債務者が死亡したら借金は連帯保証人や相続人が返済?相続放棄などの対処法4つの対処法

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この記事の監修者
山本 皓太
この記事の監修者
山本 皓太弁護士
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第57615号
出身地
千葉県
出身大学
明治大学法学部 明治大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士・宅地建物取引士
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「亡くなった人の借金は、保証人の私が払うことになるの?」

「相続放棄をすれば、返済義務もなくなるんじゃないの?」

結論として、保証人・連帯保証人であれば相続放棄をしても返済義務は消えません。

一方、保証人ではなく法定相続人としてのみ関わっている場合は、一定の手続によって返済義務が免除されることもあります。

借金に保証人、相続も絡むと、複雑な問題に発展しがちです。

そこで法律のプロである弁護士の視点を入れることで、一人で悩むよりも早く、精神的にも楽に解決できる可能性があります。

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債務者が死亡した場合、借金は保証人や相続人が負うべき?

債務者が死亡した場合、保証人・連帯保証人のどちらであっても、返済義務が消えることはないのが法律上の決まりです。

ただし、借金の種類によっては、返済義務の扱いが異なるケースもあります。

ここでは、保証人・連帯保証人としての返済義務の考え方と、住宅ローンの扱いについて解説します。

債務者が死亡しても保証人の返済義務は消えない

債務者が死亡しても、保証人・連帯保証人の返済義務は消えません。

その理由は、保証人・連帯保証人の義務は借金をした人についているものではなく、借金そのものについているものだからです。

保証人の契約は、保証人になった本人がこの仕組みを理解した上で申し込んでいると解釈されるので、契約が有効である以上は保証人本人の返済義務が消えることはありません。

借金の保証人の義務については、以下の記事で詳しく解説しています。

住宅ローンの返済は負わないことが多い

住宅ローンについては、「団体信用生命保険」(団信)の加入によって返済義務を負わないケースが多いです。

団信とは、ローンの契約者が死亡・高度障害状態になったときに、残額を肩代わりして金融業者に返済してくれる住宅ローン契約者専用の保険のことです。

団信に加入していた債務者が死亡するとこの保険が適用されるので、保証人にも法定相続人にも返済義務が発生しないことになります。

債務者が死亡した場合の借金の扱い|立場別に解説

債務者が死亡すると、その死亡した人にはもう借金返済義務はありません。

一方で、借金の返済義務は消えないことが原則です。

ただし、立場によっては次の表のように借金の返済義務を免れる場合があります。

故人との関係 借金の返済義務
保証人・連帯保証人 借金は原則免除されない
法定相続人 相続放棄・限定承認によって借金を免除されることがある
保証人・連帯保証人であり法定相続人 借金は原則免除されない

それぞれ詳しく説明していきます。

保証人・連帯保証人の場合

死亡した人の保証人・連帯保証人になっている人は、借金の保証人・連帯保証人としての義務を負い続けます。

保証人・連帯保証人の義務は、死亡した人に対してではなく借金についているものなので、死亡した人に代わって借金を返済することになるのです。

法定相続人の場合

借金をした人が死亡した場合、法定相続人が相続をすれば、返済義務も負うことになります。

つまり、相続をすれば借金を免れることはできません。

親が死亡した場合の法定相続人は、その配偶者・子供・親・兄弟で、これらの法定相続人が先に亡くなっている場合は、さらにその子供も法定相続人になります。

しかし法定相続人がここで、以下のどちらかの手続をすると、借金を免れることができます。

  • 財産の相続をしない「相続放棄」
  • プラスの財産も考慮して限定的に相続をする「限定承認」

借金の相続放棄については以下の記事で詳しく解説しています。

相続放棄と限定承認の手続については、後ほど「債務者の死亡で保証人が多額の借金返済を迫られたときの対処法」で詳しくご説明します。

保証人・連帯保証人であり法定相続人の場合

死亡した人の保証人・連帯保証人であり、同時に法定相続人でもある場合、保証人・連帯保証人としての義務は変わらないので、返済義務を負っています。

保証人・連帯保証人になっている以上は、相続放棄や限定承認をしても、保証人・連帯保証人としての返済義務から免れることはできません。

借金と保証人・連帯保証人の関係

保証人や連帯保証人の法的な仕組みは複雑なので、ここでしっかり確認しておきましょう。

そもそも保証人とは

保証人とは、借金をした本人が返済できなくなってしまった場合に、代わりに返済の義務を負う人のことです。

大きな額の借金は、長期間かけて返済するのが一般的です。

返済期間内には、借金をした人の健康状態や経済情勢の変化などで、借りた当時は返済できる見通しだった借金が返せなくなってしまう可能性がゼロではありません。

貸し手としては確実に返済してもらう必要があるので、安心してお金を貸すために保証人をつけているというわけです。

それだけではありません。

借金に保証人を付けることで貸し手が安心してお金を運用して、それが引いては経済活性化にもつながるので、借金に保証人を付ける仕組みには非常に重要な意味があるのです。

保証人と連帯保証人を隔てる3つの違い

保証人と連帯保証人は、次の3つを主張できるかどうかで違いがあります。

以下にあげる権利・利益は、保証人にあって、連帯保証人にはないものです。

➀催告の抗弁権
催告の抗弁権とは、保証人が請求を受けた時に「借金をした本人に先に請求してほしい」と主張して支払を拒否できる権利です。

②検索の抗弁権
検索の抗弁権とは、保証人が自分の財産に強制執行をかけられそうになったら、「先に借金をした本人から強制執行をかけてほしい」と主張して、強制執行に異議を唱えることができる権利です。

ただし、本人に強制執行の対象になる財産があることは、保証人が証明しなければなりません。

③分別の利益
分別の利益とは、他にも保証人・連帯保証人がいる際に、「保証人の人数で割った額までしか自分は支払わなくてもいい」と主張できることです。

保証人は分別の利益を主張できる一方で、連帯保証人は全額を支払うことになります。

たとえば保証人2人、連帯保証人が1人いて、借金が300万円の場合、保証人には3人で割った100万円の返済義務が発生しますが、連帯保証人の場合は300万円全額の返済義務があります。

なお、借金をした債務者が死亡している場合には、催告の抗弁権と検索の抗弁権は「相続人に対して先に請求してほしい」「相続人の財産に先に強制執行してほしい」と主張できます。

連帯保証人については以下の記事で詳しく解説しています。

分別の利益については以下の記事で詳しく解説しています。

死亡した家族が連帯保証人だった場合も注意

死亡した家族が連帯保証人だった場合は、連帯保証人の地位も相続することになるので要注意です。

つまり、何も手続をしないと返済義務がついてきます。

その返済義務まで相続したくない場合は、次の章でも詳しく説明する「相続放棄」「限定承認」という2つの手続を行うことで、連帯保証人としての返済の義務を免れることができます。

債務者の死亡で保証人が多額の借金返済を迫られたときの4つの対処法

借金をしていた人が死亡した場合、保証人や相続人は多額の借金返済を迫られることがあります。

そのようなときに負担を抑えられる対処法を確認しておきましょう。

  1. 相続を放棄する(相続人としての義務が対象)
  2. 相続を限定承認する(相続人としての義務が対象)
  3. 時効援用を行い返済義務を消滅させる(保証人・連帯保証人・相続人いずれも対象)
  4. 債務整理をする(保証人・連帯保証人・相続人いずれも対象)

1.相続を放棄する(相続人としての義務が対象)

借金をしていた人の相続人になっても、相続を放棄すれば、返済義務を負わずに借金から逃れることができます。

手続には期限があり、相続を知ってから3ヵ月以内に家庭裁判所で行わなければなりません。

この場合、持ち家や車などプラスになる財産があったとしても、すべての相続を放棄することになります。

2.相続を限定承認する(相続人としての義務が対象)

限定承認により、相続人が借金全額の返済義務を負わずに、限度額以上は拒否することができます。

死亡した人の財産のトータルの価値を計算して、プラスの財産よりも借金額の方が大きい場合は、相続したプラスの財産分以上の借金は相続しないことを選択できるのです。

ただし、限定承認の手続にはいくつかの条件が必要で、手間と時間がかかるため、実務上はあまり利用されていません。

3.時効援用を行い返済義務を消滅させる(保証人・連帯保証人・相続人いずれも対象)

借金には時効(消滅時効)があり、時効が成立すると利息や遅延損害金も含めた借金の返済義務がなくなります。

借金の消滅時効が成立するためには、以下2点の条件を満たす必要があります。

  • 返済期日または最終返済日から5年もしくは10年以上が経過している
  • 時効援用の手続をとっている

一見簡単に感じるかもしれませんが、時効期間の経過を正確に知ることは容易ではなく、失敗するリスクも存在します。

不安がある場合は、弁護士など法律の専門家へ相談することも検討してください。

借金の時効については以下の記事で詳しく解説しています。

4.債務整理をする

保証人・連帯保証人として債務を負う場合や、相続することとなった法定相続人が多額の借金を背負った場合、債務整理をすることも対処法の一つです。

債務整理は、法律が認める手続で借金の減額ができます。

生活に無理なく長期の分割払いで返済することも可能で、裁判所を通さずに貸金業者等との交渉で進める任意整理と、裁判所を通して行う個人再生・自己破産の3つがおもな手続です。

保証人や相続、債務整理の問題は、法律の専門家である弁護士に相談すると進めやすいでしょう。

弁護士は、借金の額、収入、債務者との関係など、様々な状況を踏まえた上で適した手続を提案してくれます。

また、死亡した人の財産や借金を調べる上でも弁護士への相談は安心です。

債務整理については以下の記事で詳しく解説しています。

死亡した債務者が抱えていた借金問題を調べる方法

「本人が亡くなるまで、死亡した人が借金をしていたことや、誰かの保証人になっていたという話を知らなかった」という話も珍しいことではありません。

遺された人が故人の借金問題の事実関係を知るには、どうしたらよいのでしょうか。

死亡した人の借金額を調べる方法

死亡した人の借金は、信用情報機関にインターネットや郵送で情報開示を請求すれば調べられます。

信用情報機関には、次の3つの機関があります。

  • 株式会社シー・アイ・シー
  • 株式会社日本信用情報機構
  • 全国銀行個人信用情報センター

これらの信用情報機関には、借入先、借金の額、返済状況などの情報が登録されているので、借金の額についてもこれらの機関から入手できるのです。

登録情報の開示請求は、原則としていずれの機関でも本人でないとできません。

しかし、法定相続人の場合は必要書類を添えて手続すれば確認できます。

死亡した人が保証人だったかを調べる方法

死亡した人が保証人だったかどうかを確実に調べることは難しいとされています。

しかし、次のような手がかりから調べる方法もあります。

  • 債権者からの通知がないかを調べる
  • 保証契約・連帯保証契約の有無を確認する
  • 共同経営者等、死亡した人の関係者に確認する

死亡した人が保証人になっていたことが後からわかった場合でも、返済義務に対処できることはあります。

その場合は、法律の専門家である弁護士に相談してそれぞれのケースに応じた対処法を検討してみましょう。

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