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後遺障害等級で慰謝料金額はいくら?等級別の表でわかりやすく解説

後遺障害等級に認定されたら、慰謝料の相場はいくらぐらいでしょうか?

後遺障害慰謝料は認定される等級によって請求できる金額が異なり、32万円~2,800万円と大きな差があります。目安を把握しておくことが重要です。

交通事故でケガを負って治療をしても、完治せず症状が残ってしまうケースがあります。

後遺障害等級認定の申請を行い認定されることで、後遺障害慰謝料を請求できる場合があるので、しっかり理解しておきましょう。

相手方に請求できる慰謝料額は、認定された後遺障害の等級によって異なるため、目安を把握しておくことも重要です。

実際の事例などを踏まえながら、どれくらいの慰謝料が請求できるのかを理解しておきましょう。

この記事では後遺障害等級認定の仕組みや申請方法や利用できる公的な制度、慰謝料の請求事例などを紹介します。

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この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
第二東京弁護士会所属 第36318号
役職
弁護士法人・響 代表弁護士/西新宿オフィス所長

目次

交通事故の後遺障害とは?後遺症との違いを解説

交通事故における「後遺症」と「後遺障害」は異なります

一般的な「後遺症」とは、ケガや病気などの治療後に残った、機能障害や神経症状のことを指します。

それに対して「後遺障害」とは、交通事故が原因であることが医学的に証明されるとともに、労働能力の低下(あるいは喪失)が認められ、さらに、その程度が自賠責保険の等級に該当するものと定義されています。

したがって、事故によって残った後遺症であったとしても、上記の条件に当てはまらない場合は「後遺障害」と認められません。

後遺症
病気やケガの治療が終わった後に残った障害・症状のこと。
後遺障害
後遺症の中でも、交通事故が原因と証明され、労働能力が低下(喪失)し、自賠責の等級に該当するもの。

出典:後遺障害等級認定NAVI「後遺障害等級認定のしくみ」

後遺障害等級認定されると、後遺障害慰謝料の請求が可能となります。

詳しくは、次の章で解説します。

交通事故の後遺障害等級とは?

後遺障害には、症例ごとに1級から14級までの等級があり、等級によって請求できる慰謝料額は異なります

自動車損害賠償保障法施行令別表」によって、等級ごとに症例が定められているので、それらに該当する必要があります。

また、後遺障害等級認定の申請にはいくつか要件があり、あらかじめ押さえておくことが大切です。

後遺障害等級認定における基本的なポイントを解説します。

後遺障害等級は1級~14級まであり等級で慰謝料額が異なる

後遺障害の等級は1級から14級まであり、等級によって慰謝料額が異なります。

後遺障害慰謝料の目安を等級ごとにまとめると、以下のとおりです。

等級 自賠責保険基準 弁護士基準(裁判基準)
14級 32万円 110万円程度
13級 57万円 180万円程度
12級 94万円 290万円程度
11級 136万円 420万円程度
10級 190万円 550万円程度
9級 249万円 690万円程度
8級 331万円 830万円程度
7級 419万円 1,000万円程度
6級 512万円 1,180万円程度
5級 618万円 1,400万円程度
4級 737万円 1,670万円程度
3級 861万円 1,990万円程度
2級 998万円(1,203万円) 2,370万円程度
1級 1,150万円(1,650万円) 2,800万円程度

※慰謝料額はあくまで目安です。保険会社独自の基準は割愛しております。
※( )の金額は、要介護の場合。
※自賠責保険基準は、国が定める後遺障害等級表に準拠。

各計算基準や等級ごとに当てはまる症例については後述しますが、まずは大まかな金額の目安を把握しておきましょう。

後遺障害等級の認定には要件がある

後遺障害等級認定の申請には、おもに4つの要件があります。

  • 交通事故が原因で負った症状であること
  • 症状の存在を医学的な観点から証明できること
  • 症状が一貫して継続していること
  • 治療に6ヶ月以上が経過していること

交通事故と症状の関係性を証明するには、事故後すみやかに病院で診察を受ける必要があります。

医師の指示に従って、症状に応じた適切な検査を行ってもらうことが大切です。

また治療を継続しても回復に至らず、症状が残る場合もあります。

回復しないからといって通院をやめてしまったり、転院してしまったりすると症状の一貫性が認められないことがあるので注意しましょう。

後遺障害等級認定の申請に必要な治療期間は6ヶ月以上が一つの目安だといわれているので、定期的な治療やリハビリに取り組むことが大事です。

働けなくなった場合は逸失利益を請求できる可能性がある

後遺障害等級が認定されて、交通事故前のように働けなくなった場合は、「逸失利益」(いっしつりえき)の請求が行えます

逸失利益とは、後遺障害がなければ将来受け取ることができた収入に対して、補償として請求できるものです。

交通事故に遭う前の収入や職業、年齢などによって請求可能額は異なりますが、計算式は次のようになります。

<逸失利益の計算式>

基礎収入額×労働能力喪失率×労働能力喪失期間に対応するライプニッツ係数

基礎収入額は交通事故に遭う前の収入をもとに計算するものです。

労働能力喪失率は後遺障害によって失われた労働能力の割合を指し、労働能力喪失期間は働くことができる残存期間を表しています。

具体的な金額については、相手方の保険会社から提示されますが、金額に納得できない場合は交通事故案件で豊富な解決実績のある弁護士に相談をしてみましょう。

逸失利益について詳しくはこちらの記事をご参照ください。

後遺障害等級認定の申請方法と流れ

後遺障害等級認定の申請は、「症状固定」となってから手続きを進めます。

症状固定とは、治療を継続しても症状の改善が見込まれない状態を指します。

医師に後遺障害診断書を作成してもらったうえで、「事前認定」と「被害者請求」のどちらかで手続きを行います。

それぞれに特徴があるので、さらに詳しく見ていきましょう。

後遺障害等級認定の手順

事前認定は相手方の保険会社が手続きを行う

事前認定では、基本的に相手方の保険会社が後遺障害等級認定に必要な手続きを行ってくれます。

弁護士に依頼しない場合は、この方法で進めるのが一般的です。

医師が作成した後遺障害診断書を相手方の保険会社に提出すればよいため、申請に伴う負担の少なさが特徴だといえます。

注意点としては、申請書類に不備や不足があったとしてもそのまま手続きが進んでしまうので、書類に見落としがあれば、認定結果に影響が出る恐れがあります。

等級が1つ異なるだけで、慰謝料や逸失利益の請求に影響が出てくるので、事前認定による手続きで進めるかはよく検討しておきましょう。

被害者請求は被害者自身で申請手続きを行う

被害者請求による手続きを行う場合には、被害者自らが必要な書類をそろえて申請します。

手続きの流れは、以下のとおりです。

  1. 加害者側の自賠責保険会社に連絡を入れ、書類一式を送ってもらう。
  2. 被害者の方で必要書類の作成と収集を行う。
  3. 必要書類をすべてそろえたら、加害者側の自賠責保険会社に書類を提出する。
  4. 自賠責保険会社が書類を審査機関に提出して、認定結果を待つ。
  5. 一定の期間を経て、認定結果が自賠責保険会社を通じて被害者に知らされる。その後、等級に応じた金額が被害者の銀行口座に振り込まれる。

被害者請求は相手方の保険会社から賠償が受けられない場合や納得のいく慰謝料を請求したい場合に利用する手続き方法です。

事前認定と比べて用意する書類が多くあり、具体的には次の書類が必要です。

書類の種類 書類の入手先
後遺障害診断書・診療報酬明細書 病院
印鑑証明書 市区町村役場
事故発生状況報告書 保険会社から取り寄せて記入する
損害賠償額支払請求書 Webにある無料のフォーマットを使う
交通事故証明書 自動車安全運転センター(Webからの申請が可能で、交付手数料として1通あたり800円がかかる)
各種検査資料 病院
休業損害証明書 勤務先

上記のように多くの書類を集める手間がかかるのが、被害者請求のデメリットです。

一方で、納得できるまで書類を集めることで、実際の症状を反映した認定結果が得られやすいというメリットもあります。

また、被害者請求は法律によって、損害賠償請求を行える期間が3年と定められている点にも注意しておきましょう。

(時効)
第19条 第十六条第一項及び第十七条第一項の規定による請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び保有者を知つた時から三年を経過したときは、時効によって消滅する。

被害者請求についてくわしくは以下の記事もご参照ください。

申請には医師作成の後遺障害診断書が必要

後遺障害等級認定の申請にあたって、医師が作成した後遺障害診断書が必要になります

後遺障害診断書は症状固定となってから作成されるものであり、医師のみ書くことができます。

整骨院や接骨院などでは作成してもらえないので、必ず医師の診察を受けて後遺障害診断書を作成してもらいましょう。

医師は患者から診断書の作成を求められたら、正当な理由がなければ拒むことができません。

(業務)
第19条2項 医師は診断書(中略)の交付を求められた場合には、正当な事由がなければ、これを拒んではならない。

また、通院歴や検査資料の内容、自覚症状の内容などを診断書にきちんと反映してもらうことが大切です。

特に後遺症が残る場合は、後から新たな症状が出てくるケースもあります。

ふだんの生活で気になることはその都度メモに残しておき、医師とコミュニケーションを行うことが重要です。

後遺障害診断書についてくわしくは以下の記事もご参照ください。

後遺障害なしと認定されたら異議申立てが可能

「後遺障害なし」と認定されるなど、後遺障害等級認定において認定結果に不満があるときは「異議申立て」を行えます

ただし、異議申立てをする際は新たな証拠を用意する必要があり、再審査が行われるまでに1~6ヶ月程度の時間が必要にもなります。

異議申し立てにおいても、後遺障害等級認定手続と同様に、「事前認定」と「被害者請求」の2通りで手続きが可能です。

異議申立ての手続きの流れについてまとめると、次のとおりです。

事前認定のケース
  1. 異議申立書を相手方の任意保険会社に提出
  2. 任意保険会社が異議申立書とその他の書類を損害保険料率算出機構に提出
  3. 自賠責損害調査事務所による審査
  4. 結果が任意保険会社を通じて申立人に伝えられる
被害者請求のケース
  1. 異議申立書とその他の書類を相手方の自賠責保険会社に提出
  2. 自賠責保険会社が書類を損害保険料率算出機構に提出
  3. 自賠責損害調査事務所による審査
  4. 結果が自賠責保険会社を通じて申立人に伝えられる
  5. ※被害者請求では等級に変更があった場合、結果の通知と同時に等級に応じた保険金が支払われる

事前認定では異議申立書を相手方の保険会社に提出すれば済みますが、被害者請求の場合は多くの書類を用意する必要があります。

納得のいく形で異議申立てを行うなら、多少時間がかかったとしても入念に書類をそろえられる被害者請求のほうがよいでしょう。

損害保険料率算出機構が取りまとめた『2021年版 自動車保険の概況』において、2020年に後遺障害等級認定が受けられたのは49,267件となっています。

また『2020年度版 損害保険料率算出機構統計集』では、2020年に自賠責保険から保険金が支払われたケースが843,424件であったことが記されています。

これらをもとに後遺障害等級認定を受けられた人の割合を計算すると、5.84%となります

後遺障害等級認定は毎年5%程度しか認められていないため、認定結果に納得できないときは異議申し立てを行ってみましょう。

さらに、異議申立てを行っても良い結果が得られないときは、第三者機関による紛争処理制度が設けられているので利用してみるのも1つの方法です。

自賠責保険・共済紛争処理機構は一度しか利用できませんが、申請が受理されれば紛争処理委員会で審査が行われ、調停結果を得られます。

後遺障害の異議申立てについてくわしくは以下の記事もご参照ください。

後遺障害等級認定は弁護士に任せるとよい

後遺障害等級認定の手続きは、自ら行おうとすれば手間や時間がかかるため、豊富な解決実績のある弁護士に任せることも選択肢の一つといえます。

事前認定であれば、相手方の保険会社が必要な手続きを進めてはくれますが、必ずしも実際の症状が反映された認定結果が得られるわけではありません。

そのため、納得できる認定結果や補償を求めるときは、弁護士に依頼してみましょう。

保険会社との示談交渉や異議申立ても任せられるので、自分で手続きを行う場合と比べてスムーズに進められます。

次に、後遺障害の等級別の慰謝料額について、請求事例を紹介します。

後遺障害等級別の慰謝料金額はいくら?請求事例を紹介

後遺障害慰謝料は認定される等級によって、相手方に請求できる金額が異なります。

また、同じ等級であっても計算する基準によって金額は違ってくるので、相場をよく把握しておくことが大切です。

ここでは、弁護士法人・響にご依頼いただいた方の実際の請求事例も踏まえながら、慰謝料の相場について解説します。

交通事故の慰謝料請求額は各基準によって異なる

交通事故における慰謝料の算出基準は、おもに次のものが挙げられます。

  • 自賠責保険基準
  • 弁護士基準(裁判基準)
  • 各保険会社が独自に設定している基準

自賠責保険基準は、交通事故の被害者を保護し、最低限の補償を行うことを目的としています。

弁護士基準(裁判基準)は、弁護士に依頼をすることで適用される計算方法です。

そして、各保険会社が独自に設定している基準もありますが、統一された基準がないのでここでは割愛します。

後遺障害慰謝料の等級別の相場やおもな症例についてまとめると、以下のとおりです。

後遺障害等級 おもな症例 後遺障害慰謝料の目安
自賠責保険基準 弁護士基準(裁判基準)
14級 ・1眼のまぶたの一部に欠損を残しまたはまつげはげを残すもの
・局部に神経症状を残すもの など
32万円 110万円程度
13級 ・1眼の視力が0.6以下になったもの
・5歯以上に対し歯科補綴を加えたもの など
57万円 180万円程度
12級 ・1眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
・局部に頑固な神経症状を残すもの など
94万円 290万円程度
11級 ・両眼の眼球に著しい調節機能障害または運動障害を残すもの
・胸腹部臓器の機能に障害を残し、労務の遂行に相当な程度の支障があるもの など
136万円 420万円程度
10級 ・1眼の視力が0.1以下になったもの
・1足の第1の足指または他の四の足指を失ったもの など
190万円 550万円程度
9級 ・両眼の視力が0.6以下になったもの
・外貌に相当程度の醜状を残すもの など
249万円 690万円程度
8級 ・1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になったもの
・脊柱に運動障害を残すもの など
331万円 830万円程度
7級 ・1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの
・両耳の聴力が40センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になったもの など
419万円 1,000万円程度
6級 ・両眼の視力が0.1以下になったもの
・両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの など
512万円 1,180万円程度
5級 ・1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの
・両足の足指の全部を失ったもの など
618万円 1,400万円程度
4級 ・両眼の視力が0.06以下になったもの
・両耳の聴力をまったく失ったもの など
737万円 1,670万円程度
3級 ・1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの
・両手の手指の全部を失ったもの など
861万円 1,990万円程度
2級 ・両眼の視力が0.02以下になったもの
・両下肢を足関節以上で失ったもの など
998万円
(1,203万円)
2,370万円程度
1級 ・両眼が失明したもの
・両下肢をひざ関節
以上で失ったもの など
1,150万円
(1,650万円)
2,800万円程度

※慰謝料額はあくまで目安です。保険会社独自の基準は割愛しております。
※( )の金額は、要介護の場合。
※自賠責保険基準は、国が定める後遺障害等級表に準拠。

上記のように等級だけでなく、算出基準によっても慰謝料額が異なる点を押さえておきましょう。

むちうち等で後遺障害等級14級~12級に認定されると最大290万円

むちうちなどの症状の場合、後遺障害慰謝料として最大290万円程度を請求できます。

交通事故のケガとして多く見られるむちうちは、後遺障害の14級もしくは12級に認定される可能性があります。

自賠責保険基準と弁護士基準(裁判基準)で、等級別の慰謝料額を比較すると次のとおりです。

後遺障害等級 自賠責保険基準 弁護士基準(裁判基準)
14級 32万円 110万円程度
12級 94万円 290万円程度

※慰謝料額はあくまで目安です。任意保険基準は割愛しております。
※自賠責保険基準は、国が定める後遺障害等級表に準拠

それぞれ以下のような違いがあります。

  • 14級:局部に神経症状を残すもの
  • この場合は、症状が受傷当初から一貫して存在することを示す資料などの提出が求められます。

  • 12級:局部に頑固な神経症状を残すもの
  • この場合は「他覚的な所見」によって証明を行う必要があります。

画像所見(レントゲン、MRIなど)や神経学的な検査所見などによって、障害の存在を客観的に証明することが大切です。

弁護士法人・響にご依頼いただいた方の慰謝料請求事例

後遺障害慰謝料について、どれくらいの金額が請求できるのかを知るには、実際の事例を把握しておくことが大切です。

弁護士法人・響にご依頼いただいた方の慰謝料請求事例を2つ、ご紹介します。

<事例1 後遺障害14級>
  • 年齢:40代
  • 性別:男性
  • 事故の状況:交差点においてバイクで直進していたところ、対向から右折してきた車と衝突しました。交通事故によって大腿骨骨幹部骨折となり、事故時の記憶がなくそのまま病院に運ばれ入院となりました。相手方に入院費は払うと言われたものの、過失割合も知らされないまま診断書の同意書にサイン等、今後どうなってしまうのかかなり不安な状態でした。また、入院中なのにも関わらず相手の保険会社から連絡が来て対応するのがかなり負担となっていたため、広告で見かけた弁護士への相談を決意しました。
  • 後遺障害等級認定:14級
  • 慰謝料を含む示談金:事前提示1,472,228円、最終提示3,000,000円
  • ご本人のコメント:実際に弁護士の方に依頼して入って頂いた結果、相手方の保険会社との対応をして頂けるだけでなく、傷害慰謝料(入通院慰謝料)と後遺障害慰謝料の部分を中心に増額の交渉をして頂き、最初の提示額から150万円以上増額しました。弁護士に入って頂くだけで、ここまで違うとは正直驚きました。相談から解決まで自分の不安や負担を軽くしてくれて本当に感謝しています。ありがとうございました。
<事例2 後遺障害12級>
  • 年齢:80代
  • 性別:女性
  • 事故の状況:歩行中に対向車の自転車が前方不注意により衝突してきて右脚を骨折する大ケガを負いました。手術を経て半年間の入院後に相手方の保険会社から示談金提示がでましたが、歩行器を使わないと歩けなくなっており、慰謝料が妥当なのか疑問に思い相談させて頂きました。
  • 後遺障害等級:12級
  • 慰謝料を含む示談金:事前提示3,037,125円、最終提示7,618,250円
  • ご本人のコメント:弁護士の方への相談は初めてでどうなるか不安でしたが、慰謝料が倍以上になり、また早期解決を希望していてそれにも柔軟に対応して頂き感謝申し上げます。

あなたの後遺障害等級は何級?症状別にわかりやすく解説

後遺障害の等級は症状によって異なるため、自分が何級になるのか気になる部分があるでしょう。

後遺障害等級認定は、提出された書類をもとに審査が行われるので、実際の症状を後遺障害診断書に正しく反映してもらう必要があります。

ここでは、次の症状について何級に該当する可能性があるのかを解説します。

足・足指のケガの後遺障害等級

足のケガは14~1級まで幅広く該当する可能性があり、細かく症状が定められています。

おもに両足・片足・足先の3つに分けられるので、症状別に当てはまる可能性がある等級やポイントを紹介します。

両足のケガ
該当する症状 等級 ポイント
両足のひざ関節から先の部分を失った 1級 ひざから先が失われた状態
両足がまったく動かなくなくなった 1級
両足の足関節から先の部分を失った 2級 足首から先が失われた状態
両足のリスフラン関節より先を失った 4級 リスフラン関節は足の甲にある関節
両足の足の指を全部失った 5級
両足の足の指が全部機能しなくなった 7級
片足のケガ
該当する症状 等級 ポイント
片足が機能しなくなった 5級
片足の足関節から先の部分を失った 5級 足首から先が失われた状態
片足の3大関節のうち2つが機能しなくなった 6級 足の3大関節とは、股関節・ひざ関節・足関節のこと
片足に偽関節があり著しい運動障害が生じている 7級 偽関節とは、折れた骨がうまくつながらずにグラグラとした状態
片足に偽関節がある 8級 偽関節とは、折れた骨がうまくつながらずにグラグラとした状態
片足の3大関節のうち1つが機能しなくなった 8級
片足が3cm以上縮んでしまった 10級
片足の3大関節のうち1つの機能が著しく低下した 10級
片足が1cm以上縮んでしまった 13級
足先のケガ
該当する症状 等級 ポイント
片足の指を全部失った 8級
片足の指のすべてが機能しなくなった 9級
片足の親指またはそれ以外の4本を失った 10級
片足の親指を含む2本以上の足指の機能が失われた 11級
片足の2番目の指・2番目を含む2本の指・3番目以下の指を失った 12級
片足の親指または他の4本の指の機能が失われた 12級
片足の3番目以下の足指1本または2本の足指を失った 13級
片足の2番目の足指の機能が失われた、2番目を含む足指2本の機能が失われた、3番目以下の足指の機能が失われた 13級
片足の3番目以下の足指の1本または2本を失った 14級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則 別表第1」から抜粋

腕・手指のケガの後遺障害等級

腕のケガについても、足のケガの場合と同様に後遺障害14~1級まで、幅広く該当する可能性があります。

おもに両腕・片腕・手の3つに分けられるので、症状別に当てはまる可能性がある等級やポイントを紹介します。

両腕のケガ
該当する症状 等級 ポイント
両腕のひじ関節から先を失った 1級 両腕のひじから先が失われた状態
両腕の機能がすべて失われた 1級
両腕の手関節(しゅかんせつ)から先を失った 2級 手関節は手首にある関節のことで10本の骨で構成されているもの
両手の指を全部失った 3級
両手の指がすべて機能しなくなった 4級
片腕のケガ
該当する症状 等級 ポイント
片腕のひじ関節から先を失った 4級
片腕の手関節(しゅかんせつ)から先を失った 5級 手関節は手首にある関節のことで10本の骨で構成されている
片腕の3大関節のうち2つが機能しなくなった 6級 腕の3大関節とは、肩関節・ひじ関節・手関節のこと
片腕に偽関節があり、著しい運動障害が生じている 7級 偽関節とは、折れた骨がうまくつながらずにグラグラとした状態
片腕の3大関節のうち1つの機能が失われた 8級
片腕に偽関節がある 8級
片腕の3大関節のうち1つの機能に著しい障害がある 10級
片腕の3大関節のうち1つに機能障害がある 12級
手のケガ
該当する症状 等級 ポイント
片手の指すべてまたは親指を含む4本の指を失った 6級
片手の親指を含む3本の指または親指以外の4本の指を失った 7級
片手の5本の指すべてまたは親指を含めた4本の指が機能しなくなった 7級
片手の親指を含む2本の指または親指以外の3本の指を失った 8級
片手の親指を含む3本の指または親指以外の4本の指の機能が失われた 8級
片手の親指または親指以外の2本の指を失った 9級
片手の親指を含む2本の指または親指以外の3本の指が機能しなくなった 9級
片手の人差し指、中指、薬指のどれかを失った 11級
片手の小指を失った 12級
片手の小指が機能しなくなった 13級
片手の親指の指骨を一部失った 13級 指骨とは、指を構成する骨全体のこと
片手の親指以外の指で、指骨の一部を失った 14級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則 別表第1」から抜粋

頭・顔のケガの後遺障害等級

頭や顔のケガについては、おもに目・口・耳・鼻などに生じた症状が当てはまります。

症状別に当てはまる可能性がある等級やポイントを見ていきましょう。

両眼のケガ
該当する症状 等級 ポイント
両目が失明した 1級
両目の視力が0.02以下 2級
両目の視力が0.06以下 4級
両目の視力が0.1以下 6級
両目の視力が0.6以下 9級
両目に半盲症、視野狭窄、視野変状が残っている 9級 ・半盲症とは、両目の片側ずつが見えなくなる症状
・視野狭窄とは、視野の広さが狭くなる症状
・視野変状とは、半盲症や視野狭窄以外のもの
両方のまぶたに著しいケガを負った 9級
両方の眼球に著しい調整機能障害、運動障害が見られる 11級
両方のまぶたに著しい運動障害がある 11級
・両方のまぶたの一部が欠けている 13級
片目のケガ
該当する症状 等級 ポイント
片目が失明して、もう片方の視力が0.02以下 2級
片目が失明して、もう片方の視力が0.06以下 3級
片目が失明して、もう片方の視力が0.1以下 5級
片目が失明して、もう片方の視力が0.6以下 7級
片目が失明または片目の視力が0.02以下 8級
片目の視力が0.06以下 9級
片方の眼球に著しい調整機能障害、運動障害が残っている 12級
片方のまぶたに著しい運動障害が残っている 12級
片目の視力が0.6以下 13級
片目に半盲症、視野狭窄、視野変状が残っている 13級
・片方のまぶたの一部が欠けている/まつ毛はげを起こしている 14級 まつ毛はげは、まつ毛の一部分がなくなる症状
口のケガ
該当する症状 等級 ポイント
話したり、噛んだりする機能の両方が失われた 1級
話したり、噛んだりする機能の片方が失われた 3級
話したり、噛んだりする機能の両方に大きな障害が残っている 4級
話したり、噛んだりする機能のどちらかに大きな障害が残っている 6級
話したり、噛んだりする機能の両方に障害が残っている 9級
話したり、噛んだりする機能のどちらかに機能障害が残っている 10級
14本以上の歯の治療を受けた 10級
10本以上の歯の治療を受けた 11級
7本以上の歯の治療を受けた 12級
5本以上の歯の治療を受けた 13級
3本以上の歯の治療を受けた 14級
両耳のケガ
該当する症状 等級 ポイント
両耳の聴力をすべて失った 4級
耳元で大声で話してもらわなければ、聞き取ることができなくなった 6級
40cm以上離れると普通の話し声を聞きとることができなくなった 7級
1m以上離れると普通の話し声を聞きとることができなくなった 9級
1m以上離れると普通の話し声を聞きとりづらくなった 10級
1m以上離れると小さな声が聞こえなくなった 11級
片耳のケガ
該当する症状 等級 ポイント
片耳の聴力が失われ、もう一方の耳も40cm以上離れると普通の話し声を聞き取ることができなくなった 6級
片方の耳の聴力を失い、もう一方の耳でも1m以上離れると普通の話声を聞き取ることができなくなった 7級
片耳が耳元大声で話してもらわなければ聞きとれなくなり、もう一方の耳も1m以上の距離では普通の話し声を聞くことが難しい状態 9級
片耳が耳元で話してもらわないと聞き取ることができなくなった 10級
片耳が40cm以上離れると普通の話し声を聞きとれなくなった 11級
片耳の耳殻の大部分を失った 12級 耳殻とは、外側に張り出している部分のこと
片耳が1m以上離れると小さな声を聞きとれなくなった 14級
鼻のケガ
該当する症状 等級 ポイント
鼻の一部が欠け、機能に大きな障害が残っている 9級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則 別表第1」から抜粋

臓器・胴体のケガの後遺障害等級

臓器や胴体に関するケガの症状においては、日常生活で介護を必要とするほど重い場合があります。

症状別に当てはまる可能性がある等級やポイントを見ていきましょう。

胸腹部のケガ
該当する症状 等級 ポイント
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、日常生活において常に介護を必要としている 要介護1級 胸部のおもな内臓は、心臓と肺です。腹部は食道からつながる消化管、胃、小腸、大腸、肝臓、すい蔵、腎臓など
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、介護を必要とする機会が多い 要介護2級
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、まったく働くことができない 3級
胸腹部臓器の機能に大きな障害が残り、特に軽い作業の仕事以外はできない 5級
脊柱が大きく変形しているまたは運動障害が残っている 6級 脊柱とは、首の骨・背骨・腰の骨のこと
胸腹部臓器の機能に障害が残り、軽い作業以外の仕事はできない 7級
両側の睾丸を失った 7級
脊柱に運動障害が残っている 8級
胸腹部臓器の機能に障害が残り、就ける仕事に大きな制限がかかっている 9級
胸腹部臓器の機能に障害が残り、働くことに大きな支障が見られる 11級
鎖骨・胸骨・ろっ骨・けんこう骨・骨盤が大きく変形している 12級
長管骨が変形している 12級 長管骨とは、腕や足を構成する大きな骨のこと
胸腹部臓器の機能に障害が残っている 13級

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則 別表第1」から抜粋

神経系・精神的な疾患・その他の後遺障害等級

後遺障害として認められる症状のなかには、神経や精神に関する障害も含まれています。

症状の具合によって等級が違ってくるので、当てはまる可能性がある等級やポイントを見ていきましょう。

神経・精神に関する疾患
該当する症状 等級 ポイント
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、日常生活において常に介護を必要としている 要介護1級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、介護を必要とする機会が多い 要介護2級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、まったく働くことができない 3級
神経の機能もしくは精神に大きな障害が残り、特に軽い作業の仕事以外はできない 5級
神経の機能もしくは精神に障害が残り、軽い作業の仕事以外はできない 7級
神経の機能もしくは精神に障害が残り、できる仕事の幅に大きな制限がある 9級
局部(特定の一部分)に強い神経症状が残っている 12級 交通事故の場合、むちうち(頸椎捻挫)や骨折、じん帯損傷などが該当
局部に神経症状が残っている 14級
その他の症状
該当する症状 等級 ポイント
外貌(頭部・顔面・首筋・腕や足の露出部分)にひどい醜状が残っている 7級 醜状とはあざや傷あと、組織の陥没など
外貌に相当程度の醜状が残っている 9級 相当程度の醜状とは、顔面であれば5cm以上の傷で人目につくもの。交通事故で負った傷だけでなく、手術の結果生じたものも含む

※参考:厚生労働省「労働者災害補償保険法施行規則 別表第1」から抜粋

複数の後遺障害が残った場合の等級はどうなる?3つのケースで解説

複数の後遺障害が残る場合は、併合・相当・加重のいずれかで、後遺障害等級が判断されます。

それぞれどのようなルールに基づいて決められるのかを具体的に見ていきましょう。

基本的なポイントを詳しく解説します。

併合=系列の異なる複数の後遺障害が残ったケース

系列の異なる後遺障害が複数残った場合、後遺障害等級認定は「併合」という形で認定されます

併合の基本的なルールについてまとめると、次のとおりです。

  • 5級以上に該当する後遺障害が2つ以上残存、最も重い等級を3つ繰り上げる
  • 8級以上に該当する後遺障害が2つ以上残存、最も重い等級を2つ繰り上げる
  • 13級以上に該当する後遺障害が2つ以上残存、最も重い等級を1つ繰り上げる
  • 14級の後遺障害が2つ以上残存、いくつ障害があっても14級のまま

これらのルールをもとに表を作成すると、以下のようになります。

後遺障害等級の併合 最も重い等級
1~5級 6~8級 9~13級 14級
次に重い等級 1~5級 重い等級+3級
6~8級 重い等級+2級 重い等級+2級
9~13級 重い等級+1級 重い等級+1級 重い等級+1級
14級 重い等級 重い等級 重い等級 14級

たとえば、後遺障害等級が12級の場合、弁護士基準(裁判基準)だと後遺障害慰謝料の相場は290万円程度です。

そこに13級の後遺障害が加わった場合、併合によって最も重い等級を1つ繰り上げることになるため、後遺障害の等級が11級となります。

11級の後遺障害慰謝料は弁護士基準(裁判基準)では、420万円程度となるので請求額に大きな違いがあることが分かります。

(保険金額)
第2条 法第十三条第一項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。
(中略)
3 傷害を受けた者(前号に掲げる者を除く。)
(中略)
 別表第二に定める第五級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合における当該後遺障害による損害につき重い後遺障害の該当する等級の三級上位の等級に応ずる同表に定める金額

 別表第二に定める第八級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の二級上位の等級に応ずる同表に定める金額

 別表第二に定める第十三級以上の等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロ及びハに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級の一級上位の等級に応ずる同表に定める金額(その金額がそれぞれの後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額を合算した金額を超えるときは、その合算した金額)

 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が二以上存する場合(ロからニまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
重い後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額

 別表第二に定める等級に該当する後遺障害が存する場合(ロからホまでに掲げる場合を除く。)における当該後遺障害による損害につき
当該後遺障害の該当する等級に応ずる同表に定める金額

併合が認められないケースとは

「併合」は先に述べたルールに沿って判定されますが、なかには次のようにルールに当てはまらないものもあります

・組み合わせ等級が決まっているケース
組み合わせ等級とは、系列が異なる複数の後遺障害を例外的にまとめて判定するものです。

本来、上肢・下肢は左右が別系列となりますが、以下のものは併合ではなく、組み合わせ等級として判定します。

  • 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
  • 両手の手指の全部の用を廃したもの
  • 両下肢の用を全廃したもの
  • 両足をリスフラン関節以上で失ったもの

たとえば、右手と左手のすべての指が機能しなくなった場合(それぞれ7級7号)は併合のルールからすると、一見して併合5級となりそうです。

しかし、両手すべての指が機能しなくなった場合には、後遺障害等級表において4級6号となるため、そちらが適用されます。

・併合の結果、障害の序列を乱すケース
複数の後遺障害を併合して等級を繰り上げた結果、障害の序列を乱す場合があります。

たとえば、右腕を手関節以上で失い(5級2号)、さらに左腕をひじ関節以上で失った(4級4号)ときには、併合のルールからすると併合1級になりそうでもあります。

しかし、この場合は後遺障害等級表にある「両上肢をひじ関節以上で失ったもの」(1級6号)には該当しないため、併合2級となります。

・同一系列の障害と見なされるケース
厳密には別系列の後遺障害であっても、次のものは同一系列の後遺障害と見なされ、併合の基本的なルールとは異なる等級となります。

  • 両眼球の視力障害・調節機能障害・運動障害・視野障害の各相互間
  • 同一上肢の機能障害と、手指の欠損または機能障害
  • 同一下肢の機能障害と、足指の欠損または機能障害

そして、以下の場合はそもそも併合のルール自体が適用されないので注意しておきましょう。

  • 1つの障害が他方の障害に含まれる場合
  • 1つの障害に、他の障害が派生している場合
  • 要介護の障害の場合(併合のルールは要介護1級・2級には適用されない)

相当=後遺障害等級表に記載のない後遺障害が残ったケース

「相当」は、後遺障害等級表に記載のない後遺障害が残った場合も、その程度に応じて各等級に相当するものとして等級を定めることを指します。

たとえば、次のような後遺障害はどの系列にも属しませんが、後遺障害として認められています。

後遺障害 相当する等級
嗅覚喪失・味覚脱失 12級
嗅覚減退 14級
外傷性散瞳 11級・12級・14級

また、属する系列はあったとしても、該当する後遺障害がないケースでも「相当」と判断される場合があります。

たとえば、左足関節の用を廃し(8級6号)、さらに左ひざ関節に著しい機能障害が残った(10級10号)場合、同一系列ということで併合のルールが適用されます。

重いほうの後遺障害である8級が1つ繰り上がる形で、7級相当になるケースがあります。

加重=すでに後遺障害のあった人が後遺障害の程度が重くなったケース

「加重」とは既に後遺障害があった方が、交通事故によって同一部位にさらに傷害を負い、後遺障害の程度が重くなることを指します。

慰謝料の観点からすると、下記の条文にあるように、加重後の保険金額からすでにあった後遺障害の保険金額を控除したものを限度として支払われる形となります。

(保険金額)
第2条 法第十三条第一項の保険金額は、死亡した者又は傷害を受けた者一人につき、次のとおりとする。
(中略)
2 法第十三条第一項の保険金額は、既に後遺障害のある者が傷害を受けたことによって同一部位について後遺障害の程度を加重した場合における当該後遺障害による損害については、当該後遺障害の該当する別表第一又は別表第二に定める等級に応ずるこれらの表に定める金額から、既にあつた後遺障害の該当するこれらの表に定める等級に応ずるこれらの表に定める金額を控除した金額とする。

たとえば、事故前に14級の後遺障害があり、交通事故によって12級の後遺障害になったとします。

弁護士基準(裁判基準)で計算をするなら、12級の後遺障害慰謝料は290万円程度、14級は110万円程度であるため、差し引き180万円を限度に支払われることになります。

交通事故の後遺障害慰謝料をしっかり請求するには弁護士に相談

後遺障害慰謝料を相手方にしっかりと請求するには、交通事故案件での解決実績が豊富な弁護士に相談をするといいでしょう。

先に述べたように、後遺障害等級認定の申請をしても認定を受けられる可能性が低く、自分で手続きを行うには手間や時間がかかります。

しかし、後遺障害に精通した弁護士であれば、納得できる認定結果を得られる可能性が高まるでしょう。

また、弁護士に依頼をすることで、さまざまなメリットを得ることができます。

依頼者にとってどのようなメリットがあるのかを解説します。

弁護士基準の慰謝料を請求できる

弁護士に依頼をすることで、弁護士基準(裁判基準)による後遺障害慰謝料を相手方に請求できます

慰謝料に関する部分は、示談交渉によって決められるため、専門知識を備えた弁護士が対応することで良い結果を得られる可能性が高まります。

同じ等級であっても、自賠責保険基準と弁護士基準(裁判基準)とでは、請求できる金額の相場が大きく異なります。

後遺障害が残る場合には、これからの暮らしのことも考えて、十分な補償を受けることが重要です。

相手方の保険会社が提示してきた金額に納得できないときは、交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に相談してみましょう。

後遺障害等級認定の申請のサポートを任せられる

弁護士に依頼をすれば、後遺障害等級認定の申請のサポートを任せられます。

事前認定では必ずしも納得できる認定結果が得られるとは限らないため、被害者請求による手続きを検討する場合もあるでしょう。

しかし、被害者請求では申請に必要な書類をすべて自分で集める必要があるので、多くの労力がかかります。

また、収集した書類や検査データの資料を読み解くのも専門知識が必要なため、負担が大きいと感じてしまうことも少なくありません。

後遺障害等級認定の申請において実績のある弁護士なら、実際の症状をきちんと反映させた形で手続きを進めてもらえます。

医師とのコミュニケーションに悩んだときも、第三者の立場から的確なアドバイスを得られるはずです。

きちんとした認定結果が得られることで、後遺障害慰謝料を適正な金額で請求できるでしょう。

保険会社との示談交渉を任せられる

弁護士に依頼することで、相手方保険会社との交渉を任せることができます

交渉力に長けた弁護士に依頼をすれば、相手方の保険会社との示談交渉を納得できる形で進められるでしょう。

実際の症状を反映させた後遺障害等級の認定結果が得られたとしても、慰謝料がいくら支払われるかは示談交渉によって決まります。

相手方の保険会社とのやりとりがスムーズに進まなければ、適正な金額が受け取れないばかりでなく、補償を受けられる時期も先延ばしになってしまいます。

後遺障害慰謝料などの適正な補償を受けるためにも、悩んでしまう前に弁護士に相談をしてみましょう。

慰謝料以外の賠償金を請求できる

交通事故案件での解決実績が豊富な弁護士に依頼をすれば、損害賠償金を漏れなく請求することができ、納得のいく補償を相手方に求められます

後遺障害と認められることで、後遺障害慰謝料の請求が行えますが、慰謝料以外の賠償金を請求することも可能です。

たとえば後遺障害逸失利益は、後遺障害が残ったことで労働能力が低下・喪失しなければ、本来得られるはずだった収入に対する補償です。

年齢や職業、後遺障害の程度など多くの項目を考慮したうえで計算する必要があるため、一般の方には計算が難しい部分があります。

症状が残る交通事故案件においては、さまざまな項目で請求できる可能性があるので、早い段階で相談をしてみましょう。

弁護士法人・響の料金体系

弁護士法人・響では、自動車保険などに付帯する弁護士費用特約の利用が可能です

弁護士費用特約とは、加入する保険に付けられた特約であり、弁護士費用を保険会社が負担してくれる仕組みであるため、自己負担が不要になるケースもあります。

また、弁護士費用特約が利用できない場合であっても、相談料や着手金は無料です。

その場合の弁護士費用については、以下のとおりです。

〈弁護士法人・響の弁護士費用(弁護士費用特約がない場合)〉
費用の種類 料金
法律相談料 0円
着手金 0円
報酬金 220,000円+経済的利益の11%(税込)

弁護士費用は原則として後払いが可能ですので、相談時に金銭面での心配はいりません。

オンライン面談や電話での面談も実施中なので、交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士法人・響へぜひご相談ください。

後遺障害が残ったら国の福祉制度・金銭的支援の利用も検討しよう

交通事故によって後遺障害を負ってしまったときは、国や市区町村の公的支援制度を利用できます

おもな制度として以下のものが挙げられます。

  • 障害年金
  • 障害者手帳
  • 労災年金
  • 介護料の支給
  • 傷病手当金
  • 生活福祉資金貸付制度
  • 失業給付(失業保険)
各制度のポイントを以下で解説します。

障害年金=公的年金加入者が請求できる

「障害年金」は公的年金(厚生年金・国民年金など)に加入している方が、病気やケガで仕事や生活に支障が出ている場合に請求できる年金制度です

受給要件としては、初診日(医師から初めて診察される日)に65歳未満で国民年金または厚生年金に加入中であり、直近1年間に保険料の未納期間がなく、障害等級表の1級~3級(国民年金の場合は1級もしくは2級)に該当していることです。

受給手続きは年金事務所や年金相談センター、自治体の保険年金課などで行います。

参考:日本年金機構「障害年金」

障害者手帳=身体や精神に障害が残った場合

「障害者手帳」は自治体が交付するものであり、身体または精神に障害があって要件を満たした方が取得でき、公共料金の割引措置や税金の減免措置などが受けられる制度です

障害者手帳には次の3つの手帳があります。

  • 身体障害者手帳
  • 療育手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳

身体障害者手帳は1級~6級までの障害に対して交付されますが、7級の障害が2つ以上ある場合などは交付対象となります。

精神障害者保健福祉手帳は1級~3級まで、診断書を提出したうえで2年ごとに更新する必要があります。

詳しい内容や手続きの方法などは、居住市区町村の担当窓口に問い合わせてみましょう。

参考:厚生労働省「障害者手帳」

労災年金=業務中や通勤中に交通事故に遭った場合に受給できる

業務中もしくは通勤途中に交通事故の被害に遭ってしまったときには、障害の程度によって「労災年金」が受給できます

障害年金との併給は可能ですが、一定割合を減額された形で労災年金が支給されます。

労災年金に関する相談は、勤務先を管轄する労働基準監督署または労働保険相談ダイヤル(0570-006-031)で受け付けています。

介護料の支給=介護が必要な場合に支給される

交通事故が原因で日常生活に介護が必要な方は、自動車事故対策機構(NASVA)から「介護料の支給」が受けられます

介護費用の自己負担額に応じて、種別(特Ⅰ種・Ⅰ種・Ⅱ種)ごとに3万6,500円~21万1,530円までが月額として支給されます。

ただし、労災保険の介護給付などとは併用できないので注意しましょう。

参考:独立行政法人自動車事故対策機構「介護料のご案内」

傷病手当金=健康保険に加入していると受給できる

健康保険などに加入している方は、「傷病手当金」と公的な所得補償制度を受給できます

受給額は1日あたり標準報酬日額の3分の2程度であり、1つの傷病につき最長1年6ヶ月まで受給可能です。

入院をしていなくても、自宅療養でも受けられるので、加入先の健康保険組合などを通じて申請しましょう。

参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」

生活福祉資金貸付制度=生活資金の貸付制度

「生活福祉資金貸付制度」は、生活の立て直しに費用な資金を無利子または低利子で借りられる制度です。

非課税世帯・障害者世帯・高齢者世帯などが対象であり、市区町村の社会福祉協議会を通じて手続きを行います。

総合支援資金・福祉資金・教育支援資金・不動産担保型生活資金の4つがあり、世帯状況にあわせてさまざまな支援が受けられます。

参考:全国社会福祉協議会「福祉の資金(貸付制度)」

失業給付(失業保険)=離職した場合に給付が受けられる

交通事故によって離職を余儀なくされてしまった場合、雇用保険による「失業給付(基本手当)」が受けられます

雇用保険に加入している方は、住所地を管轄するハローワークで支給の手続きを行います。

支給される金額は、離職前の6ヶ月で支払われた給与の合計額をもとに、45%~80%程度が支給されます。

また、病気やケガなどの治療で30日以上働けなかった場合は、受給期間の延長も認められています。

参考:ハローワークインターネットサービス「雇用保険手続きのご案内」

まとめ
  • 交通事故が原因で症状が残ってしまった場合、必要な手続きと要件を満たすことで後遺障害として認められる場合があります。
  • 後遺障害として認められることで、後遺障害慰謝料などを請求でき、交通事故に対する十分な補償を受けられる可能性が高まります。
  • しかし、後遺障害等級認定の申請は専門知識が求められる部分があり、自分で手続きを行おうとすると時間や手間が多くかかるケースがあります。
  • また、後遺障害と認められてもきちんとした補償を受けるには、相手方の保険会社と示談交渉によって話し合う必要があります。
  • 事故後の負担を少しでも減らすためにも、交通事故案件で解決実績が豊富な弁護士に早めに相談をしてみましょう。
  • 後遺障害等級認定の申請のサポートだけでなく、示談交渉なども任せられるので負担を軽減できます。
  • 弁護士法人・響では、交通事故に関するご相談は初回無料で対応しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
第二東京弁護士会所属 第36318号
役職
弁護士法人・響 代表弁護士/西新宿オフィス所長

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