債務の承認とは?「返します」と言うだけで時効が成立しなくなることも

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この記事の監修者
藤田 圭介
この記事の監修者
藤田 圭介弁護士
弁護士会所属
大阪弁護士会 第57612号
出身地
兵庫県
出身大学
立命館大学法学部 立命館大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
お悩みを抱えているみなさん、勇気を出して相談してみませんか?その勇気にお応えします。

債務承認とは「借金があることを認める」ことです。

債務承認は、次のような言動が当てはまります。

債務承認によって、借金の時効が更新(リセット)され、更新された日からあらたな時効のカウントがスタートします。

5年間返済していないので時効が成立したと思っていたら、債務承認でリセットされて時効が認められないケースもあるのです。

債務承認を取り消すのは難しいので、貸金業者から「債務承認なので時効が更新された」と主張された場合は、弁護士に相談してみましょう。

弁護士法人・響は、時効問題のご相談を受け付けています。時効以外の方法でもさまざまな借金問題の解決方法をご提案しますので、返済にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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債務承認とは?

「債務承認」とは、債権者に対し、債務の存在や借金の返済義務があることを認めることです。

借金には一定期間(一般的に5年)が経過すると返済義務が消滅する「消滅時効」という制度があります。

しかし時効期間が経過する前に債務承認してしまうと、その時点で時効期間がリセットされ、あらためて期間が経過しないと時効は成立しません。

借金の時効については、以下の記事で詳しく解説しています。

では、どんな言動が債務承認になるのでしょうか。以下で詳しく解説します。

債務の承認になる言動とは

債務承認になりやすい行為には、以下のようなものがあります。

以下で詳しく解説します。

債務を1円でも返済する

債務を一部でも返済すると、借金の存在を認めることになり、債務承認に当たります。

督促で債権者から「少額でいいので返済してほしい」「利息だけでも払ってほしい」と言われた場合は注意が必要です。

たとえ1円でも払ってしまうと、債務承認と見なされます。

債務を認める書面への記名・捺印する

債務を認める書面への記名、捺印は債務承認に該当します。

特に「債務承認書」「債務承認弁済契約書」など書かれた書面に記名・捺印をすると、債務承認を正式に認めたことになるでしょう。

債務承認になりえる書面

債務承認書:債務の存在を認めるための簡易的な書面

債務承認弁済契約書:債務を負っていることを承認するとともに、返済方法などを記した契約書。より効力を持たせるために公正証書として作成されることもある

電話やメールで「待ってください」などと伝える

電話で「来月には返済します」「もう少し待ってください」といった返済猶予を求める発言をすると、債務承認にあたります。

口頭で言うだけなら証拠が残らないだろうと考えるかもしれませんが、督促の電話を録音している貸金業者は少なくありません。

メールやLINEでのやり取りも、当然記録として残るので、同様に債務承認となる可能性があります。

弁護士からのアドバイス

貸金業者は債務承認させようと「1,000円だけでも払ってください」と言ったり「いつなら払えますか」と聞いてくることがあります。

つい「わかりました」「来月なら払えます」と言ってしまわないよう、できるだけ喋らないように心がけるといいでしょう。

藤田 圭介

弁護士法人・響

藤田 圭介弁護士

債務を承認するとどうなる?時効への影響を解説

前述したとおり、債務を承認すると消滅時効が成立しない可能性があります。

借金の時効成立は民法で定められた期間(5年もしくは10年)の経過が条件となりますが、債務承認をしてしまうと「時効の更新」となり、時効期間のカウントがリセットされてしまいます。

なお一度債務承認をすると、後から取り消すことはできません。

時効が更新され、時効期間がリセットされる

借金の消滅時効期間は、原則として5年です。

しかし返済途中で債務承認をすると、その時点で「時効の更新」となり時効の進行がリセットされます。

こうなると、債務承認した翌日からあらためて5年が経過しないと時効は成立しません。

債務の承認による時効の更新(中断)の例

具体例で見てみましょう。

時効更新の例

・2020年4月1日に100万円を借りる

・一度も返済していなければ、2025年4月2日に消滅時効が成立する

・2022年4月1日に「来月には返済します」と債権者に伝えた(債務承認)

・承認をした翌日からあらためて時効期間のカウントが始まり、消滅時効成立は2027年4月2日まで延びる

※実際の日付とは異なる場合があります。

このように、たった一度の言動で時効の成立が数年単位で遠のいてしまうのが、債務承認の特徴です。

なお「時効の更新」はかつては「時効の中断」という名称でした。

2020年4月の民法改正で、現在の時効の更新という名称に変わっています。

そのため現在でも「時効の中断」と語られることがあることも、覚えておきましょう。

時効の更新については、下記記事で詳しく解説しています。

保証人の時効にも影響が及ぶ

保証人(連帯保証人)が設定された借金の場合は、主債務者(お金を借りた本人)が債務承認をすることで、保証人が負っている「保証債務」の時効まで一緒にリセットされてしまいます。

用語集
保証債務とは?

主債務者が返済できなくなった場合に、代わりに返済しなければならない「保証人の義務」のことです。

たとえば、次のようなケースです。

保証債務のリセットの例

・Aさんが100万円を借り、Bさんが連帯保証人になった

・時効成立まであと少しというタイミングでAさんが債権者に「来月には返します」と言った(Aさんによる債務の承認)

・Aさんの時効がリセットされるだけでなく、Bさんの保証債務の時効もリセットされる

このように保証人自身は何もしていなくても、主債務者の言動ひとつで、保証債務の時効成立が遠のいてしまうことがあるのです。

これは、主債務者と保証人の債務が切り離せない関係(付従性)にあるためです。

保証人への影響については、以下の記事もあわせてご覧ください。

時効成立後に債務を承認しても時効援用できない

気を付けたいのは、すでに消滅時効の期間が過ぎたあとに債務を承認してしまった場合です。

たとえば、時効期間が過ぎたことに気づいていない債権者から督促を受け、うっかり「もう少し待ってほしい」と伝えたり少額でも返済した場合でも、債務の承認にあたります。

法律上はすでに時効が成立しているはずですが、この場合でも時効を援用は認められないことが一般的です。

実際の裁判では「債務者が債務の存在を認めた以上、債権者は消滅時効を主張することはないと信じるのが通常」であり「債務の承認をした後にあらためて消滅時効を援用することはできない」という見解がだされています。

債務承認を避けるための対応

前述のように、ちょっとした言動が債務承認になる場合があります。

電話やメールで督促を受けたとき、うっかり債務を承認してしまわないためには、その場で即答しないことが大切です。

  • 「確認してあらためて連絡します」と言って電話を切る
  • 弁護士に相談している場合は「弁護士から連絡します」と伝える
  • 「ちょっと待ってください」「必ず払います」などと書いたり口にしない

その場しのぎの返答をしてしまうと、意図せず債務承認となりかねません。

時効の援用を検討している場合は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

債務の承認以外でも時効が更新されるケース

時効が更新されるのは、債務の承認だけではありません。

債権者側が次のような行動を起こした場合は、時効が更新されてしまいます。

時効が更新される例
  • 裁判上の請求(提訴・支払督促)
  • 強制執行による差押え

なお債権者が「催告(内容証明郵便で催告書を送る)」をした場合は、「時効の完成が6ヶ月間延期」されます。

これは時効の更新とは異なり、時効の完成猶予といいます。

これらの制度の詳細については、以下の記事で解説しています。

債務の承認に関するよくある質問

Q. 口頭でも債務の承認は成立する?

はい、成立します。

債務の承認には特定の方式は求められておらず、口頭でのやり取りでも成立します。督促の電話は録音されている可能性もあるため、うかつな発言には注意しましょう。

Q. 「権利の承認」と「債務の承認」は同じ意味?

法的な意味合いとしては、ほぼ同じ意味として使われます。

法律(民法152条)では「権利の承認」という表現が使われていますが、借金の場面では、これを「債務の承認」と呼んでいます。

続きを読む
民法

(承認による時効の更新)
第152条 時効は、権利の承認があったときは、その時から新たにその進行を始める。

※引用:e-Gov法令検索「民法」

Q. 一度承認したら、もう二度と時効は主張できない?

原則として、承認をした時点から時効期間がリセットされ、あらためて期間が経過するまでは時効を主張できません。

ただし、承認に至った経緯(債権者側の対応など)によっては、例外的に主張が認められる余地がある場合もあります。

個別の状況によって判断が分かれるため、弁護士への相談をおすすめします。

Q. 家族に知られずに時効援用や債務承認の相談はできる?

弁護士や司法書士への相談自体は、家族に知らせずに進められるでしょう。

ただし法的な手続きに進む場合は、書類の準備などでご本人の対応が必要になる場面もあります。

詳しい進め方については、相談時に確認するとよいでしょう。

時効問題や借金問題にお困りなら弁護士法人・響へご相談を

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もちろん債務承認にならないよう、細心の注意を払って手続きを行いますので、安心してご相談ください。

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実費(内容証明郵便代ほか) 3,000円程度

※債権者1社あたり。税込み

借金問題にお悩みの方は、時効援用以外にも状況に合った適切な解決方法(債務整理)をご提案します。

ご相談いただいたからといって債務整理を強要することはありませんので、お気軽にご相談ください。

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