「自己破産を考えているが、どのぐらい期間がかかるのかな?」
「自己破産の進め方や費用がイメージできない・・・」
自己破産を考えたときに気になるのが、手続きの流れではないでしょうか。
自己破産の手続きは複雑なので、スムーズに進めるには流れや準備することを把握しておいた方がよいといえるでしょう。
この記事では、自己破産の流れや必要書類などについて詳しく解説していきます。
代理人として弁護士に依頼するメリットも説明しますので、ぜひ知っておくことをおすすめします。
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目次
自己破産は3種類あり、手続きの流れや期間が異なる
破産手続は、破産者の生活状況や保有財産を調査し、本当に負債を帳消しさせることが適当であるかどうかを判断する手続きのことをいいます。
自己破産には以下の3種類があり、手続きの流れや期間が異なります。
流れと期間を簡単に紹介します。
自己破産の各手続きについて詳しく知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。
同時廃止
「同時廃止」とは、破産手続の開始と同時に手続きを廃止(終了)することをいいます。
自己破産を行う場合には、一般的に破産管財人を選任する必要があります。
しかし債務者(借主)が明らかに財産を所有していない場合は、破産管財人を選任することなく自己破産が成立することがあります。
申立ての段階で一定以上の財産(20万円以上)がないことが明らかであれば、同時廃止事件として処理される場合が多いといえます。
ただしギャンブルや浪費などの「免責不許可事由」があるときは、「管財事件」になる場合もあります。
自己破産の申立てから約3~4ヶ月
管財事件
「管財事件」とは、本人に一定以上の保有財産がある場合や、ギャンブルや浪費など免責不許可事由があるときの手続きです。

- 浪費やギャンブル、その他の射幸行為による借金
- 返済できないとわかっていて借り入れを行った場合
- 過去7年以内に自己破産による借金の免責を受けている場合 など
自己破産の免責不許可事由については以下の記事で詳しく解説しています。
破産管財人が選任されて財産や借金理由の調査が行われるため、必要な期間は長めになります。
自己破産の申立てから約6ヶ月~1年
少額管財
少額管財とは、管財事件を簡略化して進められる手続きで、期間の目安は約4~6ヶ月と管財事件よりも短いです。
おもな流れは管財事件と同じですが、あらかじめ弁護士が債務者の代理人として債務状況などを確認することで破産管財人の負担が減るため、短い期間で完了するのです。
しかし少額管財は、必ず弁護士に依頼しないと行えません。
自己破産の申立てから約4~6ヶ月
自己破産手続の流れ|期間・費用も紹介
自己破産の流れとそれぞれの期間は次のとおりです。
1. 弁護士・司法書士に相談・依頼
2. 受任通知を債権者に送付(即日~数日程度)
3. 申立て書類の作成(2~3ヶ月程度)
4. 裁判所に自己破産の申立て
5. 裁判所で破産審尋を受ける(申立て後 約1ヶ月程度)
6. 破産手続の開始決定(破産審尋後 約1週間程度)
これより先は同時廃止と管財事件で流れが異なる
<同時廃止の場合の流れ>
7. 意見申述期間意見申述期間( 破産手続の開始決定から1〜3ヶ月程度)
8. 免責許可決定(確定)(免責確定は許可決定から約1ヶ月後)
<管財事件・少額管財の流れ>
7. 破産管財人による財産の調査・清算(破産手続き開始決定から1~3ヶ月程度)
8. 債権者集会・免責審尋・配当(破産管財人による財産の調査・清算から1ヶ月~半年程度)
9. 免責許可決定(確定)(免責確定は許可決定から約2週間後)
もっとも費用がかからず手続きとして選ばれることが多いのは同時廃止で、もっとも費用がかかるのは管財事件です。
自己破産手続の流れは以下の記事で詳しく解説しています。
少額管財は管財事件の一種で、各裁判所が独自に設定している運用方法です。
- 同時廃止 30~50万円
- 管財事件 80~130万円
- 少額管財 50~80万円
自己破産の費用は工夫をすると抑えられる場合もあります。
自己破産にかかる費用の詳細や負担を抑える方法以下の記事で詳しく解説しています。
ここからは流れについて詳しく説明していきます。
1.弁護士・司法書士に相談・依頼
自己破産の手続きを行うためには、弁護士や司法書士に相談・依頼することが一般的です。
ただし司法書士ができる対応は、書類作成の代行にとどまります。
ご自身の債務状況や経済状況を正直に伝えて、本当に自己破産すべきかを相談してみましょう。
誰に相談すればよいかわからない場合は「法テラス」や、各自治体で行っている「法律相談」を利用して相談・依頼する方法もあります。
自己破産を依頼する弁護士の選び方については以下の記事で詳しく解説しています。
2. 受任通知を債権者に送付
弁護士・司法書士に自己破産の手続きを依頼したら、弁護士や司法書士は債権者(貸主)に対して「受任通知」を送付します。
受任通知を受領した債権者は、以降債務者に督促や取り立てをすることができなくなります。
つまり弁護士・司法書士に自己破産の手続きを依頼すると、借金の返済がストップするのです。
即日~数日程度
受任通知については以下の記事で詳しく解説しています。
3. 申立て書類の作成
自己破産申立てのためには、さまざまな書類が必要になります。
申立てに必要な用紙は裁判所にあり、基本的には弁護士・司法書士が作成してくれますが、住民票や資産証明書など、依頼者自身が用意する書類もあります。
債権者の一覧や不動産の鑑定や退職金の見込み額、生命保険の解約返戻金額など、あらゆる債務・資産を確認する必要があるため、ある程度の期間が必要になります。
2~3ヶ月程度
免責手続の終了まで含めて約3万円程度
- 自己破産申立書
- 陳述書・報告書
- 債権者一覧表
- 住民票
- 家計簿など(1~2ヶ月分)
- 給与明細など(2~3ヶ月分)
- 源泉徴収票(1年分)
- 財産目録
- 預金通帳のコピー(1~2年分)
- 車検証・自動車税の証明書類
- 不動産登記簿謄本
- 固定資産証明書
- 保険契約に関する書類
- 離職票・退職金支払額証明書
- 株式の取引明細書 など
自己破産に必要な書類については以下の記事で詳しく解説しています。
4. 裁判所に自己破産の申立て
裁判所に提出する資料や書類がそろったら、裁判所に自己破産の申立てを行います。
申立てには印紙と予納郵券が必要です。
- 申立て手数料(収入印紙) 1,000円~1,500円
- 予納郵券 3,000円~5,000円
- 官報掲載料 10,584円
- 予納金
管財事件の場合:50万円程度~
少額管財の場合:20万円程度~
※裁判所によって異なる場合があります。
自己破産時の裁判所とのやり取りについては以下の記事で詳しく解説しています。
5. 裁判所で破産審尋を受ける
破産申立てを行うと、裁判所で面接や審尋が行われます。弁護士が代理人として同席することも可能です。
申立て後 約1ヶ月程度
自己破産の免責審尋については以下の記事で詳しく解説しています。
6. 破産手続の開始決定
裁判所が債務者の支払いが不能であると判定すれば、自己破産手続の開始が決定します。
破産手続開始が決定されると、債権者に書面を送付し、官報にも掲載されます。
同時廃止の場合は、同時に破産手続は終了となります。
自己破産の手続決定後の流れは以下の記事で詳しく解説しています。
破産審尋後 約1週間程度
※早い場合は申立て当日に行われる場合もあり
以下の流れは、同時廃止と管財事件によって異なります。
同時廃止の流れ
事業者でない個人で換価財産がない場合は、破産手続の開始決定と同時に手続きが終了する「同時廃止」となります。
同時廃止の場合の、破産手続き終了後の流れは以下のとおりです。
意見申述期間
免責について、債権者から意見を申述してもらうための期間です。債権者に通知し、官報にも掲載されます。
意見申述期間は1ヶ月以上確保することが破産法で定められており、一般的に2ヶ月程度を要します。
第一項 裁判所は、免責許可の申立てがあったときは、破産手続開始の決定があった時以後、破産者につき免責許可の決定をすることの当否について、破産管財人及び破産債権者が裁判所に対し意見を述べることができる期間を定めなければならない。
第三項 第一項の期間は、前項の規定による公告が効力を生じた日から起算して一月以上でなければならない。
引用:破産法第二百五十一条
同時廃止が決定してから約2ヶ月程度
免責許可決定(確定)
意見申述期間が経過したら、「免責許可決定」(もしくは不許可)となります。
さらに約1ヶ月間不服申し立てがない場合は「免責許可決定確定」となり、免責の効力が発生します。
免責許可決定=意見申述期間終了後
免責許可決定確定=免責許可決定から約1ヶ月後
同時廃止に必要な期間:申立てから2週間~1ヶ月程度 同時廃止に必要な費用:30~35万円程度
管財事件・少額管財の流れ
自営業や個人事業主など、事業用の設備機器や売掛金などの換価財産がある場合は、裁判所から破産管財人が選任されて「管財事件」として進められます。
通常の管財事件となるケースとは、債権者が300名以上あるような大規模な破産手続きや、弁護士に依頼せず自分で手続きをする場合などです。
また裁判所によっては、管財事件の手続きの一部を簡略化した「少額管財」という方法も存在します。
「少額管財」のおもな流れは管財事件と同じですが、管財事件より短い期間で完了します。
破産管財人による財産の調査・清算
管財事件の場合は、裁判所が「破産管財人」を選任します。
破産管財人は申立人(債務者)の財産を調査し、必要に応じて財産の売却手続きを行います。
このタイミングで破産管財人へ「予納金」を振り込みます。
管財事件:破産手続き開始決定から2~3ヶ月程度
少額管財:破産手続き開始決定から1~2ヶ月程度
管財事件:50万円~程度
少額管財:20万円~程度
債権者集会・免責審尋・配当
債権者に対して、破産管財人が財産状況や配当について説明します。その後、裁判所から破産管財人や債権者に対して意見を尋ねます。
また配当可能な財産があれば、債権者に配当することになります。
管財事件:破産管財人による財産の調査・清算から3ヶ月~半年程度
少額管財:破産管財人による財産の調査・清算から1~3ヶ月程度
免責許可決定(確定)
免責審尋が終了したら、約1週間程度で裁判所が「免責許可決定」(もしくは不許可)とします。
その後2週間以内に債権者から不服申立てがない場合は「免責許可決定確定」となり、免責の効力が発生します。
免責許可決定=免責審尋後約1週間
免責許可決定確定=免責許可決定から約2週間
自己破産手続の流れで注意したいこと
自己破産をすると、一定期間就けなくなる職業や資格があります。
以下で詳しく説明します。
- 職業や資格の制限を受ける
- 転居が難しい場合がある
- 旅行に自由に行けなくなる
- 官報に掲載される
職業や資格の制限を受ける
自己破産をすると、一定期間就けなくなる職業や資格があります。
- 弁護士
- 司法書士
- 弁理士
- 公証人
- 公認会計士
- 税理士
- 宅地建物取引士
- 不動産鑑定士
- 土地家屋調査士
- 証券会社外務員
- 旅行業者
- 建設業者
- 生命保険募集人
- 商品取引所会員
- 有価証券投資顧問業者
- 一部の公務員
- 団体企業の役員
- 会社役員
- 警備業者/警備員
- 風俗営業
- 質屋 など
弁護士、税理士、公認会計士、宅地建物取引士などは、一定期間その資格での仕事ができなくなります。しかし免責を得た後は復権が認められているので、資格がはく奪されるわけではありません。
生命保険募集人(生命保険外交員)は、登録を取り消される可能性があります。仕事を続けるためには、所属する保険会社の規約に沿って対応する必要があります。
会社役員(取締役、執行役員、監査役など)は、自己破産をすると役職を退任しなければなりません。役員と会社間で結んでいる「委任契約」が、自己破産によって解除すると規定されているためです(民法第653条)。
警備業や警備員は、自己破産後復権するまでは仕事をすることができません。これは警備業法で決められています(第3条および第14条)。
第三条
次の各号のいずれかに該当する者は、警備業を営んではならない。
一 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
第十四条
一 十八歳未満の者又は第三条第一号から第七号までのいずれかに該当する者は、警備員となつてはならない。
出典:警備業法
自己破産後の職業制限について詳しくは以下の記事を参照ください。
転居が難しい場合がある
自己破産をしても、賃貸契約自体には制限がないので賃貸住宅に住むことはできます。
ただし、賃貸契約の際に家賃保証会社(賃貸保証会社)を使う場合、信用情報機関の事故情報を照会されて契約を断られる可能性があります。
この場合には、以下のような対処法が考えられます。
- 連帯保証人を立てる
- 信用情報機関に加盟していない家賃保証会社を利用する
- 公営住宅を選ぶ
- 不動産会社に相談する
破産開始決定を受けた債務者が引越しをするときは、破産手続の終結までは裁判所の許可をとらなければなりません。
自己破産手続きを進めるにあたって、いつでも連絡がつく場所にいる必要があるためです。
しかし裁判所の許可が出れば、引越しも可能で、禁止されているということではありません。
- 自己破産の手続き中に引越しをする場合は、事前に破産管財人の同意や裁判所の許可が必要*1
- 転居後は弁護士を通じて裁判所に住所変更の報告が必要
自己破産時の引っ越しについては以下の記事で詳しく解説しています。
旅行に自由に行けなくなる
破産開始決定を受けた債務者が海外渡航をするときは、破産手続の終結までは裁判所の許可が必要になります。
自己破産手続きを進めるにあたって、いつでも連絡がつく場所にいる必要があるためです。
しかし裁判所の許可が出れば渡航も可能で、旅行自体が禁止されているということではありません。
自己破産後の旅行について詳しくは以下の記事をご覧ください。
官報に掲載される
自己破産すると「官報」の紙面に、自己破産をした事実と氏名・住所が掲載されます。
官報は法令など政府情報を伝達するために国が発行する機関紙で、原則として毎日発行されています。
ただし官報は、一般の方の目にふれることはほとんどないといっていいでしょう。
- 信用情報機関
- 金融機関で情報を収集している部署
- 不動産業者(破産者の不動産売却などに関わる部署)
- 官報に決算公告などの情報を掲載する会社
- 名簿業者や闇金業者
最新の法令を知る必要がある人、金融機関で破産情報などを確認している人など購読者は限られているため、知人や職場の人などに知られることはほぼないといえるでしょう。
自己破産がバレる可能性については以下の記事で詳しく解説しています。
自己破産すると官報にいつ掲載される?家族や会社にバレる可能性は?
自己破産がバレる可能性については以下の記事で詳しく解説しています。
自分で自己破産の手続きは可能?流れは?
自己破産の手続きは、弁護士や司法書士に依頼しなくても行うことは可能です。
その場合の流れは、前述した「同時廃止」「管財事件」と同様になります。
しかし膨大な資料の作成や、裁判所、債権者とのやり取りなどもすべて自身で行う必要があり、決して容易ではないといえます。
用意する書類に不備があれば、その後の訂正のために何度も裁判所に通う必要もありえます。
また「少額管財」として処理するためには、弁護士に依頼しなければ手続きができません。
そのため、自己破産の手続きは弁護士に依頼することが一般的といえます。
自分で自己破産する方法については以下の記事で詳しく解説しています。
自己破産は解決まで対応できる弁護士に相談しよう
自己破産を行う際に代理人として申し立てを進めることができるのは、弁護士だけです。
司法書士にも自己破産手続の依頼はできますが、司法書士ができる対応は書類作成の代行にとどまります。
弁護士は、書類作成だけでなく裁判所での面談にも同席したり、債権者とのやり取りを行うなど、自己破産の申立てから免責許可決定・確定までサポートしてくれます。
このように、自己破産の手続きを弁護士に依頼するメリットは大きいでしょう。
自己破産を検討しているなら、まずは相談無料の弁護士事務所に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
自己破産には、管財事件、同時廃止、少額管財の3種類がありますが、流れの基本は管財事件になります。
価値ある財産が少ない場合にできる同時廃止は、管財人を選任する必要がないので、管財事件よりも早く終わることができます。
少額管財は管財事件の流れを簡略化したものですが、弁護士に手続きを依頼しなければ、自己破産の手続きとして裁判所で選択される可能性はありません。
自己破産は用意する書類が多く手続きも煩雑です。
経験豊富な弁護士であれば、的確な判断で複雑な流れにもスムーズに進められますので、判断に困ったときは弁護士に相談することも検討してください。
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