になった際に認められる費用です。寝たきり状態となるなど介護を常に必要とする場合、将来的な付添看護費も請求可能です。
器具等購入費 治療や後遺症が残ったときに購入した器具(車椅子・松葉づえ・メガネなど)の費用です。
家屋等改造費 後遺症が残ることで自宅のバリアフリー化などをしなければならない場合に請求できる費用です。
物損費用 交通事故が原因で壊れてしまった物に対する補償です。
葬儀関係費 交通事故が原因で被害者が亡くなられた場合に、葬儀を行うための費用を請求できます。
休業損害 休まずに働いていれば得られた現在の収入の減少に対する補償を指します。会社員なら勤務先の証明書、自営業者なら確定申告書などが費用です。
逸失利益 交通事故がなければ、将来得られたはずだった収入を指します。収入をまだ得ていない学生であっても、請求可能な場合があります。

後遺障害を負ってしまえば、将来的に多くの支出を必要とする可能性があります。

相手側に対して請求漏れがないようにして、必要な補償を受けるためには交通事故案件に詳しい弁護士に相談することが大切です。

次は、弁護士に依頼をするメリットを紹介します。

慰謝料の増額を目指すには弁護士に依頼

後遺障害の等級認定手続きは、そろえなければならない書類が多く、一般の方には難しい内容のものです。

納得できる認定結果を得るためには、交通事故や後遺障害に詳しい弁護士に依頼をしてみましょう。

弁護士に依頼をすれば、申請のために必要な書類の作成や手続きを任せられます

また異議申立をするときも、弁護士を通じて行うほうが納得のいく成果を得られやすくなります。

弁護士法人・響の弁護士料金の体系

しかし弁護士に依頼をしたいと考えても「費用が高いのでは…」と気になるかもしれません。

弁護士法人・響では、以下の料金体系でご依頼をお引き受けしております。

費用の種類 弁護士法人・響
法律相談料 0円
着手金 0円
報酬金 賠償額の10%+20万円
(税込金額=賠償額の11%+22万円)

任意保険に加入している場合であれば、「弁護士特約」(弁護士費用特約)の有無を確かめておきましょう。

弁護士特約とは

弁護士特約とは、弁護士費用を保険会社が補償してくれる仕組みです。一般的には上限を300万円程度としている保険会社が多いです。

自動車保険でなくとも、火災保険や家族が加入する保険でも特約の利用ができます。

少しでも費用負担を軽減するために、交通事故にあった早い段階で特約の有無をチェックしておくことが大切です。

弁護士特約について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

弁護士法人・響の慰謝料増額実績

後遺障害慰謝料は同じ等級であっても、計算基準が異なれば金額が大きく違ってきます。

金額の違いの事例として、弁護士法人・響のケースを紹介します。

■慰謝料増額の事例
後遺障害の事前認定12級5号で初回提示46万円→900万円に増額

上記のように、弁護士に依頼をすることで慰謝料額は増額できる可能性があります。

弁護士基準(裁判基準)は弁護士に依頼をすることで適用されるので、示談交渉を行うときの大きなポイントです。

保険会社から提示された金額に納得ができないときは、豊富な実績のある弁護士事務所に相談してみましょう。

国の福祉制度・金銭的支援について

交通事故によって後遺障害を負ってしまったときは、国や市区町村の公的支援制度を利用できます。

おもな制度として以下のものが挙げられます。

各制度のポイントを解説します。

  • 障害年金
  • 障害者手帳
  • 労災年金
  • 介護料の支給
  • 傷病手当金
  • 生活福祉金貸付制度
  • 失業手当(基本手当)

障害年金

「障害年金」は公的年金(厚生年金・国民年金など)に加入している方が、病気やケガで仕事や生活に支障が出ている場合に請求できる年金制度です。

受給要件としては、初診日(医師から初めて診察される日)に65歳未満で国民年金または厚生年金に加入中であり、直近1年間に保険料の未納期間がなく、障害等級表の1級~3級(国民年金の場合は1級もしくは2級)に該当していることです。

受給手続きは年金事務所や年金相談センター、自治体の保険年金課などで行います。

障害者手帳

「障害者手帳」は自治体が交付するものであり、身体または精神に障害があって要件を満たした方が取得できます。

身体障害者手帳は1級~6級までの障害に対して交付されますが、7級の障害が2つ以上ある場合などは交付対象となります。

精神障害者保健福祉手帳は1級~3級までがあり、診断書を提出したうえで2年ごとに更新する必要があります。

障害者手帳は申請から1ヶ月~2ヶ月程度で交付され、公共料金の割引措置や税金の減免措置などが受けられる制度です。

労災年金

業務中もしくは通勤途中に交通事故の被害にあってしまったときには、障害の程度によって「労災年金」が受給できます

障害年金との併給は可能ですが、一定割合を減額された形で労災年金が支給されます。

労災年金に関する相談は、勤務先を管轄する労働基準監督署または労働保険相談ダイヤル(0570-006-031)で受け付けています。

介護料の支給

交通事故が原因で日常生活に介護が必要な方は、自動車事故対策機構(NASVA)から「介護料の支給」が受けられます

介護費用の自己負担額に応じて、種別(特Ⅰ種・Ⅰ種・Ⅱ種)ごとに3万6,500円~21万1,530円までが月額として支給されます

ただ、労災保険の介護給付などとは併用できないので注意しましょう。

傷病手当金

健康保険などに加入している方は、「傷病手当金」と公的な所得補償制度を受給できます。

受給額は1日あたり標準報酬日額の3分の2程度であり、1つの傷病につき最長1年6ヶ月まで受給可能です。

入院をしていなくても、在宅療養でも受けられるので、加入先の健康保険組合などを通じて申請しましょう。

生活福祉金貸付制度

「生活福祉金貸付制度」は、生活の立て直しに費用な資金を無利子または低利子で借りられる制度です。

非課税世帯・障害者世帯・高齢者世帯などが対象であり、市区町村の社会福祉協議会を通じて手続きを行います。

総合支援資金・福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4つがあり、世帯状況にあわせてさまざまな支援が受けられます

失業手当(基本手当)

交通事故によって離職を余儀なくされてしまった場合、雇用保険による「失業手当(基本手当)」が受けられます。

65歳未満で雇用保険に加入している方は、住所地を管轄するハローワークで支給の手続きを行います。

支給される金額は、離職前の6ヶ月で支払われた給与の合計額をもとに、45%~80%程度が支給されます

また、病気やケガなどの治療で30日以上働けなかった場合は、受給期間の延長も認められています。

【まとめ】後遺障害の等級認定は難易度が高い。納得いく等級認定は弁護士に相談を

交通事故でケガを負った場合は、治療をしても完治せずに後遺症が残ってしまうことがあります。

後遺症があることで精神的・肉体的な負担からストレスを感じてしまうだけでなく、今後の生活に不安を感じてしまう部分もあるものです。

まずは継続して治療を行ったうえで後遺障害の等級認定手続きを行い、後遺障害慰謝料を請求するとよいでしょう。

しかし申請には多くの書類を準備しなければならず、専門的な知識も必要とします。

思うような認定結果を得られなかったり、書類作成や資料集めを負担に感じたりするときは、交通事故案件に詳しい弁護士に相談をしてみましょう。

面倒な手続きを代行してもらえるだけでなく、弁護士基準(裁判基準)で慰謝料などを請求できるので、十分な補償を受けられる可能性が高まります。

弁護士特約を利用すれば、費用負担を気にすることなく依頼できるので、安心して任せられるはずです。

弁護士法人・響では、後遺障害の申請や異議申立に関するご相談を承っております。

相談は無料ですので、弁護士に依頼することはが初めての方でも、お気軽にお問い合わせください。

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後遺障害の異議申し立て成功確率は15%|認定されるためには?

交通事故で負ったケガが完治せずに後遺症が残ってしまった場合には、後遺障害の等級認定手続きを行うことが重要です。 しかし等級認定手続きを行ったにもかかわらず、後遺障害と認定されないケースもあります...

後遺障害診断書とは?請求時によくあるトラブルと対処法

交通事故の被害に遭ってケガの治療を行っても、完治せずに後遺症が残ってしまう場合があります。 後遺症を抱えたままでは、今後の生活に不安な気持ちになってしまうでしょう。 少しでも不安な気持ちを...

むちうちで後遺障害は認定されない?12〜14級の説明と異議申立

交通事故によるケガのなかで「むちうち」と診断される方は非常に多いです。 首筋の痛みなどが長く続くと、日常生活にも影響する場合もあるでしょう。 むちうちの症状で「後遺障害」と認定されれば「後...

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