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任意整理の保証人への影響は?迷惑をかけないようにするには?

2021.10.05 2021.10.05

監修者情報
監修者:弁護士法人・響 弁護士
西島 弘起
弁護士会所属
東京第二弁護士会 第59420号
出身地
東京都
出身大学
中央大学法学部 上智大学法科大学院
保有資格
弁護士・行政書士
コメント
ご相談者様が少しでも前向きになれるよう最善を尽くします。

任意整理すると保証人にどんな影響がある?
債務整理を経験した人でも、保証人になれるのかな?

任意整理は、弁護士などに依頼して債権者と交渉し、利息カットなどにより返済の負担を減らす借金整理の方法です。
裁判所を介さない私的な交渉であるため、自己破産など他の債務整理と比べると周囲への影響は限定的だとされています。

では、保証人つきの借金を任意整理するとどうなるのでしょうか?
できることなら保証人に迷惑をかけずに任意整理したいところですよね。

保証人つきの借金を任意整理すると、代わりに保証人に請求がなされることがあります。
ただし、保証人に迷惑をかけずに任意整理する方法もあります。

この記事では、保証人つきの借金を任意整理する際のポイントを解説。
また後半では、債務整理をしたあと、奨学金やローン契約の保証人になる際の注意点についても紹介します。

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保証人つきの借金は任意整理しない

保証人に迷惑をかけずに任意整理を進める方法は、任意整理の対象から除外することです。
任意整理には債権者(貸主)を選んで、個別に交渉できる特徴があります。

つまり保証人がついていない借金だけを任意整理して、全体の借入金額を減らすことで、保証人に迷惑をかけずに債務整理ができるのです。

また、保証人がついている借金だけでなく、不動産などを担保にしている場合も同様で、その借金だけ別にして、他の借金だけ交渉するのが一般的です。

カードローンやキャッシング、クレジットカードの返済については、多くの場合、保証人を必要としません。

一方で保証人が必要な借金の代表例としては、奨学金、住宅や車のローン契約が挙げられます。

したがって、任意整理をする際には、カードローンやキャッシング、クレジットカード関連の借金を対象に選ぶのがポイントといえそうです。

自己破産や個人再生の場合は?

任意整理は債務整理の一種で、他に自己破産や個人再生が挙げられます。
自己破産や個人再生は、借金の額を大幅に減らすこともできますが、裁判所を介して、すべての貸主を対象に借金の減額免除を実施します。

当然すべての借金が整理対象となり、保証人への影響を避けることができません。

やむをえず保証人つきの借金を任意整理するとどうなる?

任意整理の対象から除外することで、保証人に迷惑をかけずに任意整理を進められます。

とはいえ、保証人つきの借金を任意整理せざるを得ない状況に陥るケースもあるでしょう。

そんな場合にはどうすればいいのか、ここから順に紹介していきます。
任意整理すると、貸主から保証人に対して請求されますが、その件についても以下で詳しく解説します。

保証人は一括返済を迫られる

やむをえず、保証人つきの借金を任意整理するとどうなるのでしょうか?

この場合、保証人が一括返済(全額をまとめて返済)を迫られることになります。
借金の返済が分割であっても、保証人つきの借金を任意整理した場合は、一括返済を迫られます。それは借主(債務者)が「期限の利益」を喪失するからです。

期限の利益とは「借金の返済は期日までにすればよい」という借主と貸主との約束ごとです。「返済日に返す」とは、言い換えれば「返済日まで返さなくてもいい」ということで、民法では「利益」と表現しています。
民法137条には、次に掲げる場合、債務者は、期限の利益を主張できないと記載されています。

一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
(引用:民法第137条)

借主(債務者)が借金の任意整理をすると、民法137条によって「期限の利益」を喪失するため、保証人は一括返済を迫られてしまうのです。

保証人も一緒に任意整理すれば一括返済は避けられるが…

期限の利益の喪失による一括返済を避ける方法としては、保証人と連名で任意整理を行うことが挙げられます。
保証人と連名で任意整理を行えば、貸主(債権者)も借金の全額を保証人に対して請求できません。

ただし注意点として、保証人と連名で任意整理をすると、保証人もブラックリストに載ってしまいます
ブラックリストに載るとは、信用情報機関に事故情報が登録されることを意味します。
ブラックリストに載っている期間は、新たな借金ができません。
クレジットカードを作ったり、各種のローンを組んだりすることもできなくなるのです。

保証人と連名で任意整理をすると、借金の返済総額が減額できるとはいえ、保証人に迷惑がかかってしまいます。

そのため、連名で任意整理をする際には誠心誠意、任意整理をせざるを得ない事情を説明し、保証人に理解と納得をしてもらうように働きかけましょう。

保証人・連帯保証人の違いとは?

連帯保証人となると、さらに責任が重大です。
保証人には認められているが、連帯保証人には認められていない3つの権利があり、連帯保証人になるとこの権利を主張できなくなります。

連帯保証人が行使できない3つの権利は、以下のとおりです。

催告の抗弁権

他人の借金などを代わりに支払った人が、債権者が保証人に債務の履行を請求したときは、保証人はまず主たる債務者に催告するように請求できるというものです。

保証人の場合、主債務者が破産していたり行方不明であったりしなければ「主債務者に請求して欲しい」と債権者に主張することができますが、連帯保証人にはその権利はありません。
貸主が借主に請求せずいきなり連帯保証人に請求してきても、借金を支払わなければなりません。

検索の抗弁権

借主の代わりに保証人に請求がきた場合、保証人は「借主に返済能力があるから、借主に返済してもらうか、借主の財産を差し押さえてくれ」と主張できる権利をいいます。

しかし、連帯保証人には、検索の抗弁権はありません。貸主から返済請求がきたら、従わざるをえないのです。

分別の利益

複数名の保証人がいる場合、それぞれの保証人が追う債務(借金)は保証人の頭数で割ったものにとどめる。

しかし連帯保証人の場合、「分別の利益」が認められていないため、借金の全額について返済の義務を負うことになります。
「保証人」と「連帯保証人」は同じと認識されていることも多いですが、明確に違うものなのです。

個人再生・自己破産の場合は保証人にどんな影響が?

個人再生すると、借主の支払い義務は一部免責されます。

しかし、貸主の貸したお金を回収する権利が消滅するわけではありません。
個人再生で借主の支払い義務が減額した分を、保証人が代わりに返済しなければなりません。
例えば、500万円の借金がある人が、個人再生を行って100万円に減額された場合、保証人は貸主に400万円を支払う必要があります。

自己破産の場合は、その残った借金全額を保証人が支払わなければなりません。

そして、どちらの場合も期限の利益は喪失していますので、貸主は保証人に借金の残額を一括で払うよう請求します。
期限の利益の喪失は、保証人にとって不測の事態ですが、2020年(令和2年)4月に施行された改正民法で、個人の保証人に対して2ヶ月以内に通知するとされました(民法458条の3)。

任意整理(債務整理)は保証人へのリスクは避けられない

任意整理は、保証人付きの借金だけ対象から外すことで回避できるとはいえ、基本的に、債務整理は保証人への影響が避けられません。

だからといって、保証人への影響を気にして借金問題から目を背けるのも得策とはいえません。
返済できずに滞納してしまうことで、保証人が一括請求にあう可能性も大きくなります。早めに対処した方が、保証人への影響も軽減できます。

債務整理は、保証人と協力して借金の問題の解決を図るのが最適な場合もあります。
それぞれの状況に応じて解決する術を、保証人も交えて検討しましょう。

そのために弁護士の力も借りるのも一つの手です。
自分の債務整理に適した方法をアドバイスしてくれ、保証人も納得しやすくなることも考えられます。

任意整理を経験した人は保証人になれる?

少し話題は変わりますが、任意整理を過去に経験した人の中には、保証人になれるかどうか心配している人もいるかと思われます。

子どもの奨学金や一人暮らしの賃貸契約、あるいは子どもが借金を抱えることになるケースもあるでしょう。
親が子どもの保証人になるケースは、よくあります。

任意整理してから5年間は、信用情報機関に事故記録が残るため、保証人になるのも難しいといわなければなりません。

しかし、それはあくまで保証人の信用力が必要なケースのみ。
奨学金や賃貸契約などの場合は、任意整理をした人でも保証人になれるケース、あるいは保証人を必要としない こともあります。

任意整理した人が保証人になる必要が訪れたときの対処法について、以下で詳しく解説していきます。

奨学金は保証人なしでも利用できる

進学を希望する子どもが奨学金制度を利用するにあたって、親が保証人になる必要はあるのでしょうか?

日本学生支援機構によると、奨学金の審査の対象となるのは、あくまで「子どもの学力」です。
奨学金を受けられるかどうかの判定に、親の信用力は問われません

審査にパスした後、奨学金の借り入れに対する保証をどうするかを決めることになります。
このとき、過去に任意整理をしたことがあるなど、親の信用力が低いときは 機関保証制度を利用する ことになります。

用語集 機関保証制度とは? 連帯保証人・保証人を立てることなく、自らの意志と責任において、独立行政法人日本学生支援機構が実施する貸与奨学金に申し込みができる制度。
一定の保証料を支払うことで、公益財団法人日本国際教育支援協会(JEES)が、日本学生支援機構の奨学金制度に対して保証してくれます。
これにより、元金と利息・延滞金が、奨学金の貸与開始から返還完了まで保証されます。

奨学金の返還を延滞した場合、JEESが奨学生本人に代わって、日本学生支援機構に元金・利息・延滞金支払い、その後、JEESが本人に全額を請求します。

賃貸契約は必ずしも保証人が必要ではない

子どもが大学を卒業して社会人になり、自宅から離れて一人暮らし用に部屋を借りる場合、賃貸契約には保証人が必要とされます。
しかし、親が過去に債務整理をした経験があっても賃貸契約の保証人になれるのでしょうか?

賃貸契約について、保証人の信用力は問題ではありません
不動産会社は金融機関ではないため、そもそも信用情報を確認できません。

賃貸契約では保証人を立てるのが一般的であり、自身の信用力が不安という人は、保証会社を活用すると保証人不要で部屋を借りることができます。

子どもが未成年のときはカードローンやクレジットカードの契約に親の信用力が問われる可能性も

任意整理後、信用力が低下している状態のとき、子どもがカードローンやクレジットカードを作るときはどうなるでしょうか?

子どもが成人している場合、影響はほぼありません。
カードローンやクレジットカードの審査は親の信用力を問われません。問題となるのは、本人の信用力のみです。

ただし、子どもが未成年のときは親の同意が必要 となるため、信用力が問われる可能性はあります。
特に学生など、収入がない場合は、親の信用力が問われる可能性が高く、未成年の子どもがカードローンやクレジットカードの審査に通過しない可能性があります。

そんな時は、子どもが成人するのを待つか、自分の信用力が回復するのを待ちましょう。

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21人(2021年3月時点)
[設立]
2014年(平成26年)4月1日
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