「自己破産をすると、銀行口座からお金を引き出せなくなるって本当?」
「口座って、1回凍結されたらずっと使えないの?」
自己破産の手続きを始めた時点で、借り入れを行っている金融機関の口座は凍結されます。 つまり、その口座からお金を引き出すことができなくなるのです。
ただ、永久に使えなくなるわけではありませんし、凍結後に入金された給与や年金がなくなってしまうわけでもありません。 自己破産による口座凍結について、その理由や期間、事前に行うべき対応を解説していきます。
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目次
自己破産すると口座は凍結されてしまう?
自己破産の手続きを始めると、金融機関の口座が一時的に凍結される可能性があります。ただし、保有しているすべての口座が凍結されるわけではありません。
凍結されるのは、借り入れがある金融機関の口座です。例えば、A銀行のカードローンから借り入れを行っていて、自己破産の手続きをしたとすると、A銀行の預金口座が凍結される可能性があります。借り入れしている金融機関で複数の口座を持っている場合は、支店が異なったとしてもすべての口座が対象になります。
A銀行(借り入れあり)α支店 | 口座凍結される |
A銀行(借り入れあり)β支店 | 口座凍結される |
B信用金庫(借り入れあり)α支店 | 口座凍結される |
C銀行(借り入れなし)α支店 | 口座凍結されない |
自己破産については以下の記事で詳しく解説しています。
口座凍結されたらどうなる?
「口座が凍結される」とは、その口座からお金を引き出そうとしても引き出せない状態にされてしまうことを指します。水道光熱費や通信費などの自動引き落としも、その対象です。
凍結された後も入金はできるところが多いですが、金融機関によっては入金も制限されることがあります。そうなった場合、給与や年金が振り込まれなくなるおそれがあります。
また、凍結された口座にあるお金は借金と相殺され、金融機関に回収されてしまう可能性もあることを覚えておきましょう。
- 現金の引き出しができなくなる
- 各種支払いの引き落としができなくなる
- 金融機関によっては給与や年金の入金もできなくなる
- 預金がなくなる
自己破産するとなぜ口座凍結されるの?
借り入れのある金融機関で口座が凍結されてしまう理由は、口座に入っているお金と借金を相殺し、金融機関が少しでも自身の債権を取り戻すためといえます。「口座に入っているお金と借金を相殺する」とは、借金が100万円あり、預金口座に10万円入っている場合に、その10万円を返済に充てて、借金の残高を90万円にするということです。
相殺のために金融機関が破産者の口座を凍結し、引き出せなくすることは、民法505条や破産法67条で認められています。
(相殺の要件等)
第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
出典:民法|e-Gov法令検索
(相殺権)
第六十七条 破産債権者は、破産手続開始の時において破産者に対して債務を負担するときは、破産手続によらないで、相殺をすることができる。
ただし、 相殺できるのは破産手続の段階で口座に入っているお金に限られ、口座凍結後に入金されたお金は対象外となります。つまり、口座凍結後に給与や年金が入金されたとしても、その給与や年金は金融機関に回収されることはなく口座に残るということです。
口座凍結される期間はどれくらい?
自己破産をしたからといって、口座が永久に凍結されるわけではありません。 口座が凍結され、解除されるまでの期間は一般的に1〜3ヶ月程度といえるでしょう。
弁護士などに自己破産の手続きを依頼すると、弁護士から債務者である金融機関に受任通知が送付されます。 金融機関は受任通知を受け取った時点で口座を凍結し、借金と預金の相殺を行います。相殺しても借金が残る場合は、保証会社が「代位弁済(だいいべんさい)」を行います。
代位弁済とは、保証会社が破産者に代わって借金を返済することで、その手続きに1〜3月程度かかるのです。 多くの場合、代位弁済によって金融機関が借金を回収し終えると、口座の凍結が解除され、再び利用できるようになります。
代位弁済については以下の記事で詳しく解説しています。
口座凍結される前の対処法
自己破産を行う場合、最低でも1~3ヶ月は口座が凍結され、引き出しや引き落としができなくなると考えておいた方がいいでしょう。そのため、弁護士が金融機関に受任通知を送る前に、できることはしておくべきです。
口座凍結される前の対処法として具体的には、以下の対応が考えられます。
- 給料・年金の振込先を変更する
- 公共料金や家賃の引き落とし口座を変更する
- 凍結される口座・借金返済用の口座の残高をゼロにする
それぞれの対処法について解説します。
給料・年金の振込先を変更する
口座凍結後に入金された給与や年金などは回収されることはないものの、引き出して生活費にしたり、水道光熱費や通信費として引き落としたりすることができなくなります。 生活費を確保するため、振込先を別の金融機関の口座に変更しておくといいでしょう。
凍結されている間は入金ができなくなる金融機関もあるため、給与を振り込もうとした会社に不信感を抱かれてしまうおそれもあります。そのような事態を避けるためにも、口座変更は必要な手順といえます。
変更先の口座は、
- 借り入れのない金融機関
- 借金の口座引き落としに使用していない口座
を選びましょう。
公共料金や家賃の引き落とし口座を変更する
自己破産をするとしても、生活を続ける以上、公共料金や家賃を支払わなくてはなりません。
しかし、 自動引き落としに設定している口座が凍結された場合は、支払いを滞納することになります。滞納をしてしまうと、水道・電気・ガスといったライフラインを止められたり賃貸住宅からの退去を命じられたりするなど、生活に支障をきたすおそれがあるのです。そのため、凍結される可能性のある口座を引き落とし口座に設定しているのであれば、弁護士が受任通知を送る前にほかの金融機関の口座に変更しておきましょう。
給与や年金の振込先と同様に、
- 借り入れのない金融機関
- 借金の自動引き落としに使用していない口座
を選ぶことが大切です。
ちなみに、ほかの金融機関の口座を持っていない場合は、コンビニ払いなど、自動引き落とし以外の支払い方法を選択しましょう。
公共料金の滞納による影響は以下の記事で詳しく解説しています。
凍結される口座・借金返済用の口座の残高をゼロにする
凍結されるであろう口座の預金を事前にすべて引き出しておくことで、借金と預金の相殺を防ぐことができます。同時に、債務の支払いに使用している口座も、あらかじめ残高不足にしておいたほうがいいでしょう。
なぜかというと、 破産手続きをしている間にクレジットカードの支払いや借金の返済として自動引き落としが行われた場合、「偏頗弁済(へんぱべんさい)」を疑われる可能性があるためです。偏頗弁済とは、特定の借入先にだけ返済する不平等な行為を指します。そのため、自己破産の手続き中は借金返済のすべてを一時的にストップしなくてはなりません。
口座からお金を引き出すときは、財産隠しや浪費を疑われないように、以下のことに注意しましょう。
- 引き出した現金は自宅または口座凍結の対象にならない金融機関に保管すること
- お金を使った場合は領収証を保管し、使途をきちんと記録すること
出入金が頻繁に行われると財産隠しを疑われる可能性があるため、凍結される口座や債務の支払いに使用している口座以外の預金の出し入れはしないほうが賢明です。
偏波弁済については以下の記事で詳しく解説しています。
口座凍結されなくても口座の調査は行われる
自己破産の申立てを行う際には、所有するすべての口座の通帳のコピーまたは取引明細書を提出する必要があります。凍結の対象となる口座以外もすべて含まれる理由は、 財産を隠していないか調査するためです。
いわゆる「財産隠し」は免責不許可事由のため、自己破産が認められなくなり、悪質な場合は詐欺破産罪に問われることもあるため、注意しましょう。
(免責許可の決定の要件等) 第二百五十二条 裁判所は、破産者について、次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には、免責許可の決定をする。 一 債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
裁判所は、提出された資料をもとに預金残高や隠し財産の有無、お金の使い道などを詳しく調査していきます。その際、所有する口座の預金残高の合計が20万円を超えた場合は処分の対象となります。
自己破産の手続き中も銀行口座の開設は可能
自己破産の手続きをしている間であっても、金融機関の口座は新しく開設できます。クレジットカードの新規契約と違って審査があるわけではないので、信用情報に事故情報が登録されている影響はありませんし、破産手続き後5~10年作れないこともありません。
ただし、口座が凍結されている金融機関では、凍結が解除されるまで新規口座の開設は避けたほうがよいでしょう。例外的に断られる場合があるからです。
自己破産の手続きに不安がある人は弁護士に聞いてみよう
ここまで解説してきたように、自己破産で凍結されるのは借り入れのある金融機関の口座のみで、その期間も1〜3ヶ月程度と考えていいでしょう。事前に預金を引き出すなどの対応をしておけば、生活に大きな支障をきたすことはないので、過度に心配する必要はありません。
ただ、多くの人にとって自己破産は経験のないことなので、不安や疑問が湧いてくるのは当然のことです。そのようなときは、弁護士や司法書士に話を聞いてみるのも一つの方法です。
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