
- 弁護士会所属
- 大阪弁護士会 第57612号
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- 兵庫県
- 出身大学
- 立命館大学法学部 立命館大学法科大学院
- 保有資格
- 弁護士・行政書士
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「任意整理をしたら人生終わり」
SNSなどでそんな言葉を見つけ、不安になっていませんか。
もちろん任意整理にはデメリットもありますが、「人生終わり」という話には極論や誤解が多く含まれています。
実際、任意整理によって借金問題を解決し「人生に再び希望が持てるようになった」と答える人は多くいます。
この記事では、任意整理のよくある誤解を解説するとともに、デメリットの対処法、実際に任意整理を行った方へのアンケート結果(人生終わりと感じた人は0%)などを紹介します。
最後まで読めば、決して「人生終わりにはならない」ということがわかることでしょう。
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目次
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実際に任意整理した人はどう感じている?
この記事ではさまざまな角度から「人生終わりにはならない」ことについて解説していきますが、不安に思っている方がまず知りたいのは経験者の声ではないでしょうか。
そこで当メディアでは、過去に任意整理を経験した方(男女50名)に独自のアンケート調査を行いました。その結果を紹介します。
人生終わりと感じた方は0%・メリットがあると感じた方は86%
まず、任意整理をする前の記憶について聞いてみたところ、「任意整理をしたら人生は終わりだ」「一生不便・不自由な生活になる」という印象を持っていた方は一定数いました。
Q.任意整理をする前は、任意整理に対してどんな印象がありましたか?
- 任意整理をすると、もう人生は終わりだ:22.0%
- 任意整理をした後は、一生不便・不自由な生活になる:18.0%
- 任意整理をした後は、一定期間は不便・不自由な生活になる:40.0%
- 任意整理をした後は、多少の不便・不自由はあるがなんとかなる:12.0%
- 任意整理をしても、特に不便・不自由はない:8.0%
しかし、実際に任意整理した後の感想を聞いてみると「多少の不便・不自由はあるが、それを上回るメリットがある」という回答が64%、「特に不便・不自由はなく、メリットしかない」という回答が22%で、肯定的な意見の合計は86%に上りました。
そして「デメリットが大きく、人生は終わりといえる」と回答した方は0%です。

SNSなどで見る「人生終わり」という説について、経験者はまったくそうは感じていないことがわかります。
任意整理は、人生を前向きにやり直すきっかけになるもの
確かに、任意整理にはブラックリストに載るなどのデメリットがあり(後述します)、それによって多少の不自由さを感じる方もいるでしょう。
しかし、任意整理を検討するときに判断軸となるのは、ブラックリストではなく「今の自分は前向きに生活できているだろうか?」という問いかけです。
- 毎日のように督促の電話がかかってくる
- 給料が入ってもそのほとんどが返済で消えてしまう
- 借金で借金を返している
- あとどれくらい返済を続ければ終わるのかわからない
- 常に「次の返済をどうしよう」という不安がある
もしも上記のような状態だとしたら、前向きに生活できている人は少ないでしょう。
任意整理は、借金問題を解決することによって「人生を再建する方法」です。
当メディアには「任意整理後の人生」に注目したドキュメンタリー企画のページもあり、人生を再建したエピソードも紹介しているのでぜひご覧ください。
決して「人生終わり」ではないことがよくわかるはずです。
また、任意整理経験者50名のアンケートの中からも、回答の一部を紹介します。
| 任意整理をした後の感想は? | 特に不便・不自由はなく、メリットしかない |
|---|---|
| 任意整理をして不便・不自由だと感じたことは? | 特に不自由だと感じたことはなく、任意整理したことに対して後悔はありません |
| 任意整理のメリットと感じたことは? | 毎月の返済金額が無理のない範囲になり、前向きに考えられるようになりよかったです |
| 任意整理をした後の感想は? | 特に不便・不自由はなく、メリットしかない |
|---|---|
| 任意整理をして不便・不自由だと感じたことは? | 特に不便は感じたことはないです。むしろメリットしか感じていなく、自由が増えたように感じます |
| 任意整理のメリットと感じたことは? | 電話連絡や郵送されるはがきが多かったが、一気に止まったので不安を解消することができました |
どちらの方も、任意整理によって人生が終わったということはなく、むしろ人生が前向きに送れるようになったことがわかります。
なぜ任意整理をしたら「人生終わり」と感じてしまうのか?代表的な誤解・不安について解説
当メディアが任意整理の経験者50名にアンケートを行った際、「任意整理前に不安だったこと」についても聞いてみました。
その回答が以下です。

「勤務先や周囲の人にバレるのではないか」「ブラックリストに載ったら一生消えないのではないか」などが主な不安と言っていいでしょう。
おそらく世の中にある「任意整理をすると人生終わり」というイメージは、こういった不安が元になっているのではないでしょうか。
では実際のところ、これらの不安は現実に起こることなのか?を考えてみると、そこには誤解が含まれているケースも多々あります。
それぞれ解説していきましょう。
ブラックリストが長期間消えないのではないか
任意整理をするとブラックリストに載る(信用情報機関に事故情報が記録される)ので、クレジットカードが持てなくなったり、ローンが組めなくなったりするのは事実です。
しかし、それが一生続くというのは誤解です。
ブラックリストに記録されている期間は、任意整理の完済後約5年間です。その期間が経てば事故情報は抹消されるので、ローンも組めるようになりますし、クレジットカードも持てるようになります。
また、クレジットカードが持てないことやローンが組めないことに付随する不便さは、軽減する対処法があります(後述します)。ブラックリストが理由で「人生終わり」になるというのは誤解といっていいでしょう。
勤務先や周囲の人にバレるのではないか
任意整理をすると「勤務先や周囲の人にバレる」というのは誤解といえます。
任意整理は借入先(債権者)と直接交渉するため、裁判所を介する必要はありません。
そのため裁判所から連絡がきたり、任意整理をしたことを公表されたりすることもありません。周囲の人に知られるリスクは非常に低いと言えるでしょう。
また、任意整理を弁護士に依頼すれば、依頼者に代わって債権者とやり取りをしてくれますし「家族にバレないように連絡を取りたい」といった相談にも柔軟に対応してくれます。
借金問題を解決する方法としては、任意整理以外にも個人再生や自己破産があります。
個人再生や自己破産は裁判所を介する必要があり、国の機関紙である「官報」に住所・氏名が掲載(公告)されるので、周囲にバレる可能性が少なからずあります。
用語集国立印刷局が毎日(行政機関の休日は除く)発行している、政府情報を伝達する公的な冊子です。
政府や各府省が公布する公文や、破産・相続といった裁判所が決定した公告などが掲載されています。
※参考:国立印刷局「官報について」
任意整理が会社にバレにくい理由については、下記記事で詳しく解説しています。
仕事を解雇されるのではないか
任意整理をすると「仕事を解雇される」というのは誤解です。
すでに書いているとおり、任意整理は債権者と直接交渉をするものなので、その事実がオープンになったり勤務先へ連絡されたりすることはありません。
もし勤務先へ任意整理したことがバレたとしても、原則として会社をクビになるようなことはありません。
労働契約法では「客観的に合理的な理由がなければ解雇できない」と定めているので、任意整理したことを理由に解雇を迫られた場合は不当解雇になります。
(解雇)
第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
※引用:e-Gov法令検索「労働契約法」
この規則は、個人再生や自己破産を行った場合も同様です。
任意整理を利用すれば、仕事を続けながら借金返済の負担を減らすことができるでしょう。
債務整理と解雇については、下記記事で詳しく解説しています。
結婚や就職に影響があるのではないか
任意整理したことで、ご自身・家族の結婚や就職への影響はないと言っていいでしょう。
前述のとおり、任意整理をしたことが第三者にバレるリスクはかなり低く、もちろん戸籍や住民票に記載されることもありません。
就職や転職時に任意整理したことを申告する義務もないので、本人があえて教えない限り、仕事に影響はないといえます。
ただし、ブラックリストに載っている期間は新たなローンやクレジットカードの契約ができないため、場合によっては結婚後の生活に影響が出ることもあります。
ローンやクレジットカードの必要性がなければ影響はないといえますが、できれば結婚相手にはあらかじめ事情を伝えておくとよいでしょう。
債務整理と結婚については、下記記事で詳しく解説しています。
任意整理のデメリット(クレジットカードやローン)に対する制約の対処法
任意整理をするとクレジットカードが持てない、ローンが組めない(分割払いができない)といった生活上の不便さが生じますが、これらの不便さを軽減する方法もあります。
こういった対処法があることからも「人生終わり」ではないことがわかるはずです。
クレジットカードの代替決済方法
クレジットカードが持てない期間でも、類似するさまざまな決済方法があります。
ブラックリストに載っている場合でも利用できる、おもな決済方法を紹介します。
ショッピング利用すると、即時銀行口座から引き落としできるカードです。
銀行口座があれば審査は不要で利用できます。
デビットカードには次の2種類があり、使える店舗も異なるので注意が必要です。
- J-Debit
- 国際ブランドデビット(VISAデビット、JCBデビットなど)
専用のカード(アプリ)に、あらかじめ現金をチャージして使用するものです。
利用料金は前払いのため、審査がありません。
プリペイドカードには、おもに次のようなタイプがあります。
- 流通系プリペイドカード:楽天Edy・nanaco・WAON など
- 交通系プリペイドカード:Suica・PASMO など
- 国際カードブランド付きプリペイドカード:VISA・JCB・Mastercard・バンドルカードなど
デビットカードと同様に、銀行口座と連携することに特化したスマートフォン決済サービスです。銀行口座があれば、利用のための審査はありません。
おもなスマートフォン決済サービスには、次のようなものがあります。
- Bank Pay
- 銀行Pay
- J-Coin Pay
スマホに専用決済アプリを入れて、QRコードを提示する(もしくは読み取る)ことで決済を行うサービスです。
銀行口座があれば決済ができるものもあり、クレジットカードを持っていなくても利用することが可能です。
QRコード決済サービスには、おもに次のようなものがあります。
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
- メルペイ
- au PAY など
このように、クレジットカード以外にもさまざまな決済方法があるので、「常に現金を用意しておかないといけない」というわけではありません。
ブラックリストに載っていても、さほど不便を感じることなく生活できるでしょう。
ブラックリストでも利用できる決済方法については、下記記事で詳しく解説しています。
スマホの分割購入は難しいものの選択肢はある
任意整理をしてブラックリストに載っている間は、携帯電話・スマートフォン端末などの分割購入ができません。
分割購入の場合は「割賦購入契約(後払い)」となり、割賦販売法が適用されます。
割賦販売法では、クレジット(信用販売)業者は信用情報機関の提供する信用情報を利用する(ブラックリストを確認する)ことが義務化されているためです。
※参考:CIC「割賦販売法 指定信用情報機関制度」
携帯電話やスマホ端末の分割購入ができない場合は、次のような対処法が考えられます。
一括購入する・中古端末を購入する
端末を一括で購入する場合は、信用情報を照会されません。
- ソフトバンク
認定中古品iPhone - イオシス
中古iPhone
中古Android - ゲオモバイル
中古スマホ
家族に代理契約してもらう・名義変更する
任意整理した方以外の家族は、ブラックリストに載ることはありません。
そのため、任意整理を行っていない家族を主契約者として契約するという方法もあります。
任意整理した方が主契約者の場合は、家族名義に変更(名義譲渡)することが可能な場合もあります。
※名義変更(譲渡)には手数料がかかる場合があるほか、携帯電話会社によっては名義変更できない場合もあります。
任意整理後の携帯電話の利用については、下記記事で詳しく解説しています。
車の場合は「自社ローン」のある店舗で分割購入が可能
ブラックリスト期間中は、一般的な自動車ローンを組むこともできなくなります。
そのため基本的には一括購入を検討することになりますが、一部には「自社ローン」というサービスを提供している中古車販売店もあります。
自社ローンとは、銀行や信販会社を通さず中古車販売店が独自に行う分割払いのシステムなので、ブラックリスト期間中でも利用が可能です。
総支払額は一般的な中古車相場よりも高くなる可能性はあるものの、「一括購入は厳しい」という人にとっては選択肢の一つとなるでしょう。
ブラックリストによるデメリットを正しく知ろう
クレジットカードとローンに関する制約についてはすでに解説しましたが、ブラックリストに載っている期間は以下のようなデメリットもあります。
- 保証人・連帯保証人になれない
- 一部の賃貸住宅では契約できない場合もある
しかし、これらはクレジットカードやローンに比べ、影響する人が限られている要素といえます。それぞれ解説します。
保証人・連帯保証人になれない
ブラックリストに掲載されている期間は、家族などのローンや奨学金契約時の保証人・連帯保証人にはなれません。
保証人・連帯保証人は、主契約者と同様に信用情報を照会されるからです。
特に連帯保証人の場合は、主契約者と同等の返済義務があるため、ブラックリストに掲載されていると審査には通らないといえるでしょう。
保証人と連帯保証人の違いは、次のとおりです。
| 項目 | 保証人 | 連帯保証人 |
|---|---|---|
| 責任の範囲 | 保証債務のみ | 主契約者と同等 |
| 返済の範囲 | 保証人の数で割った金額 | 全額負担 |
| 強制執行時のタイミング | 主契約者を強制執行した後 | 主契約者と同等 |
連帯保証人は主契約者と同様に、次に挙げた権利を行使することができないため、より責任が重いといえます。
- 催告の抗弁権
債権者から返済を求められたときに、「まずは主債務者(お金を借りた側)本人に請求してほしい」と主張できる権利(民法第452条) - 検索の抗弁権
債権者に対して、「まずは主債務者の財産をまず差押えてほしい」と主張できる権利(民法第453条) - 分別の利益
保証人の数で割った分の金額を払えばよいという権利(民法第427条、第456条)
ローンや奨学金の保証人・連帯保証人がどうしても必要なときは、ご自身以外の家族や親族にお願いすることも可能ですが、リスクについても十分に話し合ってください。
連帯保証人の責任については、下記記事で詳しく解説しています。
一部の賃貸住宅では契約できない場合もある
任意整理をしてブラックリストに載っている期間中は、一部のアパートやマンションなどの賃貸住宅が契約できない場合もあります。
不動産会社が利用する「賃貸保証会社(家賃保証会社)」によっては、入居時の審査で信用情報を照会することがあるためです。

信用情報を照会する賃貸保証会社は、おもに「信販系・銀行系」と呼ばれるクレジットカード会社や金融機関の関連会社で、信用情報機関にも加盟しています。
- アプラス賃貸保証
- オリコフォレントインシュア
- ジャックス(セキュアレントシステム)
- あんしん保証(あんしんプラス・あんしんプラスAC など)
- エポスカード(ROOM iD)
- クレディセゾン
- 三井住友カード
- SBIギャランティ
- 住信保証 など
ほかにも、次のような賃貸保証会社も信用情報機関に加盟しているため、信用情報を確認される可能性があります。
- ケン賃貸保証サービス
- ナップ賃貸保証
- 日本賃貸住宅保証機構
- Casa など
ブラックリストへ掲載されている期間中に賃貸を契約する場合は、次のような方法を検討してみましょう。
- 信用情報機関に加盟している賃貸保証会社を避ける
- 連帯保証人を付ける
- 契約者の名義をご自身以外にする
- URや公営住宅を選ぶ
- シェアハウスを探す
賃貸住宅を探す際は、不動産会社へ事情を伝えて契約できる物件を探してもらうとよいでしょう。
任意整理と賃貸住宅の契約については、下記記事で詳しく解説しています。
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