2022.04.27
「任意整理と個人再生、自己破産は何が違うの?」
「 自分に向いているのは、どれ?」
任意整理も個人再生も自己破産も、借金問題を解決する「債務整理」の手段の1つです。
ただし、
- 任意整理は利息をカットし、月々の返済額を見直す方法
- 個人再生は元金を含めた借金を5分の1~10分の1程度にまで減額する方法
- 自己破産は借金そのものをゼロにする方法
という違いがあります。
どの手段が自分に合っているかは、借金の総額、収入、財産の有無などによって変わってきます。
どの手段にすべきかわからないという方は、弁護士への無料相談で意見を聞いてみるのも良いでしょう。
この記事では、任意整理と個人再生の違い、それぞれのメリット・デメリット、任意整理から個人再生・自己破産に切り替える場合の注意点などについて解説します。
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目次
任意整理と個人再生にはどんな違いがある?
任意整理と個人再生には、手続き方法や借金の減額幅などに違いがあります。
以下にまとめてみましょう。
任意整理 | 個人再生 | |
---|---|---|
手続き方法 | 借入先と交渉 | 裁判所に申立て |
条件 | ・安定した収入 ・返済意思 | ・安定した収入 ・借金総額5000万円以下 ・原則3年で返済可能 ・債権者の過半数の同意 |
借金の減額幅 | 原則的に和解成立後に発生する利息(将来利息)の減額またはカットのみ | 元金を含めて1/5〜1/10程度に減額(保有する財産額により異なる) |
手続き期間 | 3〜6ヶ月程度 | 1年〜1年半程度 |
手続き費用 | 借入先1社につき約3〜5万円+減額報酬(減額分の10%以下) | 約50万円〜 (裁判所費用:約3万〜25万円、弁護士費用:約50〜60万円) |
保証人への影響 | 任意整理の対象から外せば回避可能 | 返済義務が移行 |
信用情報への影響 | 完済から5年程度掲載 | 5〜10年程度掲載 |
官報掲載 | 掲載されない | 掲載される |
それぞれの違いを詳しくみていきましょう。
(1)手続き方法
任意整理と個人再生には、裁判所を介するかどうかに違いがあります。
任意整理
裁判所を通さず、借入先(債権者)と直接交渉します。
返済額や返済回数などについて合意後、返済を再開します。
個人再生
民事再生法に則り、裁判所に借金の返済が困難であることを申立てます。
裁判所に認められれば、借金の減額や分割払いが可能になります。
(2)条件
任意整理と個人再生は、手続きにあたっての条件も異なります。
原則3年で返済できるだけの安定した収入が必要な点は共通していますが、個人再生の方がより厳しい条件となっています。
任意整理
減額後の借金を3〜5年で返済するため、安定した収入と返済の意思があることが第一条件となります。
ただし、パート・アルバイトなど非正規雇用者、年金受給者でも可能です。
夫に安定した収入があれば専業主婦でも任意整理できます。
個人再生
個人再生の最低限の条件は以下の2点です。
- 安定した収入がある
- 借金総額(住宅ローンを除く)が、5,000万円以下である
原則3年で返済していくため、将来にわたって安定した収入が必要です。
なお、8割以上の人が利用する「小規模個人再生」の場合、借入先(債権者)の過半数が借金の減額に異議を出した場合、もしくは異議を出した債権者の債権額が全体の2分の1を超えた場合には、手続きを進められないことになります。
(3)借金の減額幅
任意整理では借金の元金までは減らせませんが、個人再生では元金を含めて大幅な減額が可能です。
任意整理
任意整理で減額できる可能性があるのは、
- 将来利息…返済を続けていった際にこれから払う利息
- 経過利息…すでに発生しており未払いとなっている利息
- 遅延損害金…借金を滞納したときに発生する賠償金
で、元金は減りません。
個人再生
個人再生では、元金を含めた借金を5分の1~10分の1程度にまで減額できる可能性があります。
ただし、最低弁済額は100万円です。
どのくらい減額できるかは、借金の総額や保有する財産の価値によって決まります。
たとえば借金総額が700万円の場合、個人再生後は700万円の5分の1となる140万円まで減額できます(※)。
※保有する財産の価値が140万円を超えない場合
(4)手続きにかかる期間
任意整理と個人再生とでは、個人再生の方が手続きに時間がかかります。
任意整理
借入先(債権者)と直接交渉する任意整理の手続きにかかる期間は、早くて3ヶ月です。
一般的には4~6ヶ月程度かかります。
個人再生
裁判所に申し立てる個人再生は、手続きが複雑なため1年~1年半程度かかることがあります。
(5)手続きにかかる費用
任意整理と個人再生とでは、裁判所費用がかかる分、個人再生の方が高くなる傾向があります。
任意整理
任意整理にかかる費用は、借金がどれぐらい減額できたかによって変わります。
弁護士や司法書士に依頼した場合、借入先1社につき3〜5万円程度+減額報酬(減額分の10%以下)の費用がかかります。
借入先1社あたり5~10万円が相場といわれます。
個人再生
個人再生の場合、裁判所費用と専門家に払う費用をあわせて50万円以上が必要になります。
申し立てた人と裁判所を補助する「個人再生委員」が選任された場合、裁判所費用はトータルで20〜30万円程度となります。
裁判所によっては個人再生委員を選択しないこともあり、その場合は2〜3万円で済みます。
それに加え、弁護士や司法書士の費用が50〜60万円かかるのが一般的です。
(6)保証人への影響
任意整理では保証人への影響を回避できますが、個人再生の場合は保証人に影響が及ぶ可能性があります。
任意整理
任意整理を行う場合、特別な事情があれば交渉対象を選択することができます。
そのため、保証人のいる借金を任意整理の対象から外せば、保証人に迷惑をかけることを避けられます。
個人再生
個人再生は、住宅ローンを除くすべての借金が対象です。
減額分の借金の返済義務は保証人が肩代わりすることになるため、保証人に影響を与えることになります。
(7)信用情報への影響
任意整理や個人再生をすると、信用情報機関に事故情報が登録されます。
いわゆる「ブラックリストに載った」状態です。
事故情報が登録されている期間は、信用情報機関により異なりますが、個人再生の方が長くなる可能性があります。
信用情報機関 | 任意整理 | 個人再生 |
---|---|---|
株式会社シー・アイ・シー(CIC) | 【任意整理をした事実】 掲載されない 【延滞がある場合】 契約期間中および契約終了後5年以内 【保証会社により代位弁済が行われた場合】 契約終了後5年まで | 【個人再生申立ての事実】 掲載されない 【延滞がある場合】 契約期間中および契約終了後5年以内 【保証会社により代位弁済が行われた場合】 契約終了後5年まで |
株式会社日本信用情報機構(JICC) | 【債務整理、保証履行等】 ・契約日が2019年10月1日以降:契約継続中および契約終了後5年以内 ・契約日が2019年9月30日以前:当該事実の発生日から5年を超えない期間 | 【債務整理、保証履行等】 ・契約日が2019年10月1日以降:契約継続中および契約終了後5年以内 ・契約日が2019年9月30日以前:当該事実の発生日から5年を超えない期間 |
全国銀行個人信用情報センター | 【延滞がある場合】契約期間中および契約終了日(完済されていない場合は完済日)から5年を超えない期間 【保証会社により代位弁済が行われた場合】契約終了後5年まで | 【官報に公告された民事再生開始決定など】 当該決定日から10年を超えない期間 |
任意整理
多くの場合、完済から5年程度まで事故情報が登録されます。
個人再生
事故情報の登録期間は5~10年程度です。
(8)官報掲載
任意整理は官報に載りませんが、個人再生は官報に掲載されます。
官報とはいわゆる「国の広報誌」です。
主な読者は、税務署や市区町村の税金担当者、金融機関の担当者などと考えられ、一般の人が官報を見る可能性は低いといえます。
任意整理
借入先(債権者)と直接交渉する任意整理は、官報には載りません。
個人再生
個人再生では以下の計3回、名前・住所などが官報に掲載されます。
- 個人再生手続き開始決定時
- 書面決議または意見聴衆の決定時
- 再生計画認可の決定時
任意整理と個人再生のメリット・デメリットは?
では、任意整理と個人再生には、それぞれどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
任意整理のメリット・デメリット
任意整理の主なメリット・デメリットとして、以下があげられます。
- 将来利息や遅延損害金をカットできる可能性がある
- 原則3年(最長5年)の分割返済が可能
- 家や車などの財産を手放さなくて済む
- 家族や勤務先に知られにくい
- 保証人に迷惑をかけずに済む
- 借入先(債権者)を選択できる
- 必要書類が少なく、手続きの負担が少ない
- 借金の元金は減額できないことが多い
- 信用情報機関に事故情報が完済から5年程度載る
任意整理のメリット
任意整理は、裁判所を介さずに借入先(債権者)と直接交渉して、無理なく返済できる条件で和解する方法です。
裁判所を介して手続きする個人再生や自己破産と比べて、手続きの負担は少ないといえます。
また、任意整理では家族や勤務先の協力が必要な書類がないため、家族や勤務先に知られにくくなります。
保証人が付いている借金を対象から外すこともできるので、保証人に迷惑をかけることもありません。
任意整理のデメリット
任意整理で減額できる可能性があるのは将来利息や遅延損害金なので、借金の元金を大きく減らすことはできません。
また、信用情報機関によっては、完済から5年程度まで事故情報が登録されます。
個人再生のメリット・デメリット
個人再生の主なメリット・デメリットには、以下があります。
- 借金を5分の1〜10分の1程度に減額できる可能性がある
- 原則3年(最長5年)の分割返済が可能
- 家(住宅ローン支払中含む)や車を手放さなくて済む
- 給与などの差押えを停止できる
- 条件が厳しく、手続きが複雑
- 借入先(債権者)を選べない
- 信用情報機関に事故情報が5〜10年載る
- 官報に掲載される
- 保証人に返済義務が移る
- 必要費用が50万円以上と高め
- 手続きに1年〜1年半程度かかる
個人再生のメリット
最大のメリットは、元金を含む借金総額を5分の1~10分の1程度に減額できる可能性があることです。
借金総額が大幅に減額され、原則3年(最長5年)の分割払いとなれば、月々の返済負担も軽くなります。
原則的に家や車などの財産は処分されず、「住宅ローン特則」を利用すればローン支払い中の住宅を手放さずに済むのもメリットのひとつです。
個人再生のデメリット
個人再生が認められるための条件が厳しく、手続きも複雑です。
また、手続きに1年~1年半ほどかかり、費用も50万円以上かかります。
任意整理のように借入先(債権者)を選ぶことができないため、保証人が付いている借金も対象となり、減額された借金の返済義務は保証人に移ってしまいます。
なお、ローン支払い中の車やバイクは、原則として所有権を持つローン会社などに引き上げられます。
任意整理と個人再生のどちらが自分に適している?
メリット・デメリットをふまえ、任意整理と個人再生、それぞれに向いている人について詳しく見てみましょう。
任意整理が向いている人
任意整理は、主に以下に当てはまる人に適していると考えられます。
手続きの手間を省きたい
必要書類が少なく、裁判所に行く必要もありません。
借金額が小さい
一般的に200万円程度までの借金なら、任意整理で対応できるとされています。
家族や勤務先に知られたくない
任意整理の手続きでは、家計収支表や退職金見込額証明書といった書類を用意する必要がないので、家族や勤務先に知られる可能性が低くなります。
任意整理の対象から外したい借入先(債権者)がある
保証人が付いている借金を対象から外すことができます。
個人再生が向いている人
以下に当てはまる人は、個人再生の方が適している可能性があります。
借金額が大きい
借金額が大きい人が任意整理をした場合、利息をカットできたとしても毎月の返済額が大きくなり、返済しきれないケースがあります。
このように任意整理では借金問題の解決が難しい場合、個人再生も選択肢となります。
ローン支払い中の家を手放したくない
「住宅ローン特則」を利用すれば、ローン支払い中の住宅に住み続けることが可能です。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
- 個人再生を行う本人が所有する住宅であること
- 対象となる住宅に居住していること
- 床面積のうち2分の1以上が居住用であること
- 不動産(土地・建物)に住宅ローン以外の抵当権がついていないこと
借入先(債権者)から強制執行され、給与などの差押えを受けている
借金の返済を滞納し、督促などに応じずそのままにしていると、最悪の場合は給与などの差押えに至ります。
任意整理の場合、給与差押えのまま返済を続けなくてはいけません。
これに対して個人再生の場合は、以下のいずれかで給与の差押えを中止できます。
- 個人再生の申立て後に、裁判所に「強制執行の中止命令の申立て」を行う
- 個人再生手続きの開始が決定されると強制執行が停止される
任意整理と自己破産の違いとは?
まず、任意整理と自己破産の違いを、簡単に整理しておきます。主なものは、以下の通りです。
- (原則)借金の元金は減額せず、将来利息をカットし、元金は3〜5年かけて返済していく
- 財産を失うことは原則ない
- 裁判所を介さない(本人と借入先との直接交渉)
- 対象とする借入先を選べる
- 借金を全額なくす(返済義務を免除する)
- 裁判所を介した手続き
- 一定以上の価値のある財産を失う
- 対象とする借入先を選べない(全ての債権者が対象)
そのほか、任意整理と自己破産の特徴を表にまとめました。
項目 | 自己破産 | 任意整理 |
---|---|---|
減額幅 | すべての借金について返済義務が免除される | 将来利息のカットと過払い金があれば減額 |
年間利用者数 | 7万7763件(2020年※司法統計より) | 約100万人 ※推定 |
家や車などの財産 | 原則、売却されて債権者に分配 | 維持できる(※任意整理の対象から外すことが前提) |
生命保険等 | 解約返戻金が20万円以上になる場合は解約して債権者に分配 | 解約の必要はない |
家族に知られる? | 知られる可能性が高い | 知られる可能性はほぼない |
会社に知られる? | 知られる可能性は低い(※) | 知られる可能性はほぼない |
保証人への影響 | 返済義務が保証人に移る | 保証人が返済する必要はない(※任意整理の対象から外すことが前提) |
職業・資格 | 手続き期間中、一部の職種、資格が制限される | なし |
信用情報に事故記録が残る(ブラックリスト) | 約5〜10年 | 完済から5年 |
官報 | 載る | 載らない |
借金原因 | 問われる | 基本的には問われない |
裁判所手続き | 必要 | 不要 |
手続き期間 | 約6ヶ月~12ヶ月 | 約1~3ヶ月 |
手続き費用の目安 | 約50~70万 | (債権者1社あたり)3~5万+減額報酬10~20% |
※会社からの借入れなどがないことが前提です。
- 年間の利用者数は 任意整理のほうが10倍以上多いこと
- 任意整理なら 家族に知られる心配が少ない一方で自己破産では知られる可能性が高いこと
- 自己破産の手続き中は 一部の職業や資格に制限が加わること
などが挙げられます。
一方で、任意整理と自己破産に共通するものもあります。
信用情報機関に事故記録が残るのは同じです。
いわゆる「ブラックリストに載る」状態のことです。
自己破産は約5年〜10年間、任意整理は完済から約5年間、記録が残ります。その間は、カードローンやキャッシングなどで、新たな借入ができません。
「債務整理で信用情報に生じる影響とは?生活への影響や注意点も解説」
任意整理と自己破産どちらを選ぶ?
注意しなければいけないのは、任意整理にするか、自己破産にするか、債務者が本人の意志だけで自由に選べるわけではない点です。
本人の収入や借入額、所有している財産によっても判断が異なりますし、また自己破産では『支払不能状態である』と裁判所が認めることが、条件になっています。
誰でも借金をゼロにできるわけではない、ということです。
結論からいうと、自己破産と任意整理それぞれに向いている人は、次のように整理できます。
- 自己破産→借金を返済する能力がない人が選ぶ
- 任意整理→借金を返済する能力や意欲がある人が選ぶ
どんな債務者が、どちらの手続きに適しているのか、これから詳しく解説していきます。
収入や借金額で選ぶなら?
まず「借金が返済できない状況なら自己破産、できる状況なら任意整理」が有効です。
ここでいう「返済できる状況」とは、債務者に安定した収入があり、返済する意思があることを指しています。
具体的には、現在の借金総額を36ヶ月(または60ヶ月)で割った金額を毎月支払えるかどうかが、判断の基準となります。
任意整理は原則、将来利息をカットした後の元金を3〜5年で返済する手続きだからです。
例えば、借金が300万円あるとします。これを36ヶ月で返済する場合、毎月の返済額は約8万3000円です。
この金額を3年間、余裕を持って払い続けられるなら任意整理が有効です。
逆に、払い続けられないなら任意整理は難しく、自己破産を検討すべきケースだといえます。
保証人に迷惑をかけないようにするなら?
保証人に迷惑をかけたくないなら、任意整理を選択するべきです。
通常、債務整理をすると、返済義務が保証人に移ります。
しかし任意整理は、交渉の対象にする債権者を選べるという特徴があります。
そのため、
保証人つきの債務を対象から外せば、保証義務が保証人に移ることはありません。
一方、自己破産は返済義務が保証人に移ります、裁判所を介して手続きを進める上、「債務者の財産を売却・精算したお金を、債権者に公平に分配する」ことで債権者を保護する狙いもあり、全債務を対象としなければならないのです。
他人に知られず手続きを進めたいなら?
任意整理も自己破産も、
友人や会社にバレる可能性は低い、といえます。※友人や会社からの借り入れがないのが前提です。
戸籍や住民票に、記録が残らないためです。
自己破産の情報は官報に記載されますが、官報を見ているのは規約書の税金担当者や金融機関・信用情報機関で働く一部の職業の人たちだけ。
友人や会社が目にする機会は、まずありません。
では、家族はどうでしょう。
自己破産の場合、持ち家など財産を没収されるため、
家族にはバレる可能性が高いといえるでしょう。
一方、
任意整理は、弁護士に手続きを任せていれば、
家族にバレる可能性を抑えられます。
弁護士から書類を送付するときは送り主を法律事務所でなく個人名にするなど、配慮してもらえます。
借金の理由がギャンブルや浪費だったら・・・
借金の理由がギャンブルや浪費だと、
裁判所が自己破産を許可しない場合があります。これを免責不許可事由といいます。
免責不許可事由とは、自己破産において、借金返済の免責が認められない可能性がある事情のことです。具体的には、次のようなものがあります。
- 借金の原因が、浪費またはギャンブル、その他の射幸行為による場合
- 返済できないとわかっていて借り入れを行った場合
- 過去7年以内に、自己破産による借金の免除を受けている場合
など
任意整理と自己破産の他にも選択肢がある
任意整理では借金を返済できそうにないが、かといって自己破産をして大切なマイホームを失いたくない、そんな場合に適しているのが、
個人再生です。
個人再生も、自己破産や任意整理と同じ、債務整理の方法の1つです。
債務者に返済不能のおそれがあることを裁判所に申立てて、借金を減額してもらいます。
個人再生は、自己破産ほど減額幅は大きくありませんが、借金を1/5〜1/10にできます。原則として3年(最長5年)かけて、残りの借金を返済していきます。
また、ほとんどの財産を没収されてしまう自己破産とは違い、個人再生は財産を残すことができます。
マイホームも、「住宅ローン特則」を利用し、ローンの返済を続けていくことで、手放さずに済むのです。
一方で、ブラックリストに載る、官報に掲載される、保証人に債務の支払い義務が移るなどのデメリットがある点は、注意しなければいけません。
「個人再生とは?自己破産との違いやデメリットをわかりやすく解説」
任意整理から個人再生や自己破産に切り替えできる?
「任意整理で借金を解決しようとしたけれど、思っていたより返済額が減らない」など、任意整理での問題解決が難しい場合は、個人再生や自己破産に切り替えることも選択肢です。
- どんな場合に切り替えが検討されるのか
- 切り替える場合の注意点
などについて解説します。
任意整理から個人再生への切り替えが検討されるケース
任意整理から個人再生への切り替えを検討するのは、主に以下のようなケースです。
想定していたよりも借金総額が多かった
借金(元金)が多額になっている場合は、任意整理での解決が難しい可能性があります。
任意整理で減額されるのは原則的に和解成立日以降、完済までに生じる予定だった利息(将来利息)のため、借金総額が多額の場合は3〜5年での完済が難しい場合もあるのです。
個人再生であれば、債務総額を5分の1~10分の1程度に減額できるため、月々の返済負担を軽減できます。
任意整理が難航している
以下のように任意整理が難航している場合は、裁判所を介した方法で法的強制力を持つ個人再生のほうが適している可能性があります。
借金をしてから一度も返済をしないまま任意整理の交渉を始めた場合、返済の意思があるのかどうか疑われ、任意整理になかなか応じてもらえない場合が多いです。
また、借入先(債権者)の中には、そもそも任意整理の交渉に応じない方針のところがあります。
そのほか、多くの借入先と和解できても、一部の債権者だけ任意整理に応じずに訴えを起こしてしまうようなケースも考えられます。
任意整理での返済が難しくなった
任意整理後、合意した返済額では生活が苦しい場合は、個人再生に切り替えることで月々の返済負担を軽減できる可能性があります。
任意整理では利息のカットに止まりますが、個人再生では借金総額を5分の1〜10分の1程度にまで減額できる可能性があるからです。
任意整理から個人再生に切り替える場合の注意点
任意整理から個人再生に切り替える場合、次の点に注意しましょう。
個人再生はすべての借入先(債権者)が対象
任意整理は、保証人のいる借金を対象から外せるので、保証人に迷惑をかけることを避けられます。
しかし、個人再生はすべての借入先(債権者)が対象となります。
その際、減額された分の借金の返済義務は保証人に移るため、保証人が一括請求されることになります。
信用情報に事故情報が載る期間が長い
個人再生をした場合、信用情報機関に事故情報が5〜10年掲載されます。
個人再生手続開始決定から10年、または完済から5年程度事故情報が掲載されているので、任意整理よりも影響が長く続きます。
任意整理にかかった費用は戻らない
個人再生に切り替えた場合でも、それまでにかかった費用は戻りません。
個人再生をすると官報に掲載される
個人再生をすると、開始決定後・書面決議の決定後・認可決定後の計3回、官報に名前や住所が載ります。
手間も費用もかかる
裁判所に申立てる個人再生は、必要な書類も多く、申立て準備から個人再生計画の認可決定が出るまでには1年~1年半ほどかかります。
費用も裁判所費用と弁護士費用を合わせると50万円以上かかります。
なお、債務整理には任意整理や個人再生のほかに「自己破産」というものもがあります。
次に、自己破産が任意再生・個人再生とどのように違うのかについて、見ていきましょう。
任意整理から自己破産に切り替えることも可能
任意整理で無事に借金を完済できればいいのですが、残念ながら、その返済の途中で「これ以上の返済は難しい」状況に陥る可能性もあります。
そういった場合、再び任意整理を行い(最和解)、毎月の返済額を見直すという選択肢もあるのですが、大きく負担を減らす効果は望めません。
そんなときは、任意整理から自己破産に切り替えることも可能です。
「
マイホームなどの財産を手放さないといけない」
「
官報に名前が掲載される」
などのデメリットもよく理解した上で、任意整理を依頼した弁護士に、切り替えを相談してみましょう。
任意整理した時の弁護士が辞任した時は別の事務所でも問題ありません。
任意整理と個人再生、自己破産どれにするか決めていなくても無料相談できる
ここまで見てきたように、同じ債務整理の方法でも、任意整理と個人再生、自己破産では、さまざまな違いがあります。 借金の減額幅のみならず、その後の生活が受ける影響も異なるのです。
基本的には、「借金を返せる場合は任意整理」「借金を返せない場合は自己破産」を検討するべきです。
ただし「家を失いたくない」などの希望がある場合には個人再生も選択肢に加えましょう。
とはいえ、どの手続きが自分に適しているか、債務者本人が判断するのは難しいことでしょう。
そんなとき頼りになるのは、弁護士などの専門家です。
債務整理をしようかどうしようか、任意整理か自己破産か等、迷っている状態でも、無料相談は可能です。
どの債務整理方法が良いかお悩みの方はお気軽に弁護士法人・響までご相談ください。
相談無料 全国対応 24時間受付対応
- 月々の返済額を5万→2万へ減額できた事例あり
- 今お金がなくても依頼可能!
- 相談は何度でも無料
- 最短即日!返済ストップ
2022.04.26