2021.10.28 2021.11.12

交通事故の慰謝料金額は増額できる?保険会社と交渉する方法まとめ

交通事故に遭った場合の慰謝料は増額できる場合があります。

しかしそのためには、相手側の保険会社と示談交渉をする必要があります。

この記事では、慰謝料の増額のしくみや、増額するための方法をご紹介します。

慰謝料が増額される仕組みとは?

最近はインターネットで「慰謝料増額事例」をよく見かけますよね。

慰謝料が増額される仕組みは「慰謝料の計算方法の違い」です。

保険会社の慰謝料の計算方法は「自賠責保険基準」によって計算された方法です。多くの体験談で見かけられる増額された慰謝料は「弁護士基準」で計算された慰謝料です。

自賠責保険は、車を所有している人に国が加入を義務付けている「最低限の被害者救済」保険なので、慰謝料の基準も最低限に設定されているのです。

慰謝料が増額されているケースのほとんどが、自賠責保険の基準ではなく、弁護士基準で計算されています。つまり、弁護士に依頼したから慰謝料が増額しているのです。

慰謝料とは?
慰謝料とは、事故によって受けた精神的な苦痛に対する補償を指します。病院の治療費や車両(車・バイク・自転車)の修理代などとは別に受け取れる「示談金(損害賠償金)」の一部です。
慰謝料は原則として傷害(ケガ)がある場合に請求でき、「入通院(入院・通院)慰謝料」「後遺障害慰謝料」「死亡慰謝料」の3つの種類があります。

慰謝料を増額したいなら弁護士に依頼する

弁護士に依頼するメリットは多数ありますが、一番は「受け取ることができる慰謝料の総額が大幅に増額すること」です。

交通事故のけがにおける慰謝料の計算方法は、「自賠責保険基準」「任意保険基準」と「弁護士基準」の3通りがあります。

慰謝料の計算基準

一般の方が保険会社と直接交渉している場合に適用される算定基準は、「自賠責保険基準」か「任意保険基準」です。

保険会社は、任意保険基準に基づき、慰謝料を提示してきます。裁判基準で得られるはずの金額が提示されることはほとんどありません。

慰謝料の増額を目指したいのであれば、弁護士に依頼することが好ましいです。

慰謝料の仕組みや金額の詳細について詳しくはこちらの記事をご参照ください。 ​

慰謝料増額事由の具体例

慰謝料が相場よりも増額されるケースはまれにあります。

比較的多いのが「事故形態」による増額です。

相手が飲酒運転や違法薬物を吸引している状態で運転をしていて事故を起こした場合や、著しく危険な運転を繰り返して事故を起こした場合などです。

また、顔に大きな傷跡が残った場合や味覚や嗅覚に異常が残った場合などは、後遺障害賠償金とは別に、慰謝料が増額されることもあります。基本的にはこのような特殊な事情が無ければ、慰謝料が相場よりも増額されることはありません。

通常の事故で慰謝料増額を望むのであれば、弁護士に相談することを検討してください。

慰謝料増額が困難なケースとは?

弁護士へ依頼しても、慰謝料増額が厳しいケースがあります。

それは 「すでに示談書を取り交わしている(示談が成立している)場合」です。

示談書に署名捺印した後に慰謝料を増額を要求しても取り合ってもらえません。弁護士に依頼しても示談が完了していれば、慰謝料増額は不可能です。

また、増額はできるけど増額幅が少ないケースもあります。それが通院日数が少ない場合です。

事故日から1回や2回程度しか通わずに放置してしまった場合もいくら弁護士といえども大幅な増額は厳しくなります。

入院・通院していないのにケガの慰謝料を求めることは困難です。

慰謝料を増額するための重要なポイント

交通事故の示談交渉の大事なポイントは、すべての損害額が明らかになるまで示談交渉を進めない点です。

ケガが「完治」もしくは「症状固定」となる前に、相手の保険会社から「治療費の打ち切り」を迫られる状況もあります。

軽度の捻挫や打撲の場合、事故後から3ヶ月~6ヶ月を経過する頃に保険会社から「もう治ったのではないか」などと言われることが多いようですが、 医師から「完治」や「症状固定」の診断をもらうまで、きちんと治療を継続することが大切です。

症状固定とは
治療を続けても症状が改善しない状態のことを指します。
症状固定とは

まだ完治していないのに治療費打ち切りに応じて示談を終了してしまうと、その治療費や交通費、慰謝料、休業損害は請求できなくなります。

慰謝料を増額したいのであれば、安易に「治療費打ち切り」に応じるべきではありません。

\ 示談交渉のポイント /

交通事故の示談交渉の大事なポイントは、すべての損害額が明らかになるまで示談交渉を進めない点です。

「症状固定」となる前に相手の保険会社から「治療費の打ち切り」を迫られてもきちんと治療を継続して完治もしくは症状固定を確認してから示談交渉を行いましょう

後遺障害等級認定されると慰謝料も増額する

症状固定と診断されたあとに後遺症が残った場合は、後遺障害認定を申請しましょう。

後遺障害の等級が認定されると、「後遺障害慰謝料」も請求できるので、慰謝料が増額できるのです。

後遺障害は症状に応じて1級から14級までの等級が決められており、後遺障害慰謝料も等級に応じて計算されます。

自賠責保険の基準では、14級の後遺障害慰謝料は32万円、13級は57万円、12級は94万円です。

等級が高くなると、もらえる慰謝料は増額されることになります。

後遺障害の申請には、医師に「後遺傷害診断書」を書いてもらう必要があります。

しかし必ずしも医師が後遺障害の等級申請に精通しているとは限らないため、予め弁護士に相談しておくとよいでしょう。

早い段階で弁護士に相談しておくことで、治療時の注意点や診断書の書き方などのアドバイスをもらうこともでき安心といえます。

後遺障害について詳しくはこちらの記事をご参照ください。 ​

休業損害を受け取る最適な方法

休業損害を適正な金額で請求する方法の1つは「弁護士に依頼すること」です。

休業損害とは、会社員や主婦などが事故のケガが原因で働くことができず、お休みをした場合に受け取ることができる賠償金です。

しかし「今日は体が痛いから休む」と言って勝手に休んでも支払われません。医師から「安静」を指示された期間が認定されます。

休業損害の受取額を増額させるためには「多く休業する」もしくは「1日当たりの損害額を増額する」しかありません。

しかし、休業日数を勝手に増やすことはできませんし、休業が長引くと職を失うことになりかねません。

そうなると残された道は「1日当たりの損害額の増額」です。

適切な交渉によって、休業損害を大幅に増額させることができる可能性が高いのは「自営業者」や「専業主婦」ですが、サラリーマンも増額の可能性があります。

休業損害について詳しくはこちらの記事をご参照ください。 ​

過失割合を下げる重要性

過失割合交渉といえば、物損事故と思われがちですが、人身の賠償金を決定する時にも大きな役割があります。

自賠責保険の範囲内であれば、ご自身さんの過失割合がよほど大きくない限り、全く過失割合は加味されず、慰謝料や治療費は支払われます。

しかし、自賠責保険の限度額(後遺障害がない場合は120万円)を超えてしまうと、慰謝料や治療費などのすべての賠償金に過失割合がかけられるのです。

例えば、賠償金の総額400万円の場合、自身の過失が1割なら360万円、2割なら320万円に減額されます。

治療費や薬代などの保険会社から直接医療機関に支払っている分を減額する訳にはいきませんので、慰謝料や休業損害などから医療費分も差し引かれます。

過失割合が1割違うだけで受け取ることができる、慰謝料が大きく変わりますので、過失交渉は慎重に行ってください。

過失割合について詳しくはこちらの記事をご参照ください。 ​

判例活用で慰謝料増額は期待できる?

個人が保険会社相手に交渉している場合、「過去の判例」を提示し慰謝料増額を目指する例が増えています。

しかし、過去の判例を活用するにしても交通事故の案件や、事故の状況説明の知識がないとかなり難しいです。

その点、交通事故の案件に強い弁護士に依頼をすれば、示談交渉に必要な情報を収集してくれるでしょう。

判例について詳しくはこちらの記事をご参照ください。 ​

慰謝料の補完的作用とは?

「慰謝料の補完的作用」とは、他でカバーしきれない損害を「慰謝料」という名目で増額することです。

例えば、交通事故で顔に大きな傷跡が残った場合、傷の大きさに応じて慰謝料が認定されますが、「逸失利益」は認定されません。

逸失利益とは「事故でケガをしたために、将来にわたって得ることができたはずの報酬が減額された」場合などに支払われるお金です。

例えば、トラックの運転手さんが腰に後遺障害を負ってしまったら、事故前と同じように働くことはできませんよね。その分を補償するのが逸失利益です。

では、先ほどの、顔に大きな傷跡が残ってしまったケースはどうでしょうか?

顔に傷跡が残ったとはいえ、他の部分が健康であれば仕事の報酬に変わりはないとみなされるので、逸失利益を受け取ることはできません。

しかし実際には「顔に傷が残ったこと」で深く傷つき、仕事に専念することができなくなったり、仕事量が減ってしまったりすることがあるかもしれません。

このような「不確定ながらも将来、不利益を被る可能性があること」をカバーするために「慰謝料が増額」される場合もあります。

逸失利益についてはこちらの記事もご参照ください。 ​

交通事故の慰謝料を増額するには弁護士に依頼

ここまでご紹介したように、慰謝料は増額できる可能性があります。

しかしそのためには、相手の保険会社 交通事故に遭ってしまうと、ケガの治療と並行して相手の保険会社とのやりとり(示談交渉)を進めなければなりません。

不慣れなやりとりを行なうには不安も大きく、また保険会社は高圧的な態度で接してくる場合もあるためストレスを感じることもあります。

また、相手の保険会社の提示する示談金額に納得がいかない場合もあるでしょう。

弁護士に相談・依頼をすれば、相手方の保険会社とのやりとりなどを代行してもらえます。

弁護士に相談することで得られるメリットは、おもに以下の4つです。

\ メリット /
  • 精神的な負担を減らせる
  • 納得できる過失割合に変更できる可能性がある
  • 受け取れる示談金が増える可能性がある
  • 後遺障害の等級認定手続きを代行してもらえる

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