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自己破産すると官報にいつ掲載される?家族や会社にバレる可能性は?

2021.11.16 2021.11.16

監修者情報
監修者:弁護士法人・響 弁護士
西島 弘起
弁護士会所属
東京第二弁護士会 第59420号
出身地
東京都
出身大学
中央大学法学部 上智大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
ご相談者様が少しでも前向きになれるよう最善を尽くします。

自己破産すると官報に載るって聞いたことがあるけど、官報ってなに?
官報に載ったら、家族や勤務先に自己破産が知られちゃう!?

自己破産をすると、官報という公的な冊子に破産者情報が掲載されます。

しかし、ほとんどのケースで、官報を通じて周囲の人に知られる可能性は低いといっていいでしょう。

この記事では、自己破産を行った場合に官報に載るタイミングや、なぜ「周囲に知られる可能性が低い」といえるのかについて解説していきます。
破産手続きを行う前に、基礎知識として頭に入れておきましょう。

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自己破産が官報に掲載されるタイミング・内容は?

自己破産の情報が官報に載るのは
(1)破産手続開始決定時
(2)免責許可決定時の2回です。

いずれも、裁判所の決定から1〜2週間程度で官報に掲載されます。

自己破産で官報に掲載されるタイミング

官報をひと言で表すと「国の広報誌」です。
ほぼ毎日(行政機関の休日は除く)発行されている冊子で、以下の内容が掲載されています。

官報の掲載内容
  • 法律・政令・条約(国家の決定事項や外国との間の決定事項)
  • 内閣官房令/府令・省令/規則/告示(各府省の決定事項)
  • 国会事項(国会に関する事項)
  • 人事異動(大臣や各省庁などの人事異動)
  • 叙位・叙勲・褒章(国に貢献した人物などへの授与、位などの公表)
  • 官庁報告(最低賃金や国家試験に関する事項)
  • 資料
  • 入札公示・落札公示/官庁公示(競争入札に関する告知)
  • 裁判所公告/特殊法人等(法律で公告が義務付けられている内容)
  • 地方公共団体(教育職員の免許の失効や墓地の改葬、行旅死亡人の告知など)
  • 会社その他(決算公告等)

自己破産をすると、「裁判所公告」の部分に、氏名や住所、手続き内容などが記載されます。
では、掲載内容について詳しく見ていきましょう。

(1)破産手続開始決定時の掲載内容

自己破産の手続きを始めて最初に官報に載るのは、破産手続開始決定時です
その際には、以下のような内容が掲載されます。

同時廃止事件の掲載例

令和○年(フ)第○○号
○○県○○市○○1丁目2番地3
債務者 ○○○○

1 決定年月日時 令和○年○月○日午前○時
2 主文 債務者について破産手続を開始する。本件破産手続を廃止する。
3 理由の要旨 破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足する。
4 免責意見申述期間 令和○年○月○日まで

○○地方裁判所○○部

管財(少額管財)事件の掲載例

令和○年(フ)第○○号
○○県○○市○○1丁目2番地3
債務者 ○○○○

1 決定年月日時 令和○年○月○日午前○時
2 主文 債務者について破産手続を開始する。
3 破産管財人 弁護士 ○○○○
4 破産債権の届出期間 令和○年○月○日まで
5 財産状況報告集会・一般調査・廃止意見聴取・計算報告の期日 令和○年○月○日午前○時
6 免責意見申述期間 令和○年○月○日まで

○○地方裁判所○○部

管財(少額管財)事件の場合は、破産手続の開始が決定したことに加え、破産管財人の名前や債権の届出期間、各種集会の期日も掲載されます。
また、旧姓で借り入れがあった場合は、債務者の指名に旧姓が併記される場合があります。
現住所と住民票上の住所が異なる場合は、住民票上の住所が併記されることもあるでしょう。

免責許可決定時の掲載内容

自己破産で2回目に官報に載るのは、免責許可決定時です
その際には、以下のような内容が掲載されます。

免責許可決定時の掲載例

令和○年(フ)第○○号
○○県○○市○○1丁目2番地3
破産者 ○○○○

1 決定年月日 令和○年○月○日
2 主文 本件破産手続を終結する。
3 理由の要旨 配当が終了し、破産管財人の任務終了による計算の報告を目的とした債権者集会は終結した。
4 主文 破産者について免責を許可する。

○○地方裁判所○○部

破産手続開始決定時と住所が異なる場合などには、以前の住所(旧住所)も記載される場合があります。

なぜ自己破産をした事実が官報に掲載されるのか

自己破産に関する情報が官報に掲載される理由としては、借入先の金融機関(債権者)への影響が大きい手続きだからという点が挙げられます。
自己破産によって借金の返済義務がなくなれば、債権者は貸したお金を回収できなくなります。

このように、免責によって債権者が損害を被る可能性があるため、いつでも破産に関する情報を閲覧できるように官報で掲載しているのです。
例えば、破産手続開始決定時には、破産債権の届出期間について明記されます。

もし、ある債権者が債権者一覧表に記載されていなかった場合、官報の情報を見て名乗り出ることが可能です。
官報には破産手続きごとに免責意見申述期間も記載されており、その期間内であれば、債権者が免責に対して意見を述べることもできます。

官報の自己破産情報は何年残る?閲覧方法と掲載期間

官報に掲載された自己破産の情報は、紙媒体または「インターネット版官報」のホームページから閲覧できます
インターネット版官報(無料版)で閲覧できるのは直近30日分だけですが、紙媒体の官報のデータは半永久的に残るといえます。
閲覧方法やそれぞれの特徴について、詳しく解説しましょう。

官報の閲覧方法

紙媒体とインターネット版では、料金や閲覧できる範囲、期間などが異なります。

紙媒体版官報

紙媒体の官報は、全国の政府刊行物取扱店や官報販売所、全国官報販売協同組合ホームページで購入できます
料金は以下の通りです。

1部 定期購読 ※官報販売所で受付
143円 1ヶ月1,641円

わざわざ購入して読むとなると、高い買い物といえるかもしれません。
自己破産に関する情報だけ見たいということであれば、国立国会図書館をはじめとした大きな図書館に行ってみるといいでしょう。
紙媒体の官報の一部または全部が保管されているので、無料で閲覧できます。

インターネット版官報

インターネット版官報には、無料版と会員制有料サービスの2種類があります

インターネット版官報(無料)

無料版の「インターネット版官報」では、直近30日分を閲覧できます。

官報情報検索サービス(会員制有料)

一方、有料版の「官報情報検索サービス」には、昭和22年5月3日から直近までの官報の閲覧、日付やキーワードによる検索が可能という特徴があります。
「官報情報検索サービス」の利用料金は以下の通りです。

利用料金(月額)
紙媒体版官報を定期購読中の場合 新規申し込みの場合
日付検索のみ 無料 1,672円
日付検索+記事検索 528円 2,200円

なお、国立国会図書館をはじめとした一部の都道府県立図書館の中には、「官報情報検索サービス」を無料で利用できるところもあります。
図書館に行く時間があれば、お金をかけずに情報をキャッチできるでしょう。

官報の掲載期間

官報の自己破産に関する情報が掲載されるのは、破産手続開始決定時と免責許可決定時の2回で、同じ内容が何度も掲載されることはありません。

しかし、国立国会図書館や「官報情報検索サービス」に情報が蓄積されていくため、半永久的に閲覧できるといえます。
とはいえ、官報への情報掲載を拒否したり、掲載後に消去してもらったりすることはできません。
破産法によって、次のように定められているからです。

第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載する。

出典:破産法|e-Gov法令検索

自己破産を行う場合は、必ず官報に掲載されるものと覚えておきましょう。

官報で自己破産がバレる?「破産者マップ」事件とは

ここまで官報の解説をしてきましたが、自己破産したことが官報を通じて家族や勤務先にバレる可能性はきわめて低いといえます。

ただし、2019年に社会問題となった「破産者マップ」のように、思いがけないところから自分の情報が漏れる危険性に不安を覚える人もいるでしょう。
なぜ、「バレる可能性が低い」といえるのか、詳しく解説していきます。

自己破産した事実を官報で知られる可能性は低い

これから挙げる3つの理由によって、自己破産をした事実が家族や勤務先などにバレる可能性はきわめて低いといえます。

(1)官報を日常的に確認する人は少ない

官報は広く流通しているものではないため、ほとんどの人は見る機会がないでしょう
定期的にチェックしているのは、以下のような一部の組織・部署に所属している人に限られると考えられます。

官報の読者となる組織・部署の例
  • 信用情報機関
  • 金融機関の官報の情報を確認している部署
  • 不動産業者(主に破産者などの不動産売却を専門としている業者)
  • 官報に依頼して会社の決算公告などの情報を掲載する部署
  • 名簿業者や闇金業者

(2)自己破産情報は名前や住所で検索できない

無料で閲覧できるインターネット版官報はPDFの形式で掲載されているため、名前や住所などのキーワードで検索することはできません
また、掲載されている量も膨大なため、1つひとつ目視で確認していくのは簡単ではないでしょう。
身近な人が掲載されているかも、といった興味本位で見る人はほとんどいないと考えられます。

(3)「破産者名簿」は他人が無断で閲覧できない

破産者名簿とは、各市区町村が保有する非公開の名簿です。
破産者(破産手続開始決定後の債務者)ではないことを証明する身分証明書を発行するために作成されます。
この身分証明書は士業など一部の職業に就く際に必要になるもので、 本人や法定代理人、本人または法定代理人から承諾を受けた人しか請求できません
破産者名簿に掲載されていると身分証明書は取得できなくなります。

なお、現在では破産者名簿に掲載されるのは破産者のごく一部 となっています。
2005年の改正破産法の施行に伴い、破産者名簿に掲載されるのは免責不許可決定を受けた人などに限られるようになったためです。
破産者名簿に掲載されても、免責決定を受ければ情報は削除されます。

「破産者マップ」や類似サイトは閉鎖済み

2019年3月、官報に掲載された破産者情報をデータベース化して地図に表示する「破産者マップ」というサイトが公開され、大きな社会問題となりました。
このサイトがきっかけで、第三者が情報の削除に対して金銭を要求する詐欺事件を起こすなど、二次被害も生じたのです。

その結果、政府の個人情報保護委員会が個人情報保護法に違反するおそれがあるとして行政指導を行い、サイト開設の数日後に「破産者マップ」は自主閉鎖されました。
その後も同様の情報サイトの開設が相次ぎましたが、個人情報保護委員会から運営停止命令が出され、現在はいずれも閉鎖 されています。
同年6月には個人情報保護法が改正され、「不適切な利用の禁止」が盛り込まれて法定刑も引き上げられることになり、2022年4月1日に施行される予定です。

続きを読む (不適切な利用の禁止)
第16条の2 個人情報取扱事業者は、違法または不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない。

出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律等の一部を改正する法律(個人情報の保護に関する法律の一部改正)

個人情報保護法の改正によって、「破産者マップ」のようなサイトを開設するリスクは、以前よりも格段に高くなったといえます
そもそも、キーワード検索ができる「官報情報検索サービス」では、掲載された情報をもとにした名誉棄損・プライバシー侵害につながる行為を利用規約で禁止しています。
官報を見た人が故意に他者の個人情報を広める可能性は低いと考えてよいでしょう。

自己破産情報が官報に載るデメリットはある?

自己破産をした事実が官報に掲載されることによるデメリットは、次に挙げるようなものが考えられます。

しかし、日常生活に大きな影響はないといっていいでしょう。

官報公告費用がかかる

自己破産の申立時には、官報に公告するための料金を支払う義務が生じます
裁判所によって金額は異なりますが、一例として、東京地方裁判所の現状の料金は以下の通りです。

管財事件 18,543円
同時廃止事件 11,859円

闇金融業者からダイレクトメールが届く可能性がある

官報の情報を闇金融業者がチェックしていた場合、融資を勧誘するダイレクトメールが自宅に届くことがあるかもしれません
耳障りのいい言葉に乗ってしまわないよう、注意しましょう。

官報から事故情報を登録する信用情報機関がある

信用情報機関によっては、官報に掲載された情報をもとに事故情報を登録するところもあります
事故情報の登録とは、いわゆる「ブラックリストに載る」ということです。
例えば、全国銀行個人信用情報センターは、官報の破産手続開始決定となった情報を資料の1つとしているようです。

官報に載らない債務整理方法もある

借金問題を解決する債務整理方法の中には、官報に載らない方法もあります。
「任意整理」「特定調停」といったものです。
借金が減額されることで返済を続けられる状態であれば、自己破産ではなく任意整理や特定調停を利用する道もあります
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。

任意整理

任意整理は、借入先の金融機関と直接交渉をして、将来の利息を減額またはカットし、残りの借金を3〜5年で分割返済していく方法 です。
裁判所を介さず、金融機関と直接やりとりするので、官報には掲載されません。
主なメリット・デメリットとして、以下が挙げられます。

メリット デメリット
・将来利息や遅延損害金をカットできる可能性がある
・原則3年(最長5年)の分割返済が可能
過払い金がある場合は過払い金の返還請求ができる
・家や車などの財産を手放さなくて済む
・家族や勤務先に知られにくい
・任意整理の対象から外せば保証人に迷惑をかけずに済む
借入先(債権者)を選択できる
弁護士に依頼した場合、受任通知が債権者に届いた時点で取り立てが止まる
・借金の用途が問われない
・必要書類が少なく、手続きの負担が少ない
・借金の元金は減額できないことが多い
・完済から5年程度、信用情報機関に事故情報が載る

次の項目に当てはまる人は、任意整理が適している可能性があるでしょう。

  • 返済する意思がある
  • 安定した収入がある
  • 利息ばかりで元金が減らない
  • 手続きの手間を省きたい
  • 家族や勤務先に知られたくない
  • 任意整理の対象から外したい借入先がある

特定調停

特定調停は、裁判所の仲介のもとで借入先の金融機関と話し合い、将来の利息などを減額してもらう方法 です。
官報には掲載されませんが、裁判所から自宅に通知が届くため、同居している家族に秘密にしたい人は注意が必要といえます。
そのほかのメリット・デメリットとして、以下が挙げられます。

メリット デメリット
費用を安く抑えられる
調停委員が主導で交渉してくれる
・将来利息や遅延損害金をカットできる可能性がある
・特定調停の受付票が借入先に送付されると、取り立てや催促が止まる
・借金の用途が問われない
・借入先(債権者)を選択できる
・家や車などの財産を手放さなくて済む
・裁判所出頭が平日のみ
・原則として本人が手続きする
・借金の元金は減額できないことが多い
過払い金があっても請求できない
・返済不可能と判断され、個人再生か自己破産に移行する可能性がある
・完済から5年程度、信用情報機関に事故情報が載る
和解後に払えなくなった場合、すぐに差押えなどの強制執行ができる

次の項目に当てはまる人は、特定調停が適している可能性があるでしょう。

  • 返済する意思がある
  • 安定した収入がある
  • 利息ばかりで元金が減らない
  • とにかく手続きの費用を抑えたい
  • ギャンブルなど、使途を知られたくない借金がある

自己破産に不安がある人は弁護士に相談してみよう

ここまで説明してきたように、自己破産をした事実は官報に掲載されますが、それによって家族や勤務先など周囲の人に知られる可能性はきわめて低いといっていいでしょう。
それでも、 官報に載ることを含め、自己破産そのものに不安がある人は、司法書士や弁護士などの専門家に相談してみましょう
専門家に相談・依頼することで、次のようなメリットが考えられます。

  • 状況に応じて、もっとも適した債務整理方法を提案してもらえる
  • 債務整理の手続きを代行またはサポートしてもらえる
  • 周囲の人に知られたくない場合は連絡手段などを配慮してもらえる
  • 専門家から受任通知が届いた時点で借入先からの取り立てが止まる

専門家というサポーターがいることで、難しい手続きの手間が省けますし、心に余裕を持って債務整理を行うことができるでしょう。
弁護士法人・響は何度でも相談無料です。
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21人(2021年3月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
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