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借金が払えないと年金も差押えに?条件とリスク回避策

借金が払えないと年金も差し押さえられるの?
年金生活でも借金を解決できる方法は?

老後の生活を支える大切な原資である年金。
これが借金の滞納で差し押さえられてしまったら、「生活もままならなくなるのでは・・・」と心配になりますよね。

借金の滞納が年金に直接影響することはありませんが、借金以外のきっかけによる差し押さえがあることには注意が必要です。

そこで今回の記事では、
・借金の滞納と年金の差し押さえの関係
・借金以外のきっかけで差し押さえられるリスク
・借金問題は債務整理で解決
などについて解説します。

借金の滞納で年金が差し押さえらる可能性は?

通常は借金を滞納すると最終的には財産が差し押さえられることになります。

しかし年金や生活必需品まで差し押さえられると生きていけないので、差し押さえには、禁止の財産があるなどいくつかの条件があります。

まずは、差し押さえ禁止の財産と、差し押さえられる財産が何かを、整理しておきましょう。

基本的に公的年金の差し押さえはできない

基本的に公的年金が差し押さえられることはありません。

公的年金は、憲法第25条「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」により保障されているものであり、差押禁止財産として国民年金法などの各法律にも明記されています

一般的に公的年金は次の2つを言い、差し押さえが禁止されています。
・国民年金
・厚生年金

私的年金は差し押さえられる可能性もある

公的年金に対して、個人で任意に加入する年金を私的年金といい、私的年金の一部は差し押さえられる可能性があります。

差し押さえられる私的年金とは、保険会社などと私的に契約している個人年金です。

個人年金の払込保険料の解約返戻金は個人の所有財産と見なされるので、差押えの対象となります。

一方で任意で加入する私的年金とされるものでも、次のものは公的年金と同様に扱われるので差し押さえの対象にはなりません。

差し押さえ禁止の私的年金
・確定給付企業年金
・確定拠出年金
・厚生年金基金
・国民年金基金

年金以外にも気になる差し押え対象の財産

他にも差し押さえを禁止されている財産として次のようなものがあります。

〈差し押さえが禁止されている財産〉
・66万円までの現金
・衣服、寝具、家具などの生活用品
・一カ月間の生活に必要な食料及び燃料
・仕事に最低限必要な器具や材料
・仏像、位牌

一方で、差し押さえの対象となる財産としては次のようなものが挙げられます。

〈差し押さえの対象となる財産〉
・給料の4分の1
・銀行預金
・家や土地などの不動産
・自動車
・自宅にある現金(ただし66万円までは差し押さえ禁止)

公的年金でも差し押さえられてしまうケース

基本的に生活の基盤となる年金が借金の差し押さえとなることはありません。 ただし、例外的に差し押さえられるケースがあるので注意の必要なものをここに挙げておきます。

年金が銀行口座に入金されているとき

年金が振込先として指定されている銀行口座に入金されていると、差し押さえられる可能性があります。

差し押さえが禁止されているのは「年金を受け取れる権利」であり、すでに銀行口座に振り込まれた年金は「預けたお金を請求できる権利」に変わるので、差し押さえの対象になってしまいます。

預金の差し押えを防ぐ方法

銀行口座に預けていたとはいえ、生活の原資である年金を差し押さえられてはたまりません。

そのため、銀行口座の預金も差し押さえ禁止にする「差押禁止債権の範囲の変更の申立て」を行うことができます。

差押禁止債権の範囲の変更の申立て」は差押命令を発した裁判所に提出します。

年金を意図的に滞納していたとき

会社に勤めていた人の場合、国民年金は給料から差し引かれて会社が納付をしてくれます。

しかし、自営業の人や、アルバイトや無職の期間があった人などは国民年金を自分で支払う必要があります。

過去に国民年金の払い忘れや意図的な滞納があると、公的年金であっても差し押さえられます。

もし本人が支払えない場合は配偶者や世帯主が支払うことになるので、かなり強い強制力を持っているのです。

未納のまま放置すると差し押さえをされてしまうばかりか、年金の受給額が減ってしまいます

もし未納の国民年金がある場合は、すぐに国民年金機構で納付状況の確認と相談をしましょう。

法に基づく機関からの融資で担保にしているとき

公的年金を担保として、一部公的機関から融資を受けることができます。
年金を担保とした貸付制度であり、返済できなければ公的年金でも差し押さえられる可能性があります。

公的年金を担保とした貸付制度は2つの機関だけで利用可能です。
・福祉医療機構
・日本政策金融公庫

年金担保貸付制度は法律により唯一国によって認められている制度です。
上記2つの機関以外の金融機関で年金を担保にした貸付は違法ですので、そのような貸付サービスは利用しないように注意をしてください

公租公課を滞納したとき

国や地方自治体に納めるべき税金などの公租公課を滞納していると、公的年金でも差し押さえられることがあります。

公租公課とは具体的に次のような税金などです。
・所得税
・住民税(県民税、市民税)
・健康保険料
・社会保険料
・固定資産税・不動産取得税
・法人税
・消費税

これら公租公課も、年金同様に、特に自営業やアルバイト、無職の人に注意が必要なものです。

公租公課の滞納による強制執行は行政機関が主体となるため、一度決定されると覆すことが難しくなります
不安な場合は県や市町村の税務担当課に問合せしましょう。

公租公課の滞納を防ぐために

公租公課の滞納を未然に防ぐために、次の税金等は収入などの条件を満たせば減免・免除、支払猶予の申請が可能です。

・住民税
・国民年金保険
・国民健康保険

その他の公租公課も、支払猶予や分納で対応できる場合があります。
支払いが困難な公租公課があったら、それぞれの市町村や担当機関などに相談してください

年金の差押えが心配な借金問題は債務整理で解決

公的年金といえども差し押さえのリスクはゼロではありません。
差し押さえを防ぐためにも、まずは借金の根本解決を図る必要があります。

債務整理は借金解決の早道

借金解決には債務整理が早道です。
債務整理は借金の減額や返済期間の延長などによって支払いの負担を軽減する手続きであり、法律を根拠に整備された制度なので安心して利用できます

借金の滞納をすると金融業者から督促が届き、支払いができないと一括請求をされ、最終的には裁判所を通して法的措置として差し押さえの強制執行をされますが、債務整理をすることでこの流れを止められます。

債務整理とは、差押えの心配をせずに、借金解決を速やかに図れる手続きと言えるでしょう。

主な債務整理は次の3種類です。
・任意整理
利息や遅延損害金をカットし、元金のみを3~5年かけて返済する

・個人再生
100万円を最少額として借金の総額を5分の1に減額し、3~5年かけて返済する

・自己破産
車や不動産などの換価財産を処分して残りの借金を全額帳消しにする

収入や生活事情などによって向いている手続きは変わってきますが、次のような人は借金解決に債務整理を検討しましょう。

債務整理が向いている人
・現在の収入では借金返済の見通しが立たない
・生活費のほとんどを公的年金でまかなっている
・差し押さえられると困る財産がある
・すぐにでも借金の悩みから解放されたい
・借金の相談をできる相手がいない

差押え後の債務整理も可能

差し押さえられた後でも債務整理は可能です。
ただし、裁判所を介さない任意整理は、進め方が柔軟な反面、私的な交渉に基づく手続きと捉えられるので、法的措置である差し押えの強制執行には対抗できません。

個人再生や自己破産であれば、差し押さえの効力を停止することが出来ます

もし年金の差し押さえを心配するほどの借金がある場合はできるだけ早く債務整理で解決する必要があります。

借金の問題は個人で解決することは困難です。
早期解決のためには専門家の力を借りることも検討しましょう。

年金の差押えを防ぐにはスピーディーな対応が不可欠

年金の差し押さえを防ぐためには、とにかく早めに対応しておくことです。

借金によって年金が差し押さえられることはありませんが、例えば借金返済のために公租公課を滞納すれば、自治体の姿勢によってはすぐに年金が差し押さえられることにもなりかねません。

公的機関による差押えは一度決まると覆すことが困難になるケースもあるので、公租公課を滞納しないように借金問題を早期に解決しておくことが肝心です。

問題を長引かせるほど事態は深刻になり、解決が難しくなります。
差し押さえのリスクを軽減するために、まずは債務整理で借金返済の負担を小さくしましょう

借金の返済や年金の差し押さえは法律が絡んでいる複雑な問題です。
個人で解決するのは非常に困難なので、法律の専門家に相談することをおすすめします。

借金の解決策を熟知している専門家であれば、ご自身が置かれている状況を客観的に分析して適切なアドバイスをしてくれるでしょう。

まとめ

借金が原因で年金が差し押さえられることは基本的にありません。
ただし、年金でも例外的に差し押さえられる可能性があります。

借金を抱えている人は債務整理で返済の負担を軽減することも重要です。
生活を圧迫している借金を解決することで、年金の差し押さえを防ぐことができるでしょう

借金問題の根本的な解決は、様々な解決手段を熟知している専門家に依頼すると安心です。

大切な生活の原資である年金を守るために、まずは専門家からのアドバイスを受けてみてはいかがでしょうか。

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