自己発見セミナーがきっかけで借金生活に…。回り道もしたけれど、今はもう人生の迷いがなくなった

この記事は弁護士法人・響のPRを含みます
この記事の監修者
時光 祥大
この記事の監修者
時光 祥大弁護士
弁護士会所属
東京弁護士会(第52547号)
出身地
広島県
出身大学

立命館大学法学部

立命館大学法科大学院

専門分野
借金問題・債務整理・遺産相続・債権回収

Rさん(37歳・男性)

経験したこと:任意整理
債務整理をした時期:約3年前
借金の総額:約300万円

この企画の趣旨

世の中には、債務整理に対して「最後の手段」といったイメージが強くあります。
しかし債務整理は「終わり」ではなく、平穏な日々を取り戻す「再生の始まり」です。

この企画は、債務整理を経験した方々にお話をうかがい、どういった経緯で借金をするようになったのか、そして「そんな生活をいかに再建し、現在はどんな生活をしているのか」という部分にもフォーカスしたドキュメンタリーです。

※本企画は、債務整理をより多角的に理解してもらうことを目的としています。特定の手続き・成果を保証するものではありません
※弁護士法人・響で受任した案件ではありません

「自分はどう生きるべきなのか。何を目的に生きればいいのか」

こんな重大なテーマに対して、若いうちから明確な答えが出せている人は少ないでしょう。なんとなく「今のままではいけないような気がする」という悩みを抱えながら、毎日を過ごしている人も多いのではないでしょうか。

そんな悩みが、借金生活のきっかけになることもあります。

今回紹介するのは「答えを見つけたい」という思いを追求していった男性の物語。起業スクールや自己発見セミナーなどがきっかけとなって借金のスパイラルに陥り、債務整理によって生活再建までたどり着いたエピソードです。

※以下のコンテンツは、債務整理を経験した方に実際のエピソードをお聞きし「ご本人が語っている文体」として編集部が執筆したものです

目次

プロローグ

介護の画像

私の年齢は37歳。家族構成は、妻と子供1人の3人家族です。

仕事は介護関係で、副業としてスタートアップ企業のサポートのような仕事もしています。2つの仕事を掛け持ちしているので日々忙しいですが、充実してますね。

休日の楽しみは、子供と遊んだり、ジムに行ったりすること。あとは、たまに行く家族旅行も楽しみにしていることの一つです。今は子供も小さいので国内旅行ばかりですが、いずれはニュージーランドに行きたいなと思っています。

実は結婚する前にニュージーランドに1ヶ月くらい滞在したことがあって、そこで出会った人の温かみや、食事のおいしさが忘れられなくて。またぜひ行ってみたいなと思っています。

こういった話だけを見れば、私の人生は順風満帆のように見えるかもしれませんが…。実は過去に借金が300万円ほどあって、人生のどん底をさまよっていたことがあります。

正直、命を絶とうかと思うほど精神的に追い込まれたこともあったのですが、債務整理をしたことによって救われました。

これから、そんな私の過去についてお話します。

人生の目的を見つけたいという思いから、スクールに参加

それは、27~28歳ごろのこと。私はとある会社に勤めていたのですが、当時の私には二つの悩みがありました。

一つ目は「ずっとこのまま会社員をしていていいのだろうか?」という漠然とした不安です。毎日会社に行って働いてはいるものの、本当にその仕事がやりたいのかというと、そうではない感覚があったんですよね。

では自分のやりたいこととは何か…?と考えても、わからない。人生は今後もずっと続いていくのに、自分が何をすべきなのかがわからないというのが、一つ目の悩みでした。

二つ目の悩みが「自分で稼げる力が欲しい」ということ。

そもそも会社員という働き方が自分には合っていない感覚があったし、働き続けていても、給料の上がっていくペースもあまり期待できなかった。もっと自由な働き方ができるようになるためには「自分で稼げる力」が必要だけど、今の自分にはそれがない。それが二つ目の悩みでした。

そんなあるとき、ネットで『自分で稼ぐ力を身に着けて、自分らしい生き方をしていきましょう』という広告を見つけたんです。要は起業スクールのようなものですね。

当時の自分に「起業したい」という思いがあったわけではありませんでしたが、自分で稼ぐ力を身に着けたいという思いは強かったので、説明会に参加しました。

スクールの画像

スクールの内容としては『コーチング(顧客の目標達成をサポートする技術)』を教えてもらい、実際にビジネスをしてみましょうというものです。受講期間としては3ヶ月で、最初の1ヶ月は座学、残りの2ヶ月はメンターの方に伴走してもらいながら実際に仕事をしていきましょう、といった内容です。

3ヶ月間の受講費用は、50万円ほどでした。

もちろん、安いものではないなと思いましたが…。自分がそれまでに抱えていた悩みが、ここなら解決できるのではないかと思いました。ここなら自分を変えられる、と。

そこで、50万円の受講料をクレジットカードで支払い、スクールに通うことにしました。

しかし…結果からいえば、このスクールで自分の欲しかったものは手に入りませんでした。1ヶ月の座学を終えた後にコーチングビジネスを始めてみたのですが、なかなか業績は伸びません。クライアントはどうにか1件獲得できたのですが、それ以上の業績は出せず…。

それに、もともと自分としては「コーチングビジネスで起業がしたい」というわけではなく「人生の目的を見つけたい」という方がメインだったので。求めていた答えを見つけたいという不完全燃焼な思いもありました。

そこで、追加で商材を購入することにしたんです。スクールを主催していた会社では、追加商材としてそういったものも提供されていたんですよね。

追加商材の値段は20万円とか30万円とかでしたが「それを買えば自分の欲しかった答えが見つかる」と思い、銀行系のカードローンなどで借金をし、次々に購入していきました。

そんなことを繰り返すうちに、借金がどんどん膨らんでいくことになったんです。

そして、積み重なった借金の大きさに追い込まれていき…

結局、どんな商材を買っても、自分が欲しかった答えは見つかりませんでした。講習自体は悪いものではなかったとは思うのですが、人生の目的を得られたかというと、そこまでの実感はなく…。

その一方で、借金問題だけは現実としてのしかかってきます。これを返すためにはコーチングのビジネスを伸ばすという手段しかないのに、そちらの業績は伸びない。

そんなことから、どんどん焦っていきました。

とにかく稼がなきゃならないので、ビジネスを伸ばすための商材も買ったり、コンサルティングを受けたりして、さらに借金がかさんでいきました。

そして最終的に、借金は5~6社から、計300万円以上という額になっていたんです。気づいてみればもう、完済の目途が立たないところまで借金額は膨れ上がっていました。

当時の返済額は、自分の収入の8~9割を占めていたのではないかと思います。当然それでは生活が成り立たないので「借金を返すための借金」もするような状態でした。

もう、毎月いくら返したところで元金はほとんど減っていない状態だったと思いますが、当時の自分はもう「次の返済日どうしよう。どうやってお金を工面しよう」ということしか考えられないんです。

毎日のように悩みましたが、誰にも相談できません。そんなことからどんどん追い込まれていきました。妻とは当時からお付き合いはしていたのですが、もちろん借金のことは言えませんでした。

仕事はうまくいかない、お金は稼げない、借金は続くという悩みを抱えて生きていくうちに、なんだかもう「自分の人生終わってるな」とすら思うようになって…。

「気づいたらビルの屋上に立っていた」こともあったんです。そのときはどうにか踏みとどまったんですが、そこまで追い込まれていました。

今振り返ってみても当時のことはあまり覚えていないのですが、おそらく「借金が返せない」といった内容でネットで調べたりしていたんだと思います。

そうしたら債務整理というものがあることを知り、誰でもいいからとにかく助けてほしいという思いで、最初に見つけた弁護士事務所に相談しました。

債務整理を決断し、妻とともに前を向いて歩み始める

弁護士さんとどんな話をしたのか、記憶もあいまいになってるところもあるのですが、借金をどこからいくら借りているのかっていうのを淡々と整理していったと思います。

そして、債務整理の方法としては任意整理を選びました。

追い込まれていても自己破産を選ばなかったのは、やはりプライドがあったのだと思います。もし自己破産をしたら「こんな金額でも返せない自分がいる」っていうことになるので、それを受け入れたくなかったというか…。

編集部のワンポイント解説

自己破産は借金そのものをなくす方法ですが、「任意整理」は裁判所を介さずに債権者と交渉し、将来利息をカットすることで完済を目指すものです。

まずは弁護士費用として月々6万円を支払っていき、弁護士費用を払い終えたあとに借金返済をしていくことになりました。

ただ、債務整理をすると決まった後も、そこまで気分は晴れませんでした。月々の返済額が減ったことは非常に助かりましたが、とはいえこれからも返済を続けていくことは変わりませんし「これからどうしよう」という思いはやっぱりありました。

それに…実は私は、借金のことを妻に言い出せないまま結婚していたんです。それもまた「どうしよう」という思いの理由の一つでした。

しかし、いつまでも秘密にし続けるわけにもいかないので、あるときに意を決して妻に打ち明けたんです。「実はこういう借金があります」と。そして「離婚を考えると言われても、それは覚悟しています」と…。

妻からはもちろん、非難の言葉がたくさんありました。それは当然だと思います。でも、非難の言葉の先に「別れたい」という話はなく、受け入れてくれました。それについては本当に感謝しています。

それからは毎月の返済を続けていく日々が続き、結局完済するまでに丸5年ほどかかったのですが、完済することができたのは妻の存在がとても大きかったと思っています。借金があって債務整理する私を受け入れてくれましたし、さまざまな場面で助けてもくれました。

そのおかげもあって債務整理したことのデメリットを感じることはほとんどなかったのですが、私の名義でローンが組めないことについては今でも妻に対して申し訳ない気持ちを持ち続けたままです。

編集部のワンポイント解説

債務整理をすると、いわゆる「ブラックリストに載る」状態になることは避けられません。任意整理の場合、完済から5年間はクレジットカードが持てない・ローンを組めない(分割払いができない)といった制約があります。

妻が今「家が欲しい」と言っているのですが、私はまだブラックリストの期間が過ぎていないのでペアローンは組めません。妻の願いをすぐにかなえてあげられないのが心苦しいですね。

クレジットカードが持てないことについては、現金払いやデビットカード、PayPayなどを使えば不便を感じることはほとんどありません。しかし住宅ローンを組めるように、早くブラックリストの期間が過ぎたら…と思っています。

債務整理を経験して「目の前のものにある感謝」を感じられるようになった

ここまでにお話したとおり、私が多重債務に陥ったのは「人生の目的を探したい」という悩みがきっかけでした。それを得るために、高いスクールや商材にお金を注ぎ込んだけれど、結局そのスクールで、答えは見つかりませんでした。

そのことについて「詐欺の被害に遭った」というような気持ちはありません。学んだことが100%無駄だったというわけでもないですし、お金を払ってでも受講しようと決めたのは自分ですから、その判断の結果は受け入れようと思っています。

それに今はもう、昔と違って生きがいがいろいろとありますから。過去を引きずって思い悩むことはありません。

借金があるときは、すべての感情にフタをしたような感じでしたが、今はそういったものがすっきりして、やりたいこともどんどん出てくるようになりました。

ニュージーランドへ行きたいというのは冒頭でも話したとおりですが、それ以外にも、スキューバダイビングのライセンスを取りたいとか、昔お世話になった人に会いに行きたいとか…。借金のことを気にせず仕事に没頭できる幸せも感じています。

債務整理を経験して「自分にもいろいろとやりたいことがあったんだな」という気付きがありましたね。

性格も少し変わったかもしれません。昔は自分のことしか考えてなかったけど、今はもう少し他の人のことを考えられるようになったというか。妻や子供のことなど「今、目の前のものにある感謝」のようなことを感じられるようになったと思っています。

家族の画像

ですから、過去の私と同じように借金でどん底の状態の人がいるのなら「弁護士に相談しましょう」と言いたい。もちろん弁護士じゃなく公的なところでもいいですし、誰かに助けを求めましょう。助けを求めることは決して悪いことではないのだし、何なら生活保護を受けることになったっていいと思うんです。

とにかく、助けてくれる人は必ずいますから。少なくとも闇金などに手を出すことは絶対にせず、誰かに相談しましょうと伝えたいですね。

取材後記

インタビューをしていて印象的だったのが「Rさんはもう、人生に悩んだり迷ったりしていない」ということでした。かつては悩みや迷いの答えを見つけるために借金を重ねてしまったRさんでしたが、今はもう奥さんとお子さんもいます。仕事も余暇も充実した生活があります。

奥さんとお子さんの存在が、Rさんの悩みを解き放ってくれたのだと感じました。そして、債務整理が生活再建の重要な役割をはたしたことは言うまでもないでしょう。

どん底のときには「気づいたらビルの屋上に立っていた」というところまで追い込まれたというRさん。債務整理によって助けられたのはRさん本人だけでなく、ご家族の人生もまた救われたのかもしれません。

この記事の監修者
時光 祥大
この記事の監修者
時光 祥大弁護士
弁護士会所属
東京弁護士会(第52547号)
出身地
広島県
出身大学

立命館大学法学部

立命館大学法科大学院

専門分野
借金問題・債務整理・遺産相続・債権回収
  • 80万件の問合せ・相談実績あり
  • 弁護士 約40(2024年7月時点)
  • 8拠点(東京・北海道・大阪・兵庫・香川・沖縄)
弁護士法人・響
関連記事