アイコン

個人再生を失敗しないために|失敗する3つのタイミングと対処法とは

島村 海利
監修者:弁護士法人・響 弁護士
島村 海利
  • 弁護士会所属:第二東京弁護士会 第52828
  • 出身地:高知県
  • 出身大学:香川大学法学部卒 九州大学法科大学院卒
  • 保有資格:弁護士、2級ファイナンシャルプランニング技能士(FP2級)
  • コメント:人に対する温かいまなざしを持ち、ご依頼者の話をよく聞き、ご依頼者様に寄り添える弁護士になれるよう日々努めています。
  • 弁護士法人・響HPの詳細プロフィール

個人再生はどんなときに失敗するの?
個人再生に失敗しても、借金の解決できる?

個人再生は裁判所を介する債務整理の手続であり、その内容も複雑であるため失敗するケースがあります。

個人再生は失敗するのは、主に以下の3つのタイミングです。

  1. 個人再生の申立て時
  2. 再生計画案の提出~認可決定時
  3. 個人再生後の返済時

しかし弁護士に個人再生を依頼することで、起こりがちな失敗のほとんどは回避できます

また個人再生を失敗しても、借金を解決できる方法もあります。

  • もう一度個人再生をする
  • 自己破産を検討する

個人再生を失敗するタイミングやパターン、失敗しない個人再生の進め方・対処法について、詳しく解説します。

弁護士に依頼すると何が良いの?

  • 借金解決方法を個別に提案してもらえる
  • 面倒な手続きを一任できる!
  • 相談依頼実績12万件以上!

個人再生が失敗しやすいタイミングはいつ?

個人再生には失敗しやすいタイミングがいくつかありますが、弁護士に依頼して手続を進めることで失敗を回避でき、成功する可能性は高くなります。

個人再生において失敗しやすいタイミングと、失敗しないための対処法を具体的に解説していきます。

個人再生は手続が複雑。失敗しやすいタイミングは3つある

個人再生」とは、債務者(お金を借りた側)に返済不能のおそれがあることを裁判所に申立て、再生計画の認可決定を受けることで借金を減額する、債務整理の一つです。

個人再生の場合、借金を5分の1~10分の1程度に減額できる可能性があります。

しかし個人再生の手続は、複雑でわかりにくいといわれています。

個人再生の手続において失敗しやすいタイミングは、以下の3つです。

  1. 個人再生の申立て時
  2. 再生計画案の提出~認可決定時
  3. 個人再生後の返済時

個人再生で失敗しやすいタイミングやパターンと、失敗しないための対処法を紹介します。

個人再生の流れと失敗しやすいタイミング

失敗しやすいタイミング1=個人再生の申立て時

個人再生の申立て時には、裁判所に提出する個人再生申立書などの必要書類の準備・作成に注意しなければなりません。

特に以下のような提出書類に関する失敗が、多いとされています。

  1. 提出すべき書類が足りない
  2. 書類の内容が正確に記載されていない
  3. 期日までに書類の提出や手続費用の納付ができなかった

書類を提出した段階で失敗してしまうと、個人再生の申立てが却下されてしまう場合もあるので注意が必要です。

以下で、詳しい内容と対処法を説明します。

(1) 提出すべき書類が足りない

個人再生の申立て時に提出すべき書類の不足によって、失敗するケースもあります。

申立て時に提出が必要な主な書類は、以下のとおりです。

個人再生申立書
個人再生を申立てる人の氏名・住所などの情報や、後で述べる「小規模個人再生手続」と「給与所得者等再生手続」のいずれを選ぶのかを記載する書類です。

陳述書
申し立てる人の現在の職業・住所、家族の状況、個人再生の手続を申し立てるにいたった経緯などを記載する書類です。

財産目録
預貯金、保険(貯蓄型)、株式・債券・投資信託などの有価証券、自動車、不動産など自分名義の財産の有無と、その財産の価値を記載する書類です。

債権者一覧表
すべての借入先(債権者)と、借金の金額と原因を記載する書類です。
対処法は?
個人再生申立書のほか、陳述書、財産目録、債権者一覧表など提出すべき書類がすべてそろっているかどうか、個人再生を依頼した弁護士と一緒に確認しましょう。

(2) 書類の内容が正確に記載されていない

個人再生の申立て時に提出する書類の内容が正確に記載されていないために、裁判所が書類を受理しないケースがあります。

特に財産目録や債権者一覧表については、項目の記入漏れが起きる可能性があるので注意が必要です

対処法は?
書類の記入内容に不備がないかどうか、依頼した弁護士と一緒に確認しましょう。

期日までに書類の提出や手続費用の納付ができなかった

期日までに裁判所へ書類を提出できなかったり、分割予納金(裁判所にあらかじめ納めるお金)など手続にかかる費用を納付できず、個人再生の申立てができないケースも考えられます。

個人再生手続き時に裁判所へ払う主な費用は、以下のようなものがあります。

●官報掲載料=政府の機関紙である官報に、個人再生をした人の情報を掲載するための費用です。約1万3,000円ほど。

●申立手数料=個人再生を申立てる際に必要な手数料です。1万円。

●予納金(個人再生委員の報酬)=個人再生手続きでは「個人再生委員」が選任される場合があり、その費用も必要となります。15万~25万円程度となります。

対処法は?
裁判所に提出する書類や納める費用は前もって準備しておき、スケジュールに余裕を持って提出・納付をするようにしましょう。

失敗しやすいタイミング2=再生計画案の提出~認可決定時

再生計画案を提出するときから再生計画案の認可決定が出るまでの間でも、失敗するケースがあります。

再生計画案とは?
個人再生を行うにあたり、借金の減額や分割払いなど今後の返済計画をまとめた書類です。
再生計画案は個人再生を申立てた債務者(または依頼した弁護士)が作成します。

再生計画案の内容次第では、個人再生が失敗することもあります。

  • 債権者(貸した側)から同意が得られない
  • 裁判所から再生計画案を認可してもらえないことも

再生計画案で失敗しないための対処法を解説します。

債権者から同意が得られない

個人再生には後で述べる「小規模個人再生手続」と「給与所得者等再生手続」の2つの方法があります。

小規模個人再生手続を選んだ場合「債権者の過半数の不同意」もしくは「債権額の2分の1を超える不同意」があったときは、再生計画案は否決となり、個人再生は廃止(中止)となってしまうのです。

対処法は?
債務者にとって返済負担を軽減できる再生計画案を作成することも大事ですが、債権者から同意を得られる再生計画案にすることもポイントとなります。
依頼した弁護士からアドバイスを受けつつ、再生計画案をまとめるとよいでしょう。

なお給与所得者等再生手続を選んだ場合は、債権者から反対の意見があっても再生計画案は認可されます。

裁判所から再生計画案を認可してもらえないことも

小規模個人再生手続を選んで債権者から再生計画案について同意が得られても、その後裁判所が再生計画案に問題があると判断したときには、不認可の決定を下すケースもないとはいえません。

対処法は?
裁判所の認可を得られる再生計画案であるかどうか、十分に確認する必要となります。 依頼した弁護士から法的なアドバイスを受けつつ、再生計画案をまとめましょう。

裁判所が再生計画案で不認可を下すケースとは、以下のようなケースです。

「小規模個人再生手続」の場合と「給与所得者等再生手続」の場合に分けて紹介します。

小規模個人再生手続=再生計画案の不認可事由が4つある

小規模個人再生手続」は、主に個人商店主や小規模の事業を営んでいる人などを対象とした手続です。しかし会社員でも利用は可能です。

小規模個人再生手続の場合、給与所得者等再生手続よりも返済額が少なくなることが多いので選択されるケースが一般的です。

小規模個人再生手続においては、民事再生法・第174条(再生計画の認可又は不認可の決定)にもとづき、再生計画案の不認可事由が以下の4つが定められています。

再生計画案の不認可事由・小規模個人再生手続の場合
  • 再生手続または再生計画が法律の規定に違反し、かつ、その不備を補正できないものであるとき
  • 再生計画が遂行される見込みがないとき
  • 再生計画の決議が不正の方法によって成立するに至ったとき
  • 再生計画の決議が債権者の一般の利益に反するとき

給与所得者等再生手続=再生計画案の不認可事由がさらに増える

給与所得者等再生手続」は、主に会社員を対象とした手続です。

個人再生の給与所得者等再生手続は「特則」という位置付けになっています。

給与所得者等再生手続においては、先に述べた、小規模個人再生手続における再生計画案の4つの不認可事由に加えて、以下の不認可事由に注意する必要があります。

再生計画案の不認可事由・給与所得者等再生手続の場合で追加するもの
  • 継続的または反復的に収入を得る見込みがないとき、計画遂行の見込みのないとき
  • 給与またはこれに類する定期的収入に該当しないとき、またはその2年分の収入が2割以上の変動があるとき
  • 過去7年以内に給与所得者等個人再生や自己破産などを申立てたことがあるとき
  • など

失敗しやすいタイミング3=個人再生認可後の返済時

裁判所から再生計画を認可してもらっても、それですべてが終わるわけではありません。

個人再生後の返済を順調に進めて、完済することが重要になります。

個人再生認可後の返済時で失敗するとどうなるのか、失敗したときの対処法を紹介します。

個人再生後に返済できなくなった場合は再生計画が取り消される

個人再生後に債務者が途中で返済できなくなった場合は、債権者からの申立てにより再生計画が取り消されることがあります。

再生計画が取り消されてしまうと、減額された借金は元の金額に戻ってしまいます

対処法は?
個人再生後の返済が困難になったときは、裁判所に申立てをすることで「再生計画の変更(リスケジュール)」を認めてもらう方法があります。
裁判所がリスケジュールを認めれば、分割返済の期間を最大で2年間延長することができます。

個人再生が失敗するとデメリットがある

個人再生が失敗すると、どんなデメリットがあるのでしょうか?

以下の主なデメリットについて解説します。

  • 再生計画どおりに返済できなくなると借金は元の金額に戻る
  • 個人再生で払った費用が無駄になる
  • ブラックリストに載る状態は続く

再生計画どおりに返済できなくなると借金は元の金額に戻る

先ほども少し触れましたが、再生計画どおりに返済ができなくなり滞納してしまうと、貸金業者や金融機関などの債権者(貸した側)が「再生計画の取消しの申立て」を行うことで、再生計画が取り消されることがあります。

再生計画が取り消されると、個人再生そのものがなかったものとされ、減額された借金は元の金額に戻ってしまいます

なお、再生計画の取消しの申立てができるのは、債権額全体の10%以上を占める債権者に限られています。

仮に債権額全体の10%未満の債権者であっても、債務者(借りた側)本人に対して裁判を起こして、個別に借金を回収することが可能です。

個人再生の手続に払った費用が無駄になる

個人再生の手続にかかる費用の総額は、約50~60万円が相場とされています。

個人再生においては、弁護士に依頼した場合にかかる「弁護士費用」のほか、裁判所にも「裁判所費用(申立手数料や予納金など)」を払わなければなりません。

個人再生が失敗して途中で終了しても、弁護士費用と裁判所費用は戻ってきません

せっかく高い金額を支払って個人再生の手続をしても、費用が無駄になってしまいます。

ブラックリストに載る状態は続く

個人再生の場合、手続の開始決定日から約5~10年間、信用情報機関の信用情報に「事故情報」が登録されます。これがいわゆる「ブラックリストに載る」状態です。

個人再生が失敗して途中で終了しても「ブラックリスト」に載る状態は続きます

信用情報機関とは?
クレジットカードやローンなどの利用者の信用情報を取り扱う機関です。
過剰な貸し付けを行わないよう、クレジットカード会社や金融機関、消費者金融などが利用者の信用情報を信用情報機関でチェックをしています。

信用情報機関は、
  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC)
の3つがあります。

信用情報とは?
クレジットカードやローンなどの利用者の申し込みや契約・利用状況に関する情報(申込内容や契約内容、支払状況、借入残高など)です。

事故情報とは?
クレジットカードやローンの返済や携帯電話・スマホ料金の支払いを滞納したり、債務整理の手続をしたりと、返済に「事故」が生じた場合に登録される情報です。

信用情報機関に事故情報が登録されている間は、クレジットカードやローンの利用が停止されます。また、クレジットカードやローンの新規契約もできません。

個人再生が失敗した場合の対処法は?

個人再生が失敗した場合の対処法は、あるのでしょうか?

個人再生が失敗した後でも実行できる対処法は、以下のとおりです。

  1. もう一度個人再生をする
  2. 自己破産を検討する

一つずつ詳しく解説しましょう。

(1) もう一度個人再生をする

過去に個人再生を申立てたことがあったとしても、原則として再び個人再生を申立てることは可能です

以前に小規模個人再生手続を利用していた場合は、特に制限もなく申立てが可能となっています。

しかし、以前に給与所得者等再生手続を利用していた場合や、後で述べる自己破産を行った場合は、その手続が開始決定してから7年間、原則として再度、給与所得者等再生手続の申立てはできません。

(2) 自己破産を検討する

個人再生の手続が難しいと判断した場合は「自己破産」を行うのも選択肢の一つです。

「自己破産」とは、裁判所を介して一部の債務を除きすべての借金の支払いを免除(免責)してもらう、債務整理の一つです。

自己破産には、主に以下のメリットがあります。

  • 残っている借金は税金や養育費など非免責債権を除いて、全額減額できる
  • 免責後に得た収入や財産は原則として自己破産を申し出た本人が自由に使える
  • 手続を開始すると、債権者(貸した側)は給料・財産を差押さえるなどの強制執行ができなくなる

自己破産は個人再生と比較して、主に以下の点が異なります。

借金の減額幅
  • 自己破産:一部の債務を除き、借金は全額減額できる
  • 個人再生:借金が5分の1~10分の1程度まで減額される可能性がある
住宅の扱い
  • 自己破産:原則として住宅は処分されて債権者への返済に充てられる
  • 個人再生:住宅ローンがある住宅について「住宅ローン特則」を利用することで住宅を残せる

弁護士に依頼すると個人再生に成功する可能性が高まる

個人再生の手続を失敗することなく進めたいなら、個人再生をはじめ債務整理の取り扱い実績が豊富な弁護士に依頼すると、成功する可能性が高まります

弁護士に個人再生について依頼すると、どのようなメリットがあるのか紹介しましょう。

依頼者に合った解決方法を提案してくれる

個人再生をはじめとする債務整理の取り扱い実績が豊富な弁護士であれば、法律知識に詳しいだけでなく、債務整理について精通しているので、安心して依頼ができます。

弁護士としての体験談や具体例をもとに、どうすれば失敗しない個人再生を行えるか、アドバイスをしてくれます。

弁護士は個人再生の進め方についてはもちろん、債務整理全般のメリット・デメリットについて熟知しており、依頼者に合った解決方法を提案してくれます

手続や裁判所とのやり取りを、ほぼお任せできる

債務整理の中でも個人再生は特に手続が複雑で、その期間も1年~1年半程度と長期にわたります

個人再生の手続を失敗することなくスムーズに進めるためには、債務者(借りた側)本人が手続を行うのではなく、弁護士に依頼するのが一般的です。

弁護士に個人再生を依頼すれば、その後の手続だけでなく、裁判所とのやり取りもほぼすべて任せることができます。債務者本人が行う手続は、ほとんどありません。

受任通知の送付で借金の督促・返済が一時止まる

弁護士は、個人再生をはじめとする債務整理の依頼を引き受けた場合、直ちに債権者(貸した側)に債務者の代理人になったことを伝える「受任通知」を送付します。

受任通知が債権者に届いた時点で、原則として借金の督促・返済は債務整理が終わるまでの間、ストップします

一時的ではありますが、督促・返済からのプレッシャーから解放されるのです。

【まとめ】弁護士に依頼することで個人再生の失敗は回避できる。まずは相談を

個人再生は、以下の3つのタイミングで失敗する可能性があります。

  1. 個人再生の申立て時
  2. 再生計画案の提出~認可決定時
  3. 個人再生後の返済時

個人再生の手続きは、複雑で長期間を要します。
これらのタイミングで失敗を回避するためには、弁護士に依頼して手続を任せることが大切です。

弁護士に依頼した時点で、督促や返済が一時ストップするというメリットもあります。

個人再生を失敗したくないなら、個人再生をはじめ債務整理の取り扱い実績が豊富な弁護士に相談してみてはいかがでしょうか

弁護士に依頼すると何が良いの?

  • 借金解決方法を個別に提案してもらえる
  • 面倒な手続きを一任できる!
  • 相談依頼実績12万件以上!