過払い金とは?仕組みと返還請求の対象を解説!時効タイミングとデメリット

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CMでよく聞く過払い金ってなに?仕組みはどうなっているの?

過払い金とは、貸金業者や信販会社に法律の上限を超えて支払った利息、つまり払いすぎた利息を指します

以下の条件が揃えば、過払い金が発生している可能性があります。

  • 2010年(平成22年)以前に金融機関から借入れていた
  • 過払い金の時効である「完済後10年」を過ぎていない

条件に当てはまる方は、過払い金返還請求を弁護士に依頼しましょう。

過払い金が発生してない方でも、任意整理をすれば借金を減額できる可能性があります。

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目次


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過払い金とは?払いすぎた利息を過払い金返還請求で取り戻すこと

過払い金とは、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者や信販会社に法律の上限を超えて支払った利息、つまり払いすぎた利息を指します。

過去に消費者金融やクレジットカード会社から借金をしていた場合は、過払い金返還請求を行うことで過払い金が返金される可能性があるのです。

過払い金は「過払い金返還請求」を行うことで返金されたり、借金に充当して完済や減額することができます。

過払い金返還請求とは

しかし、すべての借金に過払い金が発生しているわけではありません。

過払い金が発生する条件は、以下で詳しく解説します。

過払い金請求ができる条件とは?請求の期限である時効に注意

過払い金請求ができる条件は、以下のようになっています。

  • 2010年以前に消費者金融、クレジットカード会社から借入れていたこと
  • 過払い金の時効である「完済後10年」を過ぎていないこと

時効については複雑な条件があるため、よく確認する必要があります。

過払い金が発生する条件について、以下で詳しく解説します。

過払い金の返還請求できる条件については以下の記事で詳しく解説しています。

2010年以前に消費者金融やクレジットカード会社から借入れていたこと

過払い金は「貸金業者(消費者金融、クレジットカード会社)からの借入れ」かつ「2010年6月18日以前の借入れ」にしか発生していません

過払い金は、利息制限法の上限利率を超過した貸付けに対して発生するものです。
2010年6月18日以降は、行政処分・刑事罰の対象となっています。

また、2010年6月18日より前であっても、銀行や公的機関の貸付利率は利息制限法の範囲内でした。

なお2007〜2008年には多くの貸金業者が金利を利息制限法の範囲内に下げています。

過払い金返還請求の対象となりうる貸金業者と借入れ時期は、下記にまとめているので、ご参照ください。

過払い金請求の時効である最終取引後10年を過ぎていないこと

過払い金は、借入先と最後に取引をした日から10年たつと時効となり、請求できなくなってしまいます

これは「消滅時効」と呼ばれ、民法で定められたものです。

10年間「過払い金を請求できる権利(時効の援用)」を行使しないと、請求できる権利は消滅してしまうのです。

時効期間の起算日は「最終取引日」となるため、返済を継続している人は時効になっていない場合があります。

すでに完済していても、時期を空けずに再度同じ貸金業者から借入れをしている場合は、取引が継続していることになり、最終取引日が更新されます。

完済後10年以内であるか

ただし、完済してから次に借入れするまでの間が年単位で空いている場合などは、それぞれ別の取引と見なされます(取引の分断)。

この場合は分断される前の取引については時効が成立してしまい、過払い金が請求できなくなったり、減額するケースもあるでしょう。

時効の判断は複雑であり、取引の分断などの判断は法的知識がないと困難といえます。

ご自身の借入れが時効を迎えているかわからない場合、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。

過払い金請求の時効と民法改正の関係

2020年4月1日に民法が改正され、消滅時効の起算日は以下のように変わりました。

続きを読む (債権等の消滅時効)
第166条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。

出典: e-Gov法令検索「民法」

民法の条文にのっとると、過払い金の返還請求ができることを知った日から5年経過した場合も時効が成立してしまうことになります。

しかしこの改正には経過措置が定められているため、2020年3月31日以前の借入れについては、前述した10年の時効期間が適用されることになります。

過払い金の時効については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金はなぜ発生する?仕組みや条件を解説

過払い金は、すべての借金に対して発生するわけではなく、特定の条件に当てはまる場合にのみ発生します

過払い金が発生する条件
  • 出資法と利息制限法の上限金利の間に違法なグレーゾーン金利で借入れしていた
  • さらにグレーゾーン金利を助長する「みなし弁済」制度に該当していた
  • 2010年以前に貸金業者(消費者金融やクレジットカード会社)から借入れしていた

2006年の最高裁判決でみなし弁済は実質無効化しており、2010年に貸金業法・出資法改正により完全に撤廃されました。

以下で詳しく解説します。

出資法と利息制限法の間の「グレーゾーン金利」で借入れしていた

過払い金が発生する仕組みの一つに、高金利である「グレーゾーン金利」で借入れしていたことが挙げられます。グレーゾーン金利は法改正により撤廃されましたが、該当する金利で借り入れをしていた場合、利息の一部を「過払い金」として返還請求できる可能性があります。

前提として、消費者金融やクレジットカード会社などの貸金業者が貸付けをする際の上限金利を定めたルールには「出資法」と「利息制限法」の2つ法律があります。

2010年以前は、これらの法律の上限金利(年利)は以下のように異なっており、この間がいわゆる「グレーゾーン金利」と呼ばれていました。

グレーゾーン金利については以下の記事で詳しく解説しています。

出資法と利息制限法の上限金利
出資法 利息制限法
29.2%(一律) (借入れ元金)
100万円以上
15%
(借入れ元金)
10万円以上100万円未満
18%
(借入れ元金)
10万円未満
20%

過払い金とは?

本来グレーゾーン金利で借入れた借金は違法であるため、その利息は利用者が払う必要はありません

しかし、利息制限法の上限金利を超えて貸付けをしても罰則がありませんでした。
そのため利益を追及した多くの貸金業者が、利息制限法の上限金利を超え出資法の上限利率である29.2%に近い金利で貸付けを行っていたのです

利息制限法については以下の記事で詳しく解説しています。

グレーゾーン金利を助長する「みなし弁済」制度も存在

グレーゾーン金利は違法なのに、なぜ多くの人がグレーゾーンで借入れをしていたのでしょう。

その理由の一つは「みなし弁済」と呼ばれる制度があったためです

みなし弁済については以下の記事で詳しく解説しています。

「みなし弁済」は、旧貸金業規制法第43条に規定が記されていた制度です。

次のような条件を満たしていれば、利息制限法を超過した金利での貸付けが例外的に有効な弁済(返済)として認められるというものでした。

  • 債権者(お金を貸す側)が、貸金業登録を受けた業者である(ヤミ金ではない)こと
  • 貸付けの際に契約書(貸金業規制法17条に定められた書面)を交付すること
  • 弁済のたびに受取証書(貸金業規制法18条が定める書面)を交付すること
  • 債務者(お金を借りる側)が、利息と認識して支払いをしていること
  • 債務者の任意で利息が支払われている(債権者からの強制ではない)こと

特に問題といえるのが4と5の項目です。

これは債務者が「利息制限法を超える利息であると認識し、任意(=自分の意思)で、毎月の支払いをしている」ということを指しています

貸金業者の多くは、貸金契約が成立している時点でこの条件を満たしているとしていました。

しかし一般的な債務者は、違法な金利の利息を支払っていると認識していないことが多いでしょう。

さらに通常の貸金契約では、支払いが遅れた際に以下のようなことが定められています。

  • 遅延損害金の返済額への加算
  • 期限の利益の喪失による借金の一括請求

支払いが遅れるとさらに遅延損害金が加算され、一括返済を請求されるので、債務者は「違法な利息だから」という理由で、返済を止められる状況にはないといえるのです。

用語集 遅延損害金とは? 借金返済などを滞納した際にかかる損害賠償金の一種。
「延滞利息」「遅延利息」とも呼ばれることがあります。
用語集 期限の利益の喪失とは? 債務者には、借金返済において「期日までに分割して返済する」という利益があります。返済滞納などによってその利益が失われることを「期限の利益の喪失」といいます。

このような実情であっても「債務者が利息制限法を超える利息であると認識し、任意で支払いを行っている」といえるでしょうか。

「みなし弁済」の適用範囲にはこうした論点が含まれており、裁判でもたびたびその正当性が争われていました。

2006年の最高裁判決でみなし弁済は実質無効化され、過払い金返還請求へ

2006年1月には、みなし弁済の適用に関して、決定的ともいえる判決が下りました。
それが「最高裁判所第二小法廷平成18年1月13日判決」です。

判決の内容は「みなし弁済の要件が適用されるケースはほとんど存在しえない」という厳格な解釈が提示されたものでした

これを受け、みなし弁済制度のもとで支払っていた過払い金を払い戻すよう貸金業者に請求する「過払い金返還請求」が全国的に始まりました

また2007〜2008年をめどに貸付金利を引き下げている貸金業者も少なくありません。

「最高裁判所第二小法廷平成18年1月13日判決」によると「債務者が利息制限法を超える利息であると認識、了承し、任意で支払いを行っているといえるのか」という点において、以下のように結論が出されています。

続きを読む (裁判要旨)
3 利息制限法所定の制限を超える約定利息と共に元本を分割返済する約定の金銭消費貸借において、債務者が、元本又は約定利息の支払を遅滞したときには当然に期限の利益を喪失する旨の特約の下で、利息として上記制限を超える額の金銭を支払った場合には、債務者において約定の元本と共に上記制限を超える約定利息を支払わない限り期限の利益を喪失するとの誤解が生じなかったといえるような特段の事情のない限り、制限超過部分の支払は、貸金業の規制等に関する法律43条1項にいう「債務者が利息として任意に支払った」ものということはできない

出典:最高裁判所判例集 「事件番号平成16(受)1518」 裁判所

これは、最高裁で「債務者は、支払日に遅れることによって生じるさまざまな不利益におびえて毎月利息を含めた支払いを行っている。よって債務者が利息制限法の上限利率超過分を任意で支払っているとはいえない」
という判断がされたことを指しています。

この判決は、みなし弁済を事実上否定した内容だといえるのです

貸金業法・出資法改正により2010年以降過払い金の発生はなくなった

貸金業者からの強い反発もあり、みなし弁済を撤廃する法律改正はなかなか進みませんでした。

しかし、2010年6月18日には貸金業法改正によってみなし弁済の規定は完全に撤廃されました

さらに出資法の上限金利は、利息制限法と同じ20.0%に統一されました。

これによって2010年6月18日にグレーゾーン金利は完全に撤廃され、過払い金も発生しなくなったのです

グレーゾーン金利

2010年6月18日以降、貸金業者が利息制限法の上限金利を超える金利で貸付けをおこなった場合は、超過部分が無効となると同時に行政処分の対象になります。

過払い金が戻ってこない、発生しないケースについては以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金返還請求はピーク時より減少傾向のため早めの相談を

過払い金返還請求の本格的な開始から15年以上がたち、時効の成立などによって過払い金の返還を請求できるケースはピーク時から減りつつあるのが現状です。

これは最高裁判所「地方裁判所における民事第一審訴訟事件の概況及び実情」において、過払い金等の訴訟の新受件数が下がりつつあることからもわかります。

過払い金請求の新受件数の推移

出典:裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第6回)裁判の迅速化に係る検証に関する報告書(第7回)「地方裁判所における民事第一審訴訟事件の概況及び実情」より作図

実際の過払い金返還請求自体は裁判所を通さないことも多いため、過払い金返還請求自体の件数は上記の件数より多いと想定されます。

しかし、過払い金返還請求がピークを迎えていたといわれる2009年からは、過払い金返還請求が成立するケースは減少傾向にあるといえるでしょう。

相次ぐ過払い金返還請求に対し、貸金業者の方でも対応が厳格化しているのも否めません。
過払い金の返還交渉時に業者から提示される和解条件が厳しくなっているケースがあるようです。

貸金業者の実際の過払い金返還率については、下記に記載しています

過払い金返還請求を検討している場合は、早めに手続きを始めるのがよいでしょう。

過払い金の相談先については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金返還請求の対象とは?クレジットカードのリボ払いが対象になることも

過払い金返還請求の対象となるのは、利息制限法を超過した利率で貸付けを行っていた消費者金融、クレジットカード会社です

クレジットカードでキャッシングをし、リボ払いで返した場合、過払い金返還請求の対象となる場合もあります。

次の項からは、過払い金が発生している可能性のある貸金業者や実際の対応の姿勢、過払い金返還率を紹介します。

また、過払い金返還請求の対象とならない支払い、借入先についても解説します。

クレジットカードの過払い金発生については以下の記事で詳しく解説しています。

実例・おもな貸金業者の対応と過払い金返還率

弁護士法人・響で実際に過払い金返還請求を行った際の、おもな消費者金融会社の対応の姿勢と、過払い金の返還率をご紹介します。

アコム株式会社
  • 過払い金返還率:非充当計算金額の85%程度
  • 対応の姿勢:訴訟外交渉の場合は、最大返還率は85%となります。交渉は比較的スムーズです。
  • 過払い金返還までの期間:返還請求から和解成立までは約1ヶ月半程度で、4ヶ月後末日の返還となります。返還日に対する交渉はできません。
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
  • 過払い金返還率:非充当計算金額の90%~93%程度
  • 対応の姿勢:訴訟外交渉の場合は返還率90%程度ですが、請求額が大きい案件については返還率が増減します。交渉においては、返答は遅めです。
  • 過払い金返還までの期間:返還請求から和解成立までは約2ヶ月程度で、返還は約3ヶ月後です。和解金額によっては2ヶ月~4ヶ月後になる可能性があります。
アイフル株式会社
  • 過払い金返還率:非充当計算金額の45~50%程度
  • 対応の姿勢:訴訟外交渉の場合は、原則として返還率45%~最大50%までです。担当との交渉においては、返答は遅めです。
  • 過払い金返還までの期間:返還請求から和解成立までは約1ヶ月半程度。返還は基本的に和解日から1ヶ月後の末日となります。
新生フィナンシャル株式会社
  • 過払い金返還率:非充当計算金額の80%程度
  • 対応の姿勢:訴訟外交渉の場合は、最大返還率は80%となります。
  • 過払い金返還までの期間:返還請求から和解成立まで約1ヶ月程度。返還は和解日から1ヶ月後の末日となります。

※返還率や返還までの期間は、必ずしもこの通りになるとはかぎりません。

実例・おもな貸金業者の過払い金回収実績

次に、弁護士法人・響で実際に過払い金返還請求を行った際の、現在までの回収総額と回収実績を紹介します。

アコム株式会社
  • 回収総額:約5億7,000万円
  • 回収額の実例:借入期間約30年で過払金返還額550万円
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
  • 回収総額:約5億6,000万円
  • 回収額の実例:借入期間約23年で過払金返還額525万円
新生フィナンシャル株式会社
  • 回収総額:約1億2,000万円
  • 回収額の実例:借入期間約15年で過払金返還額157万円
三菱UFJニコス株式会社
  • 回収総額:約1億6,500万円
  • 回収額の実例:借入期間約17年で過払金返還額117万円
株式会社オリエントコーポレーション
  • 回収総額:約1億4,000万円
  • 回収額の実例:借入期間約18年で過払金返還額170万円

おもな貸金業者の過払い金発生可能性リスト

過払い金が発生している可能性のあるおもな貸金業者と、借入れ時期の一覧をまとめました。

消費者金融などの名称 過払い金発生の可能性がある時期
プロミス
(SMBCコンシューマーファイナンス)
〜2007年12月
アコム 〜2007年6月
アイフル 〜2007年8月
レイク
(新生フィナンシャル)
〜2007年12月

クレジットカード会社名 カードの名称 過払い金発生の可能性がある時期
エポス(旧マルイ) エポスカード
(マルイカード)
〜2007年3月15日
ゼロファースト
(エムワンカード)
〜2007年4月15日
三井住友カード 三井住友VISAカード 〜2005年
アプラス 新生VISA
新生アプラス
新生カードVISA など
〜2007年頃
TSUTAYA Tカードプラス
TSUTAYA WカードJCB など
〜2009年頃
オリエントコーポレーション オリコカード
アメニティカード
クレストカード
オートウェーブカード
オートバックスカード
コジマカード など
〜2007年3月31日
クレディセゾン セゾンカード 〜2007年7月
UCカード 〜2007年6月
セディナ OMCカード
CFカード
クオークカード など
〜2007年頃
ポケットカード
(マイカルカード)
P-oneカード
マイカルカード など
〜2007年11月

※必ず過払い金が発生しているわけではありません。

上の表にない消費者金融やクレジットカード会社にも、過払い金返還請求ができる可能性はあります。

消費者金融やクレジットカード会社で過払い金が発生しているのは、2007年ごろまでであることが多いといえます。

手元に明細があれば、確認してみるとよいでしょう。

過払い金請求対象の会社については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金の返還請求対象外の借入れもある

過払い金返還請求の対象とならない借入れもあります

対象とならない借入はおもに次のようなケースです。

  • クレジットカードのショッピング利用分(ショッピングリボ)
  • 倒産した貸金業者からの借入れ分
  • 住宅ローンや自動車ローン、銀行系カードローン
  • グレーゾーン金利に該当しない借入れ
  • 利息制限法内の利率で計算された債権回収会社からの請求

それぞれ見ていきましょう。

クレジットカードのショッピング利用分

クレジットカードのショッピング利用分は、過払い金の対象になりません

クレジットカードのリボ払いには、ショッピングリボとキャッシングリボの2種類があります。

  • キャッシングリボ:キャッシング(お金を借りること)で借りた元金と金利の合計を一定期間返済し続ける方法
  • ショッピングリボ:ショッピングで発生した支払いを毎月一定の金額で返済していく支払い方法

キャッシングリボであるか

キャッシングリボは借入れであり、2010年以前に利用した分は利息制限法の上限を超えたグレーゾーン金利の適用により過払い金が発生する可能性があります。

しかしクレジットカードのショッピング利用分は「割賦販売法」という法律で規制されているため、出資法や利息制限法は適用されません。

また多くのクレジットカードのショッピングリボ手数料は、年率15%程度に設定されています。

そのためクレジットカードのショッピング利用分では、過払い金は発生しないのです。

クレジットカードのショッピングリボの手数料利率の例
カードの種類 ショッピングリボの
手数料利率(実質年率)
楽天カード 15.00%
イオンカード 15.00%
三井住友VISAカード 15.00%
セゾンカード 15.00%
dカード 15.00%
エポスカード 15.00%
ライフカード 18.00%
ACマスターカード 10.00~14.60%

※カードの種類により手数料の実質年率は異なる場合があります。

リボ払いの過払い金請求については以下の記事で詳しく解説しています。

倒産した貸金業者への過払い金返還請求はできない

当時利用していた貸金業者がすでに倒産し消滅している場合は、過払い金を取り戻すのは難しいといえます

過払い金返還請求が多くなったため、倒産・経営危機に至っている貸金業者は少なくありません。

たとえば、以下のような業者が倒産しています。

倒産した貸金業者の例
  • 武富士
  • 栄光
  • SFコーポレーション(三和ファイナンス)
  • アエル(日立信販・ワールドファイナンス・ナイス)
  • 丸和商事(ニコニコクレジット)
  • クラヴィス

なお、会社が合併・吸収され、債権が現存する会社に引き継がれている場合などは過払い金返還請求ができることもあります。

ご自身が利用していた貸金業者がすでに存在しない場合は、弁護士などの法律の専門家に確認するとよいでしょう。

住宅ローンや自動車ローン・銀行系カードローンは過払い金が発生していない

以下の借入れは一般的に金利が低く、過払い金が発生していないと考えられます。

  • 住宅ローン
  • 自動車ローン
  • 銀行の融資
  • 奨学金
  • 緊急小口資金など、公的機関からの借入れ

一般的に住宅ローンの金利は1〜8%程度、自動車のローンも1〜6%程度と、利息制限法の上限利率を大きく下回っています。

銀行からの融資も、原則として利息制限法の上限以上の利率での貸付けは行っていません。

これらの借入れで過払い金が発生していることはないでしょう。

また、奨学金は上限金利が3%と定められているほか、生活困窮者を対象とした公的機関の貸付けも、金利は低く抑えられています。

そのため過払い金が発生している可能性は、ほぼないと考えてよいでしょう。

奨学金の過払い金の発生については以下の記事で詳しく解説しています。

グレーゾーン金利に該当しない借入れ

上記の最高裁判決や出資法の改正以前から、利息制限法の上限利率を下回った貸付金利で営業している貸金業者もありました。

過払い金返還請求できるかどうかは、取引していた時期に加えて、取引していた業者も重要になります。

過払い金が発生しないと考えられる貸金業者(消費者金融系)はおもに次の会社です。

  • アットローン
  • SMBCモビット
  • DCキャッシュワン

これらの貸金業者は、銀行が消費者向け金融を本格化させるタイミングでスタートした業者です。

銀行系ローンに競争負けしないよう、利息制限法の上限利率以下の金利で貸付けを行う消費者金融としてスタートした経緯があります。

そのため、利息制限法を超える金利での貸付けはないと考えられるのです。

利息制限法内の利率で計算された債権回収会社からの請求

貸金業者などへの返済を長期間滞納していると、債権が借金の回収を専門とする会社である「債権回収会社(サービサー)」に引き継がれることがあります。

2010年以前の借入れであっても、債権回収会社が請求をしてくる金額には、過払い金は発生していません

債権回収会社が請求してくる金額は、利息制限法の上限利率に計算し直した残債であるためです。

これは債権回収会社の運営について定めている法律である「債権管理回収業に関する特別措置法」で、以下のように定められています。

続きを読む 利息制限法に定める制限額を超える利息・賠償額の支払いの約定がなされている債権について、利息制限法の制限額内に引き直さずに履行の要求を行うことの禁止

出典:法務省「債権管理回収業に関する特別措置法の概要」

債権回収会社については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金はどれくらい戻る?目安を知るための計算方法を紹介

自分の場合、過払い金はどれくらい戻るのだろう
と思われている方のために、過払い金金額の目安を算出する方法を解説します。

過払い金は、計算を間違ってしまうと貸金業者から返還を拒否される可能性もあるため、請求時には正確な計算に基づいて交渉を行わなくてはいけません。

過払い金の算出に使える無料計算ツールも紹介しますが、注意点をあわせて確認しておきましょう。

過払い金の計算方法は以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金を算出する「引き直し計算」のやり方

過払い金の額を求める計算方法は「引き直し計算」と呼ばれます

下の計算式を使って、毎月のグレーゾーン金利での利息返済額と、利息制限法の上限金利での利息返済額を出していくものです。

毎月の利息を算出する式
借入元金の残高(円)×金利(%)÷365(日)×借入日数(日)
上の式に毎月の借入元金と金利を当てはめ、下の1〜3の計算を返済期間分繰り返します。
その合計額が、過払い金の総額です。

  • ひと月に発生していた利息額を計算(実際に支払った利息を算出)
  • 利息制限法の上限金利での利息を計算(本来の利息を算出)
  • 1から2を引いて、ひと月に発生した過払い金を計算

無料で使える過払い金の計算ソフトを紹介

上で紹介した引き直し計算は、自力で行うには煩雑です。
以下のような無料の表計算ソフトを利用して計算すると、シミュレーションが楽になるかもしれません。

  • 「外山式」利息計算ソフト
    アドリテム司法書士法人の外山敦之氏が配布している無料過払い金計算ソフトです。
  • 「名古屋式」利息計算ソフト
    消費者問題に関連する被害の予防・被害回復などを目的に設立された「名古屋消費者信用問題研究会」が提供している無料過払い金計算ソフトです。

ただし過払い金返還請求で請求できる額の算出には、より複雑な計算がともなうケースも少なくありません。

次の項目の条件を確認しておきましょう。

過払い金計算時の注意点・過払い金自体に利息が発生することも

ここまで過払い金の計算方法を紹介してきましたが、実際にはより入り組んだ計算が必要になるケースも少なくありません。

たとえば以下のようなケースでの判断には、時効や遅延損害金、利息の問題も複雑に絡みます。

  • 同じ貸金業者から何件も借り入れていた
  • 過払い金発生期間中、完済と借入れを繰り返していた
  • 返済を遅延したことがあり、遅延損害金が発生していた
  • 過払い金の元金に利息が発生している(詳細は上記

これらをふまえて計算するには、過去の取引履歴とそれを読み解く時間、法律に関する知識が必要となります。

実際に過払い金返還請求を行う際には、正確な引き直し計算をするためにも弁護士や司法書士に依頼することも一つの選択肢だといえるでしょう。

過払い金の利息と民法改正

「過払い金は、その元金が発生した時から返還日まで、元金に対して年5%の利息が発生する」ということが過去の判決で認められています。(最高裁判所第三小法廷平成19年2月13日判決)​​

よって、過払い金返還請求時には、過払い金の利息を含めた額の支払いを求めることが可能なのです。

訴訟を起こし、判決が出た場合に支払いが認められるケースが多いといえます。(後述
なお、2020年4月1日の民法改正により法定利率(契約上で取り決めがない場合に適用される利率)は3%となっていますが、過払い金の返還請求時には通常関係ありません。

経過措置」により、2020年4月以前の借入れに対しては改正前の民法が適用されるためです。
参考:法務省│民法の一部を改正する法律(債権法改正)について

過払い金返還請求のデメリットとは?自分で請求すると失敗のリスクも

過払い金返還請求には、デメリットや、自分で請求することによる失敗リスクもあります。
おもなものは以下の3点です。

  • 信用情報機関に事故情報が登録されることもある(いわゆる「ブラックリストに載る」状態)
  • 請求した会社からの借入れ、クレジットカード利用はできなくなる
  • 自分で交渉したことで、不利な条件を提示されるケースも

過払い金請求におけるデメリットは以下の記事で詳しく解説しています。

信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)ことも

借金の状況によっては、過払い金返還請求をすると信用情報機関に事故情報が登録されることがあります(いわゆる「ブラックリストに載る」状態)。

過払い金は、まだ返済中の借金についても請求することができ、戻ってきた過払い金は借金残高と相殺することになります。

しかし、過払い金が戻ってきても借金を全額返済できずに残った場合は、「任意整理」を行った扱いになり、事故情報が登録されてしまいます

すでに完済している場合や、過払い金で借金が完済できる場合は、事故情報が登録されることはありません。
※一時的に事故情報が登録され、後日削除される場合もあります。

用語集 信用情報機関とは? クレジットカードやローンなどの利用者の信用情報(契約内容、返済、支払状況、利用残高など)を管理・提供する機関です。

金融機関や貸金業者は、借り手の返済能力を把握するために、これらの情報を照会します。
信用情報機関は以下の3つがあります。

信用情報機関に事故情報が登録されることで、以下のような影響があります。

  • 住宅ローン、自動車ローンなどを含む新たな借入れができなくなる
  • クレジットカードの利用や新規作成ができなくなる

なお、「任意整理」の事故情報の掲載期間は完済から約5年です。
5年後には事故情報は削除され、上記の影響はなくなります。

ブラックリストについては以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金返還請求した会社からの借入れや、クレジットカードは利用できなくなる

一般的に過払い金返還請求をした会社からは、新規借入れはできなくなります。

クレジットカード会社に過払い金返還請求をした場合は、クレジットカードは解約となり、使えなくなります。

信用情報機関の情報とは関係なく、過払い金返還請求をした会社の顧客情報には、過払い金返還請求の事実が事故情報として登録されるためです(いわゆる社内ブラック)。

「社内ブラック」の情報は系列会社で共有されるケースがあります。
掲載期限の規定ないため、措置は半永久的に続くケースもあるようです。

そのため、過払い金返還請求後もクレジットカードを利用したい場合や、借入れの必要がある場合は、過払い金返還請求先とは異なる系列の会社を選ぶとよいでしょう。

自分で交渉すると、不利な条件を提示されるケースも

ご自身で貸金業者に過払い金返還請求をすると、不利な条件で和解案を持ちかけられることがあります

たとえば、以下のような条件です。

  • 返済中の借金の利息を免除する代わりに、過払い金返還請求には応じない
  • 本来の過払い金より、少ない返還額を提示する
  • 借金残高よりも過払い金のほうが多いのに、借金を帳消しにするだけ

しかし、一般の方ではこのような不利な和解案を提示されても気付くことができなかったり、反論や交渉にも手間取ったりするケースが多いでしょう。

一度和解書にサインをしてしまうと、妥当な条件での和解は難しくなる可能性もあります。

貸金業者からサインを求められたときは、慎重に和解案の中身を確認する必要があるでしょう。

場合によっては、過払い金返還請求の裁判を起こし、納得できる条件を引き出したほうがよいこともあります。

和解すべきか判断に迷ったら、弁護士などの専門家に相談するのがよいでしょう。

過払い金請求はどこに相談すべき?無料診断可能な弁護士、司法書士事務所も

過払い金について相談できるおもな窓口には、以下のような選択肢があります。

  • 市区町村役所の法律相談窓口
  • 国民生活センター
  • 法テラス(日本司法支援センター)
  • 日本弁護士連合会
  • 弁護士事務所
  • 司法書士事務所

それぞれの特色、どのような人に向いているかを以下で解説していきます。

過払い金請求の相談先一覧

過払い金の相談先候補とそれぞれの相談料、特徴を以下にまとめました。

初回から弁護士・司法書士などが対応してくれる窓口であれば、過払い金の有無や大まかな金額をすぐに診断してくれる場合もあります。

相談先 相談料 特徴
市区町村役所の法律相談窓口 無料 ・対応は市役所などの開庁時間内(各役所により異なる)
・必要があれば弁護士、司法書士を紹介してもらうケースが多い
・過払い金返還請求の時効まで比較的余裕がある人、気軽に窓口相談をしたい人に向いている
JCCO(日本クレジットカウンセリング協会) 無料 ・「多重債務ほっとライン」での電話相談が可能
・必要があれば弁護士会などを紹介してもらう
・気軽に電話相談をしたい人、過払い金返還請求の時効まで比較的余裕がある人に向いている
法テラス(日本司法支援センター) 無料(3回まで) ・弁護士、司法書士への相談が可能
・窓口相談の利用には月収などの審査があり、時間がかかるケースがある
・収入が一定未満の方は「民事法律扶助制度」を利用できる
・年収が一定以下で過払い金返還請求の費用に不安がある人、過払い金返還請求の時効まで比較的余裕がある人に向いている
日本弁護士連合会 30分5,500円程度 ・全国約300ヶ所の窓口で弁護士への相談が可能
・対応してくれる弁護士は選べない
・相談からそのまま弁護士に過払い金返還請求を依頼できる
・過払い金返還請求の時効が迫っている人、借金額が多い人、有料相談の方が安心できる人に向いている
弁護士事務所 無料の事務所もある ・相談からそのまま弁護士に過払い金返還請求を依頼できる
・過払い金返還請求の時効が迫っている人、借金額が多い人、訴訟も選択肢に入る人に向いている
司法書士事務所 無料の事務所もある ・相談からそのまま司法書士に過払い金返還請求を依頼できる
・過払い金返還請求の時効が迫っている人に向いている

過払い金の相談先については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金返還請求を検討するなら無料相談できる弁護士事務所へ

過払い金返還請求には時効があるため、過払い金の相談から実際の返還請求まで時間がかかるのは望ましくないケースも多いでしょう。

上の表もふまえれば、相談料を抑えて迅速に請求を行いたい場合、無料相談を実施している弁護士事務所、司法書士事務所に相談するのがよいと考えられます。

中でも「借金額が多い(140万円以上)場合」「訴訟も選択肢にしたい場合」「借金問題を抱えている場合」は弁護士事務所に相談するのがよいといえるでしょう。

以下のような理由があるためです。

  • 弁護士は借金の額に関わらず、過払い金返還請求の案件を受けられる
    司法書士は借金額が140万円以上の過払い金返還請求の案件を受けられないという制限があります(司法書士法第3条
  • 弁護士は依頼人の法定代理人になれるため、過払い金返還訴訟も一貫して依頼できる
    過払い金返還請求訴訟に移った場合、弁護士に依頼していればそのまま代理人になってもらうことができ、スムーズでしょう。
    司法書士は依頼人の法定代理人として出廷することができないため、司法書士に依頼している場合は自分で裁判所とのやりとりなどを行う必要があります。
  • 借金問題を抱えており「債務整理」が必要な場合も、負担を抑えて手続きなどができる
    弁護士には、過払い金の相談だけでなく、借金問題の相談をすることが可能です。
    場合によっては「債務整理」を行った方がよいケースもありますが、弁護士に相談すれば、状況に合った手段を提案してくれることが多いでしょう。
    債務整理を行うことになっても、弁護士は依頼人の法定代理人になれるため、必要な手続きや交渉の多くを代理で行ってくれます。
    負担を軽減しながら、借金問題を解決しやすくなるといえるでしょう。(債務整理については後述します

過払い金返還請求の費用は?弁護士報酬の相場を紹介

過払い金返還請求の弁護士費用の目安は日本弁護士連合会の「債務整理事件処理の規律を定める規程」で定められてます。

ただし事務所によって費用体系が違う場合もあります。

依頼前に、その弁護士事務所の費用体系は確認しておくのがよいでしょう。

【弁護士依頼時のおもな費用】
相談料 5,000円~10,000円 程度
(無料の場合もあり)
着手金 10,000〜20,000円以下/1社
(無料の場合もあり)
解決報酬金 20,000円以下/1社
※上限あり
過払い金回収報酬 和解:返還された過払い金の20%以下
訴訟:返還された過払い金の25%以下
その他 交通費、書類の郵送費、収入印紙代、 裁判の手数料など実費

※金額は目安です
参考:日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」

それぞれの費用の概要は以下のとおりです。

  • 相談料:弁護士や司法書士に対する相談料です。
    費用の相場は1時間あたり5,000円程度ですが、無料で対応してくれるところも多くあります。
  • 着手金:過払い金返還請求を依頼した段階で支払う費用で、返還請求の結果にかかわらず発生します。
    過払い金の調査や計算、示談における貸金業者との交渉などの費用がこれにあたります。
    相場は1社あたり1~2万円程度ですが、こちらも事務所によっては無料になる場合があります。
  • 解決報酬金:過払い金返還請求完了後にかかる費用です。
    日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」では、1社あたり2万円までと上限目安が定められています。
    費用体系によって異なる場合があります。
  • 過払い金回収報酬:回収できた過払い金の額に応じて支払う費用です。
    和解交渉は回収分の20%、裁判だと25%までと日本弁護士連合会の規定によって上限目安が設定されています。
    ただし、事務所によっては異なる場合があります。
  • その他:交通費、書類の郵送費、収入印紙代、裁判の手数料など実際にかかった費用(経費)です。

過払い金請求にかかる費用については以下の記事で詳しく解説しています。

弁護士法人・響で過払い金返還請求を依頼した際の費用

弁護士法人・響では、過払い金の相談を無料で行っています。

着手金も無料なので、過払い金の調査や計算の結果、過払い金が発生しなかったり少額すぎたりして請求を行わない場合、お支払いいただくのは調査にかかった実費のみです。

弁護士法人・響への依頼時の費用
相談料 無料
着手金 無料
解決報酬金 20,000円(税込22,000円)
過払い金回収報酬 和解:返還された過払い金の20%(税込22%)
訴訟:返還された過払い金の25%(税込27.5%)
その他 交通費、書類の郵送費、収入印紙代、 裁判の手数料など実費

※該当の借入れを完済している場合の費用

司法書士に過払い金返還請求を依頼した際の費用相場

上記で説明したとおり、業務内容に制限はあるものの、司法書士に過払い金返還請求を依頼することも可能です。

​​司法書士の費用目安は日本司法書士会連合会(日司連)で定められています。
下の表のように司法書士の解決報酬金の上限が定められているため、弁護士への依頼時より費用が抑えられることもあるようです。

しかし、日司連の提示している費用は目安であり、事務所によってはこれを上回る費用を求めるケースもあります。

依頼時は、費用が明確に示されているか、それが妥当な金額であるかを確認しましょう。

【司法書士に過払い金返還請求を依頼する際のおもな費用】
相談料 5,000円~10,000円
(無料の場合もあり)
着手金 10,000〜20,000円/1社につき
(無料の場合もあり)
解決報酬金 定額報酬(着手金・解決報酬金)として合計50,000円以下
過払い金回収報酬 和解:過払い金の20%以下
訴訟:過払い金の25%以下
その他 交通費、書類の郵送費、収入印紙代、 裁判の手数料など実費

※金額は目安です

参考:日本司法書士会連合会「債務整理事件における報酬に関する指針(平成28年4月27日改正)

弁護士法人・響で過払い金返還請求をした方の口コミ

弁護士法人・響に過払い金の相談と返還請求依頼をした方の口コミ、体験談を紹介します。

消費者金融からの借入れで過払い金772万円が戻ってきた例(40代・女性)

借入状態・過払い金返還額
  • 借入期間:2004年9月〜2019年9月(約15年間)
  • 借入先:消費者金融
  • 借入額:275万円
  • 過払い金返還額:772万円
ご本人のコメント

最初は、現在まだ債務は残っているものの、過払い金があるかなと思い、弁護士に調べてもらいました。
その結果、思ったより金額が大きかったことや、特にローンを組む予定がなかったこともあり、過払い請求をお願いしました。

※非充当計算(過払い金の元本と利息を別に計算する方法)で算出した85%の金額の返還で和解

クレジットカード会社から過払い金470万円が戻ってきた例(60代・男性)

借入状態・過払い金返還額
  • 借入期間:1987年10月〜2015年6月(約28年間)
  • 借入先:クレジットカード会社
  • 借入額:100万円
  • 過払い金返還額:470万円 ※1
ご本人のコメント

クレジットカード(※2)でも過払い金が出るかもと知り、相談してみました。
思った以上の過払い金を受け取ることができ、非常によかったです。

※1 過払い金返還請求訴訟を提起し、過払い金の利息を含め全額返還された
※2 キャッシング利用

消費者金融からの借入れで過払い金494万円が戻ってきた例(40代・男性)

借入状態・過払い金返還額
  • 1999年1月〜2018年2月(約19年間)
  • 借入先:消費者金融
  • 借入額:100万円
  • 過払い金返還額:494万円 ※
ご本人のコメント

友人が過払い金をもらったという話を聞いたので、自分も調べてもらうことにしました。
当初、訴訟というおおごとになってしまうことに対して抵抗がありましたが、弁護士から丁寧に説明を受け、訴訟してもらいました。結果的には大満足です。

※ 過払い金返還請求訴訟を提起、非充当計算で算出した金額の85%が返還

過払い金はいつ戻る?過払い金返還請求の流れと期間を解説

過払い金返還請求を弁護士に依頼した場合の流れと、かかる期間の目安は以下のとおりです。

かかる期間(目安) やること
1〜3ヶ月程度 弁護士に相談・依頼
弁護士が過払い金額の調査・利息制限法の上限利率での引き直し計算(→過払い金金額が確定)
2〜3ヶ月程度 弁護士が貸金業者と交渉、可能であれば和解
(3ヶ月〜6ヶ月以上) (交渉で和解に至らなかった場合)
過払い金返還請求訴訟を提起→判決または和解
1〜6ヶ月程度
※裁判を行った場合、6ヶ月〜1年程度かかるケースもある
貸金業者からの過払い金の返還

上の表で示したように、過払い金返還請求では一般的に3〜6ヶ月程度で和解に至ることが多いでしょう。

もし借入先と十分な条件で和解できない場合は、過払い金返還請求訴訟を提起することもありえます。

訴訟になった場合は、6ヶ月〜1年程度で判決、または和解になるケースが多いといえます。

過払い金返還請求の各ステップを解説します。

1.弁護士に相談・依頼

弁護士事務所の初回相談で、過払い金の有無、目安の金額などを無料で診断してもらえることもあります。

過払い金がありそうなことがわかれば、そのまま過払い金返還請求を依頼することが可能です。

相談時は、以下のものを持参するとスムーズでしょう。

  • 身分証明書(運転免許証、パスポートなど)
  • 印鑑(認印でOK)
  • 借入先との契約書
  • 借金の取引明細書

なお、契約書や取引明細書がすでにない場合でも相談することは可能です。

相談予約時に指定されたほかに持ち物があれば、持参するようにしましょう。

2.過払い金の調査・利息制限法の上限利率での引き直し計算

弁護士は過払い金返還請求の依頼を受けると、貸金業者に取引履歴の開示請求を行います。

取引履歴とは、貸金業者から「いつ、いくらお金を借入れ(または返済)したのか」の履歴をまとめたものです。

取引履歴が弁護士の手元に届くまでは、およそ1ヶ月から3ヶ月ほどかかります

その後、開示された取引履歴をもとに、利息制限法で定められた利息で引き直し計算を行うことで、過払い金の額が決定します。

3.相手先の貸金業者との交渉、可能であれば和解

過払い金の額が確定したら、請求先の貸金業者に「引き直し計算書」と「過払い金返還請求書」を送り、交渉に移ります。

これは「任意交渉」と呼ばれます。

任意交渉の結果、依頼人の納得のいく条件が引き出せれば、貸金業者との和解が成立します。

かかる期間としては、2〜3ヶ月程度で交渉をまとめ、合意書を取り交わすことが多いでしょう。

4.過払い金返還請求訴訟(裁判)を提起

交渉をしても納得のいく条件での和解が難しい場合、「過払い金返還請求訴訟」を裁判所に提起することも可能です。

一般的に、訴訟をした方が返還金は高くなることが多いといえます。

訴訟で判決が出た場合、過払い金の全額に加え、過払い金自体に発生する利息の支払いを貸金業者に命じる内容となることも少なくありません。

ただし、訴訟を行うと期間が長くなるのがデメリットです。

過払い金返還請求訴訟は3〜6ヶ月以上かかることが多いといえます。

また、貸金業者によっては、任意交渉では積極的に反論しないものの、訴訟では徹底的に争う姿勢をとることもあります。

そうなると、当初の和解段階で提案された金額よりも低くなってしまう危険性も否定できないでしょう。

過払い金返還請求を依頼した弁護士などと相談し、状況に合わせて、納得できる条件での解決を目指すのがよいでしょう。

過払い金返還請求の裁判については以下の記事で詳しく解説しています。

5. 貸金業者からの過払い金の返還

合意書の取り交わしや判決の確定がなされると、貸金業者から過払い金が指定口座に振り込まれます。

和解により合意をした場合、過払い金の返還時期は1〜6ヶ月後程度となることが多いでしょう

裁判となった場合には、過払い金の返還までに少なくとも6ヶ月から1年ほどかかるのが一般的です。

なお、弁護士に依頼して過払い金返還請求をしていた場合は、いったん依頼していた事務所の口座に振り込まれ、成功報酬を差し引いたうえで本人の銀行口座に振り込まれる流れとなるのが一般的です。

弁護士法人・響の過払い金返還請求の流れと特徴

弁護士法人・響に過払い金返還請求をご依頼いただいた際の流れを紹介します。

要所要所でご依頼者様に進捗や結果をご報告するため、安心してお任せいただけます。

1 まずはお電話またはWebからご相談ください
  ↓
2 電話や面談で弁護士が詳細を確認の上、内容にご納得いただけたらご契約いただきます

  • 完済済みで過払い金の調査を希望される場合:完済過払請求としてご契約
  • 現在返済中だが、過払い金の調査を希望される場合:代理開示請求としてご契約

  ↓
3 ここからは弁護士法人・響におまかせください

  • 取引履歴取り寄せ
  • 引き直し計算

  ↓
4 調査の結果をご依頼者様に報告

  ↓
5 過払い金返還請求

  • 弁護士による交渉

  ↓
6 交渉の結果をご依頼者様に報告

  • 交渉の結果にご納得いただけない場合は過払い金返還請求訴訟

  ↓
7 和解
  ↓
8 過払い金の返還
  ↓
9 ご依頼様にご返金
※原則として、返金を受けた過払い金の中から弁護士費用を差し引いてご返金します。

  • 弁護士法人・響のご対応方針や特長
    請求実績・訴訟実績が多数あるため、訴訟外交渉段階でも高い返還率をキープしています。

調査や交渉の結果を報告する際は、訴訟外交渉時と訴訟時のそれぞれの返金額や返金までに要する時間などのメリットデメリットをしっかり説明します。

ご依頼様にご納得いただいた上で最大限の利益を提供できるよう、手続きを進めていきます。

過払い金請求で借金問題の解決を目指す場合、債務整理した方がよいことも

「過払い金を取り戻して借金の返済を少しでも楽にしたい」
という場合、過払い金返還請求で戻ってきた過払い金を返済額に充当することはもちろん可能です。

しかし、それだけでは借金問題の解決が難しい場合、「債務整理」が選択肢になることがあります。

債務整理とは、借金問題を解決するための正当な方法で、おもに次の3つがあります。

広告でよく見る国が認めた借金救済制度も債務整理などのことを指しています。

  • 任意整理
  • 個人再生
  • 自己破産

「借金はあるし、過払い金もありそうだけど、何からすればいいかわからない」という場合は、弁護士に過払い金の相談をする際、現在の借入額なども伝えてみるのがよいでしょう。

弁護士が、借金問題解決までの糸口も一緒に提案してくれます。

日本弁護士連合会が提示しているガイドラインでは、過払い金返還請求だけ行って借金問題を放置しておくこと(いわゆる「つまみ食い」)は原則禁止とされているのです。(日本弁護士連合会「債務整理事件処理の規律を定める規程」第8条2項)

債務整理のについて以下で解説していきます。

任意整理デメリットを抑えつつ返済プランを見直せる

任意整理とは、借金の返済方法について債権者(お金を貸した側)と直接交渉する方法です

将来利息(これから払う利息)などをカットし、無理のない返済計画に調整できる可能性があります。

減額後の借金は原則3〜5年程度で返済することを目指すのが一般的です。

なお、任意整理を弁護士などに依頼すると、まず過払い金が発生しているかを確認してくれます。

過払い金が発生していそうな場合は、引き直し計算を行い、借金総額から差し引きます。
過払い金と相殺した後の借金残高をどう返すか、交渉を進めるのが通常です。

任意整理をすると、事故情報が完済から5年ほど信用情報機関に登録されてしまいます(いわゆる「ブラックリストに載る状態」)。

これによる影響は上記で解説したとおりです。

しかし、裁判所を通さない手続きであるため、以下のようなメリットがあるでしょう。

  • 任意整理をする債権者が選べるので、家や自動車などを手元に残しやすい
  • 国の機関紙である「官報」に載らず、周囲にバレづらい

借金の額が年収などに対して非常に多い場合をのぞいて、一定の収入があるケースでは、任意整理が第一の選択肢になることが多いでしょう。

実際に任意整理を行っている人は、年間200万人程度いると推定されています。

任意整理については以下の記事で詳しく解説しています。

裁判所に申し立て借金の支払い免除をしてもらう自己破産

自己破産は、裁判所に申し立てることで借金のほぼ全額を免責してもらう手続きです。
自己破産が認められると、税金などの一部の債権(非免責債権)を除き、支払い義務がなくなります。

自己破産の準備中に過払い金の存在がわかった場合は、自己破産の申立て前に過払い金の返還請求を行うことがあります。

過払い金の返還があった場合、自己破産に必要な費用、税金などの支払い、最低限の生活費に充てるケースが多いでしょう。

借金の返済義務がなくなる自己破産は、デメリットも無視できません。

おもに、以下のようなものがあります。

  • 借金の経緯や理由などに問題があると免責が認められないケースがある(免責不許可事由)
  • 信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト」に載る状態)
  • 一定以上の財産が回収される
  • 国の機関紙である「官報」に載る
  • 職業や資格に制限がかかる(自己破産の手続き期間のみ)

自己破産を検討する場合、弁護士などと相談して進めるのがよいでしょう。

自己破産については以下の記事で詳しく解説しています。

借金を5分の1~10分の1程度に減額できる可能性がある個人再生

個人再生は、裁判所から再生計画の認可決定を受けて、借金を減額する方法です。
借金を5分の1程度~10分の1程度に減額できる可能性があり、原則3年(最長5年)で分割返済していくことになります。

個人再生を弁護士などに依頼すると、まず過払い金が発生しているかを確認し、引き直し計算を行います。

過払い金を借金総額から差し引いたものを借金額と考え、申立て手続きなどを進めるのです。

借金の元金も大幅に減らせる可能性がある個人再生は、デメリットも小さくはありません。
おもに、以下のようなものがあります。

  • 信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト」に載る状態)
  • 国の機関紙である「官報」に載る
  • 手続きが複雑で期間も長い(1〜1年半程度かかる場合がある)

しかし、個人再生では自己破産と異なり、原則借金の理由や経緯は問われません。

また、住宅ローンが残っている場合は「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用することで、自宅を手放さずに済みます。

個人再生については以下の記事で詳しく解説しています。

過払い金や過払い金返還請求についてのよくある質問

過払い金や過払い金返還請求について、よくある質問をまとめました。

不明点があれば、弁護士などの法律の専門家に聞いてみるのもよいでしょう。

Q1.過払い金返還請求をすると住宅ローンを組めなくなるの?

すでに完済した借入れに対する過払い金返還請求は、通常住宅ローンに影響しません。

ただし、返済中の借入先に対して過払い金返還請求については、上記で解説したとおり、信用情報機関への事故情報登録につながるケースがありえます。

事故情報が登録されてしまうと、借金完済から5年程度、住宅ローンが組めなくなるリスクも考えられます。

弁護士などの法律の専門家に相談して正確な引き直し計算を行ったうえ、手続きをするかどうか慎重に判断した方がいいでしょう。

過払い金請求による住宅ローンへの影響は以下の記事で詳しく解説しています。

Q2.借金をした本人が死亡していても過払い金返還請求はできる?

債務者本人の死亡後でも、遺族などの相続人が過払い金返還請求を行うことは可能です。
亡くなった人(被相続人)の過払い金は、相続財産と考えられるためです。

なお、被相続人の過払い金返還請求を行うと、相続について「単純承認」したことになります。

相続を単純承認すると、被相続人にほかに借金がある場合も相続放棄ができず、返済義務を負うことになってしまいます。

借金をしていた人が亡くなった場合の過払い金返還請求は、ほかに所有していた財産や抱えていた借金の額などを調べてからの方がよいかもしれません。

不明点があれば、弁護士などの法律の専門家に相談するのもよいでしょう。

Q3.借金の詳細を覚えていない、明細がない状態でも過払い金返還請求はできる?

借金の詳細を覚えていない、明細がない状態であっても、借入先や借入期間を調べ、過払い金返還請求を行うことは可能です。

信用情報機関に問い合わせれば、自分が過去にした借入れなどを確認することができるためです。

過払い金と関係すると考えられる信用情報機関の情報確認の方法、手数料の一覧は以下のとおりです。

不明点があれば、弁護士などに相談のうえ確認を進めるのもよいでしょう。

信用情報機関名・概要 情報の確認方法と手数料(税込)※
CIC
おもにクレジットカード(信販)会社が加盟
・インターネット:1,000円
・郵送:1,000円
・窓口:500円
JICC(日本信用情報機構)
おもに消費者金融が加盟
・スマートフォン専用アプリ:1,000円
・郵送:1,000円

※2022年5月13日時点の情報です。

Q4.過払い金が戻ってきたら税金はかかる?確定申告は必要?

過払い金には、税金がかかるケースとかからないケースがあります。

過払い金に税金がかかるかどうかは、「過払い金が個人の収入と見なされるか否か」によって決まります。

まず原則として、過払い金は収入の扱いにはなりません。

過払い金返還請求は「不当利得返還請求」といわれ「相手が法的権利がないにもかかわらず得た利益を取り戻す」ことに当たります。

過払い金はもとは自分のお金であるといえ、自分のお金を取り戻した分には税金もかからないのです。

しかし、過払い金に対して利息が発生し、返還されたケースでは異なります。

もともと自分のお金である過払い金の元金は収入とされませんが、過払い金の利息部分は収入であると見なされるのです。
(過払い金の利息については上で説明しています。)

過払い金の利息は、「雑所得」という勘定科目に計上されます。

雑所得とは、事業活動によらずに得た所得のことです。
雑所得も収入となるため、確定申告が必要となります。

ただし以下の条件の両方に当てはまった場合、確定申告は不要です。

  • 過払い金の利息を含めたその年の雑所得が20万円以下である
  • 給与所得者(サラリーマン、パートタイマーなど)である

参考:返還を受けた利息制限法の制限超過利息|国税庁

なお、生活保護を受給している場合、過払い金の返還を受けると収入と見なされます。

下記のQ.7で解説します。

Q5.過去に債務整理した場合も過払い金返還請求はできる?

過去に債務整理の「任意整理」「個人再生」を行った場合、改めて過払い金返還請求はできない場合が多いでしょう

弁護士などの法律の専門家に依頼してこれらの債務整理を行う場合、まず利息の引き直し計算を行って借金額を確定させ、返済計画などを作成していることがほとんどであるためです。

つまり任意整理や個人再生を行った時点で、過払い金が返還されている可能性が高いのです。

しかし自己破産の手続きでは、利息の引き直し計算は必須ではないため過払い金の返還請求がもれていることもあります。

このようなケースでは、自己破産手続き後でも過払い金返還請求をすることが可能です。

過去に自己破産をした方で、過払い金返還請求をしていない場合は、弁護士などに確認してみるのがよいかもしれません。

Q6.遅延損害金の利率がグレーゾーン金利の場合は過払い金は発生する?

遅延損害金を利息制限法で定められた以上の利率(グレーゾーン金利)で支払っていた場合、過払い金返還請求を行える可能性があります

利息制限法第4条では、契約利息の1.46倍を超える遅延損害金は無効と定められています。

さらに利息制限法第7条には以下のような特則が設けられており、貸金業者の遅延損害金の上限は20%と定められています。

〈法律の条文(利息制限法)〉

続きを読む 第七条 第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
出典: e-Gov法令検索「利息制限法 」_

ただし、遅延損害金は債務者が支払日に遅れるという契約違反をしたために発生したお金です。

そのため、遅延損害金が関わる過払い金の返還請求は、貸金業者と主張が食い違い、高度な交渉が必要になるケースも少なくありません。

過去の返済で年利20%以上の遅延損害金を支払っていた心当たりがあれば、弁護士などに相談してみるとよいでしょう。

Q7.生活保護受給中でも過払い金返還請求はできる?

現在生活保護を受給している方も過払い金返還請求は可能ですが、生活保護費の減額につながる可能性があるため注意が必要です。

生活保護受給中に過払い金が返還されたときは、過払い金の全額が「一時所得」として扱われます。

所得が増えることにより生活保護費が減額されるケースも考えられるほか、所得税もかかります。

なお、福祉事務所は、生活保護受給者と取引のある金融機関を調査することができます。
そのため、返還された過払い金を福祉事務所にバレずに受け取ることはできないと考えた方がよいでしょう。

収入を隠しての生活保護受給は、不正受給と見なされることもあります。

まとめ
  • 過払い金とは、払いすぎていた利息のことです。
    過払い金返還請求(過払い金請求)を行うことで、取り戻すことができます。

  • 過払い金の発生の理由は、出資法と利息制限法の間で上限金利が異なり、その差である「グレーゾーン金利」と呼ばれる金利での貸付けが行われていたことにあります。それを助長する「みなし弁済」制度も存在していました。

  • しかし、2006年の最高裁判決でみなし弁済が実質無効化し、過払い金返還請求が広く行われ始めました。さらに貸金業法・出資法改正により、2010年6月以降、グレーゾーン金利は撤廃され、過払い金の発生もなくなっています。

  • 過払い金発生の条件は、以下の2つです。
    ・2010年以前に消費者金融、クレジットカード会社から借入れていたこと
    ・過払い金の時効「最終取引後10年」を過ぎていないこと

  • 過払い金の相談先は多くあります。

    「過払い金返還請求の時効が迫っている」「過払い金をきちんと取り戻したい」「並行して借金問題を抱えている」という場合、過払い金返還請求の相談は弁護士事務所にするのがよいでしょう。無料相談を受け付けている事務所も多くあります。
    借金の詳細を覚えていない場合や、明細が手元にない場合でも相談は可能なので、気軽に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

監修者情報
澁谷 望
監修者:弁護士法人・響 弁護士
澁谷 望
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第54634号
出身地
熊本県
出身大学
大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。
[実績]
43万件の問合せ・相談実績あり
[弁護士数]
43人(2023年2月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
[拠点]
計7拠点(東京、大阪、香川、福岡、沖縄)
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