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交通事故の過失割合で慰謝料は変わる?決定方法と2つの注意点

交通事故相手の保険会社から過失割合を提示されたけど、これって何?
過失割合に応じて慰謝料を減らすと言われたけど、正直納得できない…

交通事故に遭ったら、受けた損害について相手に補償を求めることができますが、どのような基準で決められるのか把握することは重要です。

交通事故が発生した原因に対して、当事者双方の責任割合を示したものを「過失割合」といいます。
過失割合は慰謝料などの額にも影響するため、基本的な考え方を理解しておきましょう。
また過失割合に納得できないときは変更できる可能性もあるので、その方法を理解しておくことも大切です。 過失割合や慰謝料額などに納得できないときの対処法もあわせて紹介します。

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  1. 慰謝料を増額できる可能性がある
  2. 保険会社との交渉を徹底サポート
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この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
所属団体
第二東京弁護士会所属 第36318号
役職
弁護士法人・響 代表弁護士/西新宿オフィス所長

目次

過失割合と慰謝料の関係とは?

過失割合とは、交通事故が起こった原因について、当事者間の責任の度合いを示すものです

これは当事者どうし(双方の保険会社)の話し合いによって決められるものであり、警察が決めるものではありません

過失割合で入通院慰謝料(傷害慰謝料)は変動する!事例から確認

過失割合の違いによって、ケガの程度が同じでも受け取れる入通院慰謝料(傷害慰謝料)が変わります。

過失割合の違いによってどれくらい金額が変わるのか、まず事例を見ていきましょう。

・信号機のない交差点で直進車(自分)と右折車(相手)が衝突事故を起こした。
・骨折によって、入院1ヶ月・通院5ヶ月と診断された。
・過失割合は2(自分):8(相手)と言われた。
・入通院慰謝料(傷害慰謝料)の金額は141万円*だが、過失割合によって112万8,000円と提示された。
*弁護士基準(裁判基準)での金額例です。

この際、過失割合が異なると以下のように慰謝料額が変わります。

  
過失割合
(自分:相手)
入通院慰謝料
(傷害慰謝料)額
差額
2:8 112万円8,000円 28万2,000円
1:9 126万9,000円 14万1,000円
0:10 141万円 なし

※実際には、総損害額(治療費、休業損害、慰謝料等全ての損害額を合計した金額)に対して過失相殺を行い、既払金を差し引くことになるため、金額が異なる場合があります。

上記のように、ご自身の過失割合が少なくなるほど、受け取れる入通院慰謝料(傷害慰謝料)は多くなる点を押さえておきましょう。

入通院慰謝料(傷害慰謝料)について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

なぜ過失割合で慰謝料が変わる?

過失割合によって慰謝料が変わるのは、「過失相殺」というものがあるからです。

事故が起きた原因に対する責任が双方にあるのに、一方のみに慰謝料をはじめとする示談金(損害賠償金)を負わせるのは公平ではありません。

そこで、過失割合に応じて示談金(損害賠償金)の負担を変更するのです。

これは民法722条2項に定められています。

【民法第722条2項】

被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。

過失相殺

過失相殺について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

過失割合をもとに慰謝料などを計算する方法

たとえば、過失割合が3:7で車の修理代として30万円の損害額が発生している場合、相手方に請求できる金額は次のとおりです。

30万円(車の修理代)×70%(100%-被害者の過失割合)=21万円
※過失割合が少ない方を被害者としています。

※相手方の車両にも修理費が発生している場合には、相手方修理費に自分の過失割合を乗じた金額を負担する必要があります。

過失相殺は慰謝料だけでなく、治療費や修理代といった損害額すべてに適用される点に注意が必要です。

損害額が100万円だった場合、実際に受け取れる示談金(損害賠償金)の例は以下のようになります。

 
過失割合(自分:相手)受け取れる示談金(損害賠償金)
0:10100万円
1:990万円
2:880万円
3:770万円
4:660万円

事故の相手に損害を与えている場合には、相手が被った損害を負担しなければならないケースもあります。

相手 自分
過失割合 80% 20%
損害額(物損) 40万円 100万円
請求額 8万円(40万円×0.2) 80万円(100万円×0.8)
受け取れる金額 0円 72万円(80万円-8万円)

※実際は相手方との話し合いによって決められるため、金額が異なる場合があります。

過失割合が少し異なるだけでも、最終的に受け取れる金額に違いが出るので、相手方との話し合いは慎重に進めていくことが大切です。

<弁護士のここがポイント>
もらい事故などを除き、交通事故においては当事者の双方に何らかの責任が生じることが多いです。ご自身が受けた損害だけでなく、相手に与えた損害によって最終的に受け取れる示談金(損害賠償金)に違いが出ることを押さえておきましょう。

過失割合はどう決まる?

では、実際に過失割合はどのように決まるのでしょうか。

事故状況と過失割合の例、またそれに加味されることのある「修正要素」について押さえておきましょう。

事故状況別の過失割合の例

事故の被害に遭うと自分では全面的に被害者だと思ってしまいがちですが、一般的な交通事故は当事者双方に責任がある場合が多いといえます。

過失割合は事故状況に応じてある程度の目安が決まっており、車どうしのおもな例を取り上げると以下のようになります。

過失割合(自分:相手) 事故の例
0:10・追突事故(駐停車中に追突された場合)
・もらい事故
1:9・優先道路を走行していて起きた事故
・駐車場などの敷地に右折で進入しようとしている車両との事故
2:8・直進車(自分)と右折車の事故
・相手がいる側に一時停止規制がある交差点内での事故
・相手の車のUターン時の事故
3:7・同じ方向に走行する車の事故(相手の車が進路変更する際の事故
・高速道路の合流地点で本線を走行していた場合の事故)
4:6・道幅が同じ交差点内で自分が左方車のときの事故
・高速道路で駐停車したことによる追突事故
5:5・駐車場内の交差点での出合い頭の事故

※ここで示す過失割合はあくまで例ですので、実際とは異なる場合もあります。

過失割合の例

上記のように、交通事故が起こった状況によって過失割合は違ってきます。

過去に起こった交通事故の事例をもとに、自分がどのケースに当てはまるのかを把握しておくことが重要です。

個別の事故状況を加味する「修正要素」が影響することも

過失割合を考えるうえでは「修正要素」についても理解しておく必要があります。

過失割合の「修正要素」とは
個別の事故状況を考慮して過失割合を修正するものであり、加算要素・減算要素の2種類に分けられます。

車どうしの事故の場合、下記のような修正要素に当てはまるときには5%~20%程度、過失割合が加算・減算されるケースがあります

事故状況をしっかりと確認したうえで、疑問に感じる部分は専門家である弁護士に相談してみましょう。

修正要素の例
著しい過失 ・脇見運転など前方不注視が著しい場合
・酒気帯び運転
・時速15キロ以上30キロ未満のスピード超過違反
・著しいハンドルまたはブレーキの操作ミス など
上記のケースに当てはまる場合は、加算要素となります
重過失 ・居眠り運転
・無免許運転
・酒酔い運転
・時速30キロ以上のスピード超過違反
・嫌がらせ運転 など
上記のケースに当てはまる場合は、加算要素となります
直近右折 直進車の至近距離で右折するケースです。交差点で直進車が停止線を越えた後の右折などが挙げられ、右折車の過失割合の加算要素となります。
早回り右折 交差点の中心の内側を進行する右折の方法ではない右折のことを指します。右折車の行動によって事故の可能性が増すため、右折車側の加算要素となります。
大回り右折 中央に寄らないで行う右折を指します。右折車側の加算要素となります。
既右折 右折しようとする対向車が直進車線に入っているときに、直進車が注意すれば事故が避けられた場合のケースです。右折車に有利な事情として、減算要素となります。
道路交通法第50条違反の直進 交差点などへの進入が禁止される状況で交差点へ進行した場合を指します。交差点に進入した側の加算要素となります。

自賠責保険は過失割合での減額がない場合もある

交通事故において、自賠責保険から補償が行われるケースがあります。

自賠責保険から慰謝料が支払われる場合には、被害者の過失が70%未満であれば、過失割合による減額は行われないことになっています。

これは、自賠責保険の目的が被害者を保護することにあるためであり、重大な過失がある場合を除いては減額されないのです。

自賠責保険における、過失割合に応じた減額割合一覧

自賠責保険での慰謝料減額の割合は以下のようになります。

減額適用上の被害者の過失割合 減額割合
後遺障害あり、または死亡 傷害
70%未満 減額なし 減額なし
70%~80%未満 20%減額 20%減額
80%~90%未満 30%減額
90%~100%未満 50%減額

参照元:国土交通省「自動車損害賠償責任保険の保険金等及び自動車損害賠償責任共済の共済金等の支払基準」

ただし、後遺傷害がない傷害事故の場合、自賠責保険では慰謝料や治療費などを含めて上限120万円までしか補償されない点は注意が必要です。

過失割合を決める際の注意点とは?

過失割合は警察が決めるのではなく、「別冊判例タイムズNo.38」などの書籍や過去の裁判例をもとに、相手方との話し合いによって決められます。

「交通事故証明書」は警察への届け出を行うことで発行されますが、あくまで事故が起こった事実を示す証明書であり、過失割合が記載されているわけではありません。

これは「民事不介入の原則」から、警察は過失割合について関与しないことになっているからです。

しかし、一般の方が保険会社と示談交渉を進めるときには注意が必要です。

保険会社の提示する過失割合が妥当とはかぎらない

保険会社から提示された過失割合をそのまま受け入れてしまうと、後から「納得できない」と感じてしまうこともあるでしょう

ここでは、自転車対自動車の追突事故の事例を1つ紹介します。

【事故の事例】 女性・76歳

自転車で停車中に、後ろから来た軽自動車に追突され、入院1ヶ月+通院10ヶ月のケガを負いました。
これは本来であれば追突された方の過失割合はゼロとなる可能性が高い事例ですが、自転車にまたがっていたという理由で過失割合15:85とされました。
そのため、損害額のすべての項目から15%が引かれてしまったのです。
この方は、事故後の段階では相手側の対応は良心的だと感じ、自身も疑問を覚えようがなかったので、弁護士への依頼は行いませんでした。
しかし今では、弁護士に依頼することで慰謝料などの増額が目指せることを知っていたなら、依頼を検討していたかもしれないと振り返っています。

追突事故の被害に遭って、いきなり過失割合と言われても、一般の方にはどのラインが適正な水準なのか判断しづらいものです。

過失割合の判断に自信がないときは、交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に相談をすることでより望ましい結果になりやすいといえるでしょう。

<弁護士のここがポイント>
交通事故の過失割合は当事者間の話し合いによって決まりますが、交渉を進めるうえでは注意も必要です。過失割合は事故状況に応じて異なってくるため、まずは適正な水準を把握しておくことが大切です。しかし、一般の方には判断がつきづらい部分もあるので、迷ったときは交通事故案件を多く解決してきた弁護士に相談をしてみましょう。

過失割合0:10の場合は自身の保険会社は交渉してくれない

ご本人の過失割合がゼロとなる場合(追突事故・もらい事故など)では、加入する任意保険会社は示談交渉に関与してくれません。

これは相手側に対して補償すべきものがないからであり、過失割合が0:10となるときは自ら示談交渉を進めていく必要があります。

しかし、一般の方が保険会社を相手に交渉を進めるのは大変です。

相手が提示してくる示談金(損害賠償金)に納得ができなくても、どのように対処すればいいか困ってしまう場面もあるでしょう。

示談交渉が面倒だからといって、安易に示談を成立させてしまえば、後から悔やむことにもつながりかねません。

相手の言い分をふまえたうえで、慎重に対応することが必要です。

過失割合が0:10の場合について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。

過失割合や慰謝料について弁護士に相談するメリット

相手側が提示してくる慰謝料や過失割合に納得できないときは、調停やADR(裁判外紛争解決手続)を利用して解決を図ることもできます。

第三者が中立的な立場で解決を図ってくれますが、必ずしも要望した事情が反映されるわけではなく、納得のいく結果を得られるとはかぎりません。

適正な補償を受けるためには、交通事故案件解決の実績が豊富な弁護士へ依頼をすることも検討してみましょう。

弁護士に依頼をすれば、適正な慰謝料の請求をはじめ、保険会社との交渉を任せることもできます。

複雑な交渉を任せられることで、精神的な負担を軽減できるでしょう。

ここでは、交通事故案件を弁護士に依頼するメリットを紹介します。

1.適正な過失割合がわかる

過失割合は相手方との話し合いによって決まりますが、一般の方には適正な基準がわかりづらいものです。

相手の保険会社も過去の裁判例などをもとに過失割合を提示してくることが多いですが、必ずしも個別の事情をくみ取ってくれるわけではありません。

専門的な知識を備えた弁護士に依頼をすることで、妥当な過失割合の基準を知ることができます。

示談金(損害賠償金)が高額になるほど、過失割合がわずかに違うだけでも大きな影響が出てくるので注意が必要です。

弁護士に相談して、適正な過失割合の基準を把握してみましょう。

2.納得できる過失割合に変更できる可能性がある

過失割合について納得できないときは、弁護士に依頼をすることで変更できる可能性もあります。

過失割合の変更が可能

過去の裁判例と照らし合わせるだけでなく、最新の裁判例や個別の事情、修正要素などをふまえたうえで相手方に主張できるからです。

弁護士に依頼をしたからといって、必ずしも過失割合が変更できるわけではありませんが、交渉自体を行ってもらうのは大切です。

弁護士を通じて示談交渉を進めることで、相手の保険会社も適切な対応をとってくれる場合があります。

不利な過失割合を受け入れてしまうのではなく、粘り強く交渉を進めてみましょう。

3.受け取れる示談金(損害賠償金)が増える可能性がある

弁護士に依頼をすれば、慰謝料などの示談金(損害賠償金)を「弁護士基準(裁判基準)」で請求できます。

弁護士基準(裁判基準)は弁護士に依頼した場合や裁判を起こした場合に参考にされるもので、計算基準の中では最も高額になる可能性が高いことが特徴です。

示談金(損害賠償金)が高額になったり、請求する項目が複数あったりする場合ほど、計算基準の違いによって請求可能な金額にも大きな違いが出てきます。

自分で請求する場合はそもそもどのような項目で請求できるのかわからない場合も多いですが、弁護士に依頼をすれば請求可能な項目をきちんと網羅できるでしょう。

納得できる示談金(損害賠償金)を受け取るためにも、弁護士に相談をしてみましょう。

4.交渉を任せて精神的な負担を減らせる

ケガの治療を続けながら、相手の保険会社とやりとりを行うのは、負担に感じてしまう部分も少なくありません。

やりとりが面倒だからといって、安易に妥協をすると後悔してしまう場合もあります。

交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に依頼をすれば、保険会社とのやりとりや示談交渉を任せられます。

ほとんど相手方と直接やりとりをせずに済むため、時間的・精神的な負担を軽減できるでしょう。

弁護士は示談交渉を代行してくれる

交通事故においてはさまざまなことに対応しなければならないため、どのように負担を減らすかが重要です。

依頼者の立場に立って寄り添ってくれる弁護士を見つけて、少しでも負担を減らしてみましょう。

5.後遺障害の等級認定手続をサポートしてもらえる

ケガの治療を続けても完治せず後遺症が残ってしまった場合、「後遺障害の等級認定手続」を行うことが重要です。

後遺障害と認定されれば、等級に応じて後遺障害慰謝料や逸失利益の請求を行えます

しかし等級認定手続には専門的な知識が必要であり、申請のための書類を集めるのも大変な作業です。

どうにか自分で申請をしたとしても、実際の症状に見合った等級に認定されるとはかぎりません。

後遺障害の等級認定手続は、弁護士にサポートしてもらうことが可能です。 弁護士から申請にあたって大事なポイントや医師とのやりとりのアドバイスを受けられるので、スムーズに手続きを進めやすいうえ、納得のいく結果を得やすいといえるでしょう

弁護士依頼するメリットについて、詳しくはこちらの記事もご参照ください。

【まとめ】交通事故の過失割合は慰謝料に影響する!納得できない場合は弁護士へ相談を

交通事故の過失割合を巡っては、当事者どうしでもめやすいポイントです。

示談交渉がいつまでもまとまらなければ、必要な補償が受けられずに困ってしまう場合もあるでしょう。

過失割合は相手方との話し合いによって決められますが、一般の方が自分で交渉するのは難しい面があります。

交通事故案件の解決実績が豊富な弁護士に依頼をすることで、納得できる形で交渉を進めることが可能になるといえます。

弁護士法人・響では、年間を通じて交通事故案件に関する多くのご相談を承っております。

初めての方でもご納得いただけるよう、ていねいな対応を心がけておりますので、どんなに小さなお悩みでもお気軽にお問い合わせください。

1日も早く問題を解決して、元の生活を取り戻せるようにお手伝いをさせていただきます。

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この記事の監修者
西川 研一
弁護士
西川 研一Kenichi Nishikawa
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