自己破産すると携帯契約できない?解約になる理由と継続利用する方法

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自己破産をしたら携帯電話は解約になるのかな…
自己破産したあとにスマートフォンを新規契約できる?

自己破産をしたことで、携帯電話やスマートフォンの契約は原則として解約されません。しかし、次のようなケースでは契約が解約される場合もあります。

  • 通話料などの利用料金を滞納している
  • 携帯電話端末の分割払いが完済していない

また自己破産後は一定期間携帯電話の分割購入ができない場合があります。その際には次のような対処法が考えられます。

  • 携帯電話端末を一括払いで購入する
  • SIMカードのみ契約して中古・格安端末を買う
  • 家族などに代理契約してもらう
  • プリペイド携帯やレンタル携帯を利用する

この記事では、自己破産後の携帯電話の契約について、くわしく説明します。

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目次

自己破産しても携帯電話の契約は原則解約されない

自己破産しても、原則として携帯電話やスマートフォンは解約されません

携帯電話やスマートフォンは、いまや生活に必要なものといえるため、自己破産したことを理由に不当に解約されることはないといえます。

自己破産は、借金の返済ができなくなった人からすべての財産を取り上げる懲罰のようなものではなく、経済生活の再生機会をあたえるために制定されているからです

破産について規定した法律である「破産法」では、次のように定められています。

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〈破産法〉
一条 この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする

出典:e-GOV法令検索「破産法」

ただし、自己破産をしたことで携帯電話やスマートフォンの利用を一時制限される場合もあります。

〈携帯電話会社の利用規約の例〉

お支払いに関わる利用規約

第17条(当社によるサービス一時停止)
当社は、次のいずれかに該当する場合には、何らの責任も負うことがなく、本サービスの一部または全部の中止または一時停止をすることがあります
(中略)
(6)破産または個人再生手続等法的倒産手続きの申立があった場合

出典:ソフトバンク「お支払いに関わる利用規約」

また、次のケースでは携帯電話やスマートフォンが解約される場合があります。

  • 利用料金を滞納している
  • 携帯電話端末の分割払いが完済していない

次の章でくわしく説明します。

自己破産については以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産後に携帯電話契約が解約されるケースは3つ

解約されるケース

自己破産をしたことで携帯電話やスマートフォンの契約を解約されることはないと前述しましたが、次のようなケースでは、携帯電話やスマートフォンが解約されることがあります。

  • 通話料などの利用料金を滞納している
  • 携帯電話端末の分割払いが完済していない
  • 利用料金をクレジットカードで支払っていて滞納になる

以下でくわしく説明します。

通話料などの利用料金を滞納している

携帯電話の通話料などの利用代金を滞納していた場合は、自己破産をすると支払は免責(免除)になります。

滞納していた料金は支払わなくてよくなりますが、その場合は携帯電話の契約は解約(契約解除)になってしまうでしょう

端末料金を分割払いして完済していない

携帯電話やスマートフォンの端末料金を分割払いにして、完済していない場合は注意が必要です。

携帯電話やスマートフォンの利用料金は、おもに通信料と端末(機種)料金で構成されており、別の契約となっています。

端末料金を分割払いにしている場合は「割賦(かっぷ)購入契約」となっており、自己破産の申立てが認められれば残債は免責の対象となります。

つまり自己破産をすると端末料金の残債を支払わなくてよいことになりますが、携帯電話会社もその事実を知るため、利用停止や契約解除となります。

携帯電話会社も自己破産をした事実を知るため、利用停止や契約解除となります

〈携帯電話の利用料金内訳の例〉

通信料(通信サービス契約)

  • 基本料金
  • 通話料金
  • パケット通信料金
  • オプション料金 など

+

端末料金(割賦購入契約)

たとえばソフトバンクの割賦購入契約の約款には「破産、民事再生の申立てをした場合は契約解除できる」と明記されています。

〈割賦購入契約の約款の例(ソフトバンクの場合)〉

第6条(期限の利益喪失)
(中略)
4.破産、民事再生、特別清算、会社更生その他裁判上の倒産処理手続の申し立てを受けたとき又は自らこれらの申し立てをしたとき。

第8条(解除)
購入者が第6条各項各号に定めるいずれかの事由に該当した場合は、ソフトバンクは本契約を解除できるものとします。

出典:ソフトバンク「割賦購入契約について」

また信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)ことで、他のローンやクレジットカードも利用できなくなってしまいます。

利用中のローンは残高を一括請求される場合や、ローンやクレジットカードの新規契約は一定期間できなくなる可能性が高いといえます。

ブラックリストについては下記の記事で詳しく解説しています。

利用料金をクレジットカードで支払っていて滞納になる

自己破産をすると、契約しているクレジットカードは利用できなくなります

携帯電話の利用料金をクレジットカード払いにしている場合は、支払ができずに滞納となってしまう場合があるので注意が必要です

自己破産の対象としたクレジットカードは、弁護士や司法書士から受任通知が届いた時点で強制解約されることになります。

たとえばNICOSカードの会員規約には、会員資格の取り消し条件の一つとして「会員の債務整理につき弁護士、司法書士などへの依頼がなされた通知を受けたこと」「債務整理のための和解の申立てがあったこと」などと明記しています。

つまり弁護士が受任通知を送付したり、自己破産の申立てを行うと、すぐにクレジットカードは強制解約になると考えておいたほうがよいといえます。

利用代金の滞納が続けば、数週間~1ヶ月程度で利用停止となる可能性があります。
滞納すると、支払期日の翌日から「延滞利息」が加算されます。

〈クレジットカード規約の例〉

NICOSカード(三菱UFJニコス)の場合 ※一部抜粋

●本人会員に以下のいずれかの事由がある場合には、当社は何らの催告なくして、本契約を解除し、本人会員およびその家族会員の会員資格を取り消すことができるものとします。
(中略)
・第117条第1項第4号の期限の利益喪失事由欄に掲げるいずれかの事由(以下参照)に該当したこと。

(期限の利益喪失事由 第117条第1項第4号)
・債務整理のための、和解、調停または裁判外紛争解決手続の申立てがあったこと。
・本人会員の債務整理につき、弁護士、弁護士法人、司法書士、司法書士法人その他の者への依頼がなされた旨の通知を受けたこと。

「NICOSカード」会員規約より抜粋
※2022年10月現在の情報です。

自己破産後のクレジットカードについては以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産して携帯電話端末の分割購入ができないときの対処法は4つ

対処方法

自己破産後は、端末の分割払い購入ができない可能性が高いといえます

前述のとおり、携帯電話やスマートフォン端末の分割払は「割賦(かっぷ)購入契約」となります。

割賦購入契約時には、申込者の信用情報を「信用情報機関」へ照会されるため、自己破産した事実がバレてしまうためです。

信用情報機関には次の3つがあります。

携帯電話会社は、JICCかCICに加盟していることが多いといえます。

〈おもな携帯電話会社の加盟する信用情報機関の一例〉
携帯電話会社名(サービス名称) 加盟する信用情報機関
JICC CIC
NTTドコモ(ドコモ・ahamo)
ソフトバンク(ソフトバンク・Yモバイル・LINEMO)
KDDI(au・povo)
楽天モバイル
UQモバイル
オプテージ(mineo)

※2022年10月現在の情報です。最新の情報は各信用情報機関のWebサイトでご確認ください。

携帯電話やスマートフォン端末を分割購入できない場合の対処法には、以下のような方法が考えられます。

  • 携帯電話端末を一括払いで購入する
  • SIMカードのみ契約して中古・格安端末を買う
  • 家族などに代理契約してもらう
  • プリペイド携帯やレンタル携帯を利用する

以下でくわしく説明します。

携帯電話端末を一括払いで購入する

端末の購入や機種変更の際に分割払いが利用できない場合でも、一括払いで購入することは可能です

一括払いなら、携帯電話ショップや家電量販店、ECサイトなどで販売されている最新の携帯電話やスマートフォン端末も購入して使うことができます。

最新の端末は高価なため一括払いで購入することが難しい場合は、携帯電話ショップや家電量販店の実店舗や楽天市場、Amazonなどのネットショップで型落ちの機種が格安で販売されている場合もあるため、確認してみるとよいでしょう。

〈格安端末販売の例〉

※2022年10月現在の情報で在庫や価格を保証するものではありません。最新の価格は各社のWebサイトでご確認ください。

SIMカードのみ契約して中古・格安端末を買う

携帯電話ショップや格安SIMなどを扱っている通信キャリアでは、SIMカード(契約者情報の登録されたカード)のみの販売も行っています。

リサイクルショップや中古端末販売店などで購入した中古端末やネットショッピングで販売されている格安端末に、SIMカードを挿して利用することも可能です。

※端末によって対応するSIMカードが異なる場合があるので購入の際はご注意ください。

また携帯電話ショップの店舗で認定中古品を扱っている場合もあるので、確認してみましょう。

〈中古端末販売の例〉

※2022年10月現在の情報で在庫や価格を保証するものではありません。最新の価格は各社のWebサイトでご確認ください。

家族などに代理契約してもらう

自己破産(債務整理)をした後は、信用情報機関に事故情報が登録(いわゆるブラックリストに載る状態)されるため、一定期間端末の分割払い購入はできません。

しかし自己破産した方の家族は、ブラックリストに載るわけではありません。
そのため主契約者を、自己破産を行っていない家族名義で契約するという方法もあります。これにより、端末の分割払いが可能になる場合もあります。

また自己破産した方が携帯電話会社との契約の主契約者になっている場合は、家族名義に変更(名義譲渡)することが可能な場合もあります。

※携帯電話会社や契約状況によって契約できる回線数が異なる場合もあります。
※名義変更(譲渡)には手数料がかかる場合もあります。また携帯電話会社によっては名義変更できない場合もあります。

レンタル携帯やプリペイド携帯を利用する

携帯電話やスマートフォンを1日単位~数ヶ月間で気軽にレンタルできる「レンタル携帯」サービスも存在します

支払い方法は口座振替や振込が利用でき、クレジットカードがなくても利用可能な場合もあります。

〈クレジットカード以外の支払い方法が選べるレンタル携帯端末会社の例〉

なお、レンタル携帯電話の契約時には法律により本人確認書類の提出が義務付けられています。

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貸与業者の貸与時の本人確認義務等

第十条 通話可能端末設備等を有償で貸与することを業とする者(以下「貸与業者」という。)は、通話可能端末設備等を有償で貸与する契約(以下「貸与契約」という。)を締結するに際しては、当該貸与契約を締結しようとする相手方(以下「貸与の相手方」という。)について、次の各号に掲げる貸与の相手方の区分に応じ、運転免許証の提示を受ける方法その他の総務省令で定める方法によるそれぞれ当該各号に定める事項(以下「貸与時本人特定事項」という。)の確認(以下「貸与時本人確認」という。)を行わずに、通話可能端末設備等を貸与の相手方に交付してはならない。

出典:e-GOV法令検索 「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」

また、一部の携帯キャリアからは「プリペイド式」の携帯電話も提供されています。

しかしプリペイド式携帯電話は、犯罪予防の観点から契約時の審査が厳しく、ブラックリストに載っていると審査に通らないことが想定されます。

そのため、利用することは難しいといえそうです。
ソフトバンク シンプルスタイル(プリペイド携帯電話)

携帯電話は自己破産後いつから購入できる?

携帯電話やスマートフォン端末の購入は、一括払いであれば、自己破産を免責許可の直後でも購入することが可能です

しかし前述のとおり、携帯電話端末の分割払いは、自己破産後は一定期間利用できません。
信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリストに載る状態)は、登録される期間の目安を以下のように設定しています。

この期間は分割払いで購入することは難しいと考えておきましょう。

〈各信用情報機関の自己破産の登録期間〉
信用情報機関名 自己破産の登録期間
CIC 破産手続き開始決定日から5年
JICC 手続き終了(免責確定)日から5年
KSC 破産手続き開始決定日から10年

またSIMカードや中古・格安端末なども、一括払いであれば自己破産の免責許可後でも購入することはできます。

自己破産後に携帯電話を新規契約するための3つの方法

自己破産後に携帯電話を新規契約する場合は、次のような方法が考えられます。

  • TCAやTELESAに加入していない格安SIMを選ぶ
  • 免責決定後に契約する
  • 預託金を払って契約する

以下でくわしく説明します。

TCAやTELESAに加入していない格安SIMを選ぶ

携帯電話会社の情報ネットワーク

携帯電話の通信料・通話料の滞納があり、携帯電話の契約を解除されると

という団体に不払者(未払い)情報が登録されてしまいます(いわゆる携帯ブラックといわれる状態)。

この不払(未払い)情報は、TCAやTELESAに登録している携帯電話会社・通信事業者間で交換しているため、不払者情報が登録される(携帯ブラック)期間中は、携帯電話の新規契約を拒まれる可能性があります。

TCA、TELESAが不払者情報を交換をしているおもな携帯電話会社・通信事業者は、以下のとおりです。

掲載されていない携帯電話会社・通信事業者は、TCAやTELESAと不払者情報の交換を行っていないため、新規契約ができる可能性もあるといえます

〈TCA/TELESAが情報交換をするおもな携帯電話会社・通信事業者〉
会社名 おもなサービス名 TCAと情報交換 TELESAと情報交換
NTTドコモ ・NTTドコモ
・ahamo
KDDI ・au
・povo
沖縄セルラー電話 ・au(沖縄)
・UQモバイル(沖縄)
ソフトバンク ・ソフトバンク
・Yモバイル
・LINEMO
UQコミュニケーションズ ・UQモバイル
・UQ WiMAX
ラネット BIC SIM
オプテージ mineo
フリービット トーンモバイル
ノジマ ノジマWiMAXサービス
ヤマダ電機 YUモバイル
TOKAIコミュニケーションズ LIBMO
ビッグローブ BIGLOBEモバイル
日本通信 bモバイル
ニフティ NifMo
アクセル アクセルモバイル
SORAシム @モバイルくん。
Link Life Broad WiMAX
ドリーム・トレイン・インターネット DTI SIM
ちゅピCOM ちゅピCOMモバイル
楽天モバイル 楽天モバイル
BTV BTV モバイル
長崎ケーブルメディア ながさきけーぶるスマホ
H.I.S.Mobile HISモバイル -
JCOM JCOMモバイル
スマートモバイルコミュニケーションズ スマモバ

参考:電気通信事業者協会「不払者情報の交換(情報交換をする事業者)」
※2022年10月現在の情報です。最新の情報は各協会のWebサイトなどでご確認ください。

免責決定後に契約する

自己破産をしても、携帯電話の通信料の滞納がなければ、その後に新規契約が可能な場合があります。(ただし端末の分割購入はできない可能性が高いです。)

前述のとおり通信料・通話料の滞納がある場合は、契約解除後にTCAやTELESAに不払者情報が登録されてしまいます。

TCAやTELESAに不払者情報が登録されると、携帯電話の新規契約を拒まれる可能性もありますが、自己破産で免責が決定している場合は、不払者登録の対象にならないとされています

つまり免責決定後であれば、新規契約が可能な場合もあるのです
※料金不払いのあった事業者ではその事実が確認できる場合があります。

TELESAでは、以下のように規定しています。(TCAでも同様の規定があります)

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〈不払者情報の交換〉※一部抜粋
平成11年4月から、契約解除後*1に料金不払いのあるお客様の情報を携帯電話等の移動系通信事業者間で交換しています。
*1 お客様の任意(申出)解約を含みます。

1.交換の目的
契約解除後においても、料金不払いのあるお客様の情報を事業者間で交換し、その情報を契約申し込み受付時の加入審査に活用することにより、料金不払いの再発を防止し、利用者全体の公平性と利益を守ることを目的としています(料金不払いの状況によってはお申し込みをお受けできない事があります)。

2.対象となるお客様
平成11年4月1日以降に契約解除となり料金不払いのあるお客様*2を対象といたします
(中略)

※2 自己破産等により免責が決定している方、係争中(料金不払いのあった事業者と料金不払いに関して訴訟が行われており、判決が確定するまでの間を言います)の方は含まれません

出典:一般社団法人テレコムサービス協会「不払者情報の交換」

預託金制度を使って契約する

過去に利用停止や強制解約などがあった場合は、携帯電話を新たに契約をする際に「預託金」を請求される場合があります。

預託金制度というものがあるわけではありませんが、預託金を一時的に預けることで、契約が可能になるのです

預託金とは、無利子で預け入れる保証金のようなもので、原則として一定期間が経てば返還されます
※通信料などの滞納がある場合は、その額に充当されます。

通常の契約時には必要ありませんが、信用情報にやや問題がある場合などに、携帯電話会社から数万円~10万円程度の預託金の預け入れを要求される場合があるのです。

預託金については、携帯電話会社の「重要事項説明」や「約款」にも明記されている場合があります。

〈重要事項説明の例〉

〈ご契約にあたって〉

契約いただく場合には、契約事務手数料3,000円(税込3,300円)が必要となります。
(中略)

※ご契約の際、預託金(1契約あたり10万円(不課税)以内で当社が別に定める額・無利息)をお預かりする場合があります。この場合、電話機等をお買い上げいただくにあたり、分割払いはご利用いただけません。

出典:au「契約:サポート情報(重要事項説明)」※一部抜粋

〈契約約款の例〉

(預託金)第49 条
au(pove)契約者又はau(pove)サービス利用権を譲り受けようとする者は、次の場合には、au(pove)サービスの利用に先立って(譲渡の場合はその承認に先立って)預託金を預け入れていただくことがあります
(中略)

(3)
第 30 条(利用停止)第1項第1号若しくは第2号の規定による利用停止を受けた後、その利用停止が解除されるとき

※参考
(利用停止) 第30 条

当社は、契約者が次のいずれかに該当するときは、6か月以内で当社が定める期間(中略)、そのau(povo)通信サービスの利用を停止することがあります。

(1) 料金その他の債務について、支払期日を経過してもなお支払わないとき(支払期日を経過した後、サービス取扱所(料金収納事務を行う当社の事業所に限ります。)以外において支払われた場合であって、当社又はKDDI株式会社がその支払いの事実を確認できないときを含みます)。

出典:au(POVO)通信サービス契約約款」※一部抜粋

※2022年10月現在の情報です。最新の情報は各社のWebサイトなどでご確認ください。

自己破産後も安心して携帯電話を利用するための注意点

自己破産後に携帯電話やスマートフォンが利用できるようになっても、通信料金を滞納してしまうと、利用停止や強制解約になってしまいます。

安心して利用するための、注意点があります。

携帯電話の利用料金は銀行引き落としにしておく

携帯電話やスマートフォンの利用料金をクレジットカードで支払っていた場合は、支払方法を変更しておきましょう。

自己破産後は、信用情報機関に事故情報が載るため(いわゆるブラックリストに載る)
クレジットカードは利用停止になります。

そのためクレジットカードによる決済ができずに、利用料金を滞納してしまう可能性があるのです

すぐに利用停止にならなくても「途上与信」の際に事故情報が確認されると、すべてのクレジットカードが利用停止になる可能性が高いので注意が必要です。

用語集 途上与信とは?

「中間審査」とも呼ばれ、クレジットカード会員の信用を定期的に審査すること。
契約時と同じように、利用履歴や滞納などの事故情報をチェックします。
途上与信の頻度はクレジットカード会社によって異なりますが、数ヶ月ごとの頻度で行われる場合があります。

スマホ決済はクレジットカードからチャージをしない

スマートフォンの画面でQRコードを提示して(あるいはスマートフォンでQRコードを読み込んで)決済を行う「QRコード決済」などのスマホ決済サービスを利用している場合も、注意が必要です。

QRコード決済の支払方法には、大きくわけて「前払い方式」「後払い方式」があります。

前払い方式の場合は銀行口座からチャージできる場合がありますが、後払い方式の場合は、クレジットカードによる決済となる場合があるのです。

QRコード決済を利用する際にクレジットカードを登録していた場合は、支払方法を変更しておきましょう。

QRコード決済サービスには、おもに以下のようなものがあります。

  • PayPay
  • LINE Pay
  • 楽天ペイ
  • d払い
  • メルペイ
  • au PAY

自己破産とクレジットカードの関係については下記の記事で詳しく解説しています。

滞納料金や端末分割料金は偏頗弁済にならない範囲で支払う

利用料金の滞納や端末の分割払いの残債を、自己破産前や自己破産手続き中に返済する場合は注意が必要です。

自己破産前に特定の債権者だけに返済をしてしまうと「偏頗弁済(へんぱべんさい)」となり「免責」が認められなくなる場合があります

用語集 偏頗弁済とは?

偏頗弁済(へんぱべんさい)というのは、ある特定の債権者にだけ返済する行為をいいます。
自己破産の手続き時、破産者にある程度の財産がある場合、その財産というのは債権者に対して按分して配分されること(債権額に比例して分配されること)になります。これは、「債権者平等の原則」に従ってなされる手続きです。

偏頗弁済は、この債権者平等の原則に反する、財産の減少行為に当たるため、免責不許可事由に該当してしまうのです。

偏頗弁済については下記の記事で詳しく解説しています。

自己破産手続き中は携帯キャリア決済を利用しない

携帯キャリア(携帯電話会社)決済とは、スマホからキャリアに登録しているIDとパスワード(暗証番号)を入力して決済できるサービスです。

しかし自己破産の手続き中は、携帯キャリア決済を利用しないほうがよいでしょう

自己破産中にキャリア決済を利用してその支払いを行った場合は、特定の債務だけを支払う「偏頗返済(へんぱへんさい)」となる可能性もあるのです。

悪質だと判断されると、裁判所から免責が認可されない場合もあります。

各携帯電話会社では、携帯キャリア決済の利用上限額が決められています。利用上限額以内であれば、自分で上限額を設定することも可能です。また随時利用を停止することも可能です

うっかり使ってしまわないように、携帯キャリア決済の利用を停止しておいてもよいでしょう

家族で同じ携帯電話会社に契約している場合は家族名義に変更しておく

家族で同じ携帯電話会社に契約して「家族割」などのサービスを利用している場合も、注意が必要です。

自己破産した方が携帯電話の「主契約者」となっている場合は、家族全員に影響が出る場合があります。

前述したとおり通話料などの利用料金を滞納していたり、分割払いで購入した端末料金が完済していない場合には、携帯電話の契約は強制解約になってしまいます。

その際には、家族の回線もすべて同時に解約となってしまう可能性があるのです

自己破産をする場合は、あらかじめ主契約者の名義を変更(譲渡)して家族名義にしておいたほうがよいでしょう。

名義を第三者に変えることはできませんが、家族名義に変更することは可能な場合が多いでしょう。

主契約者の名義を変更(譲渡)するには、変更前の契約者が変更後の契約者と一緒に各携帯電話会社の店舗へ出向いて手続きをする必要があります。

なお一部の通信事業者(格安SIM)は、契約者の名義変更ができない場合もあります。

〈携帯電話会社の名義変更の可否と手数料金〉
携帯電話会社名 名義変更手数料 手続き方法
NTTドコモ 家族間(三親等以内):無料
家族以外:2,200円
店舗で受付
au 家族間:無料
家族以外:2,970円
店舗で受付
ソフトバンク 家族間:無料
家族以外:3,300円
店舗で受付
楽天モバイル 家族間:3,300円
家族以外:3,300円
書類郵送で受付
Yモバイル 家族間:3,300円
家族以外:3,300円
店舗で受付
mineo 家族間(三親等以内):無料
家族以外:3,300円
電話で受付
UQモバイル 変更不可
BIGLOBEモバイル 変更不可

※価格は税込みです
※2022年10月現在の情報です。最新の情報は各社のWebサイトなどでご確認ください。

自己破産するかお悩みの方は弁護士法人・響の無料相談を

自己破産をしても、携帯電話の契約は原則解約されません。
しかしここまで紹介したとおり、さまざまな注意点があります。

自己破産に関して不安に感じたら、弁護士に相談・依頼することも一つの方法です

弁護士に自己破産の手続きを依頼するメリットには、以下のようなものがあります。

  • 受任通知の送付で督促・返済が一時止まる
  • 状況に合った債務整理の方法を提案してくれる
  • 債務整理の手続きの多くを弁護士に任せられる

受任通知の送付で督促・返済が一時止まる

弁護士に債務整理を依頼すると、弁護士は債権者に「受任通知」を送ります。

受任通知とは、弁護士などが「代理人として手続きを進める」ことを知らせる通知で、金融機関や貸金業者に取り立てを停止させる法的な効力があります

弁護士費用が払えるか心配な場合、この間に準備することも可能になるのです。

受任通知については以下の記事で詳しく解説しています。

自己破産の手続きの多くを弁護士に任せられる

弁護士に自己破産を依頼すると、煩雑な手続きなどの多くを任せられます。

書類などに不備があると自己破産の手続きがスムーズに進まない場合もありますが、弁護士に依頼していれば、基本的に心配はいらないでしょう。

なお、自己破産について司法書士に相談することも可能ですが、司法書士は債務者の法定代理人にはなれないため、裁判所などとのやりとりは債務者が自分で行う必要があります。

さらに、司法書士が受けられる債務整理の案件は借金額140万円という制限があるので注意してください。(司法書士法第3条)

弁護士は自己破産以外の債務整理の方法も提案してくれる

自己破産は、借金を解決する正当な方法である「債務整理」の一つです。
債務整理には、ほかにも「個人再生」「任意整理」などの方法があります。

債務整理はそれぞれメリット・デメリットが異なるため、自己破産以外の方法が適している場合もあります。

弁護士に相談・依頼すると、第三者的な立場から依頼者の収支の状況や財産の有無などをふまえ、適切な債務整理の方法、進め方などをアドバイスしてくれるでしょう。

また弁護士には守秘義務があるので依頼人の情報を漏らすことはなく、周囲にバレないように配慮してくれるでしょう。

債務整理については以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ
  • 自己破産しても携帯電話の契約は原則解約されない

  • 自己破産後に携帯電話契約が解約されるケース
    ・通話料などの利用料金を滞納している
    ・携帯電話端末の分割払いが完済していない
    ・利用料金をクレジットカードで支払っていて滞納になる

  • 自己破産すると携帯電話端末の契約・購入法
    ・端末を一括払いで購入する
    ・SIMカードのみ契約して中古・格安端末を買う
    ・家族などに代理契約してもらう
    ・プリペイド携帯やレンタル携帯を利用する

  • 自己破産後に携帯電話を新規契約する方法
    ・TCAやTELESAに加入していない格安SIMを選ぶ
    ・免責決定後に契約する
    ・預託金制度を払って契約する

  • 自己破産後も安心して携帯電話を利用するための注意点
    ・携帯電話の利用料金は銀行引き落としにしておく
    ・スマホ決済はクレジットカードからチャージをしない
    ・滞納料金や端末分割料金は偏頗弁済にならない範囲で支払う
    ・自己破産手続き中は携帯キャリア決済を利用しない
    ・家族で同じ携帯電話会社に契約している場合は家族名義に変更しておく

  • 自己破産の不安は弁護士に相談するとよい
    ・受任通知の送付で督促・返済が一時止まる
    ・自己破産の手続きの多くを弁護士に任せられる
    ・弁護士は自己破産以外の債務整理の方法も提案してくれる

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監修者情報
監修者:弁護士法人・響 弁護士
島井 伸仁
弁護士会所属
東京第二弁護士会 第59432号
出身地
奈良県
出身大学
関西大学社会学部 大阪大学法科大学院
保有資格
弁護士
コメント
ご依頼者の抱える問題が一歩でも解決に進むように日々職務に努めております。
[実績]
43万件の問合せ・相談実績あり
[弁護士数]
43人(2023年2月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
[拠点]
計7拠点(東京、大阪、香川、福岡、沖縄)
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