司法書士では損?交通事故の示談交渉を弁護士に相談すべき理由
「交通事故示談の相談をしたいけど…誰に依頼すればいいの?」
「弁護士・司法書士・行政書士の違いって何?」
交通事故にあってしまったら、専門家に相談することで少しでも示談交渉の負担を減らし、治療に専念した方がよいでしょう。
しかし、弁護士・司法書士・行政書士は、それぞれできる仕事が異なります。
司法書士や行政書士では、弁護士に比べて、あなたの事故の示談をサポートできる範囲が小さいのです。
この記事では、弁護士・司法書士・行政書士の違いと、弁護士が交通事故示談の相談に最適な理由をわかりやすくご説明していきます。
この記事では「加害者=過失の割合が大きい交通事故の当事者」「被害者=過失の割合が小さい交通事故の当事者」としています。
- 交通事故示談における弁護士・司法書士・行政書士の違い
- 示談交渉は司法書士に依頼すべきでない理由
- 交通事故の示談交渉について弁護士に相談するメリット
- 慰謝料を増額できる可能性がある
- 保険会社との交渉を徹底サポート
- 24時間365日全国どこでも相談受付中
目次
弁護士・司法書士・行政書士の違いとは?4つの観点から解説
弁護士・司法書士・行政書士はそれぞれできる仕事が異なります。
以下で詳しく見ていきましょう。
弁護士・司法書士・行政書士は、それぞれ取り扱う代行内容と代行範囲が異なります。
例えば、保険会社に提出する書類の作成は、弁護士・司法書士・行政書士の三者のうち誰でも取り扱えるのに対し、交通事故示談の交渉は、弁護士と一部の司法書士しかできません。
以下の表は、弁護士・司法書士・行政書士の代行内容についてまとめたものになります。
代行内容 | 弁護士 | 認定司法書士 | 司法書士 | 行政書士 |
---|---|---|---|---|
保険会社宛ての書類作成 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
裁判所宛ての書類作成 | 〇 | 〇 | 〇 | × |
示談交渉 | 〇 | △ | × | × |
調停・訴訟 | 〇 | × | × | × |
実際に示談交渉や裁判となると誰でもできるわけではないのです。
しかし弁護士であれば、書類の作成から実際の交渉まで一任することが可能です。
交通事故の示談交渉に最適な相談相手は誰?
交通事故後の示談を有利に進めていくうえでは、以下の2つの過程が重要になります。
- 相手側(保険会社)との示談交渉
- 裁判所や保険会社に提出する書類作成
相手側との示談交渉、裁判所や保険会社宛ての書類作成は、専門的な知識や経験値を必要とすることが多いため、専門家に相談するのがよいでしょう。
しかしこの2つは、弁護士・司法書士・行政書士のうちの誰であるかによって、相談できるかどうかが異なります。
以下で見ていきましょう。
相手側(保険会社)との示談交渉
示談交渉を代行できるのは弁護士と一部の司法書士だけです。
しかし、その一部の司法書士の数はとても少ないうえに、司法書士が代行できる範囲には弁護士と違い制約があります。
詳しくは、後ほどご説明します。
裁判所や保険会社に提出する書類作成
書類作成においては、弁護士と司法書士が裁判所・保険会社両者に提出する書類を作成可能であるのに対し、行政書士は保険会社に提出する書類しか作成できません。
他に代行してもらう可能性があるとすれば、示談がまとまらなかったときの調停手続きや裁判の代行になりますが、これは弁護士しか代行できません。
そのため、示談交渉について相談するなら弁護士が適しているといえるでしょう。
司法書士が交通事故の示談交渉に適さないのはなぜ?デメリット2つ
法律上、交通事故の当事者に代わって示談交渉をできるのは弁護士と一部の司法書士のみであり、示談交渉を行うことができない司法書士がいるため、司法書士では交通事故の示談交渉に不向きなのです。
以下で、司法書士が示談交渉に適さない理由を、司法書士のデメリットとともに詳しくご説明します。
- 限られた司法書士しか示談交渉ができない
- 司法書士は140万円以下の金額しか扱えない
1.限られた司法書士しか示談交渉ができない
司法書士の場合簡易裁判所の代理権が認められているので、賠償金が140万円以下の事件の場合には司法書士でも示談交渉をすることができるケースがあります。
しかし、140万円以下の場合でも全ての司法書士に示談交渉の資格があるわけではありません。
国によって認定を受けた認定司法書士のみに示談交渉の資格があります。
よって、一部の司法書士しか示談交渉をすることができないのです。
2.司法書士は140万円以下の金額しか扱えない
さらに述べると、140万円を超える損害賠償請求をする場合には、司法書士には権限がないので依頼することができません。
交通事故の損害賠償請求で140万円以下であるケースは少ないので、実際に司法書士に示談交渉を依頼できるケースはあまりないでしょう。
そして、行政書士にはそもそも示談交渉などの代理権がないので、交通事故の対応を依頼することは不可能です。
ですから、交通事故の示談交渉は弁護士に相談・依頼するのがよいでしょう。
弁護士であれば、140万円以下などの金額の制限がなく賠償請求をすることができます。
数千万円や1億円を超える賠償請求事件でも問題なく手続きしてもらうことができます。
裁判になった場合でも、簡易裁判所だけではなく地方裁判所や高等裁判所、最高裁判所などで手続きができるので安心です。
交通事故の示談交渉を「弁護士」に依頼するメリット
交通事故示談の代行範囲の広さの他にも、示談交渉時に気になる後遺障害の等級認定や、慰謝料の金額に関しても、弁護士には強みがありますよ。
交通事故後遺障害の等級認定手続きに関する知識が豊富
弁護士であれば、ほとんど誰でも後遺障害等級認定手続きを受け付けていますし、取り扱っています。
また、ほとんどの弁護士は、後遺障害の等級認定について最低限の必要な知識をもっているため、相手と示談交渉を進めて妥当な額の賠償金を獲得することもできます。
これに対して行政書士の場合、「後遺障害の等級認定を受けやすい」とは言いにくいでしょう。
その理由は、そもそも全ての行政書士が後遺障害の等級認定に取り組んでいるわけではないからです。
後遺障害の等級認定に積極的に取り組んでいるのは一部の行政書士だけであるため、一定のレベルの保証がされにくいのです。
後遺障害等級認定手続きに積極的に取り組んでいる行政書士に限っていうと、かなり手続きにも詳しくなっているので、それなりに等級認定を受けられる可能性は高くなります。
ただし、後遺障害等級認定に特に強い人を探して依頼できればよいですが、そうでない場合には手続きの成功確率は落ちます。
よって、後遺障害等級認定請求を依頼する専門家を探す場合、よほど信頼できる行政書士が見つかった場合でもないかぎりは、弁護士に依頼することをおすすめします。
後遺障害等級認定について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
司法書士に依頼するよりも高額な慰謝料を得ることができるケースが多い
そもそも司法書士には取扱金額の制限がある
先ほどお話ししたように、示談交渉の賠償請求権については、弁護士と司法書士で金額の制限のあるなしに違いがあります。
この時点で、140万円以上の賠償金を獲得するには司法書士ではなく弁護士に依頼するしかないといえます。
慰謝料の計算基準に「弁護士」の基準が適用される
また弁護士が示談交渉を行うことで、もっとも高額な慰謝料計算基準である裁判基準(弁護士基準)を適用させることができるようになります。
弁護士基準が適用されると受け取れる金額自体を上げることができます。
もちろん物損事故の場合や通院が数週間で終わったような軽傷のケースにおいては、損害賠償金が140万円程度で落ち着くこともあります。
しかしながら認定司法書士を探す難しさなどを踏まえると、やはり弁護士に相談し交渉代行を依頼するのがもっともよい選択肢といえるでしょう。
弁護士基準について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
- 弁護士・司法書士・行政書士は取り扱える案件の範囲が異なる
- 司法書士・行政書士は交通事故の示談交渉には不向き
- 弁護士なら後遺障害の等級認定や慰謝料の増額にも強い
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- 慰謝料を増額できる可能性がある
- 保険会社との交渉を徹底サポート
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