親の借金は子供に返済義務あり?借金を調べる方法・肩代わり回避法とは

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親の借金が発覚した!自分も返済しないといけないの?
借金の返済は債務者(お金を借りた人)本人の義務です
そのため、子供が親の借金を肩代わりする必要はないということが法律的な原則です
ただし、以下のような場合では子供に返済義務が発生してしまいます。

  • 死亡した親の借金を相続したとき
  • 子供が借金の保証人・連帯保証人になっているとき
  • 親が子供の名義で借金をしているとき

この記事では、「相続放棄」など借金の肩代わりを回避する方法のほか、親の借金を調べる方法、親の借金の解決法などを解説します。
親の借金についての問題は複雑になることも少なくないため、不安があれば、弁護士など法律の専門家の力を借りて解決を目指すのも手だといえるでしょう。

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目次

親の借金は原則、子供に返済義務はない│安易な肩代わりには注意

原則として、借金は債務者本人に返済義務があるもので、子供が肩代わりする法的義務はありません
さらに、子供が安易に肩代わりしてしまうと、税金が発生することもあります。
以下で詳しく解説します。

借金は基本的に債権者、債務者、保証人の契約

借金をする際の契約は、基本的には以下の3者によって成立します。

  • 債権者:お金を貸す者
  • 債務者:お金を借りる者
  • 保証人:債務者が払えなくなったときに肩代わりする者

原則的には、これら3者以外には返済を請求する権利も返済する義務もありません
たとえ債務者の子供であっても、借金を肩代わりして返済する義務はないのです。
債権者が債務者の家族に借金の肩代わりを迫ったり、借金を取り立てたりすることも原則として違法とされています。(貸金業法第21条7項

ただし、子供に返済義務が発生する場合もあるため、記事下部で解説します。

親の借金を肩代わりすると贈与税が発生することも

返済義務はないとはいえ「親が苦労しているのだから、子供である自分が借金を肩代わりしてあげたい」と思うこともあるでしょう。
しかし親の借金を安易に肩代わりして返済することには、注意が必要です。
子供が親の借金を肩代わりして払うと、親に税金の支払い義務が生じるケースがあるためです
借金を肩代わりして返済することは、「一度、子供から親に金銭を贈与し、贈与されたお金で親が借金を返済した」と見なされ、贈与税がかかってしまうことがあります
ただし以下のような場合では、子供が借金を肩代わりしても贈与税はかからないこともあります。

  • 肩代わりした借金の支払いが年間110万円以下の場合
    贈与税は、1年間に行われた贈与の合計に対して計算することになっており、基礎控除が年間110万円に設定されています。 そのため、1年間に肩代わりした借金の額が110万円を超えない場合、贈与税はかかりません。
  • 親の借金が著しく多く、生活がままならない場合
    親に処分・換金できる財産がなく、収入から判断しても明らかに「自力での借金返済が困難で、子供が親の借金を肩代わりして返済しても、将来親からの返済を望めない」といえる場合、贈与税はかからない可能性があります。
    ただしこの場合は、親に後述する債務整理を行ってもらい、債務整理後の親の生活援助をしたほうがよいことも多いでしょう。
    弁護士など、法律の専門家に相談するのも選択肢です。
  • 子供から親へお金が貸し付けられている場合
    贈与税は、贈与された金銭、財産に対して発生するもので、貸し付けられた金銭、財産には発生しません。 そのため、上の2つに当てはまらないケースでの借金の肩代わりでは、貸付利率と返済期日を明確に定めた借用書を作成し、実際にそれにのっとった返済をしておくことで贈与税が発生しないと考えられます。 有効な借用書の作り方などに迷ったら、弁護士などの法律の専門家に相談するのも選択肢です。
  • 参考:No.4424 債務免除等を受けた場合|国税庁

親の借金でも子供に返済義務が生じるケースとは?

子供が親の借金を返済する義務があるのは、以下のようなケースです。

  • 死亡した親の借金を子供が相続したとき
  • 子供が借金の保証人・連帯保証人になっているとき
  • 親が子供の名義で借金をしているとき

以下、それぞれについて解説します。

死亡した親の遺産を子供が相続したとき

借金をしている親が亡くなって遺産を相続した場合、民法第896条にのっとり、借金も子供に相続されます。

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(相続の一般的効力)
第八百九十六条 相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

出典:民法 _ e-Gov法令検索

借金の返済義務は上の条文の「被相続人の財産に属した一切の権利義務」に含まれているのです。
なお、相続する借金の割合は、法定相続人の数によって異なります。
詳しくは下の「兄弟姉妹がいる場合の借金相続はどうなる?」で、例をあげて解説します。

用語集 法定相続人とは?

民法で定められた、被相続人の財産や借金などを相続する人のことです。
死亡した人の配偶者は必ず相続人となり、さらに以下のような順位で相続人に定められています。
第1順位:子供(死亡している場合は代襲(だいしゅう)相続人)
第2順位:両親などの直系尊属
第3順位:兄弟姉妹(死亡している場合は代襲相続人)
同じ順位の人が複数いる場合は全員が相続人となり、先の順位の人が1人でもいれば、後順位の人は相続人になれません
それぞれが相続する財産の割合(法定相続割合)は民法第900条で定められています。

子供が借金の保証人・連帯保証人になっているとき

子供が親の借金の保証人・連帯保証人になっていると、親が借金を返済できなくなったときに借金の返済を求められます
上で提示したとおり保証人は、主債務者(ここでは親)の借金の返済を保証して、万が一返済できなくなったときに主債務者に代わって返済する義務がある人のことです。
なお、保証人と連帯保証人では負っている責任の重さが異なり、連帯保証人には以下のような権利などがありません。

催告の抗弁権  先に債務者に請求するよう主張する権利(民法第452条)
検索の抗弁権  債権者に対し、主債務者の財産を差し押さえるように主張する権利
(民法第453条)
分別の利益  保証人がほかにもいる場合、人数分で借金を割ることができる利益
(民法第456条)

​​​​​​出典:民法 | e-Gov法令検索

借金の連帯保証人になることを求められた際には、特にその金額や契約内容をしっかりと確認する必要があるでしょう。

親が子供の名義で借金をしているとき(名義貸し)

親が子供の名義で借金をしている場合も、子供に返済義務が生じます
お金を貸している債権者からすると、お金を貸している先はあくまで子供という認識であるためです。

そもそも、自分の名義を他人に貸して契約上の名義人になる行為は「名義貸し」と呼ばれ、本来契約の偽装となる行為に当たります
これは、ケースによっては詐欺罪(刑法第246条第1項)などの罪状で処罰される可能性もあるものです。
親子であっても、名義を貸すのは避けるべきでしょう。

とはいえ、子供が不本意に親に名義を使われることもありえます。
借金の返済義務が生じるかどうかは、実印などが使われた経緯によって以下のように変わります。

  • 親に実印などを預けていた場合:返済義務が生じるケースも
    子供が実印や身分証明書などを預けており、親がそれらを勝手に使って借金をしたような場合、親が借金をしたことについて子供にも責任があると判断され、子供が借金の返済義務を負う可能性があります。
  • 親が勝手に実印などを持ち出した場合:契約無効にできるケースも
    親が子供に無断で実印などを持ち出して契約を結んだ場合、名義貸しではなく「名義冒用(めいぎぼうよう)※」であるとして契約を解除できる可能性があります。
    これを子供が証明するためには、裁判になることもあります。
    ※名前を許可なく勝手に使うこと

名義貸しについては以下の記事で詳しく解説しています。

親の借金を調べる方法はある?

「そもそも親に借金があるのか、どこからいくら借りているのかわからない」というケースでも、親の借金を調べる方法はあります。
おもに考えられるのは以下の3つです。

  • 信用情報機関に情報開示を依頼する
    親の存命中は親本人に行ってもらう必要がある。親の死後は子供が行う。
  • 親が所有している土地・建物の抵当権を調べる
    親の存命中、ネット上の手続きを利用する。
  • 親に届く郵便物や銀行の通帳を確認する
    親の存命中、親の同意を得て行う。

また、「親の借金の保証人になっているが、金額を教えてもらっていない」という場合は、民法に基づいて債権者に金額を問い合わせることができるケースもあります。
以下で詳しく説明します。

信用情報機関に情報開示を依頼する

信用情報とは、個人の支払い能力を判断するための情報を指し、借金の借入時期や借入額などを含みます。
信用情報の集積や管理を行っている「信用情報機関」という機関に問い合わせれば、親の借金の借入先や残高などを確認することができます
借用書や取引明細を紛失していたり、しばらく返済していなかったりする場合でも情報が残っているので、貸金業者からの借金を最も正確に把握しやすい方法といえます。

ただし、親が存命中の場合、この開示依頼は親本人に行ってもらう必要があります
なお、後述する成年後見制度を利用している場合、本人に代わって開示依頼ができる場合もあるようです。

日本の信用情報機関には「CIC(株式会社シー・アイ・シー)」「JICC(株式会社日本信用情報機構)」「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」の3つがあり、借金の借入先によって確認すべき先は異なります。
情報の確認方法とあわせて、以下にまとめました。

信用情報機関名 確認できる借金の例 情報の確認方法と手数料(税込)※
CIC おもにクレジットカード(信販)会社からの借金 ・インターネット:1,000円
・郵送:1,000円
JICC おもに消費者金融からの借金 ・スマートフォン専用アプリ:1,000円
・郵送:1,000円
KSC おもに銀行や信用金庫、信用保証協会などからの借金 ・インターネット:1,000円
・郵送:1,124円~1,200円

※2022年5月19日時点の情報です。

親が所有している土地・建物の抵当権を調べる

親が建物や土地を所有している場合は、借金の抵当権が設定されているか確認するのも、親の借金を調べる一つの手です。
抵当権とは、銀行や金融機関から借入れをする際、土地や建物などに設定される権利のことです。
この権利を持つ銀行や金融機関は、借金の返済がなかった場合、抵当権が設定された土地、建物を売却し、借金を回収することができます。

抵当権が現存している場合には、かなり高い確率で親に借金があるといえるでしょう。
登記情報提供サービス」「登記・供託オンライン申請システム 登記ねっと 供託ねっと」を利用すれば、親の存命中にもインターネット上で登記情報を調べることもできます。

ただし、建物への抵当権は住宅ローンであることも少なくありません。
住宅ローンであれば、親の死亡時に団体信用保険によって支払い免除となる可能性もあります(詳細は後述します)。

以下の法務局のページもあわせてご参照ください。
参考:登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です :法務局

親に届く郵便物や銀行の通帳を確認する

同意が得られれば、存命中の親に届く郵便物や銀行口座の通帳を見てみるのも、親の借金を確認する方法の一つといえます。
確認が可能な場合は、以下のポイントをチェックしてみましょう。

<郵便物の確認ポイント>
  • 貸金業者からの督促状が届いていないか
    DMのように見えることもあるので、注意するとよいでしょう。
  • 裁判所からの書類が届いていないか
    通常、特別送達という郵便で届きます。
<銀行通帳の確認ポイント>
  • 毎月、貸金業者などからの引き落としがないか
    返済方法を銀行口座からの引き落としにしている場合、通帳に記載された引き落とし情報から借金があることがわかることもあります。
    ただし、引き落とし名義として貸金業者の社名がそのまま表記されることは少ないようです。
  • 例)
    アイフルの引き落とし名義:「SMBCファイナンスサ」「SMBCファイナンス自払」「ライフカード(カ」
    アコムの引き落とし名義:「ACサービス自払」「SMBC(ACサービス)」 など

親の借金の保証人になっていて、残高が知りたい場合は債権者に確認

親に言われて借金の保証人になったけど、借入金や残高をきちんと教えてもらえない
というケースもあるでしょう。
このようなとき、2020年4月以降に保証人になっている場合は、債権者に問い合わせれば以下の情報を教えてもらえます。

  • 借金返済の不履行(滞納など)の有無
  • 借金の残高
  • 返済期限が到来している借金の額

これは、2020年4月1日の民法改正によって、民法第458条2項で定められた制度です。

続きを読む

(主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)
第四百五十八条の二 保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において、保証人の請求があったときは、債権者は、保証人に対し、遅滞なく、主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならない。

出典:民法 _ e-Gov法令検索

親の借金の残高が返せない額であったり、返済できなくなっていることがわかったりした場合は、解決策として親と自分自身の「債務整理」が選択肢になるケースもあります。
影響が小さいうちに弁護士などの法律の専門家に相談し、解決を図るのもよいでしょう。
債務整理については後述します。

参考:法務省「2020年4月1日から保証に関する民法のルールが大きく変わります

【親の死後の場合】親の借金の肩代わり回避方法│時効援用は可能?

親が亡くなった後、対策をしないかぎり親の借金は相続され、返済義務を子供が肩代わりすることになります。
肩代わりを回避するポイントは、以下のとおりです。

  • 相続放棄
  • 限定承認
  • 時効援用

それぞれ、注意点もあるため以下から詳しく解説します。

相続放棄をすれば、借金の返済義務はなくなる

親の死後、子供が借金の返済義務を回避する方法の一つ目は、相続放棄です。
相続放棄とは、相続人がすべての財産や債務(借金)などすべての相続を拒否し、相続人でなくなることです。(民法第939条
なお、相続放棄の手続きに必要な「相続放棄申述書」は、亡くなった人の住所地にある家庭裁判所に提出することが必要なので、注意しましょう。

相続放棄は一度してしまうと、後から撤回することはできません。(民法第919条
その特性上、以下の点に注意しましょう。

  • 相続放棄すると、借金だけでなく、親名義の家などを含むプラスの価値がある財産を相続できなくなる
  • 相続放棄すると、親の借金の過払い金の返還請求権も放棄してしまう
用語集 過払い金とは?

利息制限法で定められた上限利率を超えて支払っていた「払わなくてよかったはずの利息」のことで、返還請求をすれば取り戻すことが可能。
以下の条件がそろっている場合、過払い金が発生している可能性がある。

  • 消費者金融、クレジットカード会社からの、2010年以前の借入れであること
  • 過払い金の時効「完済後10年」を過ぎていないこと

相続放棄は、不動産や銀行預金といった財産よりも借金(債務)のほうが明らかに多く、過払い金の発生可能性もない場合の選択肢といえるでしょう。
手続き時の注意事項は以下2点です。

  • 死亡を知って3ヶ月以内に手続きをしないと、原則相続放棄はできない
  • 手続き前に一部でも親の借金を返してしまうと返済義務が生じる

以下で詳しく解説します。

死亡を知って3ヶ月以内に手続きをしないと、原則相続放棄はできない

相続人が親の死亡を知って3ヶ月間、相続放棄や限定承認(後述)をしないと、原則として、「単純承認」をしたと見なされてしまいます。(民法第921条
単純承認とは、被相続人の財産、債務を全て引き継ぐ相続方法です。
つまり、子供が相続放棄したい場合、親の死を知ってから3ヶ月以内に手続きをする必要があるのです。

なお親の死後3ヶ月以内に財産や借金の調査が終わらない場合などは、家庭裁判所に申立てれば期間を延ばすことも可能です。
参考:相続の放棄の申述 _ 裁判所

手続き前に一部でも親の借金を返してしまうと返済義務が生じる

相続放棄の手続きをする前や手続き中に親の借金を返してしまうと「単純承認」をしたと見なされ、返済義務が生じてしまうことがあります。
督促などで亡くなった親の借金がわかったとしても、慌てて支払う前に、弁護士などの法律の専門家に相談してみるのも手です。
また、親の銀行預金を解約したり財産を売却したりした場合も、単純承認をしたと見なされて相続放棄はできなくなり、借金返済義務も生じるため注意しましょう。

借金の相続放棄については以下の記事で詳しく解説しています。

限定承認をすれば、家などが相続できるケースも

「限定承認」とは、相続で得たプラスの価値がある財産の分を限度として、借金の返済義務などのマイナスの財産も相続することを指します。(民法第922条

「単純承認」と比較しながら、2つの例で考えてみましょう。

親が残したものに「評価額300万円の家(プラスの財産)」「借金900万円(マイナスの財産)」があり、家を手元に残したいケース

限定承認をした場合:
家を手元に残したうえで、300万円分(プラスの財産分)の借金返済義務のみを相続する
(900-300=600万円分の借金は相続せずに済む)

単純承認をした場合:
家は手元に残せるが、900万円の返済義務をそのまま負う

親が残したものに「評価額300万円の家(プラスの財産)」「正確な額は不明だが多額の借金(マイナスの財産)」があり、家を手元に残したいケース

限定承認をした場合:
家を手元に残したうえで、300万円分(プラスの財産分)の借金返済義務のみを相続する
(借金のうち、300万円分以上の借金は相続せずに済む)

単純承認をした場合:
家は手元に残せるが、多額なことが想定される借金の返済義務をそのまま負う

以上のことから限定承認は

  • 財産を相続しながら借金の負担を軽減したい場合
  • 親の借金の正確な額はわからないが、多額なことが想定される場合

の選択肢といえます。

ただし、限定承認は相続人全員で手続きを行う必要があり、家庭裁判所への申立てやその後の税務処理も複雑になる傾向があります
限定承認をしたい場合は、弁護士などの法律の専門家に依頼することも一つの手だといえるでしょう。

相続した借金の時効援用は難しいことも多い

借金には時効があり、以下のような条件がそろえば債権者が借金を取り立てる権利自体が消滅します(消滅時効)

  • 返済期日または最後の返済から、5年もしくは10年が経過していること
    銀行や消費者金融などからの借金は5年、個人間の借金などは10年が時効期間(2020年4月1日より前の借入れの場合)
  • 時効援用の手続きをとっていること
    時効援用の手続きとは、債務者が債権者に向けて「消滅時効となったので借金は返済しません」と意思を伝えることを指す
  • 「時効の更新(中断)事由」がないこと
    時効期間中に「債務者が借金の存在を認めた」「債権者が債務者に対し、返済請求手続き(訴訟提起など)を行った」といったことがあると、時効のカウントがリセットされる

しかし、子供が親の借金を相続し、時効の援用を行うことは難しいケースもあります
理由は、上にあげた「更新(中断)事由」の有無にあります。
親本人が借金を認める言動をとったことがあったのか、親が債権者から訴訟などを起こされたことがあったのか、子供にはわからないことも多いのです。

時効が成立していないのに時効援用の手続きを行ってしまうと、時効援用通知の書き方によっては「債務を承認した」として、債権者から一括返済を求められるケースもあります
親の死後、長らく返済している様子のない借金の存在がわかった場合などは、弁護士などに相談し、慎重に手続きを進めるとよいでしょう。

借金の時効については、以下の記事で詳しく解説しています。

【注意】保証人・連帯保証人は、相続放棄をしても返済義務を負う

子供が親の借金の保証人・連帯保証人になっている場合は、相続放棄をしても借金の返済義務が残ります
相続放棄には、保証人・連帯保証人であることを取り消す効力はないためです。

ただし「親が第三者の借金の連帯保証人になっていた(自分自身は保証人などになっていない)」場合は、相続放棄で返済義務を相続しないことが可能です。
逆に、単純承認してしまうと連帯保証人の義務も相続されてしまうので注意しましょう。

借金の保証人についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

連帯保証人についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

【親が存命中の場合】親の借金の肩代わりを回避するには?

親が存命中の場合、子供が親の借金返済の義務を負わないためには、まず親に借金を全額返済してもらうことが第一の選択肢になるでしょう。
しかし、親の収入に対して借金が多額で返済困難な場合などは、親本人に「債務整理」をしてもらうことが選択肢になることもあります
場合によっては、借金の時効援用手続きを行ってもらうとよいケースもあります。
注意点とあわせて、詳しく説明します。

親の自力返済が難しい場合、債務整理をしてもらう

債務整理とは正当に借金を解決する方法で、「自己破産」「個人再生」「任意整理」などの方法があります。
親が定年を迎えて年金暮らしになっていたり、働くのが難しくなっていたりする場合は、上のうちの「自己破産」や「個人再生」が選択肢になる可能性もあるでしょう。
これらは、裁判所を介して借金を減らしたり、なくしたりする手続きです。
原則親本人に手続きをしてもらう必要があるので、親と話し合うことが必要でしょう。
以下でそれぞれの方法を簡単に解説します。

債務整理については以下の記事で詳しく解説しています。

親が年金生活の場合などは、自己破産が適することも

「自己破産」とは、返済不能であることを裁判所に申し立て、認められれば借金を原則全額免責(支払い義務免除)される方法です。

自己破産のイメージ

自己破産は借金がなくなる分、おもに以下のような条件・デメリットがあります。

  • 借金が返済不能である必要がある
  • 借金理由がギャンブルや浪費など(免責不許可事由に当てはまる)の場合、免責が認められないことがある
  • 家や車などの財産は原則回収されてしまう
  • 自己破産後10年程度、信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆる「ブラックリスト」に載り、クレジットカードの利用ができなくなるほか、新規のローン契約や借入れなども難しくなる)
  • これらをふまえると、以下のような場合、親の借金問題の解決には自己破産が適している可能性があるでしょう。

  • 親に持ち家、車などの財産がない
  • 親が年金などで生活を送っている
  • 親の借金理由が生活費などである

自己破産をしても年金などを受け取ることはできるため、親が賃貸住宅や子供の家で生活しており、現在年金で生計が立てられている場合などは、大きな影響が出ないことも考えられるのです。

ただし、自己破産が及ぼす影響はその人の生活や事情によりさまざまです。
実際に手続きを検討した場合は、弁護士などの法律の専門家にまず相談してみるのがよいでしょう。

自己破産については、以下の記事で詳しく解説しています。

個人再生であれば、家が残せる可能性も

「個人再生」とは、再生計画を裁判所に申し立て、認可決定を受けることで借金を減額してもらう方法です。
再生計画が認可されれば、借金を1/5程度〜1/10程度に減額したうえで、原則3年(最長5年)で分割返済できる可能性があります。
借金した当時より親の収入が減っていても、借金が返済可能になるケースもあるでしょう。

個人再生のイメージ

個人再生については以下の記事で詳しく解説しています。

個人再生にも、いわゆる「ブラックリスト」に載る、ローン返済中の車が回収されることもある、などのデメリットがあります。
しかし個人再生では、住宅ローンが残っている住宅の場合「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用することで住宅を手放すことなく住み続けることができます。
たとえば家族で住んでいる家が親名義である場合などに、大きなメリットとなるかもしれません。

個人再生の住宅ローン特則については以下の記事で詳しく解説しています。

親が5年もしくは10年以上返済していない場合、時効援用ができることも

上で解説したとおり、借金には時効があり、5年、もしくは10年返済しておらず、「時効の更新(中断)」が行われていなければ、時効援用手続きを行い、時効を成立させることが可能です。 借金の時効援用は、親本人による手続きが必要です。

親にこれらの条件に当てはまる借金がある場合は、手続きをしてもらうことで借金の返済義務自体がなくなる場合があります。

ただし本人も知らないうちに「時効の更新(中断)」が行われているケースなどもあるため、親本人に弁護士などとよく確認してもらい、手続きを進めるとよいでしょう。

時効の中断(更新)については以下の記事で詳しく解説しています。

親が認知症の場合などは成年後見制度で債務整理などができることも

親の借金を債務整理したいけど、親は認知症で自分で手続きができる状態じゃない
このような場合、選択肢になるのが成年後見制度を利用することです。
成年後見制度とは、認知症などによって判断能力が低下した高齢者などを、保護、支援する制度です。
成年後見の開始を家庭裁判所に申し立てると、裁判所によって選任された後見人が、本人に代わって、財産の処分・管理を行います。
後見人が本人に代わり、債務整理や時効援用の手続きを行うことも可能です。

ただし、成年後見人を選出した場合、債務に関することだけでなく、本人が行うべき手続きなどをすべて成年後見人が行う必要性が生じます。
制度の利用を検討したら、各市町村の地域包括支援センター、法テラス(日本司法支援センター)、弁護士をはじめとする法律の専門家などに相談してみるのもよいでしょう。

参考:成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A _法務省

【注意】債務整理をすると、保証人・連帯保証人に一括請求がくることも

借金の主債務者が保証人・連帯保証人のついている借金を債務整理すると、保証人や連帯保証人に一括返済が求められます。
つまり子供が親の借金の保証人や連帯保証人になっていると、親が債務整理することで子供に借金の一括返済の請求がくることがあるのです。
これは主債務者(ここでは親)が債務整理することによって「期限の利益」を喪失するためです。

用語集 期限の利益とは?

「借金の返済は、分割で期日までに行えばよい」という債権者と債務者の約束ごと。
債務者が期限の利益を喪失すると、期限までに支払えばよかったものが今すぐ支払わなくてはならない状態になります。
民法第137条では「債務者が破産手続開始の決定を受けたとき」「債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき」「債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき」に期限の利益を喪失すると定められています。
さらに、債権者との間の契約に、一定期間支払いが滞ると期限の利益を喪失するという項目があることがほとんどです。

期限の利益については以下の記事で詳しく解説しています。

特に上で紹介した「個人再生」「自己破産」では整理する借金が選べないため、一括返済の請求がくることは原則避けられないでしょう。
場合によっては、子供の方も債務整理を検討する必要があるかもしれません。

保証人を立てた借金を整理の対象から外せる可能性がある債務整理の方法として「任意整理」もあります。(詳細は後述
親が債務整理する際には、保証人の有無と残高を確認したうえで、慎重に検討してもらいましょう。

親の借金の肩代わり後、返済が苦しい場合は?

親の借金を単純承認したり、自ら肩代わりした後に返済が苦しくなった場合、対処法としては大きく2つ考えられるでしょう。

  • 家計や返済プランを見直し、自力返済を図る
  • 任意整理でデメリットを抑えつつ、返済の負担を減らす

それぞれについて解説します。

家計や返済プランを見直し、自力返済を図る

自力返済を図る場合、まず親の借金残高や債権者、貸付利率すべてを整理し、「いくら借りていて」「いくら返済しているのか」を把握します。
次に、「毎月いくらであれば自分は返済できるのか」「毎月の固定費を減らし、返済に充てられないか」を検討しましょう。

上で出した返済額と借入額、利息の計算をもとに、完済までのプランが立てられるか判断してください。
無理のないプランができたら、債権者の利用者用の電話番号やWeb上の問い合わせサービスを利用して連絡をとり、返済プランの立て直しの交渉をしましょう。

再度提案した返済プランが現実的であると債権者の方でも判断できれば、変更に応じてくれる可能性はあります。
債権者としても、債務者が返済不能に陥って借金回収ができなくなるより、返済プランの変更に応じた方が利益が確保できる可能性が高いからです。

返済プランの見直し方については、以下の記事で詳しく解説しています。

任意整理でデメリットを抑えつつ、返済の負担を減らす

任意整理とは、上で解説した債務整理の方法の一つで、それ以降の借金の返済方法について債権者と直接交渉する方法です。
将来利息(これから払う利息)などをカットし、無理のない返済計画に調整できる可能性があります
減額後の借金は原則3〜5年程度で返済することを目指すのが一般的です。

任意整理のイメージ

任意整理をすると、事故情報が完済から5年ほど信用情報機関に登録されてしまいます(いわゆる「ブラックリストに載る状態」)。
この期間中、クレジットカードが使えなくなったり、ローンが組めなくなったりといったデメリットが生じます。
しかし、上で解説した「自己破産」「個人再生」と異なり裁判所を通さない交渉のため、周囲に任意整理した事実がバレづらいといえます。
また、任意整理は交渉の対象にする債権者が選べるので、家や自動車のローンを対象外にし、手元に残しやすいというメリットもあります
債務整理を検討する際、一定の収入があるケースでは、任意整理が最も選びやすい方法になることが多いでしょう
実際に、任意整理を行っている人は、年間200万人いると推定されています。
ただし、借金と収入のバランスなどによっては、「個人再生」「自己破産」を行った方が借金問題が解決しやすいケースもあります。
債務整理の方法に迷ったら、弁護士など法律の専門家に相談するのもよいでしょう。

任意整理については、以下の記事で詳しく解説しています。

親の借金について不安があれば弁護士に相談を

親の借金について不安やわからないことがあれば、弁護士に相談するとよいでしょう。
以下のようなメリットがあるためです。

  • 相続問題にも専門知識があるため、より適切な対応が可能になる
  • 消費者金融や銀行などから督促が行われている場合、受任通知で止められる
  • 債務整理を行う際、手続きなどの負担を抑えられる

以下で詳しく解説します。

相続問題にも専門知識があるため、より適切な対応が可能に

親の借金の問題は借金に関してだけではなく、相続についても知識がないと対応しきれない問題です。
弁護士は法律の専門家であり、実務知識もあるため、借金問題と相続問題の双方の解決を視野に入れ、状況に合わせた対応を提案してくれるでしょう。

兄弟姉妹や親戚など、相続人が複数いて話がまとまりづらい場合などは、弁護士という第三者が介入することで、話し合いが円滑に進むこともあります。

消費者金融や銀行から督促が行われている場合、受任通知で止められる

親の借金の返済ができなくなり、すでに貸金業者などから督促を受けている場合、弁護士から「受任通知」を発送することで止めることが可能です。
受任通知とは、債務整理の依頼を受けた弁護士や司法書士が、債権者に「代理人として手続きを進める」ことを知らせる通知のことです。
消費者金融などは受任通知を受領した時点で督促を止める義務があるという旨が、貸金業法に定められています。(貸金業法第21条1項9号
督促が止まることで、冷静に生活を立て直す余裕が出るケースも多いでしょう。

受任通知については以下の記事で詳しく解説しています。

債務整理を行う際、手続きなどの負担を抑えられる

債務整理をすることになった場合も、弁護士に依頼していれば、各種書類作成、債権者との交渉や裁判所への申立てなどを代理で行ってもらえます
債務整理を行う際の負担を、大きく減らすことができるでしょう。

なお、債務整理を司法書士に依頼することも可能ですが、以下のような制限があります。

  • 司法書士は依頼人の法定代理人になれないため、裁判所への申立て、出廷などは依頼人が自ら行う必要がある
  • 請け負うことができる借金額が140万円までに限られる(司法書士法第3条

親の借金額が多額な場合や債務整理の方法が決まっていない場合などは、弁護士に依頼した方が手続きなどがスムーズなことも多いでしょう。

住宅ローンは?離婚後はどうなる?親の借金に関する気になる質問

親の借金で悩む人たちのよくある質問に答えていきます。

住宅ローンの支払い義務も親から相続される?

住宅ローンの契約者である親が団体信用生命保険(団信)に加入していれば、親が亡くなった後、子供に返済義務は残りません
団信とは、本人が死亡したり重度の障害を負って働けなくなったりした場合に、残りのローンが支払われる生命保険の一種です。
もし親が団信に加入していない場合、住宅ローンも借金として遺産相続の対象となります。

離婚後の親の借金の返済義務は子供にある?

両親が離婚をした場合でも、親と子供の関係は消失しません。
相続権は発生するため、離婚した親とどれだけ疎遠になっていたとしても、親が亡くなれば借金の返済義務が相続されてしまいます。

ただし、記事上部でも解説したとおり、相続開始を知った時点から3ヶ月以内に相続放棄の手続きをすれば、親の借金の返済義務は放棄することが可能です。
債権者から借金の督促などがきた場合は安易に支払いをせず、親の借金総額やすべての財産を洗い出すとよいでしょう。
そのうえで借金が財産額を上回る場合など、必要があれば期限内に相続放棄の手続きを行いましょう。

絶縁していれば親の借金は引き継がないで済む?

現在、法律上では家族間が「絶縁」をすることはできません。
実の親と戸籍を分籍していたり、他の人の養子になったりしていたとしても、子供が実の親の相続人であることには変わりがないのです

事実上親と絶縁しており、長らく疎遠だった場合は、相続が発生していても相続放棄を望む場合も多いでしょう。
相続の発生がわかった時点で、早めに手続きをするようにしてください。

親に勝手に連帯保証人にさせられた場合も返済義務はある?

連帯保証人は、通常は契約書に本人が押印などをすることで初めて契約が成立します。
しかし、親に実印を勝手に持ち出されて連帯保証人にされてしまった場合、「無権代理」であるとして、返済義務がないことを主張できる可能性があります民法第113条)。

勝手に親の借金の連帯保証人にされてしまった場合、一部でも支払ってしまうと、連帯保証人としての義務を認めたと見なされることも少なくありません
困ったら、早めに弁護士へ相談してみるとよいでしょう。
まずは連帯保証人になってしまった経緯を明らかにし、対処法を考えることになるでしょう。

兄弟姉妹がいる場合の借金相続はどうなる?

借金のある親が亡くなり、法定相続人が複数いる場合、法定相続割合に応じて借金の相続額が変わります。(法定相続人については上で解説しています

例として「1,000万円の借金をしていた父親が亡くなった場合」を考えてみましょう。

<家族構成:母(父親の配偶者)、子供1人の場合>
相続人 相続される借金額
母(父親の配偶者) 500万円(2分の1)
子供 500万円(2分の1)

<家族構成:母(父親の配偶者)と長男・長女の場合>
相続人 相続される借金額
母(父親の配偶者) 500万円(2分の1)
長男 250万円(4分の1)
長女 250万円(4分の1)

<家族構成:長男・長女・次男・次女の場合>
相続人 相続される借金額
長男 250万円(4分の1)
長女 250万円(4分の1)
次男 250万円(4分の1)
次女 250万円(4分の1)

<家族構成:母(父親の配偶者)と長女(相続放棄済み)・長男の場合>
家族の構成員 相続される借金額
母(父親の配偶者) 500万円(2分の1)
長女(相続人にならない) なし
長男 500万円(2分の1

上の表からわかるように、相続放棄をすると相続割合に影響が出ます。
そのため、相続放棄をする際は、他の相続人に事前に連絡しておくことをおすすめします。

信用保証協会から相続人として連絡がきた!どうすればいい?

親が事業運営などをしていた場合、信用保証協会から子供へ、相続人として借金の返済を求める連絡がくるケースがあります。
信用保証協会から連絡がきた借金についても、相続放棄をすることは可能です。
相続放棄の手続き後、「相続放棄申述受理通知書のコピー」や「相続放棄申述受理証明書」を提出すれば、信用保証協会はその相続人から取り立てはできなくなります。

そもそも信用保証協会とは、貸付けを行っている金融機関ではなく、中小企業や個人事業主などを対象に、信用保証をする機関です。
中小企業や個人事業主は比較的信用度が低いため、銀行などから融資を受けられないケースがあります。
そこで、信用保証協会が信用を保証し、企業の倒産などで返済が難しくなった際は「代位弁済」を行うのです。
その後、信用保証協会は経営者や個人事業主などに代位弁済分の返済を求めます。
本人が亡くなってしまった場合は、相続人に借金の返済を求める連絡をすることがあるのです。

親の借金の相続を放棄したら、生命保険金は受け取れなくなる?

相続放棄をしても、保険金受取人に指定されていれば、生命保険の保険金を受け取ることは可能です。
生命保険金は、亡くなった人の財産でなく、保険の受取人固有の財産という扱いになるためです。

亡くなった親に借金がある状況であったとしても、子供が保険金受取人に指定されていれば、相続放棄によって生命保険の保険金だけを受け取ることが可能です。
基本的に保険金で借金の返済を迫られるようなこともないでしょう。

ただし、相続放棄をすると、受け取る保険金にかかる相続税が高くなるケースがあります
生命保険には法定相続人の人数に応じて非課税金額が設けられていますが、相続放棄をした本人は相続人ではなくなり、非課税金額の適用が受けられなくなるためです。

参考:死亡保険金が相続税の対象となる場合、必ず税金を負担するの?|税金に関するQ&A|生命保険Q&A|生命保険を知る・学ぶ|公益財団法人 生命保険文化センター

まとめ
  • 親の借金は原則、子供が返済する義務はありません。子供が肩代わりしてしまうと、贈与税が発生してしまうこともあるので注意しましょう。

  • 親の借金の返済義務が子供に発生するケースは以下のとおりです。

    ・死亡した親の遺産を子供が相続したとき
    ・子供が借金の保証人・連帯保証人になっているとき
    ・親が子供の名義で借金をしているとき

  • 親の借金を調べる方法は、以下のとおりです。

    ・信用情報機関に情報開示の依頼をする
    ・親が所有している土地・建物の抵当権を調べる
    ・親に届く郵便物や銀行の通帳を確認する

    親の借金の保証人になっており、借金残高が知りたい場合、債権者に問い合わせれば残高を開示してもらえるケースもあります。

  • 親がすでに亡くなっている場合、親の借金の肩代わり回避方法としては以下のような方法が考えられます。

    ・相続放棄
    ・限定承認
    ・時効援用

    相続放棄や限定承認にはタイムリミットがあるほか、手続き前に返済を行うと返済義務が放棄できなくなるという注意点もあります。
    また、相続した借金の時効援用は難しいことも多いため、弁護士などと確認し、慎重に手続きを行うのがよいでしょう。

  • 親が存命中で、親本人による借金返済が難しければ、子供が返済義務を負わない方法としては、「債務整理」「時効援用」を親本人に行ってもらうことが選択肢となるでしょう。
    親が年金生活の場合などは、「自己破産」や「個人再生」と呼ばれる債務整理の方法が適する可能性もあります。

  • 親の死後、存命中ともに、借金の保証人や連帯保証人になっていると、子供に返済義務が発生するため注意が必要です。

  • 親の借金について不安に思うことがあれば、弁護士に相談するのがよいでしょう。
    以下のようなメリットがあるためです。

    ・相続問題にも専門知識があるため、より適切な対応が可能に
    ・借入先から督促が行われている場合、受任通知で止められる
    ・債務整理を行う際、手続きなどの負担を抑えられる

借金減額診断とは?

ご自身の借入金額や返済状況をもとに、借金を減額できるか診断できます。

【借金減額診断の特徴】

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監修者情報
島村 海利
監修者:弁護士法人・響 弁護士
島村 海利
弁護士会所属
第二東京弁護士会 第52828
出身地
高知県
出身大学
香川大学法学部卒 九州大学法科大学院卒
保有資格
弁護士、2級ファイナンシャルプランニング技能士(FP2級)
コメント
人に対する温かいまなざしを持ち、ご依頼者の話をよく聞き、ご依頼者様に寄り添える弁護士になれるよう日々努めています。
[実績]
43万件の問合せ・相談実績あり
[弁護士数]
43人(2023年2月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
[拠点]
計7拠点(東京、大阪、香川、福岡、沖縄)
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