コロナ禍による派遣切りと母親の入院で借金生活に…。それでも生活の再生はできるし、夢だって持てる!

この記事は弁護士法人・響のPRを含みます

Eさん(32歳・男性)

経験したこと:任意整理
債務整理をした時期:約5年前
借金の総額:約80万円

この企画の趣旨

世の中には、債務整理に対して「最後の手段」といったイメージが強くあります。
しかし債務整理は「終わり」ではなく、平穏な日々を取り戻す「再生の始まり」です。

この企画は、債務整理を経験した方々にお話をうかがい、どういった経緯で借金をするようになったのか、そして「そんな生活をいかに再建し、現在はどんな生活をしているのか」という部分にもフォーカスしたドキュメンタリーです。

※本企画は、債務整理をより多角的に理解してもらうことを目的としています。特定の手続き・成果を保証するものではありません
※弁護士法人・響で受任した案件ではありません

2020年、コロナ禍の影響で多くの人々が経済的困難に直面しました。債務整理ドキュメンタリー第2回目は、当時(27歳ごろ)派遣社員として働いていた男性の物語。

コロナによる雇用喪失と母親の入院という二重の困難に直面して借金を抱えることになった経緯と、その後の債務整理による再建の道のりを語っていただきました。

※以下のコンテンツは、債務整理を経験した方に実際のエピソードをお聞きし「ご本人が語っている文体」として編集部が執筆したものです。

目次

プロローグ

スマホでラーメンの写真を撮る男性

私は現在、スーパーマーケットの正社員として働いています。

小売業なので忙しい時期もあったり、しばしば残業があったりもしますが、おおむね週休2日の休みは取れているし、ワークライフバランス的にも問題なく働けています。

休日にハマっているのは、おいしいものを食べに行って、写真をインスタグラムに投稿すること!

インスタにはおいしそうな料理の写真を投稿している人がたくさんいますが、私もそういった投稿を楽しんでます。まぁ、別にフォロワーを増やしたいとかじゃなくて、ただの自己満足なんですけどね。

なぜそんなことが楽しいのかって…?

それは、今まではこういったことができなかったから。以前は外食なんてありえなかったし、自炊をするにしても、モヤシとか、割引シールが貼られた肉とかを炒めるくらい。毎日毎日同じようなものばかりで、食事を楽しむ余裕なんてまったくありませんでした。

それがようやく、おいしいものも食べに行けるようになれたんですから…そりゃあ楽しいですよ。

なぜ、私がかつてそんな生活をしていたのか。そこからどうやって立ち直ったのか。

これからそれをお話ししようと思います。

派遣切り、そして当面の生活資金…から始まった借金の連鎖

私はかつて、とある会社のコールセンターで派遣社員として勤務していました。オフィスには机と電話がずらっと並んでいて、そこで電話を受けるような業務ですね。

しばらくは何事もなく働けていたのですが…。
すべてが変わったのは2020年、コロナ禍がきっかけでした。

当時、感染拡大を防ぐためには「ソーシャルディスタンス」が大事だと騒がれましたよね。

コロナ前はオフィスに電話と机がずらりと並んでいたのですが、コロナによって席のスペースを2mくらい空けなきゃならなくなって。席数は減らさなきゃいけない、でもオフィスを拡大することもできない…ということから、派遣切りに遭いました。

当時の派遣社員の3~4割くらいは契約を打ち切られたと思います。

派遣切りに遭ってから、もちろん次の仕事を探しましたし、応募もしたのですが…採用には至りませんでした。コロナ関連の給付金の申請もしたのですが却下されてしまい、仕方なく、当面の生活資金として消費者金融から30万円を借りました。

そして、いつまでも無職のままではいられないので、現在務めているスーパーでアルバイトを始めました。

借金についてはそこで返済をしていく予定だったのですが…。

2021年に、母がけっこう大きな病気になってしまったんです。もともと病気ではあったのですが、それがかなり進行してしまって…。

母は入院費用を払えるような状態ではないし、私の親戚はみんな高齢者ばかりで誰も頼ることができなかったので、別の消費者金融から50万円を借りて、母の入院費用に充てました。

そこから、生活がかなり苦しくなっていきました。

私の実家は電車で何時間もかかるところにあり、母はその街の病院に入院していたので、面会するにも交通費がかなりかかるんです。

一度往復しただけで2~3万円はかかり、面会したり洗濯物を洗ったりするために、その距離を定期的に移動しなければならなくなりました。

当時は給料も今よりかなり低かったので、借金の返済はまったく進まなくなり、すぐに「返済のための借金」をするような状態に陥りました。

一方の消費者金融に少し返済すると借りられる枠が空くので、そこで借りたお金をもう一方の消費者金融の返済に回す…という感じです。

当然、借金を借金で返しているだけですから、いつまで経っても終わりません。

そして母の状態も一向に良くならないまま、借金を借金で返しながら病院に通う生活を半年くらいは続けたのではないかと思います。

電車でお見舞いに行く男性

終わりがない生活に気づき債務整理を決断

借金の自転車操業を続けていくうちに、返済日にお金をそろえることができなくなって、滞納するようにもなりました。

手紙や電話が来るようになり、遅れてしまった理由を説明するようなこともありました。

コロナ禍だったので事情を説明したら多少は理解してくれたのですが「これが続くと、もうこの先は借りられなくなりますよ」ということも言われて…。

その他にもいろいろなことを言われたと思うのですが、当時のことはあまり思い出したくないというか、辛い記憶なのでよく覚えていないというか…。

でも、そんな督促に追われるようになって、決心がつきました。こんな日々をいくら続けたって、借金で借金を返しているだけで終わりがない。この状況を改善させるためのことをしよう、と。

そういった悩みをネットで調べてみたら債務整理という方法があることを知り、その流れで見つけた弁護士事務所に相談することにしました。

まずは電話で、オペレーターの方にいろいろと現状を説明して、事務所に足を運んで弁護士さんに相談しました。

相談する前は「怒られたりするのかな…」という怖さがあったんですが、話してみればまったくそんなことはなく「若いのによく決断しましたね」という言葉をかけてくれて。「もうこの方にすべてお任せしよう」と感じたことを覚えています。

債務整理の方法としては『任意整理』を選び、「利息を大幅に削ったうえで、長期分割を組んで、しっかり元本を返していきましょう」ということになりました。

他にも債務整理の方法としては自己破産があることを教えてもらったんですが、それだと官報に載ると言われて…。

編集部のワンポイント解説

債務整理の方法には自己破産や個人再生もありますが、それらは「官報(政府が発行している新聞のようなもの)」に住所・氏名が載るというデメリットがあります。

官報なんて誰も見ないだろうけど、やっぱりどこで誰が見てるかわからないし、親にも職場にもバレたくなかったので任意整理を選びました。

それからは、督促も止まりましたし、月々の支払額も減ったのでだいぶ楽になったんです。

まずは弁護士費用を分割で支払っていったのですが、それは毎月2万円くらい。それまで借金返済のために月3万円くらいは支払っていたので、それよりも低くなったので生活としては助かりました。

もちろん安くはない金額ですが、でもこれで「借金が終わらない生活」から抜け出せるのだから不満はありませんでしたね。債務整理したことで前より利息が大幅に減って、返せば返すほど元金が減っていくようになったので、そこは本当に助かりました。

借金自体の返済は弁護士費用を払い終えてから始まりましたが、そこからは毎月の返済額が5,000円くらいになったので、生活がぐんと楽になりました。

実は返済期間中にアルバイトから社員になることもできて、ボーナスももらえるようになったんです。そういうときはまとめて返したりして、だんだんとゴールが見えてきました。

完済するまでは2年ほどかかりましたが、完済したときは背中に背負った十字架を下ろしたような、ホッとした気持ちに包まれたことを覚えています。

債務整理をしたことによって不便さを感じる場面というのも、特にありませんでした。クレジットカードが使えなくなったのは確かに不便でしたが、私にとってそこまで大きな問題ではないというか。

以前はカード払いにしていた光熱費がコンビニ払いになったという手間はありましたが、不便さを感じたのはそのくらい。

私は人付き合いもあまり多い方ではないので、人前でカードを出すような場面もなかったですし、たまに飲み会などがあっても現金で払っていれば特に問題はありません。

実は返済期間中に母が亡くなり、そのときはちょっとしんどかったですが、でもつらかったのはそのときぐらいだったような気がします。

債務整理によって、今後の人生に希望が持つことができた

スーパーマーケットで働く男性

今、債務整理を振り返ってみると「決断して良かった」と思います。

だって、借金があるときは常に不安を抱えていましたから…。

「もし借金を返せないまま給料が差し押さえになってしまったらどうしよう」とか、そんな怖さがずっとありました。今はそういった不安がまったくなく働けていることが嬉しいですね。

それに今は、「役職者になってもっと給料を上げる」という目標も持つことができました。役職者になるためには試験に合格しなければならないので、今はそれに向かって頑張っているところです。

あとは…男女の付き合いにも前向きになれたのも大きなところです。

借金を背負っているときはやっぱり「バレるのが怖い」という思いもあって、そういう付き合いには踏み込めなかったんです。でも今後はそういう不安がないというのが嬉しいですね。

もちろん「相手が見つかれば」ですが、今後の人生が楽しみです。

もし今、借金で悩んでいる人にアドバイスをするとしたら「とりあえず弁護士や司法書士に相談しては?」と言いたいです。実際に債務整理をするにせよしないにせよ、一人で抱え込まない方がいい。

家族や友人にバレるのが不安という人も多いと思いますが、それは相談に乗ってくれるし、私は誰にもバレずに完済することができました。

だから「まずは相談を」と思いますね。相談すればどうにかなると思いますし、実際に私はどうにかなったのですから。

取材後記

Eさんの場合、借金に至った理由が「派遣切りと母親の入院」という不可抗力の事情であることを考えると非常に気の毒ですが、こういったことも起こり得るのが現代社会の冷酷な一面でもあります。

しかし、現在のEさんはそこから抜け出しているのも事実。もしも自力で返済ができなくなったとしても、再生の道がある。そんな希望があることもまた、現代社会の一面なのだということを強く実感しました。

現在Eさんは、外食をしてインスタグラムの投稿を楽しんだり、目標を持って仕事に取り組んだり、夢を持って毎日を送っています。Eさんのエピソードは「債務整理は再生のきっかけ」であることを証明する代表例であるような気がしました。