自己破産の費用が払えない場合はどうすればいい?状況別に対処法を解説

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自己破産をするだけの費用がない……

自己破産の手続きの費用は、総額で約30〜130万円程度。手続きを検討している方の中には、すぐにこの金額を用意できない方もいらっしゃるでしょう。

しかし、すぐに費用を支払えなくても、以下の方法をとることで、自己破産ができる可能性はあります

  • 返済がストップしている間に積み立てる
  • 法テラスの「民事法律扶助」制度を利用する
  • 自己破産の手続きを司法書士に依頼する
  • 自己破産の手続きを自分で行う

この記事では、上記の方法などについて、詳しく解説していきます。

自己破産の費用の支払いについてお困りでしたら、弁護士法人・響にご相談ください。現在の返済状況や収入などを踏まえたうえで、自己破産する方法を提案させていただきます。

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目次

自己破産費用を払えない場合の対処法

自己破産にかかる費用の支払いが厳しいと感じる場合でも、対処法はあります。

そのため、お金がないからといって、自己破産の手続きを諦める必要はありません

以下で、自己破産費用を払えない場合の対処法を解説していきます。

【自己破産費用を払えない場合の対処法】
  • 収入がある場合は「受任通知」送付後に費用を積み立てる
  • 無職の場合は法テラスの「民事法律扶助」制度を利用する

収入がある場合は「受任通知」送付後に費用を積み立てる

現在、一定の収入がある場合は、「受任通知」の送付後に、弁護士費用を積み立てることもできます。

受任通知とは、弁護士が自己破産の依頼を受けたことを債権者(お金を貸した側)に伝えることをいいます。

受任通知を送ることによって、債権者からの督促が止まり、借金の返済を停止することができます。
債権者への返済をストップすることで、それまで毎月借金の返済に充てていたお金をそのまま弁護士費用に充てることができるのです。

自己破産は申立ての準備に3〜6ヶ月程度の期間が必要となるため、この期間中に必要な金額を積み立てることで、弁護士費用の支払いが可能になります。

債務整理費用_支払いイメージ

つまり、現在一定の収入があり、少額であっても毎月返済ができている状態であれば、自己破産ができる可能性があるということです。

弁護士費用は分割払いにできることが多い

弁護士に依頼した際に支払う費用は、多くの場合、分割払いにしてもらうことができます
上の方法に加えて、分割払いが可能となれば、費用を支払える可能性は高まるでしょう。

たとえば「弁護士法人・響」の場合、分割払いにしたときの毎月の最低支払金額は5万円です

なお、分割払いの場合は、弁護士費用の支払いが完了した段階で、自己破産の手続きが開始されます。

弁護士に依頼後、自己破産の手続きを開始するまでのスケジュールに、基本的に期限はありません。そのため、分割払いの期間は、弁護士事務所によってある程度調整してもらえる可能性があります。

無職の場合は法テラスの「民事法律扶助」制度を利用する

無職などの理由で、収入がなく、自己破産の費用の積み立てが難しい場合は、法テラスの「民事法律扶助」の利用を検討しましょう。

民事法律扶助とは、経済的に余裕がない人でも、法律相談や、裁判の提起ができるようにするための制度です。

同制度を利用することで、自己破産の費用を立替えてもらえる可能性が出てきます。

「民事法律扶助」を利用できる条件は、以下のとおりです。

民事法律扶助の利用条件
  • 月収が一定額以下であること
  • 単身者の場合、月収182,000円以下(東京、大阪などの大都市の場合は200,200円以下)が基準となります。

  • 保有資産が一定額以下であること
  • 現金や預貯金、有価証券、不動産(自宅や係争物件を除く)などの保有資産の価値を合計した額が基準以下となれば、要件を満たします。単身者の場合は180万円以下が基準です。

  • 勝訴の見込みがないとはいえないこと
  • 自己破産においては、免責(借金支払いの免除)の見込みがあることを指します。

  • 民事法律扶助の趣旨に適すること
  • 報復的感情を満たすためや宣伝のための手続きや、権利濫用的な訴訟に当たるケースは要件の範囲外と見なされます。

生活保護受給中は立替金の返済が免除される

現在、生活保護を受給している場合は、民事法律扶助制度を利用することで、弁護士費用を立替えてもらえます。

さらに、破産手続き終了後も生活保護の受給が続く場合は、立替金の返済が免除される可能性があります。
※予納金(裁判所に納めるお金)は20万円が上限で、超過分は自己負担となります。

生活保護受給者の自己破産については、以下の記事で詳しく解説しています。

費用の積み立て・法テラスの利用が難しい場合の対処法

上で紹介した方法(返済停止後の費用の積み立て、法テラスの「民事法律扶助」制度の利用)がとれない場合でも、自己破産の手続きができる可能性はあります。

以下の方法をとることで、自己破産の費用を抑えることができます。

【費用の積み立て・法テラスの利用が難しい場合の対処法】
  • 少し安ければ支払える場合は司法書士に依頼する
  • 自力で裁判の手続きを行える場合は自分で行う

少し安ければ支払える場合は司法書士に依頼する

自己破産の手続きを司法書士に依頼することで、弁護士に依頼するよりも費用を抑えられる可能性があります。

ケースにもよりますが、司法書士事務所の方が10万円ほど安くなることが多いといえます。

例)同時廃止事件の費用相場

  • 弁護士費用:30~50万円
  • 司法書士費用:20~40万円

※あくまで目安です。同時廃止事件については後述します

なぜかというと、司法書士は弁護士と比べて「対応できる業務の範囲が限られている」からです。

以下は、債務整理における、弁護士と司法書士の業務範囲の違いをまとめたものです。

弁護士と司法書士の業務の範囲の違い
弁護士 認定司法書士(※)
任意整理 債務額に関係なく代理可能 債権者1件につき140万円以内の債務について代理可能
個人再生 すべての業務について代理可能 書類作成のみ代理可能
自己破産 すべての業務について代理可能 書類作成のみ代理可能

※日本司法書士会連合会の名簿に登録を受けた司法書士のこと

自己破産で依頼できるのは基本的に、書類の作成のみです。
裁判所への申立てや裁判官との面接、債権者への連絡などは自分で行わなければいけません。

また、弁護士であれば、自己破産のなかでも少額の手続きである「少額管財」(詳細は後述)にできるよう交渉できる可能性がありますが、司法書士はそれができません。

自己破産を司法書士に依頼する場合は、これらの点に注意しておくべきでしょう。

自力で裁判の手続きを行える場合は自分で行う

自己破産の手続きを弁護士や司法書士に依頼せず、最初から最後まで自分で行えば、弁護士や司法書士に支払う費用は不要となります。

弁護士に自己破産の手続きを依頼した場合、一般的に次のような費用が発生します。

  • 相談料:1時間につき1万円以下程度(無料の事務所もある)
  • 着手金:30万円程度~
  • 報酬金:20万円程度~

自己破産の種類によって費用は変わりますが、自分で手続きを行うと数十万円ほどの負担が減るといえます。

ただし、自分で手続きを行う場合、次のような注意点があります。

自己破産手続きを自分で行う場合の注意点
  • 債権者からの督促が止まらない
  • 手続きが短くなる即日面接制度が使えない
  • 裁判所に支払う費用を抑えられる「少額管財事件」を利用できない
  • 膨大な資料を自力で用意する必要がある
  • 裁判所に頻繁に行かなければならない

自己破産は、大量の書類を用意したうえで、裁判所に出向くことになりますので、相応の時間と労力がかかります。これを個人で行うことは、簡単ではありません。

そのため、法律の専門家である弁護士・司法書士に手続きを依頼するケースがほとんどです。
実際、自己破産をする人の90%以上が、弁護士や司法書士に手続きを依頼するといわれています。

自己破産前のNG行為に注意

自己破産の費用がないからといって、どんな方法でもお金を準備すればいいというわけではありません

以下に記載する行為は、NG行為となります。

自己破産前のNG行為
  • 新たな借り入れ
  • 財産の隠蔽・損壊(自分名義の口座を開示しないなど)
  • 換金行為(クレジットカードの現金化など)

これらの行為をしてしまうと、「免責不許可事由」として自己破産ができなくなる可能性が出てくるだけでなく、罪に問われることもあるので、くれぐれも注意してください。

用語集 免責不許可事由とは?

裁判所が自己破産の免責を認めない要件。破産法252条によって取り決められている。

それぞれのNG行為について、詳しく解説しましょう。

新たな借り入れ

自己破産の費用が足りないからといって、貸金業者などから新たに借り入れをしてはいけません。

返済するつもりがない、あるいは返済できないことを十分に認識したうえで借金を行ったと見なされ、詐欺罪などの罪に問われる可能性があります。

返済の見込みのない新たな借金は、無闇に債権者を増やす行為です。その他の債権者からすれば、自己破産によって配当される金額が減ってしまうため、不利益でしかありません。

また、「破産手続きの開始を遅延することを目的に借り入れた」と判断されれば、免責不許可事由として、自己破産ができなくなってしまいます(破産法252条1項)。

続きを読む

2.破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。

(引用元:破産法252条

そもそも、新たな借り入れをすることは、借金解決のために借金をする行為ですので、本末転倒だといえます。

財産の隠蔽・損壊(自分名義の口座を開示しないなど)

自己破産の費用を捻出できないと思わせるために、保有している財産を隠したり、わざと壊して価値を下げたりする行為も、してはいけません。

「財産隠し」と見なされ、免責不許可事由となるからです(破産法252条2項)。

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1.債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。

(引用元:破産法252条

財産隠しと見なされるケースとしては、次のようなものが考えられます。

財産隠しと見なされるケース
  • 自分名義の口座をすべて開示・申告しない(または隠し口座がある)
  • 口座から引き出した現金が使途不明となっている
  • 資産価値の高い財産や現金を第三者に預ける、または譲渡する
  • 財産の名義を家族や第三者に変更する

そもそも自己破産は、一部を除いたすべての財産を処分することで借金返済を免除される制度なので、財産を少なく見せようとする行為は認められません。

換金行為(クレジットカードの現金化など)

クレジットカードで購入した商品をすぐに売却し、現金を手にするなどの換金行為もNGです。

罪に問われることではありませんが、クレジットカード会社の規約違反にあたるケースがほとんどだといえます。

また、換金行為が明らかになった場合、免責不許可事由と見なされ、自己破産ができなくなってしまいます(破産法252条1項)。

自己破産の種類別の費用相場

ここで改めて、自己破産にかかる費用について、確認しておきましょう。

自己破産を行うために必要な費用は、自己破産の手続きの種類によって異なります。
手続きの種類と、それぞれの費用相場は、以下のとおりです。

自己破産の種類別の費用相場
  • 同時廃止事件:約30~70万円
  • 管財事件:約80~130万円
  • 少額管財事件:約50~80万円

各手続きの特徴と、費用の違いについて、この後で具体的に解説します。

以下は、いずれの手続きでも共通して発生する費用項目です。

項目 概要 費用の目安
裁判所費用 申立手数料 裁判所への申し立てに必要な収入証紙などの購入費 1,500円
予納郵券代 債権者に破産した旨を伝える通知を送るための郵送代。債権者の数だけ必要 3,000~15,000円
予納金(※) 自己破産の手続きにかかる費用として、予め裁判所に納めるお金 200,000~500,000円
弁護士費用 相談料 弁護士に相談する際の費用 1時間につき1万円程度(無料の事務所もある)
着手金(※) 弁護士に正式に依頼する際に支払う費用。望んでいた成果が得られなかったとしても、返金されない 30万円程度~
報酬金(※) 問題が解決した際に支払う費用。自己破産の場合、免責許可が決定した場合に支払うお金 20万円程度~

※自己破産の種類によって異なる

同時廃止事件の相場(約30~70万円)

同時廃止事件は、債権者に分配するほどの財産がない場合にとられる手続きです。

通常、一定の財産がある場合は、「破産管財人」が選定されますが、同時廃止事件はその必要がありません。そのため、手続きの期間や費用が抑えられます。

用語集 破産管財人とは?

債務者の財産を管理し、売却するなどして現金化した後、債権者に公平に分配する人のこと。返済義務の免除(免責)を認めても問題がないかなどの調査も行う。

次のケースでは、同時廃止事件となる可能性が高いといえます。

同時廃止事件になるケース
  • 処分するほどの財産がない(財産額が20万円を下回る)
  • 手続き費用を支払う経済的余裕がない
  • ギャンブルや遊興費などの浪費による借金ではない

同時廃止事件は、裁判所による手続きが少ないため、裁判所費用も少額で済みます

同時廃止事件の費用相場(内訳)
  • 弁護士費用:30~50万円
  • 裁判所費用:20万円程度

管財事件の相場(約80~130万円)

管財事件とは、一定以上の財産がある場合などにとられる手続きです。 破産管財人による財産や借金の調査、管理、処分などが行われるため、手続きに少なくとも6ヶ月~1年はかかります。

次のケースでは、管財事件となる可能性が高いといえます。

管財事件になるケース
  • かなりの資産がある
  • 大きな企業の代表である
  • ギャンブルや遊興費などの浪費による借金の疑いがある

裁判所が破産管財人を雇う必要があるため、裁判所費用が高額になります。また、予納金を収めるまで、破産手続は開始されません。

管財事件の費用相場(内訳)
  • 弁護士費用:30~80万円
  • 裁判所費用:50万円以上

少額管財事件の相場約50~80万円

少額管財事件は、管財事件の一種です。

多少の財産は保有しているものの、借金返済に充てられるほどではないといった場合に、財産の調査や処分を簡略化する手続きです。
手続きにかかる期間は、2~5ヶ月程度になることが多いといえます。

少額管財事件に該当するのは、以下のようなケースです。

少額管財事件になるケース
  • 借金返済に充てられる高額な財産がある(20万円以上相当が目安)
  • 予納金を収められるだけの現金や貯金がある(33万円以上の現金が目安)
  • ギャンブルや遊興費などの浪費による借金の疑いがある

管財事件の手続きを簡略化するため、その分費用を抑えられます

少額管財事件の費用相場は、以下のとおりです。

少額管財事件の費用相場(内訳)
  • 弁護士費用:30~50万円
  • 裁判所費用:20万円程度

少額管財事件は法律によって定められている制度ではないため、地方裁判所によって金額は異なります。
また、そもそも利用できない地方裁判所もあるため、事前に弁護士に確認するようにしましょう。

自己破産の手続きの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産の費用でお困りの方は弁護士法人・響にご相談を

自己破産の費用を抑える方法について、解説してきましたが、「本当に払えるのだろうか?」と不安に感じる部分もあるかと思います。

そのような場合は、弁護士法人・響にご相談ください。

現在の返済状況や収入などを踏まえたうえで、どのように自己破産の費用を用意すべきか、提案させていただきます。
また、費用の問題が解消されましたら、そのまま自己破産の手続きをご依頼いただくことも可能です。

弁護士法人・響は、借金問題について43万件以上の豊富な相談実績をもっておりますので、安心してご相談ください。

以下で、

  • 弁護士法人・響に依頼した場合の支払い方法と費用
  • 弁護士法人・響における自己破産費用の例

を簡単に紹介します。

弁護士法人・響に依頼した場合の支払い方法と費用

弁護士法人・響で自己破産の手続きをご依頼いただいた場合、弁護士費用は次のようになります。

項目 費用の目安
相談料 0円
着手金 33万円~(税込)
報酬金 22万円~(税込)

(参照元:弁護士法人・響「取扱い業務・費用」

これらの費用は、分割でのお支払いも可能です。高額な初期費用が必要になることはありませんので、ご安心ください。

また、自己破産のご依頼をいただいた場合は、すみやかに債権者に受任通知を送付し、借金の督促を止めることができます。

返済をストップできますので、その間に費用を積み立てていただくことも可能です。

弁護士法人・響における自己破産費用の例

以下は、弁護士法人・響における自己破産費用の一例です。

借金400万円について、自己破産(同時廃止)を行ったケース
  • 費用:
  • ・相談料:無料
    ・着手金:33万円
    ・報酬金:22万円

  • 支払い方法:分割払い

実際にかかる費用はケースによって異なりますので、不安な点があれば、事前にご相談ください。

ご相談は、24時間365日いつでも無料で受け付けています。

弁護士法人・響に相談するメリット
  • 月々の返済額を5万→2万へ減額できた事例あり
  • 今お金がなくても依頼可能!
  • 相談は何度でも無料
  • 最短即日!返済ストップ
監修者情報
澁谷 望
監修者:弁護士法人・響弁護士
澁谷 望
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第54634号
出身地
熊本県
出身大学
大学院:関西大学法学部 同志社大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
理想の弁護士像は、「弱い人、困った人の味方」と思ってもらえるような弁護士です。 そのためには、ご依頼者様と同じ目線に立たなければならないと思います。そのために日々謙虚に、精進していきたいと考えています。
[実績]
43万件の問合せ・相談実績あり
[弁護士数]
43人(2023年2月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
[拠点]
計7拠点(東京、大阪、香川、福岡、沖縄)
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