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過失割合の決め方とは?交通事故の事例と納得できないときの対処法

過失割合に納得できないのですが、どうしたらいいですか?

弁護士に依頼すると適正な過失割合がわかったり、過失割合を変更できる可能性もありますよ

交通事故における過失割合は、相手方との示談交渉によって決められます。

しかし、話し合いをしても思うように自分の主張が認められずに、納得できない場合もあるものです。

過失割合は事故の状況に応じて、目安となる基準があります。

過失割合に応じて損害賠償金(示談金)は計算されるため、慎重に判断することが大切です

この記事では交通事故の過失割合の例や、示談交渉を弁護士に依頼するメリットなどを詳しく解説します。

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この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
第二東京弁護士会所属 第36318号
役職
弁護士法人・響 代表弁護士/西新宿オフィス所長

目次

交通事故の過失割合とは?

過失割合とは、交通事故が起こった原因が当事者双方にどれくらいあるかを割合として示したものです

過失割合が多い方を「加害者」、少ない方を「被害者」と呼ぶことがあります。

自分に非がないと思っていても、当事者双方に過失があるとされるケースが多いので注意が必要です。

どれくらいの過失割合となるかは、示談交渉の場で決められます。

一般的には、相手方の保険会社が過失割合を提示してきますが、多くの場合は過去の事例(裁判例)をもとに判断しています。

そのため、個別の状況をきちんと反映しておらず、納得がいかない場合もあるといえます。

過失割合によって損害賠償金(示談金)は変わってくるため、適正な判断がなされているかをチェックしてみましょう。

過失割合の例

交通事故の過失割合の例

交通事故の過失割合についての例は、次の本などに記載されています。

  • 「「別冊判例タイムズ38-民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(判例タイムズ社)「判タ」などと呼ばれることもあります。
  • 「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」(日弁連交通事故相談センター東京支部編) 通称「赤い本」と呼ばれています。

一般の書店で販売されている書籍ではありませんが、それぞれの本には、過失割合の一般的な考え方などが記載されており、損害賠償金(示談金)を考えるときの一つの目安となります。

過失割合の具体的な例について、詳しく見ていきましょう。

車対車:後ろからの追突事故の場合は一般的に10対0

赤信号で停車中に後ろから来た車に追突された場合、過失割合は10対0(相手:自分)となります

車対車:後ろからの追突事故の場合は一般的に10対0

停車している車は後続車を避けることができないからです。

車どうしの事故で後ろから追突される、いわゆる「もらい事故」では、交通事故の発生原因が相手にあると考えられます。

しかし、追突された車が駐車禁止区間に駐停車していたときなどは、過失があると見なされる場合もあるので注意しましょう。

また、もらい事故の場合ではご自身が加入する保険会社が相手と交渉してくれないため、示談交渉は自分で行う必要があります。

そんな場合は、弁護士に相談することも検討してください。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

過失割合10対0のもらい事故はご自身の保険会社は示談交渉できない

もらい事故の場合は、ご自身が加入している保険会社は示談交渉を行ってくれません

もらい事故はご自身の過失割合がゼロとなるため、ご自身加入の保険会社の最終負担となりうる損害賠償の責任が発生しないからです。

保険会社が示談交渉を行ってくれない場合は、ご自身で相手方保険会社と交渉をすることになりますが、以下のようなデメリットが生じる場合があります。

\ もらい事故で示談交渉する際のデメリット /
  • 相手方の保険会社と対等な立場で交渉できない可能性が高い
  • 納得できる損害賠償金(示談金)を受け取れない可能性がある
  • 示談交渉にストレスを感じやすい

一般の方が示談交渉を行うと、相手方の保険会社から不利な条件を一方的に提示されることもあります。

過失割合によって損害賠償金(示談金)は計算されるため、納得のいく金額を受け取れない可能性があるのです。

また自分の主張を反映してもらうには、過去の裁判例を調べたり、必要な書類をそろえたりするなど、客観的な証拠を提示する必要があります。

それらの準備を整えるには、手間や時間が多くかかるので負担を感じてしまいます。

ご自身だけでは対応が難しいケースも多いので、悩んでしまう前に交通事故案件で解決実績が豊富な弁護士に相談をすることを検討してみましょう。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

過失割合が0の場合

車対車:優先道路で起きた事故の場合は一般的に9対1

優先道路ではない道路を走る車と優先道路を走っている車との衝突事故では、過失割合は一般的に9対1となります

車対車:優先道路で起きた事故の場合は一般的に9対1

優先道路とは
信号機が設置されていない交差点で走行順位が優先される道路のことを指します。

優先道路でない道路を走行する車は交差点に進入する際に、一時停止や徐行を行う義務があると道路交通法で定められています。

一方で、優先道路を走る車は徐行義務が免除されているのが特徴です。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

車対車:交差点で右折車と直進車の事故の場合は一般的に8対2

信号機が設置されている交差点において、それぞれ青信号のときに起こった交通事故の過失割合は一般的に8対2(右折車:直進車)となります

車対車:交差点で右折車と直進車の事故の場合は一般的に8対2

また信号機が設置されていない交差点で、右折車と直進車が接触事故を起こした場合も、過失割合は一般的に8対2となります。

交差点においては直進車が優先走行となるので、右折車の過失割合が大きくなるのが特徴です。

また直進車が広い道路を走行し、右折車が狭い道路から右折して進入してきた場合も過失割合は8対2となります。

広い道路を走る車が優先され、狭い道路から入ってくる車は周囲の様子に注意する必要があるからです。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

車対車:同じ方向に走行する車の車線変更による事故の場合は一般的に7対3

同じ方向に走っている車どうしで前方を走る車が車線変更し、後続車に追突される事故を起こした場合、過失割合は一般的に7対3(車線変更車:後続直進車)となります

車対車:同じ方向に走行する車の車線変更による事故の場合は一般的に7対3

車線を変更した車の方が過失割合が大きいのは、走行中の車線変更をむやみに行ってはならないと定められているからです。

車線変更を行う際は周囲の状況に十分に注意して、後続車の進行の妨げとならないようにする注意義務が課せられています。

一方で、相手が出した車線変更の指示(ウインカー)を後続直進車もよく確認をしておく必要があるので、過失割合は30%程度が発生します。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

車対車:駐車場内の交差点で出合い頭の事故の場合は一般的に5対5

駐車場内の交差点において、出合い頭の事故が発生したときの過失割合は一般的に5対5となります

車対車:駐車場内の交差点で出合い頭の事故の場合は一般的に5対5

公道の場合であれば通常は6対4(右側からの直進車:左側からの直進車)となりますが、駐車場内では5対5となる場合があるので注意しましょう。

駐車場内の事故においては、駐車スペースに入庫する車が優先されますが、出合い頭の事故の場合は双方に責任があるとされるケースがあります。

※過失割合は状況や速度などによって変わる可能性があります。

動いている車どうしでも双方に過失があるとはかぎらない

動いている車どうしの事故の場合、双方に過失があると思われがちです。

しかし、相手が赤信号無視をして衝突したケースや、センターラインを越えて接触したケースでは10対0の過失割合となるケースもあります

また、道路が混雑していたことで低速で走っていた車に対して、前方不注意が原因で追突した後続車について100%の過失が問われる場合もあります。

事故状況に応じて個別に判断されるものですが、客観的な証拠があるときは正しく主張することが大切です。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

車対バイク:左折車が直進してきたバイクを巻き込む事故の場合は一般的に8対2

信号機が設置されていない交差点において、自動車が方向指示器(ウインカー)を出して左折をしようとしたところ、後方から直進してきた二輪車を巻き込んでしまった例です。

車対バイク:左折車が直進してきたバイクを巻き込む事故の場合は一般的に8対2

この場合、過失割合は一般的に8対2(自動車:二輪車)となります

交差点で左折を行う場合は、合図を出してから道路左側に寄ってゆっくりと左折する必要があります。

二輪車は道路の左側を走るものなので、自動車が後方確認を充分に行っていれば防げた事故だと判断される場合が多いのです。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

車対自転車:交差点での直進車と直進自転車の事故の場合は一般的に8対2

信号機が設置されていない交差点で、直進する自転車と直進する自動車が衝突してしまったとき、過失割合は一般的に8対2(自動車:自転車)となります

車対自転車:交差点での直進車と直進自転車の事故の場合は一般的に8対2

道路交通法によれば、自転車は軽車両と見なされるので、自動車と同じように交通規則を守る必要があります。

しかし、自転車の方が速度は遅く交通弱者のため、自動車側の過失が重くなってしまいます。

自動車の運転中に自転車が近くを走っている場合は、十分に周囲の状況を確認しておきましょう。

※過失割合は道路状況や信号機の色、標識、速度などによって変わる可能性があります。

過失割合9対0や8対0となる片側賠償という方法もある

片側賠償とは、交通事故の当事者双方に過失があるとしながらも、片方だけが損害賠償金(示談金)を支払うケースを指します

双方の過失割合を足しても10にならない場合であり、具体的には9対0や8対0などの折衷案によって、早期解決を行えるのがメリットです。

話し合いがまとまらなければ、いつまでたっても損害賠償金(示談金)が支払われません。

双方過失がつく事案で、相手方が相手方自身の賠償を求めない場合の処理として片側賠償が用いられます。

また、片側賠償では自分が加入している保険会社を利用しないため、保険の等級を落とさずに済みます。

保険料の増額を回避でき、さらに保険会社に示談交渉を任せられるので、負担を軽減できます。

しかし、一方で、相手方の過失割合が減る形となるため、受け取れる損害賠償金(示談金)が少なくなるのはデメリットでもあります。

そもそも、片側賠償に応じるメリットは相手方にはないので、このような処理ができるのかどうか交通事故案件で解決実績が豊富な弁護士に相談してみるとよいでしょう。

交通事故の損害賠償金は過失割合に応じて計算される

交通事故の損害賠償金(示談金)は、過失割合に応じて計算されます。

損害賠償金(示談金)は自分と相手方の過失を考慮したうえで計算されるので、過失相殺についても押さえておく必要があります。

過失割合に応じた損害賠償金(示談金)の計算例なども含めて解説します。

損害賠償金は過失割合に応じて過失相殺される

交通事故における損害賠償金(示談金)は、過失割合に応じてそれぞれの損害額からその過失分を差し引いて計算されます

これを過失相殺(かしうそうさい)といい、事故による損害を公平に負担するために設けられている仕組みです。

過失が多いほど、損害賠償金(示談金)から差し引かれる金額は多くなります。

被害者の損害額から過失と判断される部分を差し引き、残りの部分を相手方に損害賠償請求することになるのです。

過失相殺については、以下のように法律においても定めがあります。

(損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺)
第722条
2 被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

損害賠償金(示談金)は、ご自身の損害額の全額を受け取れるわけではない点に注意が必要です。

特に物損の処理では、相手に与えた損害額が差し引かれるケースが多いことを念頭に置いておきましょう。

過失割合に応じた損害賠償金の計算例

過失割合が多いほど、実際に受け取れる損害賠償金(示談金)は減ってしまいます

ここでは、3つのパターンから過失割合の違いから、過失相殺によってどれくらい受け取る金額が違うのかを見ていきましょう。

<過失割合が9対1のパターン>
相手 ご自身
過失割合 90% 10%
損害額(物損) 40万円 200万円
請求額 4万円
(40万円×0.1)
180万円
(200万円×0.9)
受け取れる金額 0円 176万円
(180万円-4万円)
<過失割合が8対2のパターン>
相手 ご自身
過失割合 80% 20%
損害額(物損) 40万円 200万円
請求額 8万円
(40万円×0.2)
160万円
(200万円×0.8)
受け取れる金額 0円 152万円
(160万円-8万円)
<過失割合が9対0のパターン>(片側賠償)
相手 ご自身
過失割合 90% 0%
損害額(物損) 0円 200万円
請求額 0円 180万円
(200万円×0.9)
受け取れる金額 0円 180万円

上記の計算例のように、過失割合が異なれば実際に受け取れる金額に差が生まれます。

また、片側賠償の場合は過失相殺が発生しません。

過失割合は損害賠償金(示談金)の計算に影響が出るため、適正なものであるかを慎重に判断していくことが大切です。

※弁護士法人・響では、ケガのない案件(物損のみ)の場合はご相談をお受けできません。

交通事故の過失割合は誰が決める?

交通事故の過失割合は、当事者どうしの話し合いによって決められます

警察や保険会社が決めるものではなく、あくまで示談交渉の場において決められるものです。

交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に依頼をすれば、過失割合を変更できる可能性もあります。

相手との話し合いが思うように進まず納得のいかない場合は、弁護士に相談してみるとよいでしょう。

過失割合がどのように決められるのかを以下で解説します。

交通事故の過失割合は当事者どうしで決める

交通事故の現場には警察官が来るため、過失割合は警察が決めるものと思う方も多いかもしれません。

しかし過失割合は警察が決めるものではなく、当事者や加入している保険会社どうしが話し合って過失割合を決めるのです

警察には「民事不介入の原則」があり、過失割合の決定は民事上のこととして介入しないのです。

交通事故の現場に警察官が駆けつけるのは、あくまでも事故状況の確認と記録を行うためです。

そして事故の発生日時や場所、当事者の氏名などを記録した「交通事故証明書」が発行されます。

この証明書を前提に、「別冊判例タイムズ38」過去の判例などをもとに、話し合って過失割合を決めるのです。

「赤い本」とは

表紙が赤いことから通称「赤い本」と呼ばれる冊子で、正式名称は「民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準」です。公益財団法人である日弁連交通事故相談センター東京支部が発行しています。交通事故における損害賠償額を計算する際に参考として用いられています。

参考:日弁連交通事故相談センター「当センターの刊行物について(青本及び赤い本)

弁護士に依頼すると過失割合を変更できる場合がある

示談交渉を弁護士に依頼をすることで、過失割合を変更できる可能性があります

示談交渉による話し合いで過失割合は決められますが、当事者双方の主張の食い違いから、なかなか話がまとまらないこともあるでしょう。

弁護士に依頼をするメリットは後ほど詳しく解説しますが、過失割合に関する部分では次の点がメリットとして挙げられます。

  • 相手方の保険会社に対して、過失割合を変更する根拠を提示できる
  • 修正要素を踏まえたうえで、過失割合が妥当なものかを判断できる
  • 弁護士が交通事故の検証を行うこともある

弁護士に依頼をすれば、事故現場の状況や目撃者の証言など、客観的な根拠を提示できる場合があります。

また、酒気帯び運転や居眠り運転などの修正要素を見つけてもらえる場合があるため、個別の事情を踏まえて過失割合が妥当かどうかを判断してもらえます。

そして、弁護士によっては自ら交通事故の検証を行うこともあり、依頼者にとって有利な証拠を得られることもあります。

過失割合について納得できないときは、妥当であるかという点も含めて、弁護士に相談をしてみましょう。

交通事故の過失割合はいつ決まる?

交通事故における過失割合は、いつまでに決めなければならないというルールはありません

一般的には、交通事故の損害額がひと通り確定し、「別冊判例タイムズ38」や過去の裁判例などと照らし合わせたうえで決められるケースが多いです。

しかし過失割合が決まらなければ、損害賠償金(示談金)が計算できないため、保険会社は早い段階で自社の方針を決めていることが多いといえます。

ただし、示談交渉で合意に至らない場合は裁判で決着をつける必要があるため、過失割合が確定するまでに時間を必要とするケースもあります。

示談交渉によって決まるケースと、裁判の判決で決まるケースをそれぞれ解説します。

示談によって過失割合が決まるケース

過失割合は、一般的に相手方の保険会社が提示してきます

提示された過失割合が妥当だと思われる場合は、合意することになります。

しかし相手方の保険会社が提示する過失割合は、必ずしも個別の事情を反映させた内容ではないので注意が必要です。

示談が成立してしまえば、後から過失割合を変更するのは難しくなるため、合意する前に提示内容が妥当であることをよく確認することが大切です。

たとえ過去の裁判例を参考に過失割合を決めていたとしても、まったく同じ事故状況ではないため、個別に判断する必要があるといえます。

交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士でなければ判断が難しい場合もあるので、相手方との主張が食い違うときには弁護士に相談をしてみましょう。

裁判の判決によって過失割合が決まるケース

示談交渉で過失割合に合意できないときには、裁判で決着をつける場合もあります

裁判は最後まで争って「判決」を得る場合と、裁判所が「和解」を勧めてくる場合とに分けられます。

根拠となる証拠を提示でき、納得のできる結果を得たいと思うならば、判決を得るまで相手方と争うのは1つの方法です。

しかし、裁判が長引くほど損害賠償金(示談金)の受け取りに時間を要することになります。

一方、ある程度裁判を進めた段階で妥協点を見出せるのならば、裁判所が提示する和解案に応じてみるのも解決手段として有効な方法です。

いずれにしても、裁判を行うには多くの準備や専門知識が求められるため、弁護士に相談してみましょう。

交通事故の過失割合はどうやって決める?

交通事故の過失割合は、事故の類型ごとにベースとなる基本過失割合が存在します

この基本過失割合をもとに、個別の事情を修正要素として加減算して決まります。

相手方の保険会社が提示してきた内容を変更するには、何よりも根拠となる証拠を提示する必要があります。

どのようなものが有効な証拠となるかも含め、詳しく解説します。

基本過失割合や過去の裁判例を元に暫定的な過失割合を決める

交通事故の過失割合は、事故の経緯や状況を基本過失割合に当てはめて決めます。

また、過去の裁判例や以下の書籍を参考にして決めることが多いようです。

  • 『別冊判例タイムズ38-民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準』(判例タイムズ社)
  • 『民事交通事故訴訟 損害賠償額算定基準』(日弁連交通事故相談センター東京支部編 通称・赤い本) など

ただし、これらの書籍や裁判例はあくまで似たような事例となるため、まったく同じ過失割合となるわけではありません。

より正確な過失割合を把握するには、次に紹介する修正要素を加える必要があります。

修正要素として個別の事情を加え過失割合を決定

過失割合は、修正要素によって変わる場合があります

修正要素には加算要素と減算要素があり、過失の程度によって5~20%ほどの割合で、過失割合が変更される可能性があります。

車対車の交通事故の場合、おもな修正要素として以下のものが挙げられます。

修正要素
著しい過失 ・脇見運転など前方不注視が著しい場合
・酒気帯び運転
・時速15キロ以上30キロ未満のスピード超過違反
・著しいハンドルまたはブレーキの操作ミス など
上記に当てはまる場合は、過失があった側の加算要素となる
重過失 ・居眠り運転
・無免許運転
・酒酔い運転
・時速30キロ以上のスピード超過違反
・嫌がらせ運転 など
上記に当てはまる場合は、過失があった側の加算要素となる
大型車 大型車は運転手の注意義務が重くなるため、大型車側の加算要素となる
直近右折 ・直進車の至近距離で右折するケース。交差点で直進車が停止線を越えた後の右折などが挙げられ、右折車の過失割合の加算要素となる
早回り右折 交差点の中心の内側を進行する右折の方法ではない右折のことを指す。右折車の行動によって事故の可能性が増すため、右折車側の加算要素となる
大回り右折 中央に寄らないで行う右折を指す。右折車側の加算要素となる
既右折 右折しようとする対向車が直進車線に入っているときに、直進車が注意すれば事故が避けられたケース。右折車に有利な事情として減算要素となる
道路交通法50条違反の直進 交差点などへの進入が禁止される状況で交差点へ進行した場合を指す。交差点に進入した側の加算要素となる

上記のように、交通事故によって個別の事情は異なる部分があり、過失割合を大きく変更させる修正要素が見つかることもあります。

相手方の保険会社が提示してくる過失割合に納得できないときは、修正要素に該当する部分がないかを詳しく調べてみましょう。

過失割合に納得できないこともある

過失割合の話し合いは、当事者の主張の食い違いから、思うようにまとまらないことがあります

過失割合について納得がいかない例としては、次のようなものが挙げられます。

  • 相手の保険会社が強硬に主張してくる
  • 「動いている車どうしの事故は10:0にはならない」など、事実と異なる主張をされてしまう
  • 個別の要因を考慮してくれない(子ども・高齢者の事故、無灯火など)
  • 信号機の色で意見がかみ合わない など

事故状況にもよりますが、相手側の主張が必ずしも正しいとはかぎりません。過失割合に関する正しい知識を得て、正当な主張を行ってみましょう。

弁護士の〈ここがポイント〉
過失割合を決める際に、当事者どうしの主張が折り合わないこともめずらしくありません。過去の判例などを基準にするといっても、まったく同じ事故は存在しないため、個別の事情を一つずつ確認していく必要があります。専門的な知識や交渉力が必要にもなるので、スムーズに解決するには交通事故の取り扱い実績のある弁護士に相談をしてみましょう。

独自調査・ドライブレコーダーの映像は証拠になる

過失割合を変更するときの証拠として、ドライブレコーダーの映像は有力です。

当メディアが独自に行った調査によれば、ドライブレコーダーの映像の有無で、慰謝料額が平均11万円も異なるという結果が出ました。

<質問>
あなたが交通事故の被害に遭われた際、保険会社に提示された慰謝料はいくらでしたか。(車の修理費・治療費などを除いた金額で教えてください)

<結果>
・ドライブレコーダーがついていた場合の慰謝料平均額:43万円
・ドライブレコーダーがついていない場合の慰謝料平均額:32万円

※交通事故の被害に遭った20歳以上の男女1,000人(過失割合0.5割~4割以下)の回答結果。インターネット調査、調査期間2021年11月5日~11月8日
※当メディア独自のアンケート結果によるものです。必ずしもすべての事象に当てはまるものとは限りません。

〈通院期間別の慰謝料の平均額(弁護士依頼なしの場合)(アンケートの結果)〉
通院期間 ドライブレコーダーあり ドライブレコーダーなし
1ヶ月未満 26万円 25万円
1ヶ月 28万円 24万円
2ヶ月 44万円 25万円
3ヶ月 45万円 43万円
4ヶ月 46万円 30万円
5ヶ月 192万円 84万円
6ヶ月 62万円 65万円
7ヶ月以上 344万円 127万円
全体平均 43万円 32万円

※小数点以下切り捨て。
※後遺障害が認定されている場合は、後遺障害慰謝料を含む。

上記の結果から、ドライブレコーダーの映像が証拠として残っている方が、慰謝料額が高い傾向があるといえます。

ドライブレコーダーの映像の有無が直接的に慰謝料の算定に影響するわけではありませんが、有力な証拠となる可能性はあるでしょう。

事故状況を適切に把握するための証拠として用いられることで、結果的に適正な金額の慰謝料請求につながっている部分があります。

交通事故の示談交渉でもめるケースとは?裁判例を紹介

交通事故の示談交渉でもめてしまうのは、当事者間で主張が食い違う部分があるからです。

実際の交通事故では認定基準に適合しないケースもあり、判断が難しいところがあります。

ここでは、裁判によって過失割合が大きく変更された例を紹介します。

<過失割合に関する裁判例>

■事故の状況(車対車の事故)
直進していたX車が、対向車線から右折して路外に進出するY車を避けるため、対向車線に飛び出し、Y車の後続車両と正面衝突した。

■過失割合(X対Y)
基本過失割合 1対9
過失割合の結論 6対4

■判断内容
・Y車がガソリンスタンドを出るために右折をするときに、道路を南進しているX車を確認できたにも関わらず右折を開始した。
・X車がY車との衝突を避けるためにハンドルを切って、対向車線に飛び出したことによって起こった事故である。
・Yはガソリンスタンドを出るときに、他の車両の進行を妨害するおそれがないよう注意する義務があった。
・特にY車は車体の長さが11.97メートルもある大型車両であり、一般乗用車と比べても道路をふさぐ時間が長いので、慎重に右折をすべきであった。
・Y車の過失によって発生した事故だがX車の過失も考慮し、Xが6割、Yが4割の過失割合とするのが相当。

■X車の過失
・X車は法定速度を大幅に上回る時速87キロで走行。
・Y車が右折を開始しているのに、大幅に減速している様子が見られない。
・これによって、X車はY車を避けるために対向車線に飛び出しているため、事故の大きな原因となっている。

出典:自保ジャーナル No.2088 東京地裁R2.12.8判決

交通事故の示談交渉を弁護士に依頼するメリット

前述のように、交通事故の過失割合を巡っては、納得がいかない場合も多くあります。

過失割合によって損害賠償金(示談金)は計算されるため、適正な補償を受けるには安易に妥協してはいけません。

しかし、当事者双方の主張が食い違ったままではいつまでも合意できなくなるので、異なるアプローチを検討することも必要です。

示談交渉が思うように進まず困ったときには、交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に相談・依頼をすることで解決できる場合もあります。

どのようなメリットを得られるのかを詳しく紹介します。

弁護士に依頼すると適正な過失割合がわかる

交通事故案件に精通した弁護士に依頼をするメリットとして、適正な過失割合の基準がわかる点が挙げられます

過失割合は過去の判例をもとにしており、法律の専門家である弁護士は的確なアドバイスを行えます。

相手の保険会社から示された過失割合を変更するには、主張を裏付ける根拠を提示する必要があります。

過失割合の判断には専門的な知識が必要になるため、一般の方にはハードルが高い部分もあるものです。

交通事故にまつわる知識を豊富に備え、実績のある弁護士に相談をすることで、主張すべきポイントをうまく整理できるはずです。

弁護士の〈ここがポイント〉
過失割合について納得がいかない場合に具体的な主張を相手側に行うときには、明確な根拠を示す必要があります。事故状況や修正要素に関わる個別の事情を改めて見直すには、専門的な知識が必要です。示談交渉における心理的・時間的な負担を減らすためにも、早めに弁護士に相談をしてみましょう。

弁護士に依頼すると過失割合を変更できる可能性がある

交通事故案件について実績のある弁護士に依頼をすれば、過失割合を変更できる可能性があります

前述のように、過失割合を適正に判断するには基本過失割合や修正要素などの知識が必要です。

弁護士に依頼することで、そのような知識や過去の裁判例などをもとにした適正な判断をしたうえで、相手方の保険会社と交渉をしてくれます。

それによって、相手方保険会社の提示する過失割合を変更できる場合もあるのです。

一般の方ではこのような判断や交渉は難しいといえるので、過失割合に納得できない場合は、弁護士に依頼することでメリットがあるでしょう

弁護士に依頼すると保険会社との示談交渉を任せられる

弁護士に依頼をするメリットは、過失割合の交渉だけではなく、相手方保険会社との示談交渉をほぼ任せることができます

交通事故によってケガを負ってしまった場合は「慰謝料」や「休業損害」などの損害賠償金を請求できますが、弁護士に依頼することで漏れなく請求することが可能になります。

弁護士は示談交渉を代行してくれる
慰謝料とは
交通事故でケガを負ったことによる精神的な苦痛に対する損害です。
休業損害とは
交通事故によるケガで仕事を休まざるを得なかったことに対する損害です。

弁護士法人・響には、過失割合や損害賠償請求に精通した弁護士が在籍しています。

初めてのご相談でも安心していただけるように、事故状況をていねいにお伺いして適正な損害賠償金を請求するサポートをいたします。

相手の保険会社との交渉で納得できない点があるときは、ぜひ弁護士法人・響へご相談ください。

弁護士基準(裁判基準)の慰謝料を請求できる

弁護士に相談をする大きなメリットは、弁護士基準(裁判基準)で慰謝料などの損害賠償金の請求が行えることです

同じケガの程度であっても、自賠責保険基準と弁護士基準(裁判基準)とでは慰謝料額に大きな違いがあります。

弁護士基準(裁判基準)は、弁護士に依頼することで適用されるものです。

慰謝料額は相手方の保険会社との示談交渉によって決められるものですが、一般の方にとってプロの保険会社を相手にやりとりをするのはハードルが高いものです。

法律の知識を備えた弁護士に依頼をすることで、納得のいく慰謝料を請求できる可能性が高まります。

仕事を休んだ場合の休業損害を適正に請求できる

休業損害とは、交通事故によるケガのために休業した場合に、休業せずに働くことができていれば得られたはずの収入を失ったことに対する損害賠償のことです。

交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に依頼をすることで、適正な休業損害を請求することが可能です

相手方の保険会社が提示してくる損害賠償金(示談金)に、休業損害がきちんと反映されていないときは適正な金額を請求しましょう。

休業損害の計算は、次の2つの基準・計算式のどちらかで算出します。

<自賠責保険基準の計算式>

休業損害=1日あたり6,100円×休業日数

※1日あたりの減収分が6,100円を超えることが証明できるときは、最大で1万9,000円までが支払われます。※2020年4月に改正されています。

<弁護士基準(裁判基準)の計算式>

休業損害=1日あたりの基礎収入×休業日数

自賠責保険基準では、補償される傷害分の支払限度額は慰謝料などを含めて上限が120万円となっているため、注意が必要です。

一方、弁護士基準(裁判基準)は1日あたりの補償額が被害者の状況によって異なります。

後遺障害等級認定の申請を任せられる

ケガの治療をしても症状が残り、後遺障害等級認定の手続を行いたい場合も、弁護士に任せることができます

申請にあたっては被害者請求の場合は後遺障害診断書の他にも、さまざまな書類や資料を準備する必要があります。

すべての手続きを自分で行おうとすれば多くの時間や手間がかかりますし、自分で申請をしても必ずしも納得のいく認定結果を得られるとはかぎりません。

また専門的な知識が求められる部分が多く、初めて手続きを行うときは何から手をつけていいか迷うことも多いでしょう。

後遺障害等級認定の手続で実績のある弁護士であれば、個別の状況を踏まえたうえで、適切な形で手続を行ってくれます。

医師や保険会社などとのやりとりで困ったときにも、適切なアドバイスをもらえるでしょう。

弁護士費用特約を利用すれば弁護士費用が自己負担不要の場合も

ご自身が加入している自動車保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、保険会社が弁護士費用を補償(代わりに負担)してくれるので、自己負担が不要になる可能性が高いといえます。

弁護士費用特約は、自動車保険以外にも火災保険や生命保険のものでも使える場合があります。

弁護士特約とは

また、ご自身が加入する保険に弁護士費用特約が付いていなかったとしても、ご家族が加入する保険に付いていれば利用できる場合もあります。

多くの弁護士事務所では弁護士費用特約を利用することが可能なので、相談時にお金を用意しなくても交通事故に関する悩みに対応してもらえます。

どの程度の範囲まで利用できるかは保険会社や契約内容によって異なるため、弁護士費用特約を利用するときは保険会社に事前確認を行っておきましょう。

弁護士法人・響に依頼すると費用はいくら?

契約している保険に弁護士費用特約が付いていなかったとしても、弁護士への依頼を諦めてしまうことはありません。

「着手金無料+成功報酬型」の料金体系をとっている弁護士事務所なら、受け取った損害賠償金(示談金)のなかから弁護士費用を差し引く形となるため、依頼時にお金を用意しておく必要はありません。

弁護士法人・響の場合、弁護士費用特約がないときの費用は以下のとおりです。

〈弁護士費用特約がないケース〉
項目 料金
相談料 0円
着手金 0円
報酬金 22万円+経済的利益の11% +(税込)

※後払い可能

着手金は無料となっており、依頼をする時点でお金がかかることはありません。

初回の法律相談も無料となっているので、まずはお気軽にお問い合わせください。

弁護士法人・響に依頼して損害賠償金が増額できた事例を紹介

実際に交通事故でケガをして、弁護士法人・響に示談交渉を依頼され損害賠償金(示談金)が増額できた方の事例を紹介します。

●被害者(依頼者様)
20代・男性

●損害賠償金(示談金)
相手方保険会社の提示額:642,893円 
弁護士法人・響による交渉後の額:1,199,735円

●弁護士費用特約
有り

●事故の状況と示談交渉の経緯・結果
・通勤途中に赤信号の交差点で停車中後ろから追突。
・頸椎捻挫で通院しましたが、途中で打ち切りとなり治療終了に。
・相手側の保険会社からは当初示談金約64万円の提示。
・弁護士法人・響で示談交渉の結果示談金は約120万円に増額。

●依頼者様のコメント
事故発生から時間がたっていたのでダメ元で依頼しましたが熱心に話を聞いてくれ、相手方の保険会社との交渉もすべて対応してもらいました。
あの時相談して本当によかったです。

まとめ
  • 交通事故の被害に対する補償額は、過失割合によって異なります。
  • 過失割合は、基本過失割合や事故状況に応じた修正要素によっても変わってきます。
  • 相手方の保険会社が提示する過失割合は、必ずしも個別の事情を反映していないこともあるので注意しておきましょう。
  • 過失割合は示談交渉によって決められますが、納得できる請求を行うには、交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に相談・依頼をすることが大切です。
  • 弁護士法人・響では、交通事故に遭われた方のご相談は無料で行っております。
  • 数多くの解決実績があり、ご相談者様の立場に寄り添いていねいに対応をいたします。
  • 過失割合のことをはじめ、交通事故に遭ってお困りのときは、お気軽にご相談ください

問い合わせ・相談実績6万件以上!
弁護士法人・響
弁護士法人・響に示談交渉を頼むメリット
  1. 慰謝料を増額できる可能性がある
  2. 保険会社との交渉を徹底サポート
  3. 24時間365日全国どこでも相談受付中
この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
第二東京弁護士会所属 第36318号
役職
弁護士法人・響 代表弁護士/西新宿オフィス所長

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