
バブル崩壊後の「失われた時代」に、社会という荒波に飛び出した「就職氷河期世代」。
正規雇用の門はあまりにも狭く、不本意なキャリアや不安定な雇用形態で低収入の人生を受け入れざるをえなかった人もいるかと思います。
収入が低いことで日々の生活がとどこおり、借金せざるを得ないという状況もあったのではないでしょうか。
そこで、氷河期世代7,000人を対象に、借金のきっかけや完済までの道のり、そして時代がもたらした影響を調べました。
数字の奥にあるリアルな苦労と再起の兆しを探ります。
調査対象
事前調査:7,000人
本調査:氷河期世代で借金をしたことがある男女1,000人(男性760人、女性240人)
調査地域:全国 調査期間:2025年9月22〜30日
調査主体:借金返済の相談所編集部 調査委託先:アイブリッジ
※この記事での「就職氷河期世代」は、1970〜1984年生まれで、1993年代から2005年に大学や高校等を卒業し就職活動を行った世代としています
参照:内閣府

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目次
氷河期世代が借金をしたきっかけは「低収入・不安定な雇用」が圧倒的1位

氷河期世代で借金をしたことがあるという1,000人に「借金のきっかけは何か」について聞いたところ、1位が「低収入・不安定な雇用で生活費が不足した」(41.1%)でした。
これは、個人の浪費や失敗というよりも、社会構造そのものが原因であったことを強く示唆しています。
氷河期世代は新卒時に正規雇用の職に就けず、不本意ながら非正規雇用でキャリアをスタートさせた人が他の世代に比べて多いという時代背景があります。
内閣府のデータによると、氷河期世代の大学(学部)卒業者の平均就職率は約69.7%でした。
これは、氷河期以降(1985~2019年から氷河期を除いた年)の就職率の平均である約80.1%と比較して、10%以上も低い数値です。
就職の出発点で不利な環境に置かれたことは、その後の賃金格差やキャリア形成にも影響を残しました。
これは個人の努力不足ではなく、当時の社会構造そのものに起因する問題と言えます。
氷河期世代を対象に行った内閣府の調査では、不本意非正規雇用で働く35〜44歳の半数近くが年収200万円未満であるというデータもあります。
今回のアンケート結果は、まさにこの「世代特有の困難」が生活費を圧迫し、借金へと直結した実態を裏付けるものとなりました。
借金は「就職氷河期」が影響しているか?について「ある程度影響している」が30.2%と一番多い

氷河期世代の借金には「就職氷河期という時代背景が影響していると思うか」について聞いたところ、「ある程度影響していると思う」が一番多く30.2%でした。
「強く影響していると思う」(18.6%)とあわせると、約半数(48.8%)の人が、自分の借金は「時代のせい」でもあると明確に認識しています。
一方で、「あまり影響していないと思う」が25.5%、「全く影響していないと思う」が25.7%となり、影響していないと感じる人も意外と多いという結果になりました。
これらの回答をした方の借金の理由が、詐欺やギャンブル、病気などの個人的要因が見られたため、確かに時代背景だけでは説明できないケースもあります。
しかし、氷河期世代の就職時は「自己責任」という言葉が社会を覆っていたため、自分の苦境を時代のせいと認めにくかったという側面もあるでしょう。
氷河期世代のリアル…就職から今に続く経済的苦労や借金の経緯
前述の質問で、借金に就職氷河期という時代背景が「強く影響していると思う」と「ある程度影響していると思う」と回答した人に、そう感じる理由について聞いてみました。
氷河期世代と絡めた就職・経済事情について、寄せられたエピソードをいくつかご紹介します。
高校卒業にバブル経済がはじけ、家計を助けるために通っていた専門学校を退学し就職した。しかし景気はさらに悪くなりボーナスカット・リストラで解雇を数度繰り返し、借金をするようになった。
キャリア形成ができておらず不安定な仕事しかないため、将来設計が全くできない。今の生活だけで精一杯のため貯蓄ができない。
20代で結婚したのを機に就職活動をしたが、契約社員として入社し、何十年も契約形態が変わらなく給与も上がらなかった。
正社員になっても昇進をしなければ、なかなか給料が上がらず、低賃金でした。また、その影響で初任給も少なかったです。
正社員の仕事を探してもなくて、あったとしても非正規雇用と、変わりのない手取りのものぐらいしかなかった。
借金が原因で生活の豊かさや人とのつながりが薄くなったという声も

氷河期世代で借金を抱えたことで「あきらめた・ためらったことはあるか?」について聞いたところ、「特にない」が一番多く42.4%でした。
しかし、「特にない」が42.4%ということは、裏を返せば残りの半数以上は、借金によって何かしらをあきらめたりためらったりしているということになります。
特に2位の「趣味や自己投資」(29.8%)と3位の「友人や同僚との付き合い」(21.6%)は、どちらも個人の生活の充実度や社会的なつながりに関わる重要な項目です。
こうした結果から、借金は家計だけでなく、日常の楽しみや人間関係にも一定の影響を及ぼしていることがうかがえます。
氷河期世代で借金を完済した人は53.8%!債務整理した人は10%いる

借金について返済状況を聞くと、「完済した」という人が53.8%であり、半数以上の人が借金を解決できているという結果になりました。
完済した960人に完済方法について聞いたところ、「自力で完済した」人が80.8%と圧倒的多数でした。
今回は借金額についても聞いていますが、結果としては「50万円未満」が37.6%と一番多かったため、返済できる範囲の人が多かったということでしょう。
以下が今回のアンケートで聞いた借金額の分布です。
| 借金額 | 割合 |
|---|---|
| 50万円未満 | 37.6% |
| 50〜100万円未満 | 13.8% |
| 100〜200万円未満 | 16.8% |
| 200〜300万円未満 | 12.1% |
| 300〜400万円未満 | 4.9% |
| 400〜500万円未満 | 7.3% |
| 500万円以上 | 7.5% |
次に多いのが100〜200万円未満の16.8%となり、この金額帯以上になると低所得の世帯が多い氷河期世代は自力返済が苦しくなるラインです。
今回の調査では、債務整理(任意整理・個人再生・自己破産)をして解決したという人も合計10%いました。
債務整理は借金を減額もしくは返済免除して解決する方法なので、経済的に自力返済が難しい人にとっては有効な解決策となったようです。
【完済した人に聞いた】どうやって返した?借金から抜け出したエピソード
借金を完済した960人に、具体的にどのように借金解決へ向かったのかエピソードを聞いてみたので、いくつかご紹介します。
生活費の補填でカードローンで借りていた150万の借金を債務整理して2年で完済した。
毎月の生活費を極限まで節約し、滞納していた家賃、消費者金融から借りていたお金等、あわせて約110万円の借金をおよそ1年かけて完済しました。
複数社のローンを過払い訴訟し、返金を受けた。それに該当しないものは債務整理で5年ぐらいかけて完済した。
生活費で200万円借金ができ、カードローンで借りたが、家族に一時的に立て替えてもらい払い、その後家族に支払った。
リボ払いが膨らんで250万円ほどあったが、債務整理して1年で完済した。
今、借金で困っているという氷河期世代の方へ
今回のアンケートでは、債務整理することで借金を完済した人が10%いました。
債務整理とは、借金を減らしたり、返済を免除してもらう解決手段の総称です。
生活が苦しく借金の負担が大きいという方にとって、生活の再スタートを手助けする方法といえます。
債務整理のメリットは借金が減額・免除されること
債務整理は、具体的には、私たち弁護士が債権者(お金を貸した側)との交渉を行ったり、裁判所の手続きを利用したりすることで、借金を減額・免除し解決する方法です。
債務整理は、大きく分けて「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。

今回のアンケートでは、債務整理をした人の中では任意整理を行った人が一番多いという結果でしたが、実際も任意整理が一番選ばれている方法です。

任意整理とは、裁判所を介さず債権者との交渉で将来利息をカットして借金総額を減らし、完済を目指す方法です。
自己破産のように財産が差し押さえられたりするリスクがないため、最初に検討される方法といえます。
ほか、私たちのような弁護士にご依頼いただいた場合は、受任通知というものが債権者に届き、一時的に督促や返済をストップできるというメリットもあります。
氷河期世代は再び進む未来へ──国支援プログラムなどサポートも広がる
バブル崩壊後の厳しい時期に社会へ出た氷河期世代は、長く不安定な雇用や収入に悩まされてきました。
それでも近年では、働き方や生活の見直しを通じて、新しい道を模索する人が増えています。
たとえば、資格取得やオンライン講座でスキルを磨き、転職や副業に挑戦するケースも見られます。
リモートワークの普及や経験を活かした業務委託・フリーランスとして働く人も少なくありません。
政府や自治体も、就職氷河期世代向けの支援プログラムや再就職サポートを続けており、少しずつ環境が整いつつあります。
厳しい時代を経験したからこそ、変化に対応する力や地道に積み重ねる力を持つ人が多いのも、この世代の特徴です。
実際、内閣府の調査でも、氷河期世代は他の世代に比べて「収入は安定していなくても働き続けたい」と答える割合が高いなど、仕事への粘り強さがうかがえます。
借金を乗り越えて生活を立て直した経験を糧に、今も前を向いて進もうとする姿が多く見られます。
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ご相談内容をうかがって、債務整理が必要ないのに勧めたりといったことはもちろんありません。
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