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自己破産とは?弁護士や破産者に聞くメリットデメリットと手続きの流れ

更新日アイコン2022.05.16

自己破産は、どれだけ借金があってもすべて免除されるという大きなメリットがあります。

借金が帳消し…。そんな都合のいいことがあるの?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、「破産法」という法律で定められた、れっきとした制度です。

ただし、誰でも気軽に利用できる、わけではありません。裁判所の手続きには時間がかかりますし、一定以上の財産を手放すことになるなど、デメリットもあります。
自己破産を検討する前に、自己破産の制度についてしっかり理解しておく必要があります。

この記事では、自己破産を検討している方に向けて、自己破産の制度や考え方からメリット・デメリット、そして、その他の選択肢について、弁護士法人・響の澁谷弁護士にインタビューをもとに、わかりやすく解説。

また、自己破産を経験した100人への調査結果をもとに、「実際に自己破産をするとどうなるか?」についても詳しく紹介していきます。

■自己破産のポイント

  • 自己破産は「債務者が経済的に再起を果たす」ための制度
  • 一定以上の価値のある財産は処分されるものの、生活に必要な財産は残せる
  • 仕事や結婚、戸籍や選挙権などへの影響は少ない
  • 自己破産後5〜10年はクレジットカードやローンの利用ができない
  • 自己破産以外にも任意整理や個人再生などで借金を減らせる可能性も
  • 自己破産経験者の7割以上が「後悔していない」

自己破産は、財産を失う代わりに、借金をほぼゼロにできる法的な手続きです。メリットが大きい分、デメリットも少なからずありますが、自己破産が経済的な再生のきっかけとなるのは、確かです。

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目次

まずは自己破産の基礎知識や必要性について理解しましょう。弁護士法人・響の澁谷弁護士にお話を伺いました。

Profile
弁護士法人・響 弁護士
澁谷 望

コメント
理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。

自己破産とは?その意義とメリット・デメリット

自己破産とは、ほぼすべての借金の返済義務が免除される、法的な手続きのことで、借金の返済が不可能になった人が裁判所に申し立てを行うことで、手続きが始まります。

2019年の申立件数は、7万3095件にものぼりました。自己破産をすると、不動産や自動車など、一定以上の価値のある所有している財産を売却・精算し、債権者(借入先)への返済にあてることになります。

簡単にまとめると、自己破産のメリットは借金がゼロになることですが、デメリットは所有している財産を失うことです。

自己破産の意義

借金がすべて免除されると聞くと、「そんな都合のいい制度がどうしてあるの?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。
結論からいえば、自己破産は「債務者が経済的に再起を果たす」ための制度として、大きな意義があります。

「そもそも自己破産は『破産法』という法律で定められた制度です。破産法1条に『経済生活の再生の機会の確保』と明記されているように、自己破産の一番の目的は借金で困っている人の救済です。

借金が膨れ上がると、いくら返済しても利息を払うのが精一杯で元金が減りません。これでは借金を返すためだけに生きているようなもの。自己破産をすれば、そんな生活をリセットでき、人生を立て直せるのです。」

一方で、自己破産には「債権者の保護」という側面もあります。債務者が借金を支払えなくなったとき、債権者が個別に強制執行すると、「早いもの勝ち」になり、債権を回収できない債権者が出てしまい、公平ではありません。

自己破産の手続きを行えば、債務者の財産を売却・精算したお金を、債権者に公平に分配することができます。

続きを読む

破産法第一条

この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。

引用元:破産法第一条

自己破産の5つのメリット

自己破産の主なメリットは、以下のとおりです。

  • 借金の支払義務を免除できる
  • 金融機関からの取り立てや強制執行を解除できる
  • 生活保護受給者や無職でも手続き可能
  • 自己破産後に得た財産は没収されない
  • 生活に必要な財産は残せる

借金の支払義務を免除できる

自己破産の1番のメリットは、ほぼすべての借金について支払う必要がなくなること。借金問題から解放され、生活を立て直すきっかけになります。

金融機関からの取り立てや強制執行を解除できる

弁護士に自己破産を依頼すると、弁護士は金融機関など各債権者にたいして「受任通知」を送ります。受任通知には、取り立てを停止させる法的な効力があります。

生活保護受給者や無職でも手続き可能

生活保護を受給していたり、無職で収入が途絶えていたりしている人も、自己破産の申立は可能です。
自己破産の手続きには費用がかかりますが、一定の条件を満たせば、「法テラス」による無料法律相談や弁護士費用の立替などを利用できます。

自己破産後に得た財産は没収されない

自己破産をすると家や車などの財産が没収されますが、自己破産後に得た収入や財産までが没収されることはありません。自己破産によって借金問題を解決した後は、収入も財産も、自由に使うことができます。

生活に必要な財産は残せる

自己破産をしても、すべての財産を没収されるわけではありません。前述のとおり、債務者の経済的な再起が自己破産の目的です。生活の立て直しに必要な財産は手元に残せるのです。

自己破産の6つのデメリット

一方、自己破産の主なデメリットは以下のとおりです。

  • 家や車など高額の財産を失う
  • 信用情報機関に事故記録が残る
  • 官報に住所・名前が掲載される
  • 職業や資格に制限がかかる(自己破産の手続き期間のみ)
  • 保証人・連帯保証人に影響がある
  • 引越しや海外渡航・旅行が自由にできなくなる

家や車など高額の財産を失う

原則として、債務者が所有している財産は処分・精算されます。
具体的には、以下に挙げた財産は、どれも基本的には没収されます

  • 不動産
  • 自動車
  • アクセサリーなど貴金属
  • 99万円を超えるの現金
  • 20万円を超える価値の財産(預貯金、生命保険の解約返戻金、退職金、有価証券など)

ただし、債務者の生活の立て直しに必要な一部の財産は、没収されません

  • 家具や家電などの生活必需品
  • 99万円以下の現金
  • 20万円以下の価値の財産など

ちなみに、当サイトが自己破産の経験者100名に「自己破産によって没収された財産はありますか?」と調査したところ、以下のような結果になりました。

現金 29%
26%
26%
預貯金(生命保険の解約返戻金など含む) 30%
アクセサリーなど貴金属 12%
その他 0%
何も没収されなかった 42%

※当サイト調べ。2011年〜2021年10月に自己破産を経験した方が対象

自己破産によって残せる財産と没収される財産については、
自己破産したら全財産がなくなる?財産を残せる条件を解説」の記事で詳しく解説しています。

信用情報機関に事故記録が残る

自己破産を行うと、信用情報に事故記録が残る、いわゆる「ブラックリスト」に載った状態になります。信用情報に事故記録が残るのは5〜10年間です。この間、考えられる影響は以下の5つです。

  • クレジットカードが利用できない
  • ローンやキャッシングなど新たな借り入れができない
  • 携帯電話・スマホの分割払いができない
  • 賃貸住宅に契約できない場合がある
  • 子どもの奨学金の保証人になれない

ちなみに、信用情報には人種や思想、保健医療、犯罪歴などは記録されません。また、本人と加盟している金融機関や貸金業者、信販会社等以外に照会されることはありません。

信用情報については、
ブラックリストの期間はいつまで続く?解除の目安と対処のコツ」の記事で詳しく解説しています。

官報に住所・名前が掲載される

「官報」とは、いわゆる国の広報誌のようなものです。官報には自己破産をした事実と氏名・住所が掲載されます。自己破産をすることで住宅や自動車などの財産を処分・清算するとともに、官報に掲載されます。

ただし、「一般の人が官報を見る機会はほとんどない」といっていいでしょう。官報を見る可能性があるのは、以下のような組織や部署に属している人達です。

  • 信用情報機関
  • 金融機関の官報の情報を確認している部署
  • 不動産業者(主に破産者などの不動産売却を専門としている業者)
  • 官報に依頼して会社の決算公告などの情報を掲載する部署
  • 名簿業者や闇金業者

自己破産により官報にどう記載されるか?友人や会社にバレる可能性については、「自己破産すると官報にいつ掲載される?家族や会社にバレる可能性は?」の記事で詳しく解説しています。

職業や資格に制限がかかる(自己破産の手続き期間のみ)

裁判所での自己破産の手続き中は、以下のような職業や資格が制限され、業務に就くことができなくなります。

制限を受ける職業一覧

弁護士、司法書士、弁理士、公証人、公認会計士、税理士、証券会社外務員、旅行業者、宅地建物取引業者、建設業者、不動産鑑定士、土地家屋調査士、生命保険募集人、商品取引所会員、有価証券投資顧問業者、警備業者、風俗営業、質屋など

自己破産の手続きがすべて完了すれば、職業に就くのに制限は解除されます(「復権」といいます)。

保証人・連帯保証人に影響がある

自己破産によって、本人の借金は全額免除になりますが、連帯保証人には返済義務が残ります。そのため保証人は、申立人の代わりに返済することになります。

また、ここで知っておきたいのは、本人が自己破産の手続きに入ると多くの場合で、債権者(借入先)は保証人に対して一括請求を求める点です。

自己破産は、債権者にとっては契約不履行となります。そのため分割で返済をすることができる権利(「期限の利益」といいます)がなくなってしまうのです。

もちろん、保証人が返済するのは保証人付きの借金のみです。とはいえ、保証人が付いている借金は奨学金や不動産といったケースが多く、高額なため一括返済は困難でしょう。場合によっては、本人だけでなく保証人も自己破産を検討する必要があります。
そのため、自己破産をする前に保証人に対しては理解をしてもらう必要があるでしょう。

また「保証人に迷惑をかけたくない」のであれば、任意整理など別の手段もあります。※任意整理については「自己破産以外にも借金を減らす方法がある」の項目で詳しく解説しています。

自己破産による保証人への影響や対処方法については、「自己破産した時の保証人への影響と迷惑をかけずに借金を解決する方法」の記事で詳しく解説しています。

引越しや海外渡航・旅行が自由にできなくなる【自己破産手続きの期間中のみ】

破産開始決定を受けた債務者が引越しや海外渡航をするときは、破産手続きの終結までは裁判所の許可をとらなければなりません。

自己破産手続きを進めるにあたって、いつでも連絡がつく場所にいる必要があるためです。

しかし裁判所の許可が出れば、引越しも渡航も可能で、禁止されているということではありません。

引越しに関する注意点
  • 自己破産の手続き中に引越しをする場合は、事前に破産管財人の同意や裁判所の許可が必要*1
  • 転居後は弁護士を通じて裁判所に住所変更の報告が必要
  • *1 少額管財事件の場合

また、自己破産手続きが終わった後は、引っ越しも海外旅行も制限されることなく自由にできます。

自己破産後の海外旅行について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
自己破産しても海外旅行は可能!渡航で押さえておきたい注意点2つ

弁護士法人・響に自己破産の相談をする

自己破産するとどうなる?その後の生活への影響とよくある誤解

 


「自己破産したらどうなるの?」

澁谷弁護士のもとには日々、借金問題に苦しむ人からの心配の声が届いています。

「相談者のみなさん自己破産について、さまざまな心配を抱えていらっしゃいます。

  • テレビや冷蔵庫などの生活必需品までぜんぶ没収されるんじゃないか?
  • 選挙権を失うんじゃないか?
  • 近所にバレるんじゃないか?

など。しかし、そのなかには事実もあれば、誤解もあります。」

たとえば、自己破産への誤解は以下のような例があります。

  • 選挙権は剥奪されない
  • 戸籍や住民票に記録は残らない
  • 就職・結婚に影響はない
  • 会社から解雇されない
  • 生活保護が受給できない
  • 保険を解約される・保険に入会できない
  • 携帯電話が所持できない

その一方で、自己破産後の生活に影響を及ぼすものも。ここでは以下の3つを取り上げます。

  • 信用情報機関に事故記録が残るため借り入れ・ローンやクレジットカードが利用できない
  • 家族にバレる可能性がある(会社や友人にバレる可能性は高くない)
  • 自己破産後7年間は二度目の自己破産ができない

以下で、それぞれ詳しく解説します。

信用情報機関に事故記録が残るため借り入れ・ローンやクレジットカードが利用できない

自己破産の影響として大きいのは「信用力が落ちること」です。自己破産の免責決定後、個人信用情報機関に事故情報として登録されます。
これが、いわゆる「ブラックリストに載った」状態です。具体的には、次のような影響があります。

  • ローンやキャッシングなど新たな借入ができない
  • クレジットカードが利用できない
  • 他人の借金の保証人になれない
  • 賃貸契約に入居を断られる可能性がある

ローンやキャッシングなど新たな借入ができない

自己破産の手続き後5〜10年間は、ローンやキャッシングなど新たな借入ができません。一部には「自己破産をしても借り入れができる」「審査がゆるい」などと謳う広告を見かけるかもしれませんが、確かなものではありません。

そのため、どうしても緊急でお金が必要になった場合は、クレジットカードではなく、別の手段を使う必要があります。たとえば、行政が窓口となる「緊急小口資金」です。新型コロナウイルス感染症の影響による失業や収入減で困窮した人を対象に、貸付を行っています。

参考:自己破産後の住宅ローンへの影響は?組めた人の体験談や注意点を紹介

クレジットカードが利用できない

現在使用中のカードも、弁護士に依頼した段階で、強制解約されます。そのため、毎月の公共料金や各種のサブスクリプションサービス、ETCなど、支払いを「カード引き落とし」にしていたサービス等は、支払い方法を変更する必要があります。

クレカを使えない生活を想像できない人もいるかもしれませんが、銀行口座からチャージができる各種の電子決済やデビットカードなどで代替すれば、さほど不便ではないようです

参考:自己破産後にクレジットカードは使える?いつから作れるかも紹介

他人の借金の保証人になれない

「自己破産をすると、子どもが奨学金を借りられないのではないか」と心配する人が多いようです。

「確かに、自己破産した本人は奨学金の保証人にはなれません。しかし、保証会社を保証人に据える「機関保証」を利用するなど、対処法はあります。」

携帯・スマホの分割払いができない

携帯・スマホの分割払いもローンの一種。購入時には審査があります。そのため、自己破産後5〜10年間はブラックリストに載っているため、審査に通りにくくなります。
その間は、原則として一括払いで購入する必要があります。購入時の支払い負担が大きくなりますが、型落ちの機種を中古で購入するなどの方法が挙げられます。

賃貸契約に入居を断られる可能性がある

まれなケースですが、賃貸住宅の保証会社が、信販会社だと、入居できない可能性があります。契約前に、保証会社を確認しておきましょう。

参考:自己破産すると賃貸住宅から追い出される?更新や新規契約のポイント

家族や会社・友人にバレる可能性は?

自己破産をしたことが、会社、友人にバレるのは気になるところ。

「結論としては、ゼロではありませんが、可能性は低いといえます。

自己破産をすると、官報に名前や住所が掲載されます。そして官報は誰でも見ることができるものです。しかし現実には、官報を見るのは金融機関や役所の担当者など一部の人に限られていますし、年間7万件以上の破産情報の中から、破産している知り合いを探す人もまずいないでしょう。」

ただし、例外は家族です。裁判所や管財人から自宅に書類が届くこともあれば、家を失う可能性もあるからです。
したがって、自己破産をする前に家族に対しては事情を説明し、協力を得ることが大切です。

参考:自己破産が会社にバレるケース4つと影響|バレないための方法も紹介

その後7年間は二度目の自己破産はできない

法的には、自己破産は「何度でもできる」ものです。

しかし、裁判所からの免責(自己破産の許可が降りること)が降りてから7年間は、次の自己破産はできないという決まりがあります。

また、二度目以降の自己破産は、一度目の自己破産に比べて、条件が厳しくなります。具体的には、前回と同じ理由の借金だと「反省していない、この先も自己破産を繰り返すかもしれない」とみなされてしまう可能性があります。

参考:自己破産は2回できる?免責がおりる2つの条件を弁護士が解説!

「自己破産したことを後悔している?」破産者に聞いたリアルな体験談

自己破産を経験した方に聞ければいいのですが、身近に経験者がいる方も少なく、そもそもデリケートな話題ですので、周囲に聞くのは難しいですよね。

そこで、当サイトでは自己破産を経験した方100人に一斉調査。自己破産がその後の生活にどんな影響を与えたか?についてリアルな声をお届けします。

※以下の経験者様のコメントは原文をそのまま掲載しています。

自己破産したことを後悔していますか?

 


自己破産の決断に「後悔がない・少ない」と答えた方が多いという調査結果でした。

「後悔していない」と回答いただいた方に理由をお聞きしたところ・・・

返済できない1000万円ものお金が常にあることのストレスより、自己破産をしたほうが、精神的にとても良いので、自己破産をしてよかったと思う。自己破産をしなければ家族にまで影響が及ぶので後悔はしていない。

64歳・個人事業主

もう一度人生をやり直したい気持ちがとても強くてずっともがいていたが、どうすることもできずに追い詰められていた。これを全て清算することによって迷惑はかけたものの、自由になれた

52歳・会社員

大病を患ったのが直接の(借金の)原因だったが、心身共にストレスがなくなった。現在では資金ショートする心配は無いと思われる事から破産をして良かったと思っている。

63歳・個人事業主

借金をしたのは自分のせいだし、誰も悪くない。自己破産は法律で認められた方法で気持ちが吹っ切れることができたのが大きかった。

52歳・会社員

「借金がなくなることでストレスを軽減でき、前向きな気持ちになれた」というのがほとんどでした。

一方で、「後悔した」と回答いただいた方もいらっしゃいました。また、「後悔していない」とはいえ、自己破産後の生活が全く不自由がない、というわけでもありません。

自己破産をして困ったことは?

  • クレジットカードが使えないこと66%
  • 家や車などの財産を失ったこと24%
  • 周囲に借金のことがバレてしまったこと12%
  • 保証人に迷惑をかけたこと18%
  • 仕事に悪影響を及ぼしたこと14%
  • その他1%
  • 特に困ったことは無かった・覚えていない16%

※当サイト調べ。過去10年以内に自己破産を経験者した方100名が対象(2021年10月調査)
※重複回答あり

支払いはなくなったけど、その後ローンを組めなくなるとか当時はそこまで深くかんがえていなかったが、車の購入など高価な買い物をしないといけなくなったときに信用がないことで、できなかったりと不便さを感じる。

37歳・会社員

カードが使えなくなったので、あらゆる支払いが滞り、変更手続きをしなくてはならなくなり大変だったから。あとは新しくクレジットカードを作れなくなったので不便に感じる。(自己破産前のように)クレジットカードで自由にに買い物できないのが苦痛でならない。

39歳・主婦

中でも「信用情報機関に事故記録が残る」、それにより「クレジットカードやローンの利用ができない」、がもっとも大きな問題点として挙げられました。

また少数ではあるものの、

会社に知られてクビにならないかという不安にかられた。

35歳・アルバイト

(債権者だった)銀行と信販会社に迷惑をかけてすみませんです。

41歳・会社員

実は自己破産していて、それを内緒にしていたという事実がバレるなんて恥ずかしすぎるし、これからの生活や夫婦関係にも影響する。

26歳・会社員

といった、罪悪感を感じる方もいらっしゃいました。

自己破産は人生を変えるきっかけにはなります。借金の不安がなくなることで、前向きに生活を過ごす方が多くいらっしゃいます。

一方で、クレジットカードが作れない不安もあるでしょうが、デビットカードやPayPayなど、代わりになる手段もあります。

また、手続きの時に家計簿をつけて裁判所に提出する必要があるのですが、これが習慣になり、無理のない範囲で生活するようになった、などいい意味でターニングポイントになったなどのお声もいただくことがあります。

ただし、借金の悩みを解決する方法は自己破産だけではありません。他の債務(借金)整理する方法についても、ぜひ知っておいていただきたいです。

自己破産以外にも借金を減らす方法がある

 


ここまで、自己破産のメリット・デメリットや、自己破産後に待っている生活などについて、紹介してきました。

自己破産とはそもそも「債務者が経済的に再起を果たす」ための制度です。そのあとの人生に大きな悪影響を与えるものではありません。
とはいえ、財産を失うことや、クレジットカードが利用できなくなることなど、デメリットがあることも確かです。

しかし、借金を減らす方法は、自己破産だけではありません。ほかにも、任意整理や個人再生といった、債務整理の方法があります。

任意整理

任意整理は、裁判所を介さずに債権者(借入先)と直接交渉し、借金の減額をはかる方法です。自己破産との主な違いは、以下の通りです。

  • 借金の元金は減額されず、将来利息や遅延損害金をカットする
  • 財産は没収されない
  • 周囲に知られるリスクが低い
  • 保証人に迷惑がかからない

借金の元金は減額されず、将来利息や遅延損害金をカットする

自己破産と違い、借金がゼロになるわけではありません。任意整理をすると、原則として本来支払うはずだった利息や遅延損害金をカットます。

借金の元金は減額できないため、任意整理の手続きのあとも、原則として3年(最長5年)かけて借金を返済していく必要があります。

財産は没収されない

任意整理は自己破産と異なり、「対象となる債権者を選択できる」特徴があります。
住宅ローンや自動車ローンを任意整理の対象から外すことで、大切な財産を没収されずにすみます。

周囲に知られるリスクが低い

官報に名前や住所が掲載されないため、家族や会社にバレることも可能性はさらに小さくなります。裁判所に申し立てる手続きも不要です。

保証人に迷惑がかからない

保証人つきの借金を任意整理の対象から外せば、保証人に返済義務が移ることはありません。

任意整理については、「任意整理とは何か?メリット・デメリット、その後の生活への影響まで徹底解説」の記事で詳しく解説しています。

個人再生

個人再生も、自己破産や任意整理と同じ、債務整理の方法の1つです。

債務者(借りた側)に返済不能のおそれがあることを裁判所に申立てて、再生計画の認可決定を受けることで借金を減額してもらいます。自己破産との主な違いは、以下の通りです。

  • 借金の免除ではなく減額
  • 住宅を残すことができる

借金の免除ではなく減額

自己破産は、ほぼすべての借金の支払い義務がなくなります。

一方、個人再生はそこまで減額幅が大きくありませんが、借金を1/5〜1/10にできます。原則として3年(最長5年)かけて、残りの借金を返済していきます。

住宅を残すことができる

多くの財産を没収されてしまう自己破産とは違い、個人再生は財産を残すことができます。

例えばマイホームも、「住宅ローン特則」を利用し、ローンの返済を続けていくことで、手放さずに済みます。カーローンは債務整理の対象になってしまいますが、ローンを支払い済みなら、残せます。

個人再生については、「個人再生とは?自己破産との違いやデメリットをわかりやすく解説」の記事で詳しく解説しています。

どの債務整理を選ぶべき?

自己破産を含む債務整理には主に3つの手続きがありますが、どの手続きを選べばいいのでしょうか?

実際にこれまで数々の借金問題に向き合ってきた澁谷弁護士によると、
「借金を返せる場合は任意整理で、返せない場合は自己破産を検討し、『家を失いたくない』など不都合がある場合には個人再生、といったところでしょうか。
収入や借入額、所有している財産によって異なるほか、自己破産には『支払不能状態である』という条件もあります。本人の意思だけでは決められないので、弁護士とよく話し合って決めることが大切です。」

まとめ
  • 自己破産→借金を返済する能力がない人が選ぶ
  • 任意整理→借金を返済する能力や意欲がある人が選ぶ
  • 個人再生→マイホームなど、一部の財産を残しつつ借金を減らしたい人が選ぶ

自己破産できる条件は?どんな人が利用している?

自己破産を申し立てるにあたって、借金額や職業などに制限はありません。

2017年破産事件及び個人再生事件記録調査」(日弁連)のデータによると、自己破産をした人の借金額(負債額)でもっとも割合が多いのは、100~200万円(14.86%)、ついで200~300万円(12.36%)となっています。

年代別にみると、40代(26.01%)50代(22,78%)、30代(19.55%)と続きます。

自己破産を検討する基準として多く挙げられるのは、以下の通りです。

  • (住宅ローン以外の)借金総額が年収を超えてしまった
  • 生活保護を受給している
  • 病気や怪我で仕事ができない
  • 借金の返済が3ヶ月以上滞っている
  • 裁判所から差し押さえ通知が届いた
  • 5社以上の金融機関から借金をしている
  • 他の債務整理では解決できない

日弁連のデータによると、自己破産を申し立てた結果、希望どおりに裁判所の免責が降りる確率は96.7%にのぼります。

つまり、ほとんどケースで借金返済が免責されるのです。ただし、以下に挙げる条件を満たさないと、免責されない可能性があるため、注意が必要です。

支払不能状態である

「支払不能状態」とは、収入や資産がない・少ない状態(厳密には、「本人の収入、信用、資産を活用しても、客観的に完済できない状態」)で借金を返せない状態をいいます。

「一般的には、借入総額を36(ヶ月)で割った金額が、毎月の返済可能額を上回っていることが、「支払不能状態」と判断される1つの目安です(住宅ローン除く)。」

これは、「借金が多額であれば、自己破産が認められる」わけではない、ということも意味しています。裁判所が支払不能状態だと判断するなら、極端な話をすると10万〜100万円程度の借金でも、自己破産は認められます。

逆に、借金が多額で、自分では「とても返済しきれない」と思っていても、返済の期限が伸びれば返せそうな場合や、今後の収入アップが見込める場合などは、支払不能状態だと認められない可能性があります。

免責不許可事由に該当しない

「免責不許可事由」とは、自己破産における借金返済の免責が認められない可能性がある事情のことです。具体的には、次のようなものがあります。

  • 借金の原因が、浪費または賭博その他の射幸行為による場合(※ギャンブル、株、FXなどでつくった借金は、ここに含まれる)
  • 返済できないとわかっていて借り入れを行った場合
  • 過去7年以内に、自己破産による借金の免除を受けている場合
    など

ただし、免責不許可事由でも、絶対に免責が認められないわけではありません。裁判官の判断によって、免責が妥当だと判断すれば破産者の免責が許可される「裁量免責」と呼ばれる制度があるためです(破産法252条2項)。

現実には、ギャンブルによる浪費がよほどひどかったり、本人に反省の色が見えないなどの悪質なケース以外は、裁量免責が認められることが多いようです。

借金が非免責債権に該当しない

自己破産をし、免責許可を受けても、なお支払義務が残る借金を「非免責債権」といいます。具体的には、次のようなものがあります。

  • 税金や、国民健康保険料など(租税等の請求権)
  • 害意による行為に基づく損害賠償金(破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権)
  • 養育費(子の監護義務に基づく請求権)
  • 夫婦で暮らしていくための生活費(夫婦間の相互協力扶助義務に基づく請求権)
  • 婚姻費用(夫婦間の婚姻費用分担義務に基づく請求権)
  • 従業員の給料(雇用関係に基づいて生じた使用人の請求権及び使用人の預り金の返還請求権)
    など

これらは、自己破産をしても支払い義務は免除されず、返済を続けなければなりません。

自己破産ができる条件については、「自己破産が認められる条件と仕組みをモデルケースで解説」の記事で詳しく解説しています。

自己破産手続きの流れと期間・必要書類について

 


自己破産は、裁判所を介する必要があるため、手続きに時間がかかります。6ヶ月〜1年が目安です。

また、自己破産には大きく分けて「同時廃止事件」と「管財事件」という2種類の手続きがあり、どちらの手続きを選ぶかによっても、手続きにかかる時間や手続きの流れが異なります。

以下、詳しく解説します。

自己破産の手続きは大きく「同時廃止」「管財事件」の2種類

自己破産の手続きには、「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類があります。どちらを選ぶかは、債務者ではなく裁判所が決めます。ポイントは「精算できる財産があるかないか」「免責不許可事由はないか」です。

以下、同時廃止事件と管財事件それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

同時廃止とは?

同時廃止事件は、家や車など、精算できる財産が明らかに「ない」場合、および免責不許可事由が「ない」場合に適用される手続きです。

財産の精算がないため、手続きにかかる時間は比較的短く、申し立てから免責許可まで約3〜6ヶ月ほどです。他に書類作成など、申し立てまでの期間に3ヶ月程度かかります。日弁連のデータによると、自己破産全体のうち、約70%がこの同時廃止事件です。

管財事件とは?

管財事件は、精算できる財産を所有している場合、もしくはおよび免責不許可事由がある場合に適用される手続きです。

裁判所にとって専任された「破産管財人」が調査を行うため、手続きは長期化しやすく、約半年から1年くらいかかります。

他に書類作成など申し立てまでの期間に3ヶ月以上かかります。

なお、少額管財事件というのもあります。これは、一部の裁判所のみで採用されている手続きで、管財事件の中でも財産の種類が少ない場合に適用されます。管財事件を簡素化しているため、期間も短く済みます。

自己破産の手続きの流れ

では、実際に自己破産はどのような流れで進めれば良いのでしょうか?

弁護士に依頼すればほとんどの手続きを代行してくれます。とはいえ、自己破産の手続きは複雑なので、スムーズに進めるには流れや準備することを把握しておいた方がよいかもしれません。

以下で詳しく解説していきましょう。

1.弁護士・司法書士に手続きを依頼

自己破産の手続きは弁護士・司法書士に依頼できます。債務者自身が手続きすることも可能ですが、現実には97%以上の人が弁護士・司法書士に依頼しています。

ただし、司法書士がしてくれるのは、書類作成の代行のみです。弁護士は、裁判所とのやりとりを含めた手続き全般を代行してくれます。

2.受任通知を債権者に送達

弁護士・司法書士に正式に自己破産の手続きを依頼すると、債権者あてに「受任通知」という書類が送られます。

受任通知は、いわば「これから自己破産手続きをはじめます」と宣言するようなもの。また、受任通知には法的な効力があり、これ以降、債務者は月々の返済をしなくて済み、債権者は督促や取り立てができなくなります。

3.申立の書類作成

裁判所に自己破産の手続きを申請する(「申立」といいます)前に、書類を作成します。もっとも、弁護士などに依頼した場合は、ほとんど代行してもらえます。

4.裁判所に自己破産の申立

作成した書類を、債務者が居住している地域を管轄している地方裁判所に提出します。

5.裁判所で破産審尋(面談)を受ける

稀ではあるものの、弁護士同行のもとで裁判所に出廷し、面談を行う場合があります。面談内容は、書類の確認と借金をした理由についてなどです。

6.破産手続きの開始決定

ここで、同時廃止か、管財事件(少額管財)かが決まります。一部職業や資格に制限を受けるのは、ここから免責確定までの一定期間です。

7.【管財事件のみ】破産管財人による財産の調査・精算

開始決定がなされると、裁判所から破産管財人が選出されます。破産管財人と面接した後に、管財人が財産を調査し、精算をします。

8.【管財事件のみ】債権者集会

破産管財人が債権者に対し事情や財産状況などを報告する場として、債権者集会が行われます。ただし、実際は債権者が参加することはなく、数分で終わります。

9.免責審尋

債権者集会と同日に裁判官、破産管財人と面談します。ここでは、最終確認程度に、自己破産する意思などを確認されます。

10.免責許可の決定

最終的に裁判所が免責を確定します。この段階で借金を支払う必要がなくなり、職業や資格の制限も解除(復権)されます。

自己破産の手続きに必要な書類

自己破産の手続きに必要な書類は以下の通りです。基本的に、本人と弁護士や司法書士が役割分担をして書類を集めることになります。

  • 申立書
  • 陳述書(状況・事情などの説明書面)
  • 債権者一覧表・滞納公租公課一覧表(債務を証明する書類)
  • 財産目録(財産を証明する書類)
  • 給与明細書・年金などの受給証明書・源泉徴収票・確定申告書・課税証明書・同居人の給与明細書や源泉徴収票(収入を証明する書類)
  • 退職金支給明細書・退職金規定
  • 戸籍謄本・住民票(身分に関する書類)
  • マンションやアパートの賃貸借契約書・登記簿謄本・住宅使用許可書等(住居に関する書類)
  • 不動産登記簿謄本・固定資産評価証明書・課税台帳に記載がないことの証明書・ローン残高証明書・車検証・車両売却査定書・生命保険証書・預金通帳等(資産に関する書類 )

自己破産に必要な書類については、「自己破産に必要な書類は11種類!スムーズかつ会社や友人にバレずに集めるには?」の記事で詳しく解説しています。

自己破産に必要な費用

自己破産は裁判所を介して手続を行うため、弁護士費用に加えて裁判所費用が発生します。

自己破産にかかる弁護士費用

自己破産の場合「相談料」「着手金」「報酬金」といった弁護士費用がかかります。

弁護士費用の相場
名称 費用の相場
相談料 1万円程度(1時間につき)
※無料としている事務所もあります
着手金 30万円程度~
報酬金 20万円程度~

自己破産にかかる裁判所費用

自己破産の場合「予納金」「収入印紙(申立手数料)」「郵便切手(通知呼出料等)」などの裁判所費用がかかります。
自己破産にかかる裁判所費用の相場は、数万円程度です。

裁判所にかかる主な費用
名称 費用
予納金 同時廃止の場合:1万1,859円
※官報公告費として

管財事件の場合:20万円〜
※破産管財人報酬も含む
収入印紙(申立手数料) 1,500円
※破産手続開始申立費用:1,000円
 免責許可申立費用:500円
破産手続開始申立費用 1,000円
郵便切手(通知呼出料等) 4,202円 ※1
あて名書きをした封筒(債権者全員の分及び申立人の分) 封筒代(実費)

※東京地方裁判所の場合、裁判所によって金額は若干異なります。
※1:郵便切手(通知呼出料等)は債権者の数は3名とした場合で計算したもの

自己破産には「同時廃止事件」と「管財事件」の2種類の手続があることを先に述べましたが、同時廃止事件より管財事件のほうが費用は高くなります。

管財事件では「破産管財人」への報酬も必要です。通常は「予納金」として、20万円以上必要となります。


【まとめ】自己破産は借金でお困りの方への救済制度!

 


ここまで解説してきたように、自己破産は、多くの財産を失う代わりに、借金をほぼゼロにできる法的な手続きです。メリットが大きい分、デメリットも少なからずありますが、自己破産が、経済的な再生のスタートとなるのは、確かです。澁谷弁護士は、次のように語ります。

「債務整理を検討している人の多くは、借金の返済で疲弊しています。また、誰にも相談できない孤独感も抱えています。そんな状態ならば、弁護士に相談するだけでも気持ちが楽になるに違いありません。また実際に手続きが始まった段階で、督促や取り立てが止まります。すると仕事や趣味に向かう心の余裕が生まれる。借金する前の、普通の生活が戻ってくるはずです」

もっとも、自己破産だけが借金問題の解決策ではありません

借金を返済する能力がある人なら、財産を失わずに済む任意整理や個人再生のほうがベターのはず。

弁護士に相談すれば、どのような解決法方が自分にふさわしいのか、アドバイスを受けることも可能です。弁護士事務所の中には、無料で相談を受けている事務所もあります。借金の返済に悩んだら、「もう自己破産しかない!」と決めつけず、債務整理に詳しい弁護士に相談しましょう。

弁護士法人・響に相談するメリット
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公開日アイコン2022.05.08

監修者情報
澁谷 望
監修者:弁護士法人・響 弁護士
澁谷 望
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第54634号
出身地
熊本県
出身大学
大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。
[実績]
23万件の問合せ・相談実績あり
[弁護士数]
21人(2021年3月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
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