2022.03.10
「自己破産するとクレジットカードは使えなくなる?」
「クレジットカードは、いつから使えるようになるの?」
自己破産をすると、原則としてクレジットカードは使えなくなります。
しかし永久に使えないわけではなく、最長でも10年程度たてば制約はなくなります。
また、クレジットカードに代わる決済の手段も存在します。
自己破産を検討する際の不安を少しでも小さくできるよう、この記事では、自己破産によるクレジットカード利用への影響や、その対処法について解説していきます。
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目次
クレジットカードは自己破産後いつから使える?
自己破産をするとクレジットカードは使えなくなりますが、永久に使えないわけではありません。
一般的に自己破産手続きから約5~10年が経過すると、再び使えるようになり、新規契約もできるといえます。
この5年~10年という期間は「信用情報機関」に登録された「事故情報(いわゆるブラックリストに載った状態)」が削除されるまでの期間なのです。
信用情報機関の事故情報が削除されれば、クレジットカードの契約・利用の制限はなくなります。
では信用情報機関について、詳しく解説しましょう。
免責後*5〜10年たつと事故情報が回復する
*自己破産申立てから起算される場合もあります。
自己破産を行うと信用情報機関に「事故情報」が記録されるため、クレジットカードが利用できなくなります。
「事故情報」とは、借金の返済延滞や自己破産・債務整理など金融事故に関する情報です。
クレジットカード会社や消費者金融などは、信用情報機関から利用者や新規申込者の情報を入手して、審査を行っています。
「信用情報機関」とは、個人ごとにクレジットやローンの利用状況を管理することでその信用力を把握し、過剰な貸付け等を未然に防ぐことを目的として創設された機関です。
「信用情報機関」は国内に3つあり、クレジットカード会社や消費者金融、銀行・信用金庫などの金融機関が加入しています。
信用情報機関によって、それぞれ事故情報の保管期間は異なります。
信用情報機関名 | 加入している主な金融機関 | 事故情報の保管期間 |
---|---|---|
株式会社シーアイシー(CIC) | 信販系の会社・クレジットカード会社 | 5年間 *1 |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 消費者金融会社や信販会社 | 5年間 *2 |
全国銀行個人信用情報センター(KSC) | 銀行・信用金庫 | 10年間 *3 |
*1 免責許可決定を確認した加盟会社が登録した報告日から5年以内
*2 破産申立ての有無
信用情報は自身で確認できる
ご自身の信用情報の内容を知りたい場合は、各情報機関に請求することで開示してもらえます。
おもな開示請求方法と費用は、以下のとおりです。
信用情報機関名 | 開示請求方法 | 開示手数料(税込) |
---|---|---|
CIC | ・パソコン・スマートフォン
・郵送 ・窓口* | ・パソコン・スマートフォン ・郵送=1,000円 ・窓口=500円 |
JICC | ・スマートフォン
・郵送 ・窓口* | ・スマートフォン ・郵送=1,000円 ・窓口=500円 |
KSC | 郵送のみ | 1,000円 |
*新型コロナウイルス感染症の影響で当面休止(2022年2月現在)
自己破産するとクレジットカードにどんな影響がある?
自己破産の手続きを行うと、原則としてその時点で契約しているクレジットカードはすべて利用できなくなります。
自己破産を行うと、信用情報に事故情報として記録されます。
いわゆる「ブラックリストに載る」といわれる状態です。
事故情報は5~10年間記録されるため、最長10年間は保有しているクレジットカードが使えず、新たに別のクレジットカードを契約することもできません。
具体的にいつから使えなくなるのか、クレジットカードで購入した商品はどうなるのかといったことを解説していきましょう。
契約しているすべてのクレジットカードが使えなくなる
自己破産を行うと、原則としてその時点で契約しているクレジットカードはすべて使えなくなります。
たとえ日頃使用していなくても、契約しているクレジットカードはすべて強制解約となってしまいます。
自己破産を行った際にクレジットカードが使えなくなるタイミングは、弁護士や司法書士に自己破産手続きの依頼をした後と考えていいでしょう。
つまり、正式に自己破産の免責許可(借金の返済を免除されること)が決定される前の段階で、クレジットカードは利用できなくなってしまうのです。
自己破産手続きの依頼を受けた弁護士や司法書士は、クレジットカード会社などの債権者に「受任通知」という文書を送付します。
受任通知とは、債務者(クレジットカードの利用者)の代理人として債務整理手続きを行う旨を知らせるための通知で、「これから自己破産手続きをします」と宣言することになります。
受任通知を受け取ったクレジットカード会社は、クレジットカードを利用停止や強制解約することが一般的なのです。
クレジットカードのポイントは失効する
クレジットカードの利用で貯まるポイントなどの特典は、残念ながら強制解約とともにすべて失効してしまいます。
ポイントがたくさん貯まっていたとしても、すべて無効になってしまうのです。
ETCカードも使えなくなる
ETCカードは一般的にクレジットカードの付帯契約となっていることが多く、自己破産手続きを行うことでクレジットカードと同時に使えなくなります。
使えなくなるタイミングは、前述したとおり弁護士・司法書士に自己破産の依頼をした時です。
使えなくなったETCカードを車載器に入れたまま高速道路へ進入すると、料金所の開閉バーが開かない場合があり大変危険です。
使えないETCカードを車載器に挿入した場合でも、車載器は警告を発することなくETCカードを正常に認証することがあるため注意してください。
どうしてもETCカードが必要な場合は「ETCパーソナルカード(ETCパソカ)」の利用を検討してみましょう。
ETCパーソナルカードは、クレジットカードの契約が不要のETCカードです。
利用の際に事故情報の確認はありませんが、あらかじめ保証金(デポジット)を入金しておく必要があります。
利用した金額は、あらかじめ指定した金融機関の口座から引き落としされます。
支払いが完了していないものは回収される
自己破産をしたことでクレジットカードが解約になったからといって、クレジットカードで購入したものが回収される(引き上げられる)わけではありません。
しかし「リボ払い」や「分割払い」などの割賦で購入し、支払いが残っている物品は回収されることがあります。
クレジットカードで購入したものは代金を完済するまではご自身の所有物にはならず、クレジットカード会社に所有権があるため(所有権の留保)、回収・処分されることもあるのです。(実際には、高額なものでなければ回収される可能性は低いと考えられます)
ただし自己破産を行うと、クレジットカードの利用にかかわらず「20万円以上の価値のある財産」は回収・処分の対象となります。
価値とは購入時の価格ではなく、自己破産の時点で売った場合の価格なので、高額なものに限定されるといえますが、注意が必要です。
配偶者や家族のクレジットカードには影響がない
自己破産は個人の手続きです。そのため家族が個別に契約しているクレジットカードに影響が及ぶことはありません。
ただし次の2点に当てはまる場合は、注意が必要です。
・自己破産する人が本会員になっている家族カード
自己破産をした人がクレジットカードの本会員の場合は、その家族カードも使えなくなります。
ただし自己破産をした本人以外が事故情報を記録される(ブラックリストに載る)ことはないため、家族が新たにクレジットカードを契約すれば問題ないといえます。
・自己破産する人の銀行口座を引き落とし先に設定している
自己破産によって銀行口座が凍結される可能性があります。
そのため家族が個別に契約しているクレジットカードでも、引き落とし口座が凍結される口座の場合は、実質的にクレジットカードも利用できなくなるといえます。
その場合は、事前に引き落とし口座を変更しておくことで回避できるといえます。
クレジットカードを使えない期間の対処法
自己破産を行いクレジットカードが利用できないと、日常生活で不便に感じることもあるでしょう。
審査が不要で、クレジットカードの代替として使えるものには以下のようなものがあります。
- デビットカード
- プリペイドカード
- 家族カード
- スマホ決済・キャッシュレス決済
それぞれのサービスについて、詳しく紹介していきましょう。
デビットカードを利用する
デビットカードとは、利用と同時に金融機関の口座から代金が引き落とされるカードです。
口座に残高がある分しか利用できないため、金融機関の口座があれば審査なしで作れます。
ただし、リボ払いや分割払いはできません。ただし、リボ払いや分割払いはできません。
デビットカードには、以下の2つのタイプがあります。
・Jデビット
銀行のキャッシュカードにJデビットカードの機能がついている場合は、そのままデビットカードとして利用できます。お手持ちのキャッシュカードを確認してみましょう。
利用できる店舗は、国内のJ-Debit加盟店(リアル店舗)に限ります。ネットショッピングでは使えません。
・国際ブランドデビット
国際クレジットカードブランドが、銀行と提携して発行するデビットカードです。
国際ブランドといってもクレジットカードではないので、審査はありません。
Visa、JCBといった国際ブランドが提携しているため、クレジットカードの使える店舗であれば世界中で利用できます。ネットショッピングでも使えます*。
券面の見た目もクレジットカードと酷似しているため、外出先で利用する際に気後れすることもないでしょう。
*一部例外あり
プリペイドカードを利用する
プリペイドカードとは、あらかじめ現金をチャージして利用するカードです。
事前に支払った金額分しか利用できないカードなので、審査なしで誰でも作れます。また、クレジットカードのような年齢制限もありません。
クレジットカードの国際ブランドであるVISAやJCBが発行しているものであれば、クレジットカードが利用できる店舗で利用可能です。
プリペイドカードも見た目はクレジットカードとほとんど同じですが、リボ払いや分割払いには対応しておらず、一括払いしかできません。
SuicaやPASMOといった交通系ICカードも、プリペイドカードに該当します。
家族カードを使う
家族カードとは、クレジットカードを契約している本人(本会員)の家族用に発行できるクレジットカードです。
家族カードの審査は、契約した本会員に対してのみ行われます。
自己破産をした場合は、家族の名義でクレジットカードを契約し、その家族カードを発行して使うことはできるのです。
ただし家族カードを発行しても、利用限度額が増えるわけではない(本会員が契約している利用限度額内でしか使えない)ので注意が必要です。
また年会費が別途必要になる場合もあるので、本当に必要なのかはよく検討したほうがよいでしょう。
スマホ決済・キャッシュレス決済を利用する
スマホ決済とは、「PayPay」「LINE Pay」「メルペイ」など、スマートフォンのアプリを利用して決済を行うサービスのことです。
支払いは、金融機関の口座との連携や事前にチャージする方法などもあり、審査なしで利用できます。
※一部クレジットカードとの連携が必要なサービスもあり、その場合は利用できません。
現金チャージならプリペイドカードと同様に利用できます。
また銀行口座と連携することに特化した「Bank Pay」「銀行Pay」「J-Coin Pay」といったサービスもあります。
利用するには、スマートフォンに専用のアプリを入れる必要がありますが、銀行口座があればすぐに登録できます。
注意点は、サービスごとに導入している店舗が異なることです。
よく使うお店がどのサービスを導入しているか確認してから、利用するサービスを決めた方がいいでしょう。
自己破産後にクレジットカードを申し込む際の注意点
「自己破産後5年たっていないがクレジットカードが契約できた」といった話を聞くこともありますが、審査の基準は各クレジットカード会社の判断になるため、契約ができる場合もあるかもしれません。
しかし「クレジットカードに申し込んだ」という事実も信用情報機関に登録されますし、審査に落ちた場合もその旨が登録されることにも注意が必要です。
クレジットカードを新たに申し込むときには、以下のポイントに注意しましょう。
申し込む前に信用情報を確認する
自己破産後一定期間が過ぎてからクレジットカードの新規申し込みをしても、審査に通らず契約できない(審査落ち)場合もあります。
クレジットカードを申し込む際は、審査落ちを未然に防ぐために、まず自分の信用情報がどのようになっているのか、確認するとよいでしょう。
信用機関に事故情報が記録されていれば、審査落ちの可能性が高いことがわかります。
前述した「信用情報は自身で確認できる」をご覧になって、ご自身の信用情報を確認してみましょう。
審査に落ちた場合は次の申し込みまでは半年待つ
自己破産後一定期間が過ぎてからクレジットカードの新規申し込みをして審査落ちした場合は、慌てて別のクレジットカードを申し込まず、半年程度は待つようにしましょう。
信用情報機関には、クレジットカードの申し込みをした記録だけでなく、審査落ちした事実も約6ヶ月間記録されてしまうのです。
そんな状況で別のクレジットカードを申し込んでも「審査落ちしたということは信用が低い」と判断され、また審査落ちしてしまう可能性が高いといえるからです。
また複数のクレジットカードを同時に申し込むことも、避けたほうがよいでしょう。
「他社で借り入れできない事情がある」と判断され、審査落ちの原因になる場合があります。
自己破産前のクレジットカード利用でやってはいけないこと
自己破産をしようとしているのに、クレジットカードに関して次のような対応をすると、自己破産が認められなくなる(免責不許可)恐れがあるので注意しましょう。
弁護士や裁判官にカードの利用状況に関する嘘をつくこと
自己破産の手続きを進める中で、弁護士や裁判官にクレジットカードの利用状況を正直に申告しましょう。
クレジットカードの使い方について嘘をついたり隠そうとしたりする方もいるかもしれませんが、破産法では、このような行為は免責不許可事由と定められています。
破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。
引用:破産法252条1項8号
また、利用したクレジットカードについて正しく申告しないことも免責不許可事由となり得ます。
虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。
引用:破産法252条1項7号
実際には免責不許可事由に当たる場合でも、裁判官の判断で自己破産が認められることもありますが(裁量免責といいます)、弁護士や裁判官の心証を悪くすることは避けるべきでしょう。
弁護士や裁判官には、正直に説明しましょう。
特定のクレジットカードだけ残額を支払うこと
クレジットカードを使い続けたいあまり、特定のクレジットカードのみ完済して、他の借金の免責を得ようとするような行為をすると、自己破産が認められなくなる可能性があります。
特定の債権者にだけ返済することは「偏頗弁済(へんぱべんさい)」 といって、「すべての債権者は平等に扱わなければならない」という自己破産手続きの原則に反してしまい、免責不許可事由に当たる可能性があるため絶対にやめましょう。
特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと
引用:破産法252条1項3号
自己破産でクレジットカードが利用できないことが不安な場合は
前述のように、自己破産をするとクレジットカードは5年~10年間は利用できません。
クレジットカードが使えないからといって自己破産をためらっているなら、まずは借金の悩みを解決することを優先してみてはいかがでしょうか。
借金の悩みをどうやって解決したらいいのかわからない場合は、弁護士に相談することも検討してください。
弁護士なら、自己破産に関する疑問に答えることもできますし、実際に自己破産をする場合でも手続きをほぼ任せることができます。
状況によっては自己破産以外の解決方法を提案することも可能です。
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2022.03.10