自己破産すると携帯・スマホは使えない?回収・強制解約の条件と対処法

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この記事の監修者
石中 康太
この記事の監修者
石中 康太弁護士
弁護士会所属
札幌弁護士会 第62411号
出身地
千葉県
出身大学

中央大学法学部

中央大学法科大学院

専門分野
借金問題・債務整理・交通事故・債権回収

自己破産をすると、生活や仕事に欠かせない携帯電話やスマートフォンが使えなくなるのではと不安を感じていませんか。

結論からお伝えすると、端末代金をすでに支払い終えており、月々の利用料に滞納がない場合は、自己破産の手続きをしても携帯電話をそのまま使い続けることが可能です。

この記事では、自己破産が携帯電話・スマホに与える影響と、手続き後も利用を継続するための具体的な方法を、独自アンケートの調査結果や実際の解決事例を交えて解説します。

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目次

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【一問一答】自己破産すると携帯・スマホはどうなる?

端末代金をすでに支払い終えており、端末代や利用料金に滞納がない場合は、自己破産の手続きをしても携帯電話をそのまま使い続けることが可能です。

ここでは自己破産時の携帯電話やスマホに関するよくある疑問について、一問一答形式でまとめました。

自己破産時の携帯への影響
よくある疑問 回答
端末は回収・処分される? 原則として回収・処分されません(一部例外あり)
端末代を分割払い中の場合は? 原則として強制解約
利用料金を滞納している場合は? 原則として強制解約
新規契約や他社への乗り換えはできる? 原則可能
機種変更はできる? 端末を一括購入すれば可能
携帯のキャリア決済は使える? クレジットカードとの連携は不可。口座振替等にすれば利用可能※ただし申立準備中〜免責決定までは利用を控えるのが望ましい

※上記は一般的なケースの目安です。契約内容によって異なる場合があります。

このなかでも特に注意しておきたいのは、携帯が強制解約になってしまうケースです。

次の項目で、強制解約に至る具体的なケースを解説します。

自己破産で携帯・スマホが強制解約になる2つのケース

自己破産によって携帯電話が強制解約になるおもなケースは、次の2つです。

  1. 端末(機種)代金の分割払いが残っている場合
  2. 利用料金を滞納している場合

つまり、強制解約になるのは携帯電話会社に対して支払うべき債務が残っている場合に限られます。

多くの場合、利用料金と端末代金の分割金は合算して請求されているため、どちらか一方でも滞納があれば、スマホの通信機能(電話・インターネット)が使えなくなる恐れがあります。

実際に、NTTドコモの契約約款では、料金の滞納が利用停止・契約解除につながることが明記されています。

続きを読む

NTTドコモ「5Gサービス契約約款」
第3章 5G契約
第17条 当社は、第37条(利用停止)第1項の規定により5Gの利用を停止された一般契約者が、なおその事実を解消しない場合は、その一般契約を解除することがあります。

第7章 利用中止等
第37条 契約者が料金その他の債務について、支払期日を経過してもなお支払わないときは、6か月以内で当社が定める期間、その5Gサービスの利用を停止することがあります。

※2026年8月現在の情報です。出典:NTTドコモ「5Gサービス契約約款」

つまり「料金の滞納→利用停止(第37条)→なお滞納が続く→契約解除(第17条)」という2段階の流れが約款上定められています。

任意整理とは異なり、自己破産では対象を選んで整理することができません。

そのため、携帯電話会社への債務も一律で手続きの対象となり、原則として強制解約を避けることはできません。

ここからは、それぞれのケースの詳細を見ていきましょう。

①端末(機種)代金の分割払いが残っている場合

携帯電話やスマホの端末を分割払いで購入している最中に自己破産を申し立てると、その契約は強制的に解約されるのが一般的です。

端末の分割購入は、携帯電話会社との信用取引にあたります。

そのため、弁護士から携帯電話会社に受任通知が送られると、契約約款に基づき利用停止や契約解除の措置がとられます。

残っている端末代金の支払い義務は自己破産によって免除されますが、契約そのものが解除されるため、通話やデータ通信、電話番号やキャリアのメールアドレスも使えなくなります。

②利用料金を滞納している場合

端末代金の支払いが完了していても、通話料やデータ通信料などの利用料金を滞納している場合は強制解約の対象になります。

滞納している利用料金も自己破産における免責の対象となるため、弁護士から携帯電話会社に受任通知が送られたタイミングで、携帯電話会社は契約を解除する手続きを進めます。

滞納分の支払いは免除されますが、①と同様に契約そのものが解除されるため、通話やデータ通信、電話番号やキャリアのメールアドレスが使えなくなります。

自己破産を含む、債務整理をしたときの携帯への影響についての詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産すると携帯・スマホの端末は回収・処分されるの?

携帯電話やスマホの端末が回収・処分されることは原則としてありません

理由は以下の2点です。

  1. 端末の所有権は契約者本人にあるため
  2. 生活必需品として自由財産の範囲に含まれるため

携帯電話は、購入した時点で所有権が契約者本人に移る契約になっていることが一般的です。

完済まで所有権がローン会社に残る自動車ローンの「所有権留保」とは異なり、分割払い中であっても端末の所有権はご自身にあります。

そのため、携帯会社側に引き揚げられる心配はありません。

また、携帯電話は生活必需品であり、価値が20万円以下であれば自己破産をしても手元に残せる自由財産の範囲内に収まります。

用語集
自由財産とは?

自己破産をしても処分されない財産のこと。

(例)

  • 99万円以下の現金
  • 破産後に取得した財産
  • 法律で差押えが禁止されている財産(生活に不可欠なものなど)

ただし、1台で20万円を超える高額な機種を所有している場合や、複数台のスマホを保有している場合は、回収の対象になる可能性があります。

自由財産については、以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産前に滞納分や端末代を支払うのは危険(偏頗弁済のリスク)

携帯電話が使えなくなることを恐れるあまり、自己破産の手続きをする直前に、滞納している利用料金や端末代金の残債を一括で支払ってしまう行為は避けましょう。

特定の債権者にだけ優先して返済を行う行為は「偏頗弁済」に該当し、自己破産手続きにおける「債権者平等の原則」に反するためです。

用語集
偏頗弁済(へんぱべんさい)とは?

特定の債権者にだけ優先して返済を行う行為のこと。

自己破産の手続きにおける債権者平等の原則に反する行為とされます。

偏頗弁済は免責不許可事由に該当するため、借金が免責されなくなるおそれがあります。

自己破産を申し立てる際には、過去の通帳の明細などを裁判所に提出する必要があります。

そのため、携帯電話会社への不自然な支払いは発覚しやすいのが実情です。

発覚した場合、裁判所によっては、偏頗弁済した金額と同等の金銭を裁判所に納めるよう指示されることがあります。

さらに、最悪の場合は免責そのものが不許可になり、すべての借金がそのまま残ってしまう可能性もあるため、注意が必要です。

偏頗弁済について、詳しくは以下の記事で解説しています。

自己破産後に新規契約・機種変更はできる?

自己破産をした後でも、携帯電話を契約したり、機種変更をしたりすることは可能です。

免責決定とは、自己破産の手続きがすべて無事に終了し、裁判所からこれ以上の借金を支払う必要はないと認められ、支払い義務がなくなる決定のことです。

免責決定後の契約の可否と、契約時に注意しておきたい情報管理の仕組みについて、順番に見ていきましょう。

原則として新規契約や乗り換えが可能

他社を含めた新しい携帯電話会社で新規の回線契約を結んだり、乗り換え(MNP)をしたりすることが原則として可能になります。

自己破産を行ったという事実は「信用情報機関」に登録されますが、通常の携帯電話の回線契約を行う際には、この信用情報は照会されません。

そのため、利用料金の滞納などが一切ない状態であれば、他社と契約を結ぶことができます。

ただし、携帯電話会社は信用情報機関とは別に、独自の滞納情報を確認していることがあります

詳しくは次の項目で解説します。

「携帯ブラック」と「自社ブラック」は別物

強制解約になった後、新規契約や機種変更をする際に注意したいのが、携帯ブラックと自社ブラックという2つの情報管理の仕組みです。

携帯電話会社は、新規契約時に過去の滞納に関する情報を確認しており、そこに登録が残っていると契約を断られることがあります。

これが、いわゆる「ブラック入り」の状態です。

携帯ブラックと自社ブラックは、どちらも「携帯電話を契約できなくなる」という不利益につながる点は共通していますが、影響する範囲と期間が異なります。

用語集
携帯ブラックとは?

電気通信事業者協会(TCA)やテレコムサービス協会(TELESA)などの業界団体を通じて、加盟する携帯電話会社間で共有される滞納に関する情報。

一定期間は、他の携帯電話会社を含め、どこも契約しにくくなる。

用語集
自社ブラックとは?

以前契約していた携帯電話会社が、自社(グループ会社含む)の中だけで独自に持ち続ける滞納に関する情報。

他社との契約には影響しないが、その会社との再契約は難しくなる。

それぞれの違いを表で確認しましょう。

携帯ブラック 自社ブラック
保有主体 TCA・TELESAなどの業界団体 契約していた携帯電話会社
情報の共有範囲 加盟する携帯電話会社間で共有される 自社(グループ会社含む)のみ
保有期間の目安 契約解除から約5年間 半永久的に残る可能性がある

携帯ブラックは、滞納が解消されたり約5年が経過したりすれば情報が消去されます。

一方、自社ブラックは保管期間の定めがないため、強制解約された携帯電話会社やその系列グループでは、再契約が極めて難しくなる可能性があります。

そのため、新規契約や乗り換えを検討する際は、以前強制解約された携帯電話会社やその系列グループは避け、別の携帯電話会社に申し込むとよいでしょう。

自己破産で携帯・スマホが使えなくなったときの代替手段

自己破産に伴い、携帯電話が使えなくなってしまった場合でも、日常生活を守るための代替手段はいくつかあります。

携帯・スマホが使えないときの代替手段

1.審査なしの格安SIMを利用する
契約解除(携帯ブラック)の状態であっても契約できる、審査のない格安SIMがあります。

2.中古端末を一括購入する
新しい端末を分割で購入することは難しくても、安価な中古端末を店頭やネットで一括購入し、契約したSIMカードを挿入して利用する方法があります。

3.家族名義で契約してもらう
自己破産をしていないご家族の名義で回線や端末を契約してもらい、それを使用させてもらうことも法律上問題なく行えます。

4.滞納がなければMNPで他社に乗り換える
利用料金の滞納がなければ、電話番号をそのまま引き継いで他社へ乗り換えるMNPも利用できます。

ご自身の状況に合った方法を選ぶことで、自己破産後も生活に必要な連絡手段は確保できます。

どの方法が自分に合っているか判断がつかない場合は、弁護士に相談する際に携帯電話の利用継続についても一緒に確認しておくと安心です。

弁護士からのアドバイス

多くの携帯電話会社が提供している携帯キャリア決済は、自己破産をしても利用可能です。

ただし、クレジットカードと連携させている場合は、カードが強制解約となるため連携できなくなります。

キャリア決済を継続したい場合は、事前に口座振替などカードを介さない支払い方法に変更しておきましょう。

また、自己破産の手続き中にキャリア決済で買い物をして後から支払う行為は、「偏頗弁済」に該当する可能性があります。

ここが大事

うっかり使ってしまうことを防ぐため、破産手続き開始前にキャリア決済自体をオフにしておくとよいでしょう。

自己破産すると携帯・スマホはどうなる?経験者52人の声と当事務所の解決事例

弁護士法人・響では、自己破産の相談者から携帯・スマホの利用に関するご質問を数多くいただきます。

そこで、実際に自己破産を経験した方52名にアンケートを実施し、携帯・スマホがどうなったのかリアルな声を集めました。

アンケートでは、自己破産を検討していた当時、多くの方が携帯・スマホの利用継続について不安を感じていたと回答しています。

連絡手段がなくなれば仕事や生活が成り立たなくなる」「社会的に孤立してしまうのでは」といった声が多く、携帯・スマホが生活に欠かせないものであることがうかがえます。

実際、当メディアの独自調査によると、端末代金の分割払いや利用料金の滞納があった方のほとんどが強制解約に至っていることがわかりました。

これは、自己破産の手続きでは特定の債権者だけを除外することができないためです。

弁護士から携帯電話会社に受任通知が送られると、自己破産の手続きに入ることが携帯会社に伝わり、契約に従って利用停止や解約の措置がとられてしまうのです。

一方で、端末代金を完済(または一括購入)していて、利用料金の滞納もなかった方については、強制解約になった事例はありませんでした。

調査概要

調査名:携帯・スマホの利用に関するアンケート/対象者:自己破産のご経験がある方/実施期間:2026年8月6~9日/有効回答数:52件/利用媒体:インターネットによるアンケート/調査主体:借金返済の相談所

弁護士からのアドバイス

自己破産をすると携帯も止まってしまうのでは…」と心配される方はたくさんいらっしゃいます。

携帯電話会社への支払い状況によって結果が変わるという点を知っておいていただければと思います。

携帯・スマホを使い続けられるか不安」「自己破産についてもっと詳しく知りたい」という方は、まずは弁護士法人・響の無料相談をご利用ください。

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  • 弁護士 約40(2024年7月時点)
  • 10拠点(東京・北海道・大阪・兵庫・香川・福岡・沖縄)
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